アニメや漫画、小説などの登場人物の性格について台詞や行動をもとに性格診断し、予想を書き出してまとめるwikiです。キャラクターの性格と人間関係を考察したり、創作論に役立てることを目的としています。
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ウイルクは威圧的ではないENTJだと思う。群れがシンプルな理の元に統率され、迅速に無駄なく機能することを最優先する。弱いものは負けて食われる、間違った情けや優しさは弱さになる、自分たちの領域は戦うことでしか守れないというTe優位のシビアな考え方は一貫している。感情を露わにしないため内向型に見えるが、アイヌでも監獄内でも積極的に他人と関わっており、彼の立てる計画はどれも人を組織的に動かすことを大前提としている。またアイヌに外部の人間として入った時に、理知的で公正な態度で人々をまとめ一目置かれるようになったという描写がある。補助と代替はSi-Ne(保守的傾向、監督者)よりもNi-Se(未来志向、指導者)と考えた。178話で大久保利通になぞらえられ「目的のために手段を選ばない姿勢で冷酷に取られるが、強い意志で決断し行動できる人」と評されており、この説明はそのままENTJに当てはまるように思う。ちなみにキロランケはENTJではないと思うが判別しづらい。理想像にこだわるロマンチスト的側面がある。自分の中のウイルクのイメージに執着して解釈違いゆえに殺害するなど、現実との齟齬が起きた際素直に受け入れることに抵抗がある様子。真逆のタイプ(ISFP)にあたるのは鯉登。彼らに直接の接点はないが、人の上に立つ者として同じ状況に置かれた時の両者を比べると、それぞれが重きを置いているTeとFiの違いが際立つ。例えば同行する仲間が重傷を負って足手まといになったときウイルクはためらいなく殺したが、鯉登は大切な部下に対してそういう選択肢を持つことはなかった。彼は情が移った人間と命のやり取りをする際にワンテンポ遅れる場面が多く描かれた。鯉登はとにかく逡巡する、だから遅い。しかし逡巡の末にできるだけ人道的で明るいと思われるほうへ向かっていこうとする。個々の事情を汲みつつも、流されずに自分なりの健康的な光を見出すのには時間がかかるのだ。ウイルクは強靭な決断力と実行力があり頼もしいが情状酌量をしない。親しさの度合いに応じて手心を加えてくれるわけではない。彼は目的を定めてそれを絶対的なものとし、そこへ向かう道中で最短経路になるような解を採用していく。狼に追いつこうとする彼には、速さが重要なのだ。ただし条件が変われば実現可能性を優先させ、軌道修正して目的を据え直す事もある。合目的性が人倫よりも上位にあるため、顔の皮を入れ替えたり、剥ぐことを前提とした刺青を入れるなど、自他を問わず人の体を平等にモノのように扱うことができる。彼の恐れや苦痛は描かれず、躊躇いのなさが強調されている。自己感情で動いていないから、行為の結果に対しては判断責任を感じこそすれ恐らく罪悪感は抱きづらいのだろう。鶴見の妻子を撃った理由ははっきり描かれていないが、自分たちの情報が漏れかねない不穏な要素として先回りして排除したと思われる。(フィーナが手配書を持っていたことには殺した後で気づいている) 少なくとも家族を持つ前のウイルクは「誰かにとっての大切な人」のような個々の心情を一顧だにしなかった。
鶴見(INFJもしくはENFJ、Feが顕著)にとってウイルクの合目的主義は決定的に相容れない部分があり、妻子の殺害によってそれが修復不可能な亀裂として露呈することになった。鶴見は妻には正体を隠していたし部下には意図的に甘言を囁いて利用していた。彼のささやく愛にはいつも嘘が混じっている。しかしすべてが嘘というわけでもない。有古に持たせた刺青人皮に本物を混ぜたように、真実の慈しみや情けも混じっている。稲妻夫婦の子供を生かす、ソフィアに対してでさえも最後撃つ前に赦しを告げるなど、死にゆく者に眼差しを与え、死んでいった者の思いに立ち止まることを大切にしてもいる。鶴見は、自分の愛していた存在が一切の感情を交えずに目的の雑音として淡々と殺され、しかも殺した当人には野蛮さも罪の感情もないというやりきれなさの中にあった。ほんの少しの情けをも無駄として切り捨てる姿勢は、彼の主義に最も反することだっただろう。だから彼はアシリパの前でその一件をはっきり罪と糾弾し、決して許さなかった。憎い相手の娘であっても憎しみのままに殺すことはしなかったが、怨恨は歪んだかたちで漏れ出ることになった。教会でのシーンを狂っていると評する向きもあるが、あれはどこまでも正気を失わない人の、正気を失えないからこその悲痛だったと思った。
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ウイルクは威圧的ではないENTJだと思う。群れがシンプルな理の元に統率され、迅速に無駄なく機能することを最優先する。弱いものは負けて食われる、間違った情けや優しさは弱さになる、自分たちの領域は戦うことでしか守れないというTe優位のシビアな考え方は一貫している。感情を露わにしないため内向型に見えるが、アイヌでも監獄内でも積極的に他人と関わっており、彼の立てる計画はどれも人を組織的に動かすことを大前提としている。またアイヌに外部の人間として入った時に、理知的で公正な態度で人々をまとめ一目置かれるようになったという描写がある。補助と代替はSi-Ne(保守的傾向、監督者)よりもNi-Se(未来志向、指導者)と考えた。178話で大久保利通になぞらえられ「目的のために手段を選ばない姿勢で冷酷に取られるが、強い意志で決断し行動できる人」と評されており、この説明はそのままENTJに当てはまるように思う。
ちなみにキロランケはENTJではないと思うが判別しづらい。理想像にこだわるロマンチスト的側面がある。自分の中のウイルクのイメージに執着して解釈違いゆえに殺害するなど、現実との齟齬が起きた際素直に受け入れることに抵抗がある様子。
真逆のタイプ(ISFP)にあたるのは鯉登。彼らに直接の接点はないが、人の上に立つ者として同じ状況に置かれた時の両者を比べると、それぞれが重きを置いているTeとFiの違いが際立つ。例えば同行する仲間が重傷を負って足手まといになったときウイルクはためらいなく殺したが、鯉登は大切な部下に対してそういう選択肢を持つことはなかった。彼は情が移った人間と命のやり取りをする際にワンテンポ遅れる場面が多く描かれた。鯉登はとにかく逡巡する、だから遅い。しかし逡巡の末にできるだけ人道的で明るいと思われるほうへ向かっていこうとする。個々の事情を汲みつつも、流されずに自分なりの健康的な光を見出すのには時間がかかるのだ。
ウイルクは強靭な決断力と実行力があり頼もしいが情状酌量をしない。親しさの度合いに応じて手心を加えてくれるわけではない。彼は目的を定めてそれを絶対的なものとし、そこへ向かう道中で最短経路になるような解を採用していく。狼に追いつこうとする彼には、速さが重要なのだ。ただし条件が変われば実現可能性を優先させ、軌道修正して目的を据え直す事もある。合目的性が人倫よりも上位にあるため、顔の皮を入れ替えたり、剥ぐことを前提とした刺青を入れるなど、自他を問わず人の体を平等にモノのように扱うことができる。彼の恐れや苦痛は描かれず、躊躇いのなさが強調されている。自己感情で動いていないから、行為の結果に対しては判断責任を感じこそすれ恐らく罪悪感は抱きづらいのだろう。
鶴見の妻子を撃った理由ははっきり描かれていないが、自分たちの情報が漏れかねない不穏な要素として先回りして排除したと思われる。(フィーナが手配書を持っていたことには殺した後で気づいている) 少なくとも家族を持つ前のウイルクは「誰かにとっての大切な人」のような個々の心情を一顧だにしなかった。
鶴見(INFJもしくはENFJ、Feが顕著)にとってウイルクの合目的主義は決定的に相容れない部分があり、妻子の殺害によってそれが修復不可能な亀裂として露呈することになった。鶴見は妻には正体を隠していたし部下には意図的に甘言を囁いて利用していた。彼のささやく愛にはいつも嘘が混じっている。しかしすべてが嘘というわけでもない。有古に持たせた刺青人皮に本物を混ぜたように、真実の慈しみや情けも混じっている。稲妻夫婦の子供を生かす、ソフィアに対してでさえも最後撃つ前に赦しを告げるなど、死にゆく者に眼差しを与え、死んでいった者の思いに立ち止まることを大切にしてもいる。
鶴見は、自分の愛していた存在が一切の感情を交えずに目的の雑音として淡々と殺され、しかも殺した当人には野蛮さも罪の感情もないというやりきれなさの中にあった。ほんの少しの情けをも無駄として切り捨てる姿勢は、彼の主義に最も反することだっただろう。だから彼はアシリパの前でその一件をはっきり罪と糾弾し、決して許さなかった。憎い相手の娘であっても憎しみのままに殺すことはしなかったが、怨恨は歪んだかたちで漏れ出ることになった。教会でのシーンを狂っていると評する向きもあるが、あれはどこまでも正気を失わない人の、正気を失えないからこその悲痛だったと思った。