カメラ、写真に関連した漫画を紹介するWikiです。

 
(デジカメ少女百景 一迅社)
(カメラ少女日和 学研)

 萌え系ブームの中で、かわいい女の子のイラストを使った本も随分出るようになりました。電車、飛行機、家電製品、国家を女の子に擬えたり、古典文学を萌え要素付きで現代風に解釈した本も存在します。ですがとりあえずかわいい女の子の絵を描いておけば売れるだろうという内容のも(悲しいかな)かなりあることもまた事実で、そこで展開されているストーリーから構成がなっていなかったり、不勉強ゆえの間違った解釈があったりするから読み物としては至極つまらないのもあるのです。言い換えれば萌えという名のソースで、ベースになっている素材をきちんと調理できていないのを誤魔化そうとしているようなもの。ブロガーや同人誌ならまだ大目に見てもらえるでしょうが、商業ベースでそれは酷いのではないですか。
 私は高校時代に「枕草子」を現代のギャル語で訳した「桃尻語訳枕草子」(橋本治 河出文庫)で古典と日本平安時代に親しみ、古事記の子孫繁栄万歳という面をメインに一流官能作家ならではの手腕で丁寧に解説した「知ってるようで知らない古事記」(睦月影郎 イーストプレス 絶版中)で日本神話に親しむことになった者なので、「萌えるナントカ」によって新しい世界に興味を持つこと自体否定はしません。寧ろ大いに結構じゃないかと思ってます。同時にこの種の本が根幹に持つテーマとして、読者にとって未知の領域への入門書というのはある訳ですから、肝心の内容が低クオリティで失望するということがあったらそれはまずかないかとも思います。その領域をよく知っている人にも読んでもらいたいなら尚更そこには注意を払わなければなりますまい。おかしい点があったらそこはズバリと指摘してくるのが読者なのですから(例:ライカのそのモデルは戦後大分経ってからのモデルだが、時代的に戦前のでないとおかしい)。そういう次第でその筋での第一人者と言われている上記の先生のような方の著書と萌え本を同じ俎上で比べること自体間違ってはいないか、とは言っても最低限取り扱うテーマの何たるかは勉強しておくべきじゃないか、とその辺りが分かっていない著書を見るたび思う私です。

 これから紹介するイラスト集もそういう流れの中で発売された本です。右ページで取り上げられているカメラについて解説がされて、左ページでそのカメラをモチーフにした、かわいい女の子の絵が描かれているという構成は両方とも同じです。レビューも簡潔かつ丁寧にカメラの特徴や機能、カメラ用語の解説についても述べられてますので選ぶ上での参考にはなりましょう。これは私が自分の使っているカメラを好きな俳優やアニメ、漫画のキャラクターが持っていると嬉しがるからそう思うのかもしれませんが(現に「瞳のフォトグラフ」を読んでリコーGRD、「銀塩少年」を読んでコンタックスRTSIIを購入してます)、気に入った娘がいるならカメラを欲しいと思うことがあるかもしれません。
 ただ、イラストレーターの不勉強ゆえの祟りというのはあって、「デジカメ少女百景」ではペンタックス645Dを三脚に据えて使ってるのはいいとしても、センターポールを伸ばし気味にしてるのは拙くないか(不安定になってブレる元です)とか、EOS-1DsIIIの女の子とのバランスがおかしい、それとシチュエーションが今一つ練れてなくて、こういうのはあり得なくないか、或いはこのカメラの売りが知らない人には分からないというような絵も散見されます。滅多に絵を描くことのない私はその辺り余り頓着せず、何回か読んでやっと
「あれ?」
 と思ったのですが。
 その点「カメラ少女日和」ではデジキャパが監修しているだけあって、細かい点まで煮詰められてます。作家様のコメントを読んでいても、編集部から細かいチェックがあったことを匂わせる一文がありますし、実際シチュエーションの練りこみは深ければ、カメラ本体と女の子のバランスも考えられてます。防水タイプなら川やプールを背景にして、スイバル式モニターがあるなら下に向けてローアングルから被写体を狙う、とカメラの持つ「ならでは」の機能や特徴もイラストから分かるようになってますし。イラストとは別に実機の写真と細々した特長も写真で解説しているところもポイント高いです。
 巻末には撮影上のワンポイント解説や漫画で分かるカメラ選びも収録されており、更に「瞳のフォトグラフ」の作者インタビューも収録されてます。こちらでも
「僕らはカメラのことはこれまで分からなかったし、漫画にするのも難しいジャンルだと思った。でも初心者なればこその視点で一から勉強して撮影の実践も重ねて、そうして自分なりに思ったことを漫画という形でつづってきた」
 ということが繰り返し語られており、カメラ漫画としていかに丁寧に構築なさってこられたかということが感じられました。この漫画がカメラ屋さんの店先に置かれていたという読者からの報告もあり、専門的な知識と経験をお持ちの方にも認められているという、これは証左です。少しのことであっても、きちんと資料を調べることは重要ですね。

 これらのイラスト集に範を取り、クラシックカメラを扱った「クラシックカメラ少女」も2012年の冬コミで販売されました。扱われているカメラは全て現物を元に描かれたというだけあって女の子とカメラの比率はきちんと考えてあれば解説も実際の使用に基づく印象について触れられてますし、絵師様のこだわりも上手い具合に絵の中に反映されているな、と見ていて思いました。あえて後ろ姿だけ描いている、カメラのロゴや絞り、距離目盛の一つ一つまで丁寧に描き込む、レンジファインダー機のアクセサリーとしてミラーボックス(一眼レフに変換してマクロレンズや望遠レンズを使いやすくするアダプター)、それも滅多に中古でお目にかからないタイプのを登場させる、等々。そういうところを見てみるのも楽しいのではないでしょうか。後々メンテナンスできるかどうかについても触れてあるのはありがたいです。
 版元サークルのsuntrap notes.様によりますとこの先第二集も予定されており、そちらでもフィルムカメラ以来カメラと写真に親しんできた方には嬉しいラインナップとなっていますのでこちらも楽しみですね。
 現在とらのあなメロンブックスCOMIC ZINで店頭販売と通販がされていますのでそちらでお求めください。

 追記。5/5のコミティアで明らかになりましたが、'12年8月予定で「クラシックカメラ少女」が商業ルートで発売されることになりました。続報があれば随時お伝えしますが、増ページになるということなので内容が大いに期待されますね。


この記事を読まれた方にはこちらの作品もお勧めします。
瞳のフォトグラフ
ニナライカ
たまゆら
チャイム

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