シンデレラガールズのエロパロまとめサイトです。

×
※3行あらすじ
プロデューサー×美嘉
お姉ちゃんは処女ビッチ。軽きことビッチの如し、重きこと処女の如し。
Pのゲス分ややマシ、独自設定・やや鬱注意。わずかに本家要素あり。美嘉以外のエロは無しの予定。
エロだけでいいって人はCTRL+Fで★07まで飛ばすの推奨。



あれは、まだ美嘉が“カリスマギャル”と呼ばれてた頃の話。

“カリスマギャル”の終わりの始まりだ。


★01

『なぁ、美嘉。一つ聞いておきたいことがあるんだ』
『どしたの? プロデューサーったら、真面目な顔しちゃって』

俺はアイドルのプロデューサーだ。それ以外の仕事については、よく知らない。
それでも、この仕事以上に業の深い職業は、中々ないと思う。

候補生たちを見定めて、時にスカウトへ回り、
右も左も分からん彼女らを、アイドルの頂点へ導くため、東奔西走。
プロデュースするのがユニットなら、彼女らの船頭を務める。
ソロであれば、二人三脚と言ってもいいくらいだ。

だが、プロデューサーと彼女らは、一蓮托生ではない。

『美嘉は、これからどうするつもりなんだ?』

プロデューサーは、彼女らのアイドル活動を支えつつも、
彼女らが芸能界でどこまで走り続けられるか、常に値踏みしている。
行く末が見えたら、舞台に幕を引いてやるのも、プロデューサーの仕事だ。

『これから、って。今日は久しぶりに疲れちゃったから、お家帰って、早めに休むよ』
『そういう話じゃなくて、だな』

担当アイドルに対して、自分が見出したアイドルなんだから……という意地で活動に固執したり、
コイツならもっとできるはずだ……なんて情が移って目が曇ってたりする人もいる。

それはプロデューサーとしての末期症状だ。

『美嘉だって、そろそろ考えなきゃいけない年頃だから』
『プロデューサー……?』

伸びしろが尽きそうなアイドルをプロデュースし続けるというのは、
強引にたとえるなら、ブティックで夏に夏物を売っているのと似ている。
時宜を失った、と客に思われたら終わり。その終わりが目前に、しかも確実に迫っている状態。

『参考までに、聞きたいんだけどさ。プロデューサーは、その、アタシが』

売り場に置いて、客に見てもらえる数に限界があって、
そして次の季節物を仕入れる必要がある。だから――

『美嘉がよく頑張ってくれたおかげで、思ったより長い付き合いになったからな。
 でも、そろそろこれからのこと考えないと。今言ってくれれば、俺もそれなりの世話できるぞ』

夏物には、値崩れしてブランドに傷を付ける前に、場所を空けてもらうこととなる。


★01 幕間

『Hope your brightness 大丈夫 全ては光へ続いている
 Keep your dreams どんな想いも信じていれば いつかは届く
 見守っててね 素敵な私が飛び立つまで』

全てのアイドルは、俺達プロデューサーの元から――あるいは芸能界から――いつかは飛び立っていく。



『誰もが夢を叶えられる訳じゃないのね、プロデューサーさん』

例外は無い。
売れないままであろうとも、Sランクまで上り詰めようとも。

『プロデューサーさんは努力しても実らなかったこと、ある?』


★02

アイドルに引退勧告をする時は、彼女と自分の活動が初めから思い出される。
大袈裟に言えば、走馬灯か。



美嘉と、初めて顔合わせした日のこと。

『はじめましてっ★ 城ヶ崎美嘉だよー』

今まで、ざっと数十人プロデュースしてきたが、
アイドル候補生として見た美嘉の第一印象は“悪くはなさそう”ぐらいのものだった。

『アイドルだろうと何だろうと、どうせやるならオンリーワンよりナンバーワンになりたい!』

容姿はアイドルとしてやっていけそうだし、挨拶はちゃんとできる。家に変なしがらみもない。
学生だったので、学校のことを聞いてみた。人並みには勉強してる風だった。

『ってことで、一緒にトップアイドル、目指そうね!』

初対面の美嘉は、デビュー前のアイドルが持つ独特の眩しさを放っていた。



『へへへ。今日のアタシ、どうよ』

俺はプロデュースを始めてすぐに、美嘉に対する評価を、
“俺が余計な口出ししなければ、十分やっていけるだろう”まで上方修正した。

『プロデューサー。アタシのこと、ちゃあんと見ててよね★』

美嘉は、世間知らずで怖いものなし。さらに素直で真面目だった。
担当アイドルとしては、とても扱いやすい。

『ね、プロデューサー。少しはアタシ、アイドルらしくなってきたかな?』

さらに美嘉は、自分がどういうアイドルであるべきか、セルフイメージをしっかりと持っていた。

『へへへ、アタシにかかれば楽勝だねっ★』

そのイメージが、ギャル――メインターゲットをティーン女子に絞ってアピールする――
という、分かりやすく手堅いものだった。俺の仕事は、それに合わせて美嘉を売るだけだ。

『やばっ、本気にさせると、こんなにスゴいの!?』

美嘉の芸能活動は、俺から見れば至極順調だった。
一方、美嘉は彼女なりに苦心していたようだ。

『負けちゃったかぁ……次はもうちょっとテンションアゲてこ!』

それもある意味当然で、担当アイドル10人いたら、2〜3人当たって御の字と思う俺と、
アイドル並みの容姿に恵まれて育った美嘉では、同じ道を歩いていても、感覚に差がでてくる。


★03

『プロデューサーは、アタシのコト誤解しないで見てくれたじゃん?
 アタシが今ココにいるのは、そのおかげだよ。だから……ありがと★』

俺と美嘉の活動は、上手く行っていた。
俺は、期待しただけ結果を出してくれる美嘉を、安心して見ていられた。
美嘉は、天狗にならない程度の成功と、心が折れない程度の失敗を経て、一人前らしくなった。

『プロデューサー、見ててよ! アタシのパフォーマンス!』

美嘉との活動を細かく思い出しても、ケチをつけるところは殆ど無い。

挙げるとすれば、せいぜい二つ。

『やっぱアタシってギャルだし、肌出し上等かなって思うんだよね!』

一つは、ギャルというセルフイメージから脱却できなかったこと。
20でアイドル続けるなら、ましてトップアイドルを目指すなら、
ニッチ需要のギャルからは、さっさと方針転換しなければならなかった。

『ねぇプロデューサー。これからもずーっとアタシのプロデューサーでいてね♪』

もう一つは、俺を見限れなかったこと。
俺のようなプロデューサーは、自分の実績とするためアイドルをプロデュースするので、
頭打ちになった担当アイドルは、跡を濁す前に退場してもらいたい。
その労力を新しい面子に回したい――という内心を、美嘉は理解しなかった。

『へへへ、絶対だよっ★』

俺がプロデューサーとして、美嘉にしてやることがなくなったあたり。
もう他所のプロデューサーにやっても恥ずかしくないな、なんて終わりを匂わせてやった。

美嘉は、俺の示唆を黙殺した。



『プロデューサーっ、早く次の仕事しようよー!』

美嘉は素直だったが、ごくたまに生意気な口を聞くことがあった。

『今年は、このアタシ! 美嘉がパーフェクトなサンタ役をこなしちゃうから★』

他のアイドルよりずっと少なかったが、子供らしく拗ねてヘソを曲げることもあった。

『プロデューサーにもっとお返しできるよーに、アタシ来年も頑張るからね★』

仕事で辛く理不尽な目を見たら、弱音を吐くこともあった。

『最高に輝くキラキラの美嘉、見せてあげる★』

ワガママを言い慣れてないのか、たまに何か強請(ねだ)ってくる様子は、妹の莉嘉よりぎこちなかった。

『アタシらが最高のペアだってとこ、教えたげなきゃ!』

そんな美嘉が、プロデューサーの俺に初めて反抗した。


★03 幕間

『アイドルを続けようか、プロデューサーに気持ちを伝えようか。
 アタシはこんなに苦しい思いをしているのに、プロデューサーは割りきっちゃってるんだ?
 それって、ズルい。このままじゃ、済まさないから』

美嘉は、そんなこと言わない。
それはアイドルとして口に出してはいけないことだ。
美嘉は真剣にアイドルやってたんだから、そのぐらい分かってるはずだ。

分かってるはず、だったんだがなぁ。


★04

事務所から見る窓の外は、まだ角度の高い西日。春なのに、肌の汗ばむ陽気。
CGプロのプロデューサーが事務仕事をするオフィスは、ほとんど空席だった。
同僚は大半が営業に出ていて、部屋に響くパソコンの打鍵音もまばらだ。

「美嘉か。早いな」

いつもより1時間も早く、美嘉は事務所にやってきて、プロデューサー部屋のドアを開けた。
美嘉は着崩した制服のまま、乾燥した空気を裂いて、俺のデスクに歩み寄る。

「プロデューサー。忙しいだろうけど、ちょっといいかな」



美嘉に連れられて、プロデューサー部屋から、
アイドルたちが時間つぶしに屯(たむろ)す休憩室に行った。

この部屋は、基本的にはプロデューサー禁制の場所だ。
“事務所内には、プロデューサーに監視されない場所も必要だろう”との配慮で、そうなっている。
一部のアイドルは、こちらの配慮を無視してプロデューサーを連れ込むこともあるが、それは例外だ。

その日は珍しく、部屋に誰もいなかった。
いつもお茶受けが並ぶテーブルが、何も乗っていないせいで、やけに広い。

「何だ、年少組もいないのか」

どうせ休憩室には先客がいるだろう、と高をくくっていた俺は、面食らった。

「ちょっとね。みんなに頼んで、空けといてもらったんだ」

何か仕掛けてくるのか。あの、物分かりの良かった美嘉が。
ようやく思い当たった瞬間、美嘉が休憩室の扉を閉めた。



「プロデューサーが……そういう目でアタシのこと見てるの、知ってる」

二人きりで立ち尽くす休憩室は、いつ破れるとも知れぬ密室。
無機質なはずの蛍光灯の明かりが、美嘉の虹彩に映って揺らぐ。

「いつになく、回りくどい言い方をするじゃないか、美嘉」

衣装合わせの度に“目線がエロい!”と頬を膨らませる美嘉が、“そういう目”なんて婉曲な言い方をした。
俺から美嘉への視線に“エロい”以外の意味を感じ取ったのか。さすが一人前のアイドル。他人の目線に敏い。

「プロデューサーは仕事人間だから、もしアタシが引退したり、担当から外れちゃったら、
 アタシのこと、見向きもしなくなるんだろうね」

美嘉が大股で一歩こちらに迫る。
俺は、後退りしそうになるのを、膝で踏ん張って止まる。

「プロデューサーのこと、好き。だから、抱いてよ。プロデューサーが、アタシを見てくれている内に」

俺が動かないのを見た美嘉は、俺の懐に踏み込んで、肩に手を回す。
鯖読んだバストが押し付けられる。40キロそこそこの体重のくせに、俺の体勢を傾がせる。

「ここには、アタシとプロデューサーしかいない。イヤとは、言わないよね。分かってるっしょ」

俺は美嘉のことを十分に理解していなかった。だから、こんな手に嵌められた。


★05

部屋の窓を開けて、換気をする。
美嘉は着衣を直そうとして、ソファから身を起こし立ち上がった。
処女喪失直後で違和感があるのか、立ち姿がぎこちない。
これでは、普段通り歩けるか怪しいものだ。

「そんな状態で、ちゃんとレッスンできるのかよ。トレーナーさんに怪しまれるぞ」
「そうだね。こんなんじゃ、ステップもまともに踏めないよ。どうしようか?」

勘の良い人なら、歩いてる姿だけで察してしまうかもしれない。
美嘉は、本気で誤魔化す気がないのか。

「馬鹿にしやがって。今日明日はボーカルしか入れてないぞ」
「担当アイドルのスケは、素で把握してるんだ。プロデューサーの鑑だね★」



美嘉に迫られた時、当座は美嘉に合わせてやる腹を決めた。
アイドルがプロデューサーにこんな奸計を仕掛けてくる――なんて、俺は考えもしなかったので、
美嘉にそこを突かれて、主導権を獲られ嵌められてしまった。
ここでジタバタして美嘉にヘソ曲げられたら、致命傷になってしまう。

「優しくして。でも、声も……出させないように、して」

生意気言いやがって、なんて悪態を奥歯で噛み潰す。
休憩室に二人きりで、美嘉が根回しして――本当にしていれば、だが――アイドルが来ないとはいえ、
壁を何枚か隔てた向こうに、鬼と悪魔とプロデューサーたちがいる。
美嘉に騒がれて、連中がドアを開けたらおしまいだ。

「初めては思い出の場所になるんだから、もう少しマシなところを選んでもいいんだが」
「プロデューサーったら、キッパリ言ったね。アタシ、あんな格好してるのに」

処女がどうたらなんてカマをかけるフリして、場所を移して有耶無耶に――
という魂胆は案の定、空振りした。代わりに、面倒臭い事実を再確認してしまった。
そういえば前に莉嘉が“お姉ちゃんはカレシいたことないんだよー☆”と教えてくれたっけ。

「“あんな格好”って、それ着させてる人間の前で“あんな”とか言うんじゃない。
 そんなにイヤなら、今からでも路線変えちまうぞ」
「アレはアレ、コレはコレよ。プロデューサーには、素のアタシも見て欲しかったんだ」

美嘉は自分のセリフで恥ずかしくなったのか、俺から目をそらすと、
腰に巻いてたスクールセーターを解いて、テーブルの上で畳んだ。

「そうか。それなら、今から仕事のことは忘れて、素になるか」

美嘉はキャラに反して――ある意味、キャラ通りかも知れないが――頭のなかは少女漫画だ。

「俺はプロデューサーでなくて、美嘉はアイドルでもない。そういうことで」

だから、言って欲しがってるセリフは、おおよそ見当がつく。

「あっ――」

それなら、今しばらくは美嘉に付き合ってやれる。
しばらく経った後については、考えないとならんが。


★05 幕間

『プロデューサーが抱いてくれたら、吹っ切れるかと思ったんだけど、ダメそうだよ……ごめんね』

俺のことが好きだとか。恋人面したいとか。
美嘉はおかしなこと言ってる。

確かに俺は、美嘉――を含めた担当アイドル――に好かれるよう、努力はしてきた。
それは、プロデューサーとして重要な技能だから。

だが、告白されることは考えてなかった。
なぜなら、プロデューサーなんて彼氏にするには最悪の職業だから。
生活が不規則で死ぬほど忙しいから、彼女をロクにかまってやれない。
仕事で他の女を追っかけまわしてる。

俺のプロデューサーとしての仕事を見ていた美嘉なら、その最悪っぷりを知ってるだろうに。

『アイドル……辞めたくないよ。アタシ、まだプロデューサーに――』

ああ、そうか。
だから美嘉は、俺の担当アイドルのままで恋人になりたがるのか。



それ、虫が良すぎやしないか。


★06

窓の外は、日が落ちて、すっかり暗くなっていた。

「助けて、プロデューサー! アタシだけじゃ手が回らないの!」
「ハイハイ、プロデューサー先生の授業料は30分1万円からですよ」
「いや高過ぎだからっ!? というか担当アイドルから金取るなし!」

学生組のレッスンが切り上がる時間になると、
俺は美嘉に引っ張られて、再びアイドルたちの控室に足を踏み入れた。

さっき二人きりだった時は、何も乗っていなかったテーブル。
今や小学生から高校生までの参考書やノートが、無残に散乱していた。

「中間テストまで間があると思って、完全に油断しとったわ!」
「理科が得意と思った? 残念、キノコ以外は専門外……」
「おっ☆ お姉ちゃんナイス! PくんPくん、アタシの手伝ってよー☆」
「……英単語は自分で覚えようか、ねっ★」
「ひッ」

このプロダクションは、学生アイドルの勉学について、それなりに厳しくやっている。
これは“所属アイドルは、基本的に大学へ進学させる”という経営の都合だ。
この実績があると、スカウトで親御さんを口説き落とす際に、絶大な効果を発揮する。

それに、ティーンのアイドルは学生生活をしっかり堪能できていないことが多い。
だからせめて、大学は通わせてやりたい、と個人的にも思ってる。

「あっ、プロデューサーさん来た!? じゃあ私はお役御免ってことで」
「おい逃げるな、シメるぞ」

いつもなら、学生を卒業したアイドルに勉強の面倒を見させているのだが、
今日はあらかじめ美嘉が人払いしてしまっていたからか、年長組が手薄なようだ。

莉嘉から伝え聞いた話だが、美嘉は“先生役”として結構頼られているらしい。
妹のおかげで、勉強を見てやることに慣れているのだろう。

俺は、テーブルに広がった中で一番難しそうな参考書に手を伸ばした。

“生物の生体膜には、タンパク質でできた物質の輸送経路があります。
 イオンは特にイオンチャネルという経路を通ります。このような経路は――”

「ぷっプロデューサー、それはアタシのだから、それはいいよっ」

生物細胞の図や化学式が目に入って、気が重くなっていると、
その参考書を美嘉にひったくられた。

「美嘉って理系だったか? それとも、俺の時代とはカリキュラム違うのか。
 何にせよ、これは俺や大人連中には荷が重いぞ。トレーナーさんなら分かるかもしれんが」
「いいからっ、プロデューサーは高校生組を何とかして!」

そう言って、美嘉はソファでゴロゴロしている中坊たちの方に向かっていった。



たった数時間前に、美嘉はそのソファの上で処女を失ったのだが、
その残り香は、まったく感じられなかった。


★07

美嘉が行為に慣れるまで、さほどの回数は要らなかった。

「ね。手を回して、もうちょっと近くに、してよ」

美嘉は、くちびるを殆ど動かさずに呟く。そんな小さな声が聞き取れるほど、
俺と美嘉は近くにいるのに、美嘉はもっと近づいて欲しいようだ。

「アタシの肩抱いて、ぎゅってして。シてるトコの顔、見られたら、恥ずかしいから」
「初めての時は、“アタシのコト見てて”って言ってた気がするが。心境の変化って奴か」
「うるさいっ、余計なこと言うと、ヤメにするよ」

清潔だが、殺風景なまでに飾り気の無しの部屋で、美嘉と二人きり。
窓には分厚いブラインド。昼夜も見えない部屋の中に、二人寝だと窮屈なベッドが一つだけ。

「この体勢、俺は座ってて動きにくいからな。たまには、俺が動きたいんだが」
「勝手なコト言っちゃ、イヤ。アタシが、させたげてんだよ」

ベッドに座る俺の膝を、美嘉が跨ぐ。

「全部、アタシに任せてれば、いいんだから」



何度か身体を重ねる内に気づいたことだが、美嘉は対面座位がお気に入りだ。
自分で腰を動かして主導権が取れるのと、肌と肌をくっつけられるのが、好きらしい。

「確かにこれは、美嘉がシてくれてる感じがして、いいんだが」

と俺は言ったが、対面座位そのものは特に好きでない。美嘉の腰使いはヌルいので、焦れったくなる。
また、美嘉の胸や曲線美が見えにくく勿体無い。もう少し目で美嘉を堪能したいもんだ。

「それにお前って、この体勢だと俺に爪立ててくるだろ」

爪は、立てられると困る。痛みが消えて、傷だけ残ってた時とか、油断してるとおかしなことになる。
この間、薫の肩たたき券を使った時、“せんせぇ、首がイタイイタイってなってる……”と言われてしまった。

「……そうしないと安定しないんだから、ガマンしてよ」

ほんの一、二ヶ月前は、ペニス捩じ込まれるだけで身体を強張らせてたのに、
いつの間にか、対面座位で下を殆ど見ないまま、挿入できるようになってる。

「痛みなんか、感じさせないから★」

レッスンよりも遥かに飲み込みが早いぞ。それ、アイドルとしてどうなんだ。

「ふふ、入っちゃった……入っちゃったよー★」

対面座位でペニス打ち込まれてるんだから、息苦しいだろうに、美嘉は余裕ぶってて、わざと軽い声音。

「ホラ、目をつぶって……何? キス、するんだよ。こんなに、顔が近いんだから」

シてる時の顔は、恥ずかしいから見られたくない。でも、シながらキスはしたい。乙女の羞恥心は難しい。

美嘉は積極的に舌を突っ込んでくる。強引すぎて、合わせた唇がずれ、不格好な水音が鳴ってしまう。
それでもキスを続ける。リップもグロスも失せる。そうなってしまえ、という意気込みさえ伝わる。
俺のうなじに回された美嘉の手が、爪を食い込ませる。


★08

「実はアタシ、プロデューサーの言うコト、素直に聞く子じゃないの」

顎までべたつくほど、唇をむさぼりあってから、美嘉に耳元で囁かれる。

「だから、爪立てるなとか、言われちゃうと――ね、もっと、やっちゃいたくなるんだ★」

美嘉はダンスレッスンもあるので、爪は短く切っている。
爪は、割れる心配が無い程度の長さ。それでも力を込められると、痛みが肌へキリキリ刺さる。

「美嘉は、爪を立てると興奮するのか?」
「何言ってるのさ、プロデューサー」
「立ててる間は、締まりがキツくなってる気がするんだが」

俺のセリフが癪に障ったのか、美嘉は両手をグリグリさせて、俺の背中を浅く抉る。
そうなると、美嘉はより力を込めて俺に抱きつく体勢になる。膣内も連動して締まる。

「わざとやってるなら、程々にな。続けてると、クセになるぞ」
「なったっていいじゃない。アタシの勝手でしょ」

美嘉は意地になったのか、首筋に噛み付いてくる。
これをやられると、キスマークと歯型の間みたいな痕をつけられてしまう。
対面座位を足でホールドされてるから、振りほどく術もなし。

大して痛みを感じちゃいないが、背中をガリガリ、肩口をガタガタやられっぱなしだ。
俺は意趣返しがしたくなって、美嘉の胴に回していた腕を滑らせ、背骨を撫でた。

「ふ――んぁっ」
「そんなに背中に引っ掻き傷つけたいなら、美嘉もつけてみるか」

背中に垂れる汗を、窪みから薄く伸ばしてやる。
美嘉の腕が力み、細い肩が上下に揺らぐ。いい反応してる。
心なしか、下半身の滑りも良くなっている。

「何さ、プロデューサー、本気でつけるつもりじゃないっしょ。アタシ露出多いから、すぐバレるじゃん」
「そんなこと言って、美嘉は感じてるみたいだな。弱点だったりするか」
「アイドルをキズモノにしちゃって、いいの」

キズモノって、何を今更――あ。ちょうど、美嘉が俺の肩に顎を乗せてて助かった。
油断してて、顔が緩んだ。顔を見られてたら、苦笑がバレてた。

「その言い方。気づかれないところなら、付けられたいって意味か」
「バカなこと、言っちゃダメっ」

俺の難癖にも、美嘉は律儀に反応してくれる。
ああ、対面座位って意外と悪くないかもしれない。

「美嘉、何を想像したんだか」

美嘉に囁いた時の効果は、顔が近いから覿面だし、

「腰、動きたそうにしてるぞ」
「ちっちがっ、そ――い、いい気になって!」

身体が密着してるから、美嘉の反応が分かりやすい。


★09

美嘉と、荒い呼吸を混ぜあわせる。
美嘉の背中を伝う汗が、手触りでも分かるほど増してくる。

「んんっ! う、は、あぁっ」

美嘉が身体をくねらせる。生意気な感触の胸が、形を歪ませる。
押し付けられる下半身。陰毛がざらざらと絡む。美嘉の締め付けは忙(せわ)しない。
汗やら何やらでぬめった肌が擦れて張り付いて、べちゃべちゃとだらしない音を放る。

「声が籠もってる。そんなに余裕ないか」
「そういうプロデューサーは、きつくなると、口を回して誤魔化すよね」

美嘉の両手が、俺の肩甲骨に引っ掛けられる。
踵で腰を叩かれる。拍車でもかけてるつもりか。

俺は足首と膝に力を入れて、腰を使う気配をさせる。
その一瞬で、美嘉のヘソ辺りが引き攣る。

「期待、してるのか」
「ダラダラしちゃ、イヤ。オジサン臭いから」

美嘉の背中を撫でていた両手を、腰骨まで下ろす。
汗でぬらぬらした美嘉の身体は、ここぐらいしかとらえどころがない。
手を添えつつ、逃げられないように握力を込めて支える。

「んっ、く、んんんっ!」

美嘉は俺の手に張り合って、肩甲骨へ爪を立てた。
この調子じゃ、また背中に傷を増やされてしまう。

本当に、美嘉はしょうがないやつだ。


★10

「プロデューサー、プロデューサーっ! 起きてる?」
「起きてるよ」
「電話、鳴ってる」

静かだった部屋に、篭った振動音が水を差す。
俺は気怠さのあまり聞かないフリをしていたが、美嘉に促されてディスプレイを見る。

「出なくていいの?」
「……事務所だった。いいだろ」
「ダメだよ、仕事だったらどうするの」

冗談だと思って美嘉の表情を見たら、本気で咎めている風だった。
もうアイドルとプロデューサーの顔に切り替えたのか。

『……はい、Pです。お待たせしました』
『Pさんですか、千川です』

俺は携帯片手に、カバンから筆記用具を探った。
裏紙に使ってもいい書類は、すぐ引っ張り出せたが、ペンが見つからない。

『今、大丈夫ですか? 前に話した美嘉ちゃんの件、相談したいことがありまして』

肩を軽く叩かれた。何かと思って振り向くと、美嘉がボールペンらしきものを握らせてくる。
何の変哲もない黒のノック式ボールペン。美嘉が持つには、事務的で素っ気ない品だ。

『もしかして、Pさん取り込み中ですか?』
『後、40分ぐらいで事務所に戻りますので、できれば、直接話したいんですが』
『構いません。さしあたって、例の件がおおまかな見通しは立った、ということだけ報告をば』
『承知しました。後ほど詳しく聞かせていただきます』

俺は一度出したボールペンのペン先を、ペン軸に戻した。

『それにしても、Pさんが美嘉ちゃん持て余すなんて、意外ですね。
 あの子、Pさんの言うことなら、渋って見せるだけで、結局は聞いちゃいそうなのに』
『そんなもんでしたけどね。今までは』
『あっ、もしかして“しなくていい”って言うと、余計なことするタイプなんですか』
『あと40分で行きますので、よろしくお願いします』

この遣り取りを続けてると、碌なことが起こらない予感がして、俺は通話を切った。



「んもープロデューサー! やっぱり仕事だったんじゃん!」

通話を切って携帯をカバンに放り込むと、美嘉がふくれっ面で俺の腕を掴んできた。

「別件で、ちひろさんから呼び出し掛けられちまった。悪いが、今日はもう相手してやれない」
「相手してくれるのは嬉しいけど、仕事もしっかりね。アタシのプロデューサーなんだからさ★」

俺は、美嘉の反応に軽い衝撃を受けた。恨み言の一つ二つ投げつけられると思ったのに。
美嘉は、俺がムードぶち壊しのタイミングで電話に出たことより、
俺がプロデューサーとしての業務連絡を無視したことに、むくれてたらしい。
女心は難しい。


★10 幕間

『芸能界ってさ、華やかでキラキラしてるのと同じくらい、辛くて厳しいよね。
 でも、プロデューサーと一緒にやってこれたから、アタシも名前が売れてきたし。
 ホント、頼りにしてるんだからねっ★』

美嘉は、アイドル活動をよく頑張っていた。
幸運なことに、美嘉の売上は努力に見合っていた。

『プロデューサーも、アタシのこと頼りにしてくれたら、嬉しいかな……なんて』

美嘉のおかげで、俺もプロデューサーとしての箔が一つ増えた。



『プロデューサー、アタシを見てよ』

美嘉は、どうやら勘違いしている。

『アタシがプロデューサーを見てるのと、同じくらい真剣に』

自分はこれだけ思っているから、これだけのことをしてあげたから、
相手も自分と同じくらい思ってくれてるはず、同じことをしてくれるはず――そんなところか。

右目でファンを見て、左目でプロデューサー見てるようなアイドルが、そんなこと言ってもなぁ。


★11

「ねぇねぇPくーんっ☆ 見て見てっ、うまくできたっしょ!」
「うまくできた……って、それ、莉嘉が自分でやったのか」

ある日の夕方、俺が事務所で一服していると、不意に莉嘉から声をかけられた。
コーヒーの匂いを掻き消すシンナー臭。一瞬ぎょっとしたが、莉嘉に両手をパーの形で突き出されて気付く。
ネイルアートをいじっていたらしい。

「うまいもんだな。お菓子みたいで美味しそうにできてる」
「もーPくんったら、どんな褒め方してるの! いいけどさっ」
「すまんすまん。でも、そこまで仕上げるのは大変だ。練習しただろう?」
「まぁね。カリスマギャルなら、メイクもスタイリストさん任せじゃいけないし☆」

長い付け爪に描かれたネイルアートは、白とピンクの甘そうなマーブル模様が、
素人目にもキレイに描かれていた。これなら他人に見せたくなる気持ちも分かる。

それにしても、こんなに除光液の匂いプンプンさせてるのをみると、相当苦戦したのか。
あるいは、マニキュア用の除光液を無理して使ってたのか。

「って、待てよ。莉嘉は、それ自分で自分の爪にそれ塗ったのか?」

俺は少し引っかかった。セルフ塗りに慣れていれば、一人でも上手く仕上げられるだろう。
だが、莉嘉はそんなに手慣れているのか。右手と左手で遜色なく筆が使えるのか。
違うな。慣れてたとしたら、こんなにシンナー臭プンプンさせてない。



「へへへっ、バレちゃあ仕方ないな☆ 実はコレ――」
「――莉嘉ぁああっ! アンタその匂いのままどこまで行ってんのよっ!」
「あ、お姉ちゃん!」

アイドルにあるまじき声音とともに、美嘉が莉嘉の背中に手をかけた。
子猫の首根っこを咥えた母猫を連想させる姿だ。

「お姉ちゃん良かったね☆ Pくん、美味しそうだって褒めてくれたよっ」
「美味しそうって何の話よ……って、あ、ぷ、プロデューサー」
「おう、美嘉。妹に塗ってやったのか。美嘉センセイ、いい仕事するじゃないか」
「何ソレ、妙な言い方しないでよ」
「いいじゃんお姉ちゃん、今度雑誌でそっちの特集やるからって、練習しなきゃって言ってたけど、
 Pくんのお墨付きもらっちゃったし、アタシが実験台になったげて良かったねー☆」

美嘉に肩を引っ掴まれて、莉嘉はさらに調子が良くなった。子猫側も、掴まれるのに慣れているようだ。

「アタシにしてくれたみたいに、キレイに決まったら、指先だけでみんなイチコロだね☆」
「そうだな。美嘉の爪だと、そりゃあもうスゴいことになるからな」
「な、何よ、プロデューサーっ、変な言い方しないでって言ったっしょ!?」
「あははっ、お姉ちゃん何照れてるの、Pくんの前だからかなー?」

俺が莉嘉の肩――にかかっている美嘉の手――を見ていることに気づくと、
何を思ったのか、美嘉は慌てて手を引っ込めた。
美嘉の奴、爪って単語で変な想像したな。

「じゃあ明日はさー、アタシが練習するから、お姉ちゃんが実験台になってよー。
 今日のお姉ちゃんとどっちが上手くできたか、Pくんに見てもらうんだから☆」
「なっ! や、イヤだよそんな、絶対イヤだかんね!」
「何でよ! お姉ちゃんズルいっ、アタシのカラダ使っといて、ヤラれ損だーっ!」
「アンタまで妙なコト言うんじゃないっ!」

姉妹の応酬は、除光液の匂いがすっかり消えても、まだ続いていた。


後編につづく

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

その他のメニュー


検討中

キュート

クール

パッション

その他


【メニュー編集】

メンバーのみ編集できます

広告募集中