シンデレラガールズのエロパロまとめサイトです。

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街に吹き付ける雪、雪、雪。
吹雪と呼んで差し支えないそれは、人々の交通手段すら奪い、今も地に降り積もり続けている。

「この吹雪で、帰りの新幹線が運行停止してしまいまして。今晩は美波共々、こちらに泊まりますね」
『はい、解りました。社長にも伝えておきますから、御安心くださいね』

携帯電話の後ろでは、アイドルたちが騒いでいるのがよく聞こえる。
明日の予定、延期が入った仕事などを確認し、丁度電話を切る頃には、電池も残り少なくなっていた。


「――さて美波」
「はい」
「今晩だが、こちらに一泊することになった」

眼前で微笑むのは、事務所が誇る清純系セクシーアイドルの新田美波。
色々矛盾してはいるが、醸し出す雰囲気がエロいと散々言われているのだ。
仕方ない。

「ただし、泊まれるのは安宿。しかも俺と同じ部屋――率直に言えば、嫌なら言ってくれ。俺はネカフェに泊まるから」
「Pさんと一緒に泊まれるんですか!」
「……妙に嬉しそうだな」
「皆さんがPさんとお泊まりって聞くたび、羨ましかったですから」

厳しい寒さも相俟って、美波の頬が紅に染まっている。
お泊まりとは言うが、日帰りでは出来ぬ仕事や必要に駆られてである。他意はないのだ。

「まぁ、いい…美波がいいなら、俺も一緒に泊まらせて貰うよ」
「よろしくお願いしますね」

まるで恋人のように寄り添ってくる美波に、俺は苦笑を隠せない。
しかし、俺はまだ気付いていなかった。
新田美波の真の魅力に、真の狙いに、そしてその深き想いを――


(続き)


安宿とは言ったものの、俺たちには行く宛てなどない。
ネットカフェに美波を泊まらせるのは躊躇われるし、かといって一泊云万などの旅館に泊まれるほどの金は持っていない。
慮外のこととは言え、事務所の資金運営を一手に任されているちひろさんが後々払ってくれるとも言えないのが痛い。

「なぁ、美波」
「はい?」
「俺と同じ部屋は嫌だよな?」
「むしろそちらのほうが良いです!」
「…………変わってるなぁ…」

寒さに耐えかねたか、身を震わせる美波に苦笑しながら、俺は伝のある宿に電話してみる。
そこは、かつて楓さんと茄子の二人が温泉旅館の旅という企画で訪れた宿。
あの時も、楓さんと茄子は俺と同じ部屋がいいと強く言い切っていた。
美波を軽く抱き寄せてやると、余程温もりに飢えていたのだろうか、嬉しそうに微笑んでくれる。
電話の内容は簡潔であり、一部屋なら空いているという女将さんの言葉に感謝しつつ、俺たちはタクシーに乗り込んだ。

タクシーで帰れるのならば良いが、それでは交通費がかかりすぎるな、と思案していたところ、美波が寄り掛かってきた。
『可愛い恋人さんですね。いや、奥さんですか?』などとドライバーが言っていたが、美波のような美少女を側に置ける程の甲斐性は、俺にはない。
ただ美波が嬉しそうだったので、俺は何も答えはしなかったが。


旅館と女将さんは俺のことを覚えていたらしい。
女将さんに請われ、旅館の入り口に飾られる楓さんと茄子のサインに、美波のサインも並ぶこととなった。
その代わりに、旅費は格安で済ませてくれるとのこと。
しがないプロデューサーには有難いことである。
案内された部屋には既に一組の布団が敷かれており、また部屋にある風呂にも湯が張られていた。
露天風呂を楽しむ余裕などない俺たちは、しばらくの口論の末に二人で風呂に入ることにしたのだが―――


凍えそうだった身体が芯から温もる感覚は、何度経験しても心地が良いものだ。
増してや眼前には美女が一人。
裸体の美女アイドルと二人きりの入浴など、プロデューサーであっても限られた人間しか経験出来ないであろう贅沢だ。

(とは言っても、もう何度目か解らないんだけどな……)

以前この旅館にロケで来た時は、楓さんと茄子さんと、三人で風呂に入った。
その前にも礼子さんと二人で泊まったり、瑞樹さんと二人きりだったり。
色々ハプニングに見舞われては、アイドルたちと一緒になっている。

(瑞樹さんも、礼子さんも……すごく積極的だったし、俺も流されちゃったし…)

恥ずかしながら童貞だった俺は、礼子さんに寝込みを襲われ、みっともない声をあげて童貞を失った。
瑞樹さんに誘われた時も、楓さんに誘われた時も、茄子さんに誘われた時も、毎度寝込みを襲われてばかりで。

(みんなに言われたんだよな……プロデューサーはアイドルに一番近い人間、だから恋人なんかより余程強く結ばれるべきだって)
「…………」

それからは、もう筆舌に尽くしがたい日々である。
礼子さんや瑞樹さんがグラビア撮影する度に水着姿のアイドルと交わり、楓さんと宅呑みする度に微睡みながらも身体を重ね、茄子と二人きりになる度に何らかのハプニングがあって一緒になったり。

(でも、美波とはダメだ……まぁ、美波が俺を好いているとも思えないが)
「Pさん」
「…………ん?」
「礼子さんや川島さんと、エッチなこと………したんですよね?」

美波の震えるような声に我に返ると、美波が泣きそうな顔で立っていた。
豊満とは言わぬまでも形の整った美しい乳房、毛の処理を怠っていないであろう秘部、白く透き通るような肌が眼に入る。

「ちょ、誰にそんなことを!?」
「前に、事務所で川島さんと礼子さんが話していたんです。……ズルいですよね、川島さんや礼子さんみたいな美人がPさんまで取って行っちゃうなんて…」
「……いや、美波も充分に美人だろ?」
「でも。Pさんは、私を守ってはくれますが、愛してはくれないじゃないですか」
「礼子さんも瑞樹さんも、楓さんも茄子さんも、みんな寝込みを襲って来ただけだ。……それから彼女らに甘えっぱなしなのは俺の情けないとこだが」
「なら」

美波の身体が、俺の身体に重なるように崩れる。
それを受け止めた俺は……

「私も、Pさんを襲っちゃいます」

美波に、唇を奪われていた。


美波の裸体が、俺の身体に押し付けられる。
美波の香りが、俺の脳を焼ききらんとばかりに意識を奪う。
美波の唇が、俺の浮気な唇を塞ぐ。
瞳を閉じた美波の顔は、今まで見たどの美波よりも美しく、蠱惑的だった。

「…………美波」
「私も、プロデューサーさんが好きです。プロデューサーさんにとって何番目でもいいですから、ですから……」
「ダメだ、美波……!」

救いを乞うような美波の涙に、しかし俺は応える資格を持ち合わせてはいない。

「俺は、プロデューサー失格なんだ。礼子さんや瑞樹さんのみならず、楓さんや茄子さんとまで……」
「!」
「……アイドルが輝くために、アイドルに尽くすのがプロデューサーの仕事だ。だけど、俺は………」

美波の顔が曇って行く。
本来ならばこんな表情をする娘ではないのに。
何も言えなくなって、俺は後ろめたさから先に風呂を出た。
そそくさと寝間着に着替え、布団に隠れるように潜り込んだのだった。

それから、翌日事務所に帰るまで美波とは会話のひとつもなかった。
捨てられた子犬のような眼差しの美波のことを、見ない振りしていただけだったのだが。
事務所に帰った俺は、アイドルたちの帰宅後に社長と話をし、渋々ながらも了解を得ていた。

――退社。
大学に落ちた俺をプロデューサーにスカウトしてくれた社長。
度々サポートしてくれたちひろさん。
掴み所がないながらも、一番の売れっ子になった楓さん。
スカウトに応じ、アナウンサーから転職までしてくれた瑞樹さん。
無理を言ってアイドルになってもらい、セクシー路線で大人気になった礼子さん。
幸運に恵まれながらも努力を忘れない茄子さん。
俺などのことを好きだと言ってくれた美波。
みんなを裏切った俺の、一番の裏切り。
けれど、彼女らの愛に、期待に、俺なんかが耐えられるわけもない。
さようならの一言を言うこともなく、俺の名前は事務所からあっさりと消え去ったのだった。



事務所を辞めて一週間。
俺は、間違いなく後悔していた。
気がつけば写真集を眺めていたり、テレビにシンデレラ候補生の姿を追い求めたり――あぁ、なんと女々しいことか。
彼女らを愛したい、彼女らに愛されたいという獣欲すら抱くような自分に嫌悪しながら、一刻も早くアイドルたちを忘れようと勤めるしか出来ない。


「………忘れられるわけ、ないのにな」

コンビニ帰りに公園に寄った俺は、小さく噛み締めた。
努力して忘れられるなら未練など抱きやしない、そう知っているのに。
コンビニに売っていたシンデレラ・ガールズのブロマイド入りのパックの封を開けて、そこに写る笑顔を眺める。
違う部署のアイドルたちの笑顔に入り交じり出てくる、印刷されたサインと一緒の茄子さん。
二つ目には瑞樹さんのメイド姿が。
三つ目には美波の水着姿。
しかし、俺は知っているのだ。
彼女らの本当の笑顔の眩しさを。
何せ、彼女らの虜になった一番最初の人間は俺なのだから。

「だけど、手放したのは俺だもんな」
「Pさんは、何も手放していませんよ」

かけられる声に、俺は息を飲む。

「そう、P君は何も手放していない」
「少し疲れたから休んだだけ。解るわ」

三人分の影が、俺の姿に重なる。
声が出ない。息が吸えない。
頭の中がぐしゃぐしゃになるのに、でも不思議と笑んでしまう。
楓さんと茄子さんは収録だったかなんて、どうでも良いことばかりが胸を走り抜ける。

「私は、Pさんが好きです」
「美波!?」
「Pさんが誰をすきでも、何人恋人がいても、私はPさんが好きです」
「……俺は、プロデューサーじゃない」
「あら。退社届けも出さずに辞めたなんて言えないわよ?」
「………へ?」
「社長さんが言っていたわ。P君はしばらくプロデューサー業を辞めて、休むって……?」
「だけど、お休みが長すぎます。寂しくてでもPさんには会えませんでしたから」

社長は、悪意や悪戯でこんな真似をするような人ではない。
つまりこれは、俺がいつ戻ってきても良いように社長が説明していたのか。

「さ、事務所に行くわよ」
「ちひろちゃんも心配してたわ」
「……こんな俺がプロデューサーで、本当にいいのか…?一度はみんなから逃げた俺なんかが…」
「キミの代わりはいないもの。さ、またみんなで一緒に頑張りましょ」

三人が振り向き様に微笑む。
その笑みに、俺はようやく、笑うことが出来た。
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