|  | 私が夜にしか輝けない月なら、あの子は太陽だったよ。ルーベンスの天使みたいな笑顔で笑ってくれる子だった。……とっても賢くて、可愛い子だったの。そう、過去形。 |
 | でも、独りだと、闇に沈んでいっちゃいそうだったから…… 私のものにしたの。私のものは、誰も奪えない。奪わせない。普通、お気に入りは大切にしまっておくものでしょ? |
 | だから一番近くにおいて、ずっと静かに暮らしてきたよ。宝物は、秘密の小箱のなかに。千夜ちゃんは私の僕に。でも、私の宝物は宝石じゃなくて、可愛い薔薇のつぼみだった。 |
 | 私は、そのつぼみが咲く瞬間を見たくなったの。私自身が花ひらく以上に、美しい輝きを見てみたい。でも、私が咲かせるのは違う。無理矢理は主義じゃないの。 |
 | ……そんなとき、偶然あなたと出会った。女の子を輝かせる、庭園の魔法使いさん♪私を咲かせて、千夜ちゃんのことも咲かせてくれた。 |
 | そして、私にもう一つ、特別な関係の魔法をかけたよね。おかげで、千夜ちゃんが輝く瞬間を一番近くで見られるよ♪お返しに、あなたにも見せてあげる。私たちが咲き誇る様を |
 | 白い花片に私が交わったら……赤く染まっちゃうね。でもいいよね。やさしく包んであげる。大丈夫、きっと楽しいよ。ここからは……私たちふたりが支配する時間なんだから……。 |
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