ラブライブ!派生キャラ チュン(・8・)チュンのまとめwikiです。

とある村の裏山に、たくさんの野生のチュンチュン達が平和に暮らす、いわばチュンチュン達の「楽園」がありました。
生物として決して頑丈ではないチュンチュンでしたが、綺麗な水と豊富な食べ物に恵まれている「楽園」では順調に数を増やしていき、全部で500羽ほどが生息していました。
「楽園」では皆が友達で、お互いに助け合い、寄り添い合って生活していました。

そんな「楽園」も、ふもとの村の人間たちにとっては悪の要塞である。
耳障りな歌声を響かせ、果物やキノコなどの山の恵みを食い漁り、時には畑を荒らしていくチュンチュン達。
抜け毛を集めて加工したりウンチュンを集めて肥料にしたり、かつては人間たちもチュンチュンの恩恵を受けていたが、時代が変わり里山経済が崩壊した現代にあっては、チュンチュンは単なる害鳥に過ぎない。
過疎化・高齢化が進み、チュンチュンに構う余力もなくなりつつある村人たちは、村の総力を挙げてのチュンチュン撲滅を決意した。

「楽園」の広場にある日、男たちがやってきました。それぞれ大きな荷物を抱えています。
チュンチュン達は警戒心を抱くこともなく、巣から出てきて珍客を取り囲み、不思議そうに眺めます。
「ドチラサマチュン?ドコカラキタチュン?」
「楽園」の中で一番好奇心の強い、若い成鳥が、先頭を歩く男に話しかけます。
悪意というものに一切触れたことのないチュンチュン達は、この人間達も自分達の友達で、抱えている大荷物はきっとおいしい食べ物で、自分達にも分けてくれるのでは?と、内心期待していました。
人間達からのおすそ分けに対して、自分達は何をお返ししようか……そんなことに思いを巡らせているうちに。
男は荷物をほどき、黒くて細長い、L字形の棒を取り出し、話しかけてきたチュンチュンのこめかみに先端を当てて……

パァン トサッ

乾いた音が「楽園」に響き渡り、先程まで気の良い笑顔を湛えていたチュンチュンが静かに後ろに倒れこみ、地面に伏せる。続いて真っ赤な鮮血が染み出てくる。
発砲音に呆気にとられていたチュンチュン達であったが、血を見てようやく現実を認識する。

「ミンナニゲユチュン!!!」「コロサレユチュン!!!」「ハヤク、モリマデハシユチュン!!!」
身体の硬直が解け、方々へと駆け出すチュンチュン達。成鳥も雛鳥も、垂らし毛を振り乱して逃走を試みる。
予想通りの無防備な背中、左右に揺れる尻尾を前に、猟銃を構えた男たちが一列に並ぶ。
銃弾のしくみを知るはずもないから仕方ないのだが、とにかく男から離れようとするあまり、男に背を向け直線的に走るチュンチュン達。
パニックに陥らせて単純な行動を取らせ、まとめて殺す。大量のチュンチュンを駆除する際の初動として、常道的な手段である。
狙いを定めながら、男達は海を見ているような、そんな錯覚を覚えていた。
大量の灰色の背中が一斉に遠ざかっていく様はまるで引き潮のようであり、その中に時折混じる産毛の雛鳥達は砕ける白波を思わせる。
海水のごとく膨大な獲物たちを前に、男は夢中で引き金を引いた。
パララララララ
「ヂュゥンッ!!」「ピィャァッ!!」「ヂッ」
パララララララ
「ピィィィ!!」「ヒナチュ…ヂュウウンッ!」「マ゙ア゙ービヨ!!」
断続的に続く発砲音に混ざり、チュンチュン達の甲高い絶鳴が響く。
「ビヨォォォ!」「ヂュゥゥゥ!!」「ヂー、ヂー…」
約1分間続けられた発砲により、大小約200羽のチュンチュンが射殺された。
灰色の海は凪ぎ、代わりに真っ赤な血潮が満ちつつあった。

「イダ…イ…ヂューン……グユヂイ…ヂューン……」「ヤメデ…イジメヤイデ…」
幸いに弾丸が急所を外し即死は免れたものの、瀕死の重傷を負い逃げ損ねているチュンチュンもいたが……
グシャッ ベチャッ 
「ヂュウ」「ヂィッ」
チュンチュン達が逃げ込んだ森の中へと踏み込んでいく男たちにより、1羽残さず踏み殺されていった。

皆が強い絆で結ばれていた「楽園」のチュンチュン達でしたが、それでも家族は特別に大切です。それぞれが自分のチュンチュンハウスを持ち、家庭を築いています。
木の枝や小石で作られた質素な巣ではありますが、これまで風雨等から自分たちを守ってくれたチュンチュンハウス。
怖いとき、不安なとき、いつも寄り添い合って助け合ってきた家族。
未曽有の危機の中にあって、「安全な場所」としてチュンチュン達が真っ先に思いついたのが、チュンチュンハウスです。
凶弾を避け、森の中に逃げ込んだチュンチュン達は、真っ先に自分のチュンチュンハウスに向かいました。
「マーピヨ…」「ピヨチン、シズカニスユチン」「ダイジョウブチュン チュンチュンハウスデヤリスゴスチュン」

そんなチュンチュン達の特性を知り尽くした村の男達にとって、チュンチュンハウスは避難所でもシェルターでもなく、単なる墓場である。
屋根代わりの大枝を剥がれ、むき出しになるチュンチュンハウス。
「ピィッ!?ヤヤヤメルチュン!!ヒナチュン、ピヨチュン、ハヤクカクレユチュン!!チュブッ」
「ママチーーン!!タシュケテ!!ヒナチンシニタクナイチーーン!!」
雛達の前に立ちはだかるチュンチュンをデコピンで弾き飛ばし、ヒナチュンを掴む。
指でいじくりまわしてからヒナチュンを地面に放りつけると、すぐにチュンチュンが駆けつけ、ヒナチュンの頬を撫でる。
「ヂンッ!?ママヂーーーン!!ゴワガッタヂーーン!!」
「ヒナチュン…イキテテヨカッタチュン…チュン?ポンチュンニ ナニカツイテユチュン!?」
ヒナチュンの腹部に取り付けられた異物に気づいた直後、閃光と轟音を放ち異物が爆発する。
バァァン
ヒナチュンの血肉が弾け、とさかやリボン、眼球や嘴がチュンチュンハウスに散乱する。
「ヒ、ナ、チュン……?」
両翼を根元から吹き飛ばされ腹部と顔面を大火傷を負い、痛みに伏せるチュンチュンを尻目に、今度はピヨチュンに爆弾を取り付ける。
「ヤ-ピヨ!!ピーヨ!!」
「ピヨ、チュン…カエスチュン…チュンチュンノ…タカヤモノズ…トヤナイデ…」
男は無抵抗のチュンチュンの顔面を踏み抜いてから、隣のチュンチュンハウスの入り口にピヨチュン(爆弾付き)を放つ。
「ピィィ!--」
「オトナリサンノピヨチュンチュン!?ドウシタチュン?オソトハアブヤイカラ、トリアエズウチニハイユチュン」
「ピーーー!ピーーー!」
「オチツクチュン!イマハシズカニ、タエユトキチュン」
ピヨチュンが爆弾だとは思いもよらない隣家のチュンチュンは、ピヨチュンをハウスへと招き入れる。その十数秒後……
バァァン
「ヂィィ!!」「イ゙ダイ゙ヂン…」「ヂュ……」
中を覗いてみると、ピヨチュンを抱きかかえていたチュンチュンの胴体が消し飛び、3つ子のヒナチュン達が親の血肉にまみれ、それぞれ身体を欠損させていた。
残り数分の命だ、わざわざ手を下すまでもあるまい。この男はそう判断し、次のチュンチュンハウスを探しに発った。
チュンチュン達の絆を利用することで、殺し漏れを防ぎ、弾薬の消費量を抑える。これもまたチュンチュン駆除のセオリーである。

最初の銃撃で家族を失ったチュンチュン達は、楽園の最奥部にある岩場へと逃げ込みました。
岩場には成鳥がぎりぎり入れるくらいの天井の低い横穴がたくさんあり、冬場はひとつの横穴に2、3の家族が集まり、身を寄せ合って寒さを凌いでいます。
チュンチュン達にとって、横穴はいわば第二のチュンチュンハウスです。
夏場にも関わらず震えが止まらないチュンチュン達でしたが、仲間たちの匂いと体温に包まれて落ち着きを取り戻します。
「ヒナチュンハモウイナイチュン…コロサレタチュン…」「チンチンノオトモヤチ、ミンナイナクナッタチン……」「マーピヨ……マーピヨ……」
同時にたくさんの仲間を失ったという事実を目の当たりにして、涙が零れてきます。
「ドウシテ……ナカヨクデキヤイヂュン・・・ヂュンッ・・・」「ヒック…チーンチーン」「ピィッピィッ・・・」
チュンチュン達は洞窟の中で、声を抑えて泣きました。

深い悲しみに囚われていたせいでしょうか、チュンチュン達は洞窟の外の足音、そして男の手により横穴へと静かに突き出される銛に、気が付きませんでした。

横穴から漏れ出るチュンチュンの鳴き声を聞きつけ、男は静かに、ゆっくりと銛を差し込む。
重火器と比べると殺傷力に劣る銛だが、工夫次第で様々な方法で活用できるため、手の届かない自然の要塞に逃げ込まれた場合によく使用される。

男の手首がスナップを効かせ、銛を力強く押し込む。
「ヂィンッ!?」
背中から銛により貫かれ、三又に分かれた銛の先端がそれぞれ腹部と額から突き出ているヒナチュン。正中線を綺麗に突かれ即死した。
柔肉を貫通する手ごたえを感じた男はゆっくりと銛を引き抜き、銛を振ってヒナチュンを地面へと叩き落としてから、再度同じ横穴へと銛を突き出す。
「ヂュゥゥゥン!!イ゙ダイ゙ヂュ--ン!!ポンチュンニアナチュンアイデユチューーン!!」
二突き目はチュンチュンの腹部に突き刺さる。急所を免れたせいで死は免れたが、激痛のあまり全身をよじらせる。
銛の先端にチュンチュンを付けたまま、三度横穴へ銛を突き出す。
「ゴスレユヂューーン!!ヂュンヂュンノカヤダガァァ!!」
狭い横穴の孔壁に体のあちこちをぶつけながら、奥へ奥へと押し込まれていくチュンチュン。ついに最奥に達し、その丸々とした身体で……
「ビ-ヨ!ビ-ヨ!ビィ!ビィ!ビィ!ビィャァァァ!!!!」
ピヨチュンを押し潰す。
うまく突き殺すことができない小さな雛たちは、チュンチュンを使って圧殺するほうが確実だ。

自分の血とピヨチュンの血で羽毛を真っ赤に染めたチュンチュンを銛から振り落とし、次の横穴に向かう。
「ヂーーン!」「ヂャァ!?」「ボンヂュンガァ!!」
一突きで3羽のヒナチュンが刺さる。しめた、3羽とも息がある。ヒナチュン達を串刺しにしたまま、次の横穴に銛を突き入れる。
「ビュィッ!?」「ビーヨー!!」「ビ、ビィ…」「ビィィ!チュンチュンノメメチュンガァ!!イダイヂュ-ン!!ミ゙エ゙ヤ゙イ゙ヂューン!!」
最奥にチュンチュン、手前にピヨチュンが3羽といったところだろうか。相変わらず銛に刺さったままのヒナチュン達もまだ息がある。
銛を握り直し、全身の捻りを効かせて銛を穿つ。
「ヂブッ!?」「ビャアア!!!」「グヂィィ!!」「ァ゙ァ゙ァ゙」「ビィ゙」「ヤ゙ャ゙ア゙ア゙」「ヂューーーーー!」
絶鳴のハーモニーが響き……深山特有の静寂が戻る。横穴の奥に深く堅く詰まった7羽の死体から銛を引き抜き、次の横穴に向かった。


巣と隠れ家を強襲された段階で大半のチュンチュンが殺されてしまいましたが、仲間たちに助けられ、幸いにも生き延びたチュンチュン達もわずかながらいました。
命はあるものの、目の前で何羽もの仲間たちが無残に死んでいき、心身ともに憔悴しきっていました。
「チュンチュンハニゲヤエタケド……ヒナチュン…ピヨチュン…タマチュン…オトモチュン……ミンナ…」

効率よく駆除できる手段を使い尽くしてからは、一羽一羽地道に駆除していくしかない。
森の中を歩き回り、見つけ次第殺す。単純な作業である。
「ミンナ…モウイナイチュン……チュンチュンヲマモユタメニ……ミンナ……」
見つけた。成鳥だ。泣き暮れるあまり周りが見えていない。
雛は成鳥がいなければいずれ死ぬ。だから見逃してもさほど問題ではないが、成鳥は確実に仕留めなければ、またすぐに繁殖を許してしまう。
男はチュンチュンに静かに近寄り、尻尾を踏みつけて逃走を阻む。
「チューーン!?モウヤメユチュン!!チュンチュンタチオリコウニスユチュン!!ダカヤモウイジメヤイデ!!ユユシテチューーン!!」
男はチュンチュンの静止に耳を貸すことなく、右手に金属製のハンマーを握り、後頭部目がけて思い切り振り下ろす。
ゴツンッ
「ヂュブゥッ!?ヂュ…ドウ…ヂデ……」
「ヤメユチンッ!!オトモチンヲイジメヤイデ!!デテイクチンッ!!」
仲間の絶叫を聞いたヒナチュンが草叢から飛び出し、男の脛をつつく。痛くも痒くもない。
男はヒナチュンに構わず、再度チュンチュンの頭に、いや今度は顔面に、ハンマーを振り下ろす。
グチャアッ
「ヂュ…ゥゥ……」
僅かに痙攣してから、息絶えた。
「ヂイイー!!イダイヂーーン!!イギガデキヤイ……グユジイ…ヂ…ン…」
ハンマーで頭を砕くには小さすぎる、絞め殺すほうが確実と判断した男は、ヒナチュンを掴み、締め上げる。
「ヒナチンタチ…ナニモワユイコトシテナイチン……ドウシテ……イジメユ…チ…」
呪詛のような呟きを終える前に、ヒナチュンは息絶えた。


約1時間の駆除作業により予定通り500羽を仕留めた村人達は、死骸を広場に集め燃やしながら、チュンチュン達の遺言を反芻していた。
「イダ…イ…ヂューン……グユヂイ…ヂューン……」
俺達だってこれまで苦しんできたんだ。
「ピヨ、チュン…カエスチュン…チュンチュンノ…タカヤモノズ…トヤナイデ…」
チュンチュンにとっては宝物かもしれないが、俺達にとっては塵芥なんだ。
「ドウシテ……ナカヨクデキヤイヂュン・・・ヂュンッ・・・」
人とチュンチュンが共生できる時代は終わったんだ。
「ヒナチンタチ…ナニモワユイコトシテナイチン……ドウシテ……イジメユ…チ…」
生まれた場所と時代が悪かったんだ。諦めてくれ。【完】

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