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arucard_72 2014年04月28日(月) 19:30:52履歴
注意:人によっては胸糞展開あり(アブノーマルなエロはありません)
「枕… ですか…?」
「ああ、詳細はそこの封筒に入っている。段取りを揃えてから、明日、沙理奈に渡せ」
突然呼ばれた社長室での命令は、20代前半の新人プロデューサーにとって、信じられない内容のものだった。
『担当アイドルである松本沙理奈に、枕を斡旋しろ』
社長の命令とは、担当アイドルを風俗嬢の如く扱え、といった過酷なものだった。
「……沙理奈は、枕なんかしなくったって」
「黙れ」
社長がデスクをゴンゴンと叩き、新人Pの抗議を一蹴した。
その眼は冷たい光を放っており、決して冗談などではないことがわかる。
(沙理奈に、枕……)
松本沙理奈は、彼が初めて担当したアイドルであり、唯一の担当アイドルだ。
前任Pの退社にあわせて、新人の彼が担当を引き継ぎ、それ以来の半年間、身を粉にして彼女のプロデュースを行っている。
(わざわざ枕をする必要があるのかよ…!?)
芸能界の先輩である沙理奈に引っ張られる形ではあったが、アイドル『松本沙理奈』のプロデュースは上手くいっていた自信があった。
それだけに、この社長の命令は、とても納得がいくものではなかった。
「社長… 考え直してはもらえませんか? 今、彼女は確実に仕事が増えて…」
「眠たいこと言うんじゃねぇ。お前は何も考えずに仕事をすればいいんだよ」
再度、机をゴンゴンと叩く。
(冗談じゃない…!)
自分がスカウトして発掘したアイドルではないが、彼は松本沙理奈というアイドルの才能と可能性に、絶対の自信を持っていた。
このまま、自分がプロデュースを重ねれば、きっとトップアイドルになれると信じているのだ。
「社長、松本は『枕』なんて汚い仕事をしなくても、きっとトップアイドルになれます! いえ、俺がしてみせます!」
「大した自信だが、半年しか仕事をしてないヒヨッコが言っていい台詞じゃないな。お前、この業界舐めてるのか?」
「そんなことはありません!」
「だったら、今すぐプロダクション辞めて、自分1人でアイドルスカウトしてプロデュースしろ。自信があるんだろ?」
その言葉に、Pは思わず絶句してしまった。
松本沙理奈をトップアイドルにする自信はある。それに至るまでの確固たるヴィジョンもある。
だがしかし、それらは全て、このプロダクション内に在籍していることが必要十分条件なのだ。
(プロダクションを辞めて……)
思考が停止したPを面白くなさそうに眺めると、社長はやや口調を柔らかくして、諭すように言った。
「おい。お前も、そろそろ『こういった』仕事に慣れとかねぇと、この業界生きていけねぇぞ」
「……………」
「…返事」
「……はい」
「何も考えずに段取り揃えて、明日の朝イチで沙理奈にこの封筒を渡せ、いいな?」
「……はい」
搾り出すようにPが答える。
とても納得はできない。しかし、この場はそう返事するしかなかった。
ノロノロとデスクの上の封筒を手に取ると、Pは「失礼します…」と短く声を出して、社長室を後にした。
「………はぁ」
1人残った社長の溜め息が、やけに大きく社長室に響いた。
翌日、悲壮な表情で出社したPは、同僚の事務員や先輩Pに挨拶をすると、個別面談に使われる会議室に自分の担当アイドルを呼び出した。
先に会議室に入って10数分後、コンコン、というノックの音と「失礼しまーす」という軽い声と共に、彼の担当アイドル、松本沙理奈が入ってきた。
松本沙理奈、22歳。バスト92センチのダイナマイトボディが売りの、プロダクション所属のアイドルだ。
Pにとっては初担当のアイドルというだけでなく、業界未経験の自分を育ててくれた大恩人である。
さらに言えば、御法度と知りながら、Pが密かに想いを寄せる女性でもある。
「オハヨー、Pチャン。昨日は冷えたねぇ、風邪ひいてない?」
「ああ、おはよう… お前こそ、身体、冷やしてないか?」
「ん、アタシはだいじょーぶ。で、今日はどうしたの? 何か営業入った?」
屈託の無い笑顔を浮かべて、Pの真横の椅子に座る。
その瞬間、豊満すぎる爆乳が軽く弾むのが見え、Pはさりげなく視線を外した。
「ああ、その…… 社長直々の仕事の依頼があってね……」
「へぇ〜、珍しい。いっつも社長室でふんぞり返ってるだけなのにねぇ」
クスクスと沙理奈が笑う。
小悪魔めいた微笑に、色々な意味でPの胸が高鳴った。
(覚悟、決めるぞ……)
.・ ・
Pは1度だけ深呼吸をすると、胸ポケットに入れた2枚の封筒を取り出し、その内1つを沙理奈の前に置いた。
「沙理奈… 言い難いんだが、『枕』だ…」
Pがその言葉を絞り出すと、沙理奈は大きく目を見開いてPを見た。
その表情を見て、Pは手の内にあるもう一つの封筒を強く握って言った。
「社長の命令だ… だから、俺やお前がプロダクションに居る限り、断ることは出来ない仕事だ… だから、俺は、俺は…!」
力強く言い、掌の封筒を机に置こうとした、その瞬間だった。
「うん、いいよ、誰と?」
悲壮な覚悟で決断を下そうとしたPの耳に届いたのは、そんな沙理奈の、あっけらかんとした言葉だった。
「…え?」
「いや、だから、誰とエッチすれば良いの?」
呆然とするPとは対照的に、はっきりとした口調で沙理奈が尋ねた。
「『枕』なんでしょ? その封筒に詳細入ってるの? あ、それともそっちの握ってる方?」
沙理奈が机の上に置かれた社長の封筒と、Pが握っている封筒とを見比べる。
しかし、Pはそんな沙理奈の疑問に答えられる心情ではなかった。
(え… どういうことだ……?)
その時のPの顔は、“呆然”という言葉がピッタリの表情であった。
沙理奈の言葉を信じられなくて、いや、信じたくなくて、縋るような眼で彼女を見つめた。
「ちょ、ちょっと、なんて顔してんの? Pチャン、具合でも悪いの?」
本気で心配そうに、しかし、全く『枕』の衝撃を感じさせない沙理奈の口調に、Pはようやく、彼女が『枕』を嫌がっていないことを理解した。
「いいのか、お前… 『枕』なんだぞ…?」
「良いも悪いも、社長の命令なんでしょ? 断れないじゃん」
「そうだが… 俺は、きっとお前が嫌がると思って……」
思考が滅裂になって、上手く言葉を作ることができない。
「はぁ、なんで?」
「なんでって、お前……」
「Pチャン疲れてる? つーか、そっちの封筒は何なのよ?」
Pの態度に苛立ちが募ったのか、沙理奈は手を翻すと、Pが握っていた封筒を強引にもぎ取った。
「あ、ちょ、見るな!」
「えっと、なになに…… え、辞表?」
その封筒のオモテに書かれた『辞表届』の3文字を読み取り、沙理奈は困惑の表情を浮かべた。
「……Pチャン、プロダクション辞めるの?」
「ち、違う! いや、場合によってはそういう展開もあるかと思って…」
尻すぼみに声が小さくなっていく。
そして、それにあわせるように、沙理奈の表情も、次第に冷たいものへと変わっていった。
「確認するけどさ。Pチャン、アタシが『枕』を嫌がると思ったの?」
「……ああ」
「なんで?」
「なんでって、お前… お前はそんなことしなくったって、一流のアイドルになれるから…… それに…」
「それに?」
Pは1つ息を吸うと、小声で捲くし立てるように言った。
「それに、お前の貞操を守りたいと思ったから…」
「はぁ!?」
素っ頓狂な沙理奈の声が会議室に響いた。
「貞操?」
「ああ、そうだ」
言葉少なく会話を交わすと、沙理奈は思わず天井を仰いだ。
「Pチャンさぁ… もしかしてと思うけど…」
「な、なんだ?」
「アタシのこと、処女だと思っている?」
「…違うのか?」
その瞬間、双方の表情が凍りついた。
沙理奈は能動的に、Pは受動的に。
「………………キモ」
「…え?」
「マジでキモい…… なにそれ……」
本当に気持ち悪く感じているのだろう、沙理奈はハンドバックからお気に入りのハンカチを取り出すと、そっと額に当てた。
「アンタさぁ、こんなナリの、こんな派手な女が、22歳の今まで処女を守ってると思う? だいたい、テレビの深夜番でも、アタシの立ち位置は『猥語もアリのお色気系』でしょ?」
「あれは、でも… お前のアイドルとしてのキャラクターだろ?」
「アンタが騙されてどーすんのよ……」
はぁ… と、深く深く溜め息を吐くと、沙理奈は胡乱な目でPを凝視した。
「初体験は中二の夏。相手はちょっとヤンキー入ったイッコ上の先輩。あとさぁ、聞きたく無いとは思うけど、『枕』の経験もアリよ!」
その告白に、Pは雷に打たれたようにショックを受けた。
「ほ、本当なのか……?」
「当たり前でしょ! ハタチ越えてる『カラダが売り』のアイドルに、『枕』の斡旋が来ないわけないでしょ!?」
怒りで気持ち悪さが吹き飛んだのか、沙理奈がハンカチを机に叩き付けて怒鳴る。
「アンタ、童貞でしょ」
「い、いや、違うぞ」
「嘘でしょ、それ」
「違う!」
数瞬、無言の時間が流れ、不意に沙理奈が「あぁ…」と納得するように頷いた。
「わかった、素人童貞だ」
「…………ッ!」
「しかも、風俗嬢に説教するタイプだ」
沙理奈の鋭い指摘に、ぐうの音も出なくなってPが黙り込んだ。
「ゴメン、アタシ言い過ぎ… でも、アンタ、オンナに夢見すぎなのよ… そりゃ、アタシは夢を売るアイドルだけどさ……」
バツが悪そうに沙理奈が謝罪する。
しかし、逆にそのフォローが、男として、プロデューサーとして、Pの胸に深く突き刺さった。
「……ちょっと、お互いに頭冷やそうか」
ポツリ、と呟くように言うと、沙理奈は立ち上がって会議室のドアに歩み寄ると、カチャリ、とドアに鍵をかけた。
「お、おい、沙理奈…?」
「黙ってて。変な声出さないでよ」」
静かにそう言うと、沙理奈は椅子に腰掛けるPの前でしゃがみ込むと、何の躊躇いも無く両手をPのスラックスに伸ばした。
「お、おい…!」
「声出すなって言ったでしょ」
そのまま、ひどくスムーズな動作でスラックスのベルトを外すと、慣れた手つきでファスナーを下ろし、細く綺麗な指を社会の窓に潜りこませた。
「さ、沙理奈…」
「…………」
流石にここまでくれば、沙理奈が何をしようとしているのか理解できる。
(止めさせないと…ッ!)
心の中で、強く強くそう思う。
しかし、Pの身体は、ちっとも思いどおりに動いてはくれなかった。
「ん、けっこうデカイじゃん」
ついに沙理奈の指が目的のモノを探り当て、遠慮なしにトランクスの外へとソレを引っ張り出す。
半勃ちのペニスが外気に触れ、Pの背筋がゾクリと震えた。
「…楽しめそうじゃん」
ほんの少し和らいだ口調になった沙理奈が、開いた口をそのままに、Pの股間に顔を寄せ、そして、
ぱくっ、
洗浄もなにもしていないペニスを、いきなり口腔いっぱいに頬張った。
じゅぷ、ぢゅ、ぢゅぢゅ…!
会話の無い会議室に、沙理奈のフェラチオ音だけが静かに響く。
(嘘だろ… 沙理奈が、こんな……ッ!?)
沙理奈のフェラテクは相当なものだった。
最初に苛烈なバキュームでペニスを勃起させると、片手で竿をしごいたり、舌で亀頭をねぶったり、陰嚢に吸いついたりと、様々なヴァリエーションでPのペニスを責め立てた。
それは、これまでPが経験した風俗嬢のテクニックと比べても、遜色ないどころか、軽く凌駕するテクニックだった。
「じゅぷ… ふぅ…… どう、気持ち良い?」
いつもテレビや雑誌で見せる、悪戯っぽい瞳でPを見上げて言う。
どうしようもなく不謹慎だと感じながらも、Pは胸の鼓動が高鳴るのを感じてしまった。
「ねーぇー、気持ち良くないのぉ?」
両手で竿をごしごしと擦りながら、亀頭を、べろん、と舌で舐め、さらに、チロチロ、と尿道を掘削するように責められる。
その凄まじい快感に、Pは思わず、「気持ち良い…!」と答えてしまった。
「ふふ… ちゃんと言えるじゃん… それじゃ、素直なPチャンにご褒美♥」
沙理奈はそう言うと、片手でペニスをしごきながら、あまった片手で器用に上着を脱ぎ、さらに、フロントホックのブラジャーを、パチッ、と外した。
ぶるん、という擬音が聞こえてきそうな揺れ方をして、沙理奈自慢の92センチの爆乳が露わになった。
「ん〜、くちゅ、ぐちゅ…… えぅ〜〜……」
慣れた調子で舌を上手く使い唾液を口いっぱいに分泌させると、沙理奈は爆乳の谷間に唾液を、だらぁ、と垂らした。
ほんのり上気した桜色の爆乳が、唾液に濡れてぬらぬらと光る。
それは恐ろしく淫靡な眺めだ。
「挟んだげるね…」
沙理奈は完全に勃起したPのペニスを胸の谷間に挟むと、ギュッ、と両手で爆乳を寄せ、ゆっくりと上下に動かし始めた。
ゴムまりの様な重量感たっぷりの爆乳は、蕩けるほどの感触と快感をPにもたらした。
「うぉ… すげ…… 気持ち良い…」
「ふふ、ようやく素直に言えるようになったわね…」
Pの反応に気を良くした沙理奈は、しばらくパイズリを続けた後、そっとハンドバックに手を伸ばし、中から小振りなベビーローションとピンク色のスキンを取り出した。
「さ、沙理奈…」
「着けたげる」
スキンの外装を、ピリッ、と破くと、手馴れた仕草で空気を抜きつつ、Pの亀頭に被せる。
そして、再度顔をペニスに近づけると、器用に口唇だけで、スキンを、スルスル、とペニスの根元まで被せきった。
「じゃ、挿れるよ…」
ショーツを片足首まで下ろし、ベビーローションを秘所に塗ると、沙理奈はPの股間を跨ぐようにしてペニスを秘所に導いた。
「あ、沙理奈…ッ!」
「いいから…」
何か言いかけたPの顔に、むにっ、と爆乳を押し付けて発言を封じると、沙理奈はゆっくりと腰を降ろし始めた。
ずぶずぶ… とPの長大なペニスが沙理奈の秘所に埋没する。
ベビーローションで潤したとはいえ、あまり愛液が分泌されていないせいで、沙理奈の腟内はいやに狭い。
しかし、それが逆に強い締め付けとなり、Pは襲い掛かる快感に思わず、「うおッ!」と快感のうめきを漏らした。
「あはぁ… 奥まで届いたぁ♥」
沙理奈も興奮してきたのか、口調が蕩けるように変わり始めた。
軽く腰を上下に揺すると、ペニスの先端が子宮口を、コンコン、とノックするのがわかる。
「けっこう、カラダの相性、良いじゃん……」
頬を上気させて沙理奈が言うと、今度は前後左右に腰を動かす。
肉壺でごしごしとペニスをしごかれ、圧倒的な快感がPを襲った。
「ねぇ、アタシのナカの具合、どう?」
「どうって… すげぇ気持ち言い……」
「ふふ… さんきゅ…」
沙理奈はそう言うと、膣穴を、ギュッ、と締めて、まるでPのペニスを食いちぎるように腰をグラインドさせた。
(や、ヤバイッ!)
ただでさえ、フェラチオとパイズリで相当に興奮が昂ぶっている。
そこに、こんな刺激を入れられたら、耐えられるはずが無かった。
「沙理奈ッ! もう無理だッ! 出る…ッ!」
「ん… 良いよ… 出しちゃって…」
腟内でペニスが一際大きくなったのを感じ取った沙理奈は、腰のグラインドを止めて、深く深く腟内にペニスを咥えこんだ。
その瞬間、腟内のペニスが2,3度大きく跳ね、Pはスキンの中に大量の精液を吐き出した……
「…ん、これで綺麗になったわね」
行為後のペニスを、ウェットティッシュで綺麗に清拭した沙理奈が満足気に言った。
「沙理奈… 俺は… すまん……」
「ま、これで現実見れたでしょ? アイドル… って言うか、女なんてこんなモンよ。あと、ショックついでにカミングアウトしとくけどさ」
沙理奈が自分の衣類を整えながら言う。
「アタシにセックス仕込んだの、前任Pだからね」
「え… でも、あの人は別の担当アイドルと恋仲だったことがバレて、それで責任とって結婚して辞めたんじゃ…?」
「うん、そう。つまり、前任Pは担当アイドル全員と関係を持ってて、P争奪レースに勝利したアイドルが嫁の座を射止めたってワケ」
前任Pは引継ぎの時にしか接点がなかったが、ひどく誠実そうな、真面目な人間に見えた。
それだけに、沙理奈の告白は信じがたいものがあった。
「Pチャンさ… アタシに惚れてるでしょ?」
「……ああ、悪いか?」
「悪くはないけど、自分の理想(アイドル像)をプライベートにまで押し付けるのは止めてよね? 見ての通り、中古のアバズレ女なんだから」
沙理奈がPの顔を真正面から見た。
その表情は、行為前の冷たいものに戻っていた。
「Pチャンが寝る間も惜しんでアタシのプロデュースをしてくれているのには、本気で感謝してる。
だから、こんなやり方が良いとは想わないけど、Pチャンが望むなら、イツでもドコでもセックスの相手をするわ。でもね…」
沙理奈が、スッ、と机の上の辞表を指差した。
「こういう、くだらない事には絶対にアタシを巻き込まないで。プロダクションを辞めて、アタシと一緒に独立、とか考えてたんでしょ?」
「それは…… そうだ……」
反射的に否定したい気持ちを、ぐっと堪えてPは認めた。
「そうなったら、アタシはアイドルとしてお終いよ。これまでコツコツ積み上げてきたキャリアも、『枕』で寝取ったコネも、全部失うことになるの」
「……………」
Pは声を出して否定することが出来なかった。
それどころか、沙理奈の言う通り、自分は現実を見えていなかったと激しく後悔していた。
「…わかってくれたなら、それで良いよ。Pチャンのこと、嫌いになったわけじゃないから、安心して」
Pが意気消沈したのを感じてか、沙理奈が優しい口調でフォローした。
男として情けない限りだったが、その言葉に、Pは幾分救われた気分になった。
「ふぅ… それじゃ、仕事の話しましょ。『枕』の内容は… この分だと、社長の封筒の中身見てないんでしょ?」
「ああ、スマン……」
「はぁ… あのね、ホテルの手配とか、相手の希望とか、逆にコッチの要望とか、今度からは、そういう段取り全部整えてからアタシに話を持ってきてね?」
「ああ、わかった…」
そう言ってPが確認するために社長の封筒に手を伸ばすと、Pより先に沙理奈の手が伸びて封筒を横取りした。
「おい?」
「今回はアタシが全部やっとくから、Pチャンは別の仕事しててちょーだい」
沙理奈はそのまま封筒をハンドバックに仕舞うと、ドアの鍵を、カチャリ、と開けてドアを開いた。
そして、表情をドアの影に隠すと、ポツリと呟くように言った。
「処女扱いはキモかったけど、貞操守るって発言自体は嬉しかったよ……」
それだけを言い残し、沙理奈は音も無く会議室から出て行った。
1人取り残されたPは、両手で頭を抱えると、様々な想いを込めて、大きく大きく溜め息を吐いた……
「枕… ですか…?」
「ああ、詳細はそこの封筒に入っている。段取りを揃えてから、明日、沙理奈に渡せ」
突然呼ばれた社長室での命令は、20代前半の新人プロデューサーにとって、信じられない内容のものだった。
『担当アイドルである松本沙理奈に、枕を斡旋しろ』
社長の命令とは、担当アイドルを風俗嬢の如く扱え、といった過酷なものだった。
「……沙理奈は、枕なんかしなくったって」
「黙れ」
社長がデスクをゴンゴンと叩き、新人Pの抗議を一蹴した。
その眼は冷たい光を放っており、決して冗談などではないことがわかる。
(沙理奈に、枕……)
松本沙理奈は、彼が初めて担当したアイドルであり、唯一の担当アイドルだ。
前任Pの退社にあわせて、新人の彼が担当を引き継ぎ、それ以来の半年間、身を粉にして彼女のプロデュースを行っている。
(わざわざ枕をする必要があるのかよ…!?)
芸能界の先輩である沙理奈に引っ張られる形ではあったが、アイドル『松本沙理奈』のプロデュースは上手くいっていた自信があった。
それだけに、この社長の命令は、とても納得がいくものではなかった。
「社長… 考え直してはもらえませんか? 今、彼女は確実に仕事が増えて…」
「眠たいこと言うんじゃねぇ。お前は何も考えずに仕事をすればいいんだよ」
再度、机をゴンゴンと叩く。
(冗談じゃない…!)
自分がスカウトして発掘したアイドルではないが、彼は松本沙理奈というアイドルの才能と可能性に、絶対の自信を持っていた。
このまま、自分がプロデュースを重ねれば、きっとトップアイドルになれると信じているのだ。
「社長、松本は『枕』なんて汚い仕事をしなくても、きっとトップアイドルになれます! いえ、俺がしてみせます!」
「大した自信だが、半年しか仕事をしてないヒヨッコが言っていい台詞じゃないな。お前、この業界舐めてるのか?」
「そんなことはありません!」
「だったら、今すぐプロダクション辞めて、自分1人でアイドルスカウトしてプロデュースしろ。自信があるんだろ?」
その言葉に、Pは思わず絶句してしまった。
松本沙理奈をトップアイドルにする自信はある。それに至るまでの確固たるヴィジョンもある。
だがしかし、それらは全て、このプロダクション内に在籍していることが必要十分条件なのだ。
(プロダクションを辞めて……)
思考が停止したPを面白くなさそうに眺めると、社長はやや口調を柔らかくして、諭すように言った。
「おい。お前も、そろそろ『こういった』仕事に慣れとかねぇと、この業界生きていけねぇぞ」
「……………」
「…返事」
「……はい」
「何も考えずに段取り揃えて、明日の朝イチで沙理奈にこの封筒を渡せ、いいな?」
「……はい」
搾り出すようにPが答える。
とても納得はできない。しかし、この場はそう返事するしかなかった。
ノロノロとデスクの上の封筒を手に取ると、Pは「失礼します…」と短く声を出して、社長室を後にした。
「………はぁ」
1人残った社長の溜め息が、やけに大きく社長室に響いた。
翌日、悲壮な表情で出社したPは、同僚の事務員や先輩Pに挨拶をすると、個別面談に使われる会議室に自分の担当アイドルを呼び出した。
先に会議室に入って10数分後、コンコン、というノックの音と「失礼しまーす」という軽い声と共に、彼の担当アイドル、松本沙理奈が入ってきた。
松本沙理奈、22歳。バスト92センチのダイナマイトボディが売りの、プロダクション所属のアイドルだ。
Pにとっては初担当のアイドルというだけでなく、業界未経験の自分を育ててくれた大恩人である。
さらに言えば、御法度と知りながら、Pが密かに想いを寄せる女性でもある。
「オハヨー、Pチャン。昨日は冷えたねぇ、風邪ひいてない?」
「ああ、おはよう… お前こそ、身体、冷やしてないか?」
「ん、アタシはだいじょーぶ。で、今日はどうしたの? 何か営業入った?」
屈託の無い笑顔を浮かべて、Pの真横の椅子に座る。
その瞬間、豊満すぎる爆乳が軽く弾むのが見え、Pはさりげなく視線を外した。
「ああ、その…… 社長直々の仕事の依頼があってね……」
「へぇ〜、珍しい。いっつも社長室でふんぞり返ってるだけなのにねぇ」
クスクスと沙理奈が笑う。
小悪魔めいた微笑に、色々な意味でPの胸が高鳴った。
(覚悟、決めるぞ……)
.・ ・
Pは1度だけ深呼吸をすると、胸ポケットに入れた2枚の封筒を取り出し、その内1つを沙理奈の前に置いた。
「沙理奈… 言い難いんだが、『枕』だ…」
Pがその言葉を絞り出すと、沙理奈は大きく目を見開いてPを見た。
その表情を見て、Pは手の内にあるもう一つの封筒を強く握って言った。
「社長の命令だ… だから、俺やお前がプロダクションに居る限り、断ることは出来ない仕事だ… だから、俺は、俺は…!」
力強く言い、掌の封筒を机に置こうとした、その瞬間だった。
「うん、いいよ、誰と?」
悲壮な覚悟で決断を下そうとしたPの耳に届いたのは、そんな沙理奈の、あっけらかんとした言葉だった。
「…え?」
「いや、だから、誰とエッチすれば良いの?」
呆然とするPとは対照的に、はっきりとした口調で沙理奈が尋ねた。
「『枕』なんでしょ? その封筒に詳細入ってるの? あ、それともそっちの握ってる方?」
沙理奈が机の上に置かれた社長の封筒と、Pが握っている封筒とを見比べる。
しかし、Pはそんな沙理奈の疑問に答えられる心情ではなかった。
(え… どういうことだ……?)
その時のPの顔は、“呆然”という言葉がピッタリの表情であった。
沙理奈の言葉を信じられなくて、いや、信じたくなくて、縋るような眼で彼女を見つめた。
「ちょ、ちょっと、なんて顔してんの? Pチャン、具合でも悪いの?」
本気で心配そうに、しかし、全く『枕』の衝撃を感じさせない沙理奈の口調に、Pはようやく、彼女が『枕』を嫌がっていないことを理解した。
「いいのか、お前… 『枕』なんだぞ…?」
「良いも悪いも、社長の命令なんでしょ? 断れないじゃん」
「そうだが… 俺は、きっとお前が嫌がると思って……」
思考が滅裂になって、上手く言葉を作ることができない。
「はぁ、なんで?」
「なんでって、お前……」
「Pチャン疲れてる? つーか、そっちの封筒は何なのよ?」
Pの態度に苛立ちが募ったのか、沙理奈は手を翻すと、Pが握っていた封筒を強引にもぎ取った。
「あ、ちょ、見るな!」
「えっと、なになに…… え、辞表?」
その封筒のオモテに書かれた『辞表届』の3文字を読み取り、沙理奈は困惑の表情を浮かべた。
「……Pチャン、プロダクション辞めるの?」
「ち、違う! いや、場合によってはそういう展開もあるかと思って…」
尻すぼみに声が小さくなっていく。
そして、それにあわせるように、沙理奈の表情も、次第に冷たいものへと変わっていった。
「確認するけどさ。Pチャン、アタシが『枕』を嫌がると思ったの?」
「……ああ」
「なんで?」
「なんでって、お前… お前はそんなことしなくったって、一流のアイドルになれるから…… それに…」
「それに?」
Pは1つ息を吸うと、小声で捲くし立てるように言った。
「それに、お前の貞操を守りたいと思ったから…」
「はぁ!?」
素っ頓狂な沙理奈の声が会議室に響いた。
「貞操?」
「ああ、そうだ」
言葉少なく会話を交わすと、沙理奈は思わず天井を仰いだ。
「Pチャンさぁ… もしかしてと思うけど…」
「な、なんだ?」
「アタシのこと、処女だと思っている?」
「…違うのか?」
その瞬間、双方の表情が凍りついた。
沙理奈は能動的に、Pは受動的に。
「………………キモ」
「…え?」
「マジでキモい…… なにそれ……」
本当に気持ち悪く感じているのだろう、沙理奈はハンドバックからお気に入りのハンカチを取り出すと、そっと額に当てた。
「アンタさぁ、こんなナリの、こんな派手な女が、22歳の今まで処女を守ってると思う? だいたい、テレビの深夜番でも、アタシの立ち位置は『猥語もアリのお色気系』でしょ?」
「あれは、でも… お前のアイドルとしてのキャラクターだろ?」
「アンタが騙されてどーすんのよ……」
はぁ… と、深く深く溜め息を吐くと、沙理奈は胡乱な目でPを凝視した。
「初体験は中二の夏。相手はちょっとヤンキー入ったイッコ上の先輩。あとさぁ、聞きたく無いとは思うけど、『枕』の経験もアリよ!」
その告白に、Pは雷に打たれたようにショックを受けた。
「ほ、本当なのか……?」
「当たり前でしょ! ハタチ越えてる『カラダが売り』のアイドルに、『枕』の斡旋が来ないわけないでしょ!?」
怒りで気持ち悪さが吹き飛んだのか、沙理奈がハンカチを机に叩き付けて怒鳴る。
「アンタ、童貞でしょ」
「い、いや、違うぞ」
「嘘でしょ、それ」
「違う!」
数瞬、無言の時間が流れ、不意に沙理奈が「あぁ…」と納得するように頷いた。
「わかった、素人童貞だ」
「…………ッ!」
「しかも、風俗嬢に説教するタイプだ」
沙理奈の鋭い指摘に、ぐうの音も出なくなってPが黙り込んだ。
「ゴメン、アタシ言い過ぎ… でも、アンタ、オンナに夢見すぎなのよ… そりゃ、アタシは夢を売るアイドルだけどさ……」
バツが悪そうに沙理奈が謝罪する。
しかし、逆にそのフォローが、男として、プロデューサーとして、Pの胸に深く突き刺さった。
「……ちょっと、お互いに頭冷やそうか」
ポツリ、と呟くように言うと、沙理奈は立ち上がって会議室のドアに歩み寄ると、カチャリ、とドアに鍵をかけた。
「お、おい、沙理奈…?」
「黙ってて。変な声出さないでよ」」
静かにそう言うと、沙理奈は椅子に腰掛けるPの前でしゃがみ込むと、何の躊躇いも無く両手をPのスラックスに伸ばした。
「お、おい…!」
「声出すなって言ったでしょ」
そのまま、ひどくスムーズな動作でスラックスのベルトを外すと、慣れた手つきでファスナーを下ろし、細く綺麗な指を社会の窓に潜りこませた。
「さ、沙理奈…」
「…………」
流石にここまでくれば、沙理奈が何をしようとしているのか理解できる。
(止めさせないと…ッ!)
心の中で、強く強くそう思う。
しかし、Pの身体は、ちっとも思いどおりに動いてはくれなかった。
「ん、けっこうデカイじゃん」
ついに沙理奈の指が目的のモノを探り当て、遠慮なしにトランクスの外へとソレを引っ張り出す。
半勃ちのペニスが外気に触れ、Pの背筋がゾクリと震えた。
「…楽しめそうじゃん」
ほんの少し和らいだ口調になった沙理奈が、開いた口をそのままに、Pの股間に顔を寄せ、そして、
ぱくっ、
洗浄もなにもしていないペニスを、いきなり口腔いっぱいに頬張った。
じゅぷ、ぢゅ、ぢゅぢゅ…!
会話の無い会議室に、沙理奈のフェラチオ音だけが静かに響く。
(嘘だろ… 沙理奈が、こんな……ッ!?)
沙理奈のフェラテクは相当なものだった。
最初に苛烈なバキュームでペニスを勃起させると、片手で竿をしごいたり、舌で亀頭をねぶったり、陰嚢に吸いついたりと、様々なヴァリエーションでPのペニスを責め立てた。
それは、これまでPが経験した風俗嬢のテクニックと比べても、遜色ないどころか、軽く凌駕するテクニックだった。
「じゅぷ… ふぅ…… どう、気持ち良い?」
いつもテレビや雑誌で見せる、悪戯っぽい瞳でPを見上げて言う。
どうしようもなく不謹慎だと感じながらも、Pは胸の鼓動が高鳴るのを感じてしまった。
「ねーぇー、気持ち良くないのぉ?」
両手で竿をごしごしと擦りながら、亀頭を、べろん、と舌で舐め、さらに、チロチロ、と尿道を掘削するように責められる。
その凄まじい快感に、Pは思わず、「気持ち良い…!」と答えてしまった。
「ふふ… ちゃんと言えるじゃん… それじゃ、素直なPチャンにご褒美♥」
沙理奈はそう言うと、片手でペニスをしごきながら、あまった片手で器用に上着を脱ぎ、さらに、フロントホックのブラジャーを、パチッ、と外した。
ぶるん、という擬音が聞こえてきそうな揺れ方をして、沙理奈自慢の92センチの爆乳が露わになった。
「ん〜、くちゅ、ぐちゅ…… えぅ〜〜……」
慣れた調子で舌を上手く使い唾液を口いっぱいに分泌させると、沙理奈は爆乳の谷間に唾液を、だらぁ、と垂らした。
ほんのり上気した桜色の爆乳が、唾液に濡れてぬらぬらと光る。
それは恐ろしく淫靡な眺めだ。
「挟んだげるね…」
沙理奈は完全に勃起したPのペニスを胸の谷間に挟むと、ギュッ、と両手で爆乳を寄せ、ゆっくりと上下に動かし始めた。
ゴムまりの様な重量感たっぷりの爆乳は、蕩けるほどの感触と快感をPにもたらした。
「うぉ… すげ…… 気持ち良い…」
「ふふ、ようやく素直に言えるようになったわね…」
Pの反応に気を良くした沙理奈は、しばらくパイズリを続けた後、そっとハンドバックに手を伸ばし、中から小振りなベビーローションとピンク色のスキンを取り出した。
「さ、沙理奈…」
「着けたげる」
スキンの外装を、ピリッ、と破くと、手馴れた仕草で空気を抜きつつ、Pの亀頭に被せる。
そして、再度顔をペニスに近づけると、器用に口唇だけで、スキンを、スルスル、とペニスの根元まで被せきった。
「じゃ、挿れるよ…」
ショーツを片足首まで下ろし、ベビーローションを秘所に塗ると、沙理奈はPの股間を跨ぐようにしてペニスを秘所に導いた。
「あ、沙理奈…ッ!」
「いいから…」
何か言いかけたPの顔に、むにっ、と爆乳を押し付けて発言を封じると、沙理奈はゆっくりと腰を降ろし始めた。
ずぶずぶ… とPの長大なペニスが沙理奈の秘所に埋没する。
ベビーローションで潤したとはいえ、あまり愛液が分泌されていないせいで、沙理奈の腟内はいやに狭い。
しかし、それが逆に強い締め付けとなり、Pは襲い掛かる快感に思わず、「うおッ!」と快感のうめきを漏らした。
「あはぁ… 奥まで届いたぁ♥」
沙理奈も興奮してきたのか、口調が蕩けるように変わり始めた。
軽く腰を上下に揺すると、ペニスの先端が子宮口を、コンコン、とノックするのがわかる。
「けっこう、カラダの相性、良いじゃん……」
頬を上気させて沙理奈が言うと、今度は前後左右に腰を動かす。
肉壺でごしごしとペニスをしごかれ、圧倒的な快感がPを襲った。
「ねぇ、アタシのナカの具合、どう?」
「どうって… すげぇ気持ち言い……」
「ふふ… さんきゅ…」
沙理奈はそう言うと、膣穴を、ギュッ、と締めて、まるでPのペニスを食いちぎるように腰をグラインドさせた。
(や、ヤバイッ!)
ただでさえ、フェラチオとパイズリで相当に興奮が昂ぶっている。
そこに、こんな刺激を入れられたら、耐えられるはずが無かった。
「沙理奈ッ! もう無理だッ! 出る…ッ!」
「ん… 良いよ… 出しちゃって…」
腟内でペニスが一際大きくなったのを感じ取った沙理奈は、腰のグラインドを止めて、深く深く腟内にペニスを咥えこんだ。
その瞬間、腟内のペニスが2,3度大きく跳ね、Pはスキンの中に大量の精液を吐き出した……
「…ん、これで綺麗になったわね」
行為後のペニスを、ウェットティッシュで綺麗に清拭した沙理奈が満足気に言った。
「沙理奈… 俺は… すまん……」
「ま、これで現実見れたでしょ? アイドル… って言うか、女なんてこんなモンよ。あと、ショックついでにカミングアウトしとくけどさ」
沙理奈が自分の衣類を整えながら言う。
「アタシにセックス仕込んだの、前任Pだからね」
「え… でも、あの人は別の担当アイドルと恋仲だったことがバレて、それで責任とって結婚して辞めたんじゃ…?」
「うん、そう。つまり、前任Pは担当アイドル全員と関係を持ってて、P争奪レースに勝利したアイドルが嫁の座を射止めたってワケ」
前任Pは引継ぎの時にしか接点がなかったが、ひどく誠実そうな、真面目な人間に見えた。
それだけに、沙理奈の告白は信じがたいものがあった。
「Pチャンさ… アタシに惚れてるでしょ?」
「……ああ、悪いか?」
「悪くはないけど、自分の理想(アイドル像)をプライベートにまで押し付けるのは止めてよね? 見ての通り、中古のアバズレ女なんだから」
沙理奈がPの顔を真正面から見た。
その表情は、行為前の冷たいものに戻っていた。
「Pチャンが寝る間も惜しんでアタシのプロデュースをしてくれているのには、本気で感謝してる。
だから、こんなやり方が良いとは想わないけど、Pチャンが望むなら、イツでもドコでもセックスの相手をするわ。でもね…」
沙理奈が、スッ、と机の上の辞表を指差した。
「こういう、くだらない事には絶対にアタシを巻き込まないで。プロダクションを辞めて、アタシと一緒に独立、とか考えてたんでしょ?」
「それは…… そうだ……」
反射的に否定したい気持ちを、ぐっと堪えてPは認めた。
「そうなったら、アタシはアイドルとしてお終いよ。これまでコツコツ積み上げてきたキャリアも、『枕』で寝取ったコネも、全部失うことになるの」
「……………」
Pは声を出して否定することが出来なかった。
それどころか、沙理奈の言う通り、自分は現実を見えていなかったと激しく後悔していた。
「…わかってくれたなら、それで良いよ。Pチャンのこと、嫌いになったわけじゃないから、安心して」
Pが意気消沈したのを感じてか、沙理奈が優しい口調でフォローした。
男として情けない限りだったが、その言葉に、Pは幾分救われた気分になった。
「ふぅ… それじゃ、仕事の話しましょ。『枕』の内容は… この分だと、社長の封筒の中身見てないんでしょ?」
「ああ、スマン……」
「はぁ… あのね、ホテルの手配とか、相手の希望とか、逆にコッチの要望とか、今度からは、そういう段取り全部整えてからアタシに話を持ってきてね?」
「ああ、わかった…」
そう言ってPが確認するために社長の封筒に手を伸ばすと、Pより先に沙理奈の手が伸びて封筒を横取りした。
「おい?」
「今回はアタシが全部やっとくから、Pチャンは別の仕事しててちょーだい」
沙理奈はそのまま封筒をハンドバックに仕舞うと、ドアの鍵を、カチャリ、と開けてドアを開いた。
そして、表情をドアの影に隠すと、ポツリと呟くように言った。
「処女扱いはキモかったけど、貞操守るって発言自体は嬉しかったよ……」
それだけを言い残し、沙理奈は音も無く会議室から出て行った。
1人取り残されたPは、両手で頭を抱えると、様々な想いを込めて、大きく大きく溜め息を吐いた……
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