ラブライブ!派生キャラ チュン(・8・)チュンのまとめwikiです。

クライチュン……ツメタイチュン……ココハドコチュン……
工場長「ようやく目を覚ましたか。今日からお前は『373番』だ。目の前にある『見本』の通りに縫製しろ。これがお前の仕事だ。」
ナニイッテユチュン??チュンチュンハヒナチュンピヨチュントオサンポシテタチュン……!?
ヒナチュン!?ピヨチュン!?ドコニイユチュン????
工場長「雛鳥どもは別室にいる。縫製が全部終わったら会わせてやるから、さっさと作業に取り掛かれ。」
チュン……ヨクワカヤナイケド、ヒナチュン、ピヨチュン、マッテユチュン……!


ここはチュンチュン強制労働場。通称「工場」である。
「ワンヤフヤッチュン」と呼ばれる枕を縫製する特性を利用して、ミニチュアの衣装を作成させている。
雑居ビルのワンフロアに並べられたケージの中に個別に詰められ、常時1000羽ほどが日々縫製に励んでいる。
ケージには藁が敷かれ、中には小さな机と布片、通称『見本』と呼ばれるミニチュアの制服、そして水飲み場が置かれている。
一般的なチュンチュン飼育環境に比べるとかなり粗末な設備だが、ここでのチュンチュンは単なる消耗品の道具にすぎない。捕獲コストを回収できるだけの製品が仕上がればよいのだから、丁寧に世話をする必要はない。
平均して3か月で1羽「消費」されていく。

雛達を人質?に取られているため『373番』は素直に労働を始めたが、このような特別な理由を持たないチュンチュンは、なかなか労働に着手しない。
『373番』と同時に工場入りした『252番』もその類で、ケージに入れられても頑として縫製を始めようとしなかった。
252番「ハヤクダスチュン!!!カエスチュン!!チュンチュンハカンケイナイチュン!!」
工場長「お前の意思はどうでもいい。さっさと働け。」
252番「イヤチュン!!チュンチュンヲカイホウスユチュン!!」
『252番』の甲高い抗議が工場内に響く。
工場長は無言でケージを開け、左手でチュンチュンの頭部をつかみ、金属製の棒を取り出し、チュンチュンの背中に押し当てる。
ジュウウウ……
252番「ヂュンッ!ヂュウウン!!アヂュイヂュゥゥン!!」
一瞬のうちに抗議が悲鳴に変わり、タンパク質が焼ける独特の異臭が立ち昇る。
背中に押し当てられたのは、アツアツに熱された「はんだごて」である。
チュンチュンをケージに戻し、机の前に置き、再度命令する。
工場長「作業を始めろ。」
252番「ヂュンッ…イタイヂュンッ…チュンチュンハワルクナイチュンッ……」
机の前にうずくまりめそめそと涙を流す『252番』に対し、ケージの蓋を開いて右手をつっこみ、再度はんだごてを押し当てる。
ジュウウウ……
252番「ヂュウ--ン!!!」
工場長「作業を始めるまで続ける。やめてほしかったらさっさと作業に取り掛かれ。」
252番「ヂュンッ…ヂュンッ…」
涙で布片を濡らしながら、『252番』は縫製を始めた。

この工場において重要なのはチュンチュンそのものではなく、チュンチュンの縫製能力である。つまり、手羽以外はどうでもよいのだ。
現に、工場にいるほとんどのチュンチュンに丸く羽毛が焦げ落ちた跡があり、個体によっては水膨れができている。
2度のはんだごて、通称「指導」を受けた『252番』の背中は、羽毛だけでなく肉まで焼けてしまったようで、焦げ跡の周りには血が滲んでいた。
このときの傷が原因で、『252番』は1週間後に死んだ。背中から尻尾にかけてひどく化膿していたせいで、ケージが血と膿にまみれており、入念に洗浄しなければいけなかった。結果、『252番』は2万円ほどの赤字を生んだ。

工場長「餌の時間だ。残さず食べろよ。」
工場では、毎日決まった時間に、ケージに餌が運び込まれる。
大事な手羽を汚さないよう餌は固形のペレットで、便の量を最小限に抑えるため量は少なめである。
分量・味ともにチュンチュン達を満足させるには遠く及ばず、最初はどのチュンチュンも拒否反応を示す。
従順に労働を始めた『373番』も例に漏れず、最初の給餌に対して文句を連ねる。
373番「コンナノタベヤエナイチュン!!モットヤワクテアマイノガイイチュン!!」
前述のとおり、この工場で重要なのはチュンチュンそのものではなく、チュンチュンの縫製能力である。チュンチュンであればどの個体であっても関係ないのだから、目の前のチュンチュンが飢えても構わない。
飢え死にするまで働いて、できるだけ多くの製品を作ってくれればそれでいいのだ。
『373番』のクレームを無視し、工場長は隣の『874番』への給餌に移る。
874番「チューン……」
工場歴が長い『874番』は、何を言っても僅かなペレットしか与えられないこと、そしてペレットを食べずに飢えて仕事を怠ったら即「指導」されることを、体で知悉している。

食べなければ、働けなくなる。
働けなければ、「指導」される。
「指導」が嫌ならば、働かなければいけない。
働くためには、食べなければいけない。
理解してしまえば簡単なことである。『874番』は身体を動かすために、「指導」を避けるために、不味いペレットを齧らなければいけない。
表情を変えることなく、藁の上に置かれたペレットを持ち上げ、がりがりと齧る。
とさかのほとんどが抜け落ち、身体のあちこちに焦げ跡をつくり、土気色の地肌を覗かせる、くたびれきった『874番』。
工場での生活を経たチュンチュン達は、どれも最終的には『874番』のような状態に到達する。

餌を無視して縫製に励んでいた『373番』だったが、結局空腹に耐えられず、数時間後にペレットに口を付けた。
373番「マズイチュン……ヒナチュンピヨチュント、クダモノ、タベタイチュン……ヒナチュン、ピヨチュン、マッテユチュン…!」
雛達との幸せな食事風景を思い出した『373番』は、再び縫製に戻った。

大半のチュンチュンは嫌々ながらもペレットを食べるようになるのだが、個体によってはペレットを受けつけないものもいる。
『830番』がその典型である。
ペットショップの売れ残りである『830番』は、長い間一般的なペット用チュンチュンと同水準の食生活、
つまりチーズケーキやマカロンといった甘くて柔らかいものばかりを食べてきたため、消化器官が退化してしまっていた。
工場に来てから既に5日が経過し、その間一切食事をとることができず水だけで生き延びてきた『830番』だが、当然ながら仕事に精が出るわけがなく、背中から尻尾にかけてたくさんの焼け跡が刻まれている。
830番「オナカスイタチュン……モウゲンカイチュン……」
ペレットを齧って口に含み、水で流し込もうとする『830番』だが……
830番「チュンチゥゥ…ヂエェェ…」
吐き戻してしまう。
度重なる嘔吐と「指導」により、『830番』は内臓も皮膚もボロボロである。
工場長「お前さ、何度指導すればわかるんだ?」
ジュウウウ……
830番「ヂウウウウ」
熱さに対して反応するだけの気力も体力も、残っていない。はんだごてを押し当てられても、わずかに体をひくつかせるだけで、横たわったまま動くことができない。
工場長ははんだごてを仕舞い、スタンガンを取り出す。
バチィッ!
830番「チュンッ!?」
初めて体験する、熱さとは異なる痛みに驚き、『830番』は反射的に起き上がる。
工場長「机に向かえ。働け。」
830番「チュン………チュン……」

翌朝、『830番』は机に突っ伏したまま、息を引き取っていた。
反射的に起き上がれたものの、その後動くことは叶わなかったようである。
干からびた吐瀉物にまみれた敷き藁とともに、『830番』の亡骸はゴミ袋に突っ込まれた。

ケージの敷き藁も、毎日決まった時刻に交換される。
餌の量が少ないとはいえ糞をしなくなるわけではないので、清潔のため、究極的には製品を汚さないために、清掃が必要なのだ。
清掃といえば聞こえが良いが、チュンチュンをケージの隅に追いやり、敷き藁をすべて取り出し、新しいものに取り換える。単純な作業だ。
今日の敷き藁交換の担当は新人工員が担当しているようである。
工員「汚ねぇ……ホント糞鳥だな……」
556番「チュンチュンハチュンチュンチュン!!クソトリジャナイチュン!!」
工員「うっぜ。お前は糞鳥。糞と何も変わらないっつーの。めんどくせーから適当でいいや。」
ガサガサ……
556番「カオチュンニウンチュンツイタチュン!!キタヤイチュン!!」
工員「HAHAHA!!糞鳥が糞食ってやがるwwwww」
工員がきちんと隅に寄せなかったせいで顔中ウンチュンで汚れてしまった『556番』は、懸命に手羽を動かして顔からウンチュンを拭う。
工員「おい糞鳥!手羽を汚すんじゃねぇ!ぶっ殺すぞ!」
556番「チュンッ!?チュンチュンハワユクナイチュン……」
工員「とぼけるんじゃねぇ!スタンガンで指導してやるからな糞鳥!!」
556番「ビリチュンイヤチュン!!チャントシゴトスユチュン!!ユユシテチュン!!オネガイチュンッ……ビリチュンイヤチュン……」
工員「もう遅せーよ!全身げ禿散らかしてやる!!糞鳥め手間をかけさせやがって……」
工員がスタンガンを取り出し出力を調整していると、憤慨した工場長がやってきた。
工員「工場長!糞で手羽を汚した糞鳥、始末しますんで、見ててください!」
556番「チューン!!ユユシテ!!ユユシテチューン!!チュンチュンイジエヤイデ……」
嬉々とした工員の提言と、『556番』の懇願を、工場長の怒声が一断する。
工場長「糞はテメーだ!テメーの不始末のせいで手羽汚してるんだろーが!テメーのミスをチュンチュンに押し付けてんじゃねーぞ!!」
工場長に詰められる工員を見て、『556番』は安堵するだけでなく、少し胸が空く気持ちがしていた。

工場長「最近の若い奴はコスト感覚が無いから困る…1羽無駄になっちまった…」
ビリビリッ!!
556番「チュゥゥゥンッ!?」
スタンガンの最大出力により気絶した『556番』は、使用済みの敷き藁と一緒にゴミ袋に入れられ、搬出されていった。
チュンチュンの糞、通称ウンチュンの汚れはなかなか落ちないため、ウンチュンで手羽を汚したチュンチュンは即座に間引かれる。

「雛達との再会」という希望を頼りに懸命に労働に励んだ『373番』だったが、半年が経過する頃には限界を迎えつつあった。
やせ細り、とさかだけでなく羽毛もあちこちが抜け落ちている。目の焦点も定まらず、口はだらしなく半開きである。
何より手羽が限界だった。羽毛はすべて禿げ落ちて地肌が剥き出しになり、うっすらと血が滲んでいる。
工場長「替え時だな。お疲れさん。お前は立派に役目を果たしたよ。」
373番「オワッタチュン……?ヒナチュンピヨチュンニ、アエユチュン…?」
工場長「ああ。会わせてやるよ。」
373番「ヤッタ…チュン…ヒナチュン…ピヨチュン…」

工場長は『373番』を掴み、バックヤードへと運び…思い切り踏みつける。
373番「ヂュンッ!?ヂュゥゥーーン!!イダイヂューン!!」
これまでは気丈に振る舞ってきた『373番』だったが、全身の骨が軋み、激痛のあまり泣き叫ぶ。
バキッ パキパキ
373番「ヂュー……イジメヤイデ……ヂュゥゥ……ヂュゥ……」
工場長は『373番』をいじめているわけではない。単にゴミの体積を小さくしようとしているだけである。
全身の骨を砕かれて圧縮された『373』番は、ほかのゴミと合せて翌朝焼却された。

工場長は嘘をついたわけではない。
『373番』の雛達はすぐに全員ペットショップへと出荷されたが、ピヨチュン達は全員離別のストレスで死に、ヒナチュンは売れ残った結果「闘チュン」に供され、死んでいた。
工場長「会わせてやったぞ。天国でな。」

翌日。
チューン?ココハドコチュ-ン?クサクテキタヤイチューン…
工場長「今日からお前は『373番』だ。目の前にある『見本』の通りに縫製しろ。これがお前の仕事だ。」
次の『373番』が補充された。


余談だが。
工場で作られた製品は、主にペットショップへと納品される。
女児「今日はチュンチュンがお家に来て半年の記念日だから、かわいいお洋服買ってあげるね♪」
ワーイチュン!ピュワピュワーラビュラビュー
チュンチュン達はともかく、人間でもチュンチュン用衣料の生産過程を知る者は少ない。
ペットとしてのチュンチュン人気が高まるにつれ、チュンチュン用衣料の需要も増大し……労働し、消費されるチュンチュンも増えていく。

チュンチュン業界の闇は深い。(完)

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