カメラ、写真に関連した漫画を紹介するWikiです。

著者貴島煉瓦
掲載誌・連載時期コンプエース'12年5月号〜連載中
単行本角川コミックスA 1巻〜

 1954年。冬には神武景気が始まって、まだ敗戦の傷の癒えなかった日本にようやく再起の兆しが見え始めた時期でありましょう。毎日新聞夕刊でその後48年間に渡って世相を風刺する漫画の代表格となった「まっぴら君」が始まり、「ゴジラ」一作目が上映され、松下電器(パナソニック)から小型電気掃除機が発売されると日本の成長の礎となるような物が次々と世に出た時代でもありました。加藤芳郎氏は作品ばかりでなく、自身もその後「連想ゲーム」を筆頭にテレビで人気を博した方でもありましたし。日本初の缶ジュースが発売されたのもこの年でしたし、流行歌の「お富さん」「岩壁の母」もまた今日まで多くの人々に親しまれています。
 カメラはどうであったか? 何と言ってもその年に発売されて伝説となり、今尚愛好者が多いカメラと言えばライカM3で、それまでライカに追いつき追い越せと次々に新しいカメラの改良を重ねてきたキヤノン、ニコンの両巨頭はレンズの優秀性が認められて、本体の改良も進んでさあこれから本格的な反撃だという時に
「また遠くに引き離されたか!」
 と苦渋を舐めさせられた存在でした。使用レンズに合わせてフレームが切り替わるファインダー、レバーによるスピーディかつスムースなフィルム巻き上げ、クリアなファインダー……とても当時の国産カメラの及ぶところではありません。私も実際に手にとらせてもらって実感しました。メンテナンスの行き届いたM3の操作感の何と快いこと。これは今のデジカメでは味わえない魅力です。だからこそフィルムカメラ派としては細々とでもフィルムを供給していただいていることに感謝しなければならず、事業を守るために一本でも多くのフィルムを消費しなければならない訳ですが……。

 今回紹介する「レンズドロップス」は銀座のカメラ屋から始まります。ヒロインの加賀屋真琴は店主だった祖父の亡き後を継いで店を切り盛りしている女子高生です。実は父親から
「この店の固定資産税を払えなかったら、店は取り潰して駐車場にする」
 と言い渡されており、それだけに真琴は切実な思いで店舗経営に勤しんでいる訳ですが、(需要の先細っている)フィルム現像とフィルムカメラ修理で食いつないでいる現状ではそれほどの利益を出せるはずがありません。まして地価の高い銀座では!
 困った真琴は友人の星川桃、南菜月に協力してもらって何とか店をやりくりしていますが、そんなある日、真琴は近所の女の子が飼っている犬を探している最中に不思議な能力に覚醒します。以前に撮った女の子と桃と菜月と犬が一緒に映っている写真を持ち、祖父の遺品のライカM3を持った途端に突然目の前に現れるフィルム、そこに写っていたのは犬を探すための手がかり。どうやら写真を額に翳すと無くした物を探すためのヒントが見えるのは真琴の祖父が持っていた超能力のようで、その後探索の果てに犬が無事見つかったことをきっかけに真琴は副業として写真から無くした物を探す依頼を受けて探す仕事を始める事にした、というお話です。
 尤もこの能力がどうしたら発動するのかはまだ分かっていないことがありますし(それがどういうことかを真琴が考えていくのも物語のポイントになってますが)、真琴が純粋にカメラ女子(写真部はあるが、ある事情から真琴は仮入部の段階でやめている)として活動する機会もまだ少ないです。それは今後に期待ですね。写真部の長谷川部長も真琴達の良き理解者として立ち回っているので、そちらも楽しみです。

 カメラで最初に登場するのはライカM3(二回巻き上げタイプ)+エルマー50mmF2.8ですが、故障中で真琴では修理できないということで現状ではマジックアイテムになってます。撮影に使っているのはローライフレックス3.5Fですね。少女時代の回想の場面で真琴が持っていたのはニコンF2アイレベルのようです。菜月はEOS5DMarkII+EF70-200mmF2.8L、桃はiPhoneを撮影に使ってます。写真部員はソニーNEX-5とパナソニックGF2、部長は富士フィルムナチュラクラシカとパナソニックルミックスGH1、その他桃の祖父の持っているカメラとしてハッセルブラッドSWC、同じく500C/M、ローライフレックス2.8FX、リコーオートハーフ(初代)、ライカIIIa、ノクチルックス50mmF1.1が登場しています。その他名前だけですがイグザクタ6×6(VXを縦型にしたようなの?)、ベストポケットコダック、ローライの試作機が出てますね。これだけのカメラがあるなら桃も借りればいいのに、と思ったのですがその線は結局なくなりました。その辺を明かせばネタバレになるので事情は秘密ですが。

 先ににも触れましたが真琴はデジタルを肯定しつつも
「慣れてるし」
 という理由でフィルムカメラを愛用しており、その手間隙も楽しんでいるようなのでこれから先その辺りが描かれる機会も増えることに期待して読んでいます。思えばデジタルや写メが普及するまでは誰もがフィルムで写真を撮っているのは普通のことでしたし、プリクラから一歩進んで写ルンですやお父さんのカメラで写真を始めたカメラ女子とてその例外ではありません。確かに一度に撮影できる枚数も少なければ撮ったその場で出来を確認する訳にもいかず、その後の処理も手間です。レコードからCDにオーディオの主流が移ったように、写真の記録媒体がフィルムからフラッシュメモリに変わったのも時代の潮流と言ってしまえばそれまでですが、
「古臭いカメラで通ぶってジャマするの…(は非常識だわ)」
とまで言う作中の写真部員の言い分は暴言ではないですか?
「写真にカメラの古い新しいは関係ないよ」
という真琴のセリフもまた真理だと思うのです。

関連リンク
「レンズドロップス」単行本1巻発売記念フォトコンテスト

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