
|  | 白銀の指輪……本当につけたら、焼かれてしまったりして。浄化されちゃってね。……だってほら私、昔、あの子に血を…… あ、はあい。着替えの時間みたい。ようやく脱げる♪ |
 | ふう……もう、肩がこっちゃった。ウェディングドレスって、着ているのが本当に大変なんだから。貴方もいつか暇なときに着てみたらいいよ。着せるの手伝うから。 |
 | って、そんな話がしたかったわけじゃなくって。え?さっきの話?なんの話だっけ。昔話?そっか、昔話が聞きたいなら、聞かせてあげる。昔々…… |
 | 片思いのまま結婚できずにこの世を去ってしまった者がいました。その者は、哀しみと怒りのあまり……なんと棺桶から蘇り、血をすする化け物になってしまったのです。 |
 | その名もストリゴイ。ルーマニアでの名前ね。いわゆる、吸血鬼。幼い頃、魔女のお婆ちゃんは伝承のお話をよく聞かせてくれた。そうして生まれた吸血鬼は、人を襲って仲間を増やすんだって。 |
 | 貴方も……似たようなものだよね。片思いだし。自覚はあった?女の子を襲って……はないけど、アイドルに仕立て上げて、仲間を増やして。それが魔法か呪いかは、わからないけど。 |
 | 私はかけられた魔法を、呪いじゃなくて、祝福に変えてみせる。その力はきっと、私を自由にしてくれるはずだから。闇に翼を広げて、飛び立たせてくれる契約だって、信じてるから。 |
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