女の子「きょうっのやっしょくはラーメンにゃー」
夜も更けたころ、女の子は夜食を用意しようとしていた。
女の子「お気に入りのどんぶりにー、チキンラーメンをいーれーてー、たまごポケットにたまごをポーン！」
ラーメンが大好きな女の子は、うきうき気分で歌いながら準備をしている。
女の子「あとはお湯をそそいでさんぷんか・・・あっ、まだお湯を沸かしてなかったにゃー」
うっかりしていたにゃと言いながら、ヤカンに水を入れてコンロにかける。
女の子「お湯が沸くまでちょっと時間あるし、今のうちにトイレ行ってこよっと」
そして女の子は台所を離れる。
これが悲劇の始まりだと知らずに。
糞鳥「…ﾅﾝﾀﾞｶﾀﾞﾍﾞﾓﾉﾉﾆｵｲｶﾞｽﾕﾁｭﾝ?」
冷蔵庫の下からチュンチュンがヌッと現れた。
６月になって蚊やゴキブリが民家に現れるように、このチュンチュンもこっそりと入り込んでいたのだ。
糞鳥「ｱｿｺﾆﾀﾍﾞﾓﾉｶﾞｱﾕﾁｭﾝ!」
どうやらチュンチュンはテーブルの上にあるどんぶりに気づいたようだ。
糞鳥「ﾖｲﾁｮ…ﾖｲﾁｮ…」
チュンチュンはろくに飛ぶことができないが、鳥類とは思えないくらい器用に動く手羽とクチバシをうまく使い、
座布団やテーブルクロスを利用してよじ登っていく。
糞鳥「ｺﾉﾅｶｶﾔﾆｵｲｶﾞｽﾕﾁｭﾝ」
とうとうチュンチュンは女の子が用意したどんぶりの中に入ってしまった。
糞鳥「ｺｴｯﾃﾀﾍﾞﾓﾉﾁｭﾝ?ﾐﾀｺﾄﾅｲﾁｭﾝ」
お湯でほぐされる前の乾燥麺を初めて見たチュンチュンは首をかしげている。
糞鳥「ﾃﾞﾓﾀﾍﾞﾓﾉﾉﾆｵｲｽﾕﾁｭﾝ!ﾁｭﾝﾁｭﾝﾊｶｼｺｲｶﾗｱﾀﾔｼｲｺﾄﾆﾁｮｳｾﾝｽﾕﾁｭﾝ!」
そんなことを言いながら、チュンチュンは乾燥麺をついばんだ。
ポリッポリッ
糞鳥「…ﾁｮｯﾄｼｮｯﾊﾟｲｹﾄﾞｲｹﾕﾁｭﾝ!」
ポリッポリッ
糞鳥「ｵﾐｼﾞｭﾓﾎｼｸﾅﾙﾁｭﾝ…」
ポリッポリッ
糞鳥「ｱ､ﾀﾏｺﾞﾓﾉｯﾃﾕﾁｭﾝ」
ちゅるっちゅるっ
そうしているうちに、女の子が用意したラーメンは、チュンチュンによってどんどん削られていった。
ピィーーーー！
ヤカンが蒸気を噴いたころ、女の子が戻ってきた。
女の子「そっろそろお湯もわっいたかにゃー」
大好きなラーメンの味を想像しながら、ウキウキ気分でヤカンを手に取る。
さて、早速どんぶりにお湯を注ごう、とした時、女の子は固まった。
女の子「な・・・な、な・・・」
糞鳥「…ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ……ﾁｭﾝ?」
チュンチュンの丸くて黒い目と、女の子の目が合ってしまった。
さあラーメンを食べようという時に、灰色の生き物がそのラーメンのどんぶりの中に居て、こちらをキョトンと見つめている。
女の子は目の前の現実に数秒フリーズし、思考がぐるぐると回る。
まず、このラーメンはもう食べられない。楽しみにしていたのに悔しいにゃ。
そして、自分が居ない間にラーメンをネコババしたのはこの生物。
日本舞踊と弓が得意な友達から聞いていた、これはチュンチュンという害鳥だ。
彼女が言うには、このチュンチュンは手癖が悪く、人間の住処に入り込んで食べ物をつまみ食いする。
さらに、非常に不潔であり、伝染病の媒介にもなる。
おまけに繁殖力が強く、１匹見たら３０匹居るのを疑えという、非常に厄介な害鳥らしい。
つまり、発見した今のうちに退治しなければならない。
でもどうしよう、そんなばっちいもの触りたくないし、だからって武器を取りに行っているうちに逃げられたら困る。
どうすれば・・・あっ！
女の子「にゃああああああああ！！」
フリーズののち、女の子が咄嗟に取った行動は、手に持っていたヤカンに入っていた熱湯をぶっかけることだった。
糞鳥「ﾁﾞｭｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩﾝ!?」
実はチュンチュンは熱に弱い。あと洗剤にも弱かったりする。
糞鳥「ｱﾁﾞｭｯ､ｱﾁﾞｭｲﾁｭｩｩｩｩｩｩｩﾝ!!」
頭からかけられた熱湯はやがて全身を火傷させ、チュンチュンに激痛を与えた。
更に、どんぶりに溜まるお湯が熱から逃れることを許さず、口からも熱湯を飲み込んでしまい、呼吸すらできなくなる。
糞鳥「ﾁﾞｭﾝ…ｸﾞﾕｼ､ｲﾀﾞｲ……ﾁﾞｭﾝ…」
熱湯は喉を焼き、胃を焼き、外から内からチュンチュンを苛む。
もうお歌を歌うこともできないよ、とでも考えているのだろうか。
時間にしては一瞬のようなことであったが、熱による苦痛は当事者にとっては永遠に続くような地獄の痛みである。
糞鳥「ﾁﾞｭ…ﾁﾞ…」
やがてチュンチュンは苦悶の中で絶命した。
同時に脱力してしまい、結果、チュンチュンが体内に溜め込んでいたものが排出される。
ﾌﾟﾘｭｯﾌﾟﾘｭﾘｭﾘｭ…
熱湯の中、力なくプカプカと浮くチュンチュンから出てきたそれは、悪臭を放つと共に、お湯に溶けてどんぶりの中を茶色に変えた。
女の子「にゃあっ！？く、臭いにゃー！」
女の子「酷いにゃ・・・ラーメンが食べられなくなった上に、どんぶりまで使えなくなっちゃったにゃ・・・」
女の子「いくら鳥が一匹丸ごと入っていてもちっとも嬉しくないにゃ・・・」
女の子「これじゃミソラーメンならぬ、クソラーメンだにゃ・・・」
・・・。
・・・おわり
夜も更けたころ、女の子は夜食を用意しようとしていた。
女の子「お気に入りのどんぶりにー、チキンラーメンをいーれーてー、たまごポケットにたまごをポーン！」
ラーメンが大好きな女の子は、うきうき気分で歌いながら準備をしている。
女の子「あとはお湯をそそいでさんぷんか・・・あっ、まだお湯を沸かしてなかったにゃー」
うっかりしていたにゃと言いながら、ヤカンに水を入れてコンロにかける。
女の子「お湯が沸くまでちょっと時間あるし、今のうちにトイレ行ってこよっと」
そして女の子は台所を離れる。
これが悲劇の始まりだと知らずに。
糞鳥「…ﾅﾝﾀﾞｶﾀﾞﾍﾞﾓﾉﾉﾆｵｲｶﾞｽﾕﾁｭﾝ?」
冷蔵庫の下からチュンチュンがヌッと現れた。
６月になって蚊やゴキブリが民家に現れるように、このチュンチュンもこっそりと入り込んでいたのだ。
糞鳥「ｱｿｺﾆﾀﾍﾞﾓﾉｶﾞｱﾕﾁｭﾝ!」
どうやらチュンチュンはテーブルの上にあるどんぶりに気づいたようだ。
糞鳥「ﾖｲﾁｮ…ﾖｲﾁｮ…」
チュンチュンはろくに飛ぶことができないが、鳥類とは思えないくらい器用に動く手羽とクチバシをうまく使い、
座布団やテーブルクロスを利用してよじ登っていく。
糞鳥「ｺﾉﾅｶｶﾔﾆｵｲｶﾞｽﾕﾁｭﾝ」
とうとうチュンチュンは女の子が用意したどんぶりの中に入ってしまった。
糞鳥「ｺｴｯﾃﾀﾍﾞﾓﾉﾁｭﾝ?ﾐﾀｺﾄﾅｲﾁｭﾝ」
お湯でほぐされる前の乾燥麺を初めて見たチュンチュンは首をかしげている。
糞鳥「ﾃﾞﾓﾀﾍﾞﾓﾉﾉﾆｵｲｽﾕﾁｭﾝ!ﾁｭﾝﾁｭﾝﾊｶｼｺｲｶﾗｱﾀﾔｼｲｺﾄﾆﾁｮｳｾﾝｽﾕﾁｭﾝ!」
そんなことを言いながら、チュンチュンは乾燥麺をついばんだ。
ポリッポリッ
糞鳥「…ﾁｮｯﾄｼｮｯﾊﾟｲｹﾄﾞｲｹﾕﾁｭﾝ!」
ポリッポリッ
糞鳥「ｵﾐｼﾞｭﾓﾎｼｸﾅﾙﾁｭﾝ…」
ポリッポリッ
糞鳥「ｱ､ﾀﾏｺﾞﾓﾉｯﾃﾕﾁｭﾝ」
ちゅるっちゅるっ
そうしているうちに、女の子が用意したラーメンは、チュンチュンによってどんどん削られていった。
ピィーーーー！
ヤカンが蒸気を噴いたころ、女の子が戻ってきた。
女の子「そっろそろお湯もわっいたかにゃー」
大好きなラーメンの味を想像しながら、ウキウキ気分でヤカンを手に取る。
さて、早速どんぶりにお湯を注ごう、とした時、女の子は固まった。
女の子「な・・・な、な・・・」
糞鳥「…ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ……ﾁｭﾝ?」
チュンチュンの丸くて黒い目と、女の子の目が合ってしまった。
さあラーメンを食べようという時に、灰色の生き物がそのラーメンのどんぶりの中に居て、こちらをキョトンと見つめている。
女の子は目の前の現実に数秒フリーズし、思考がぐるぐると回る。
まず、このラーメンはもう食べられない。楽しみにしていたのに悔しいにゃ。
そして、自分が居ない間にラーメンをネコババしたのはこの生物。
日本舞踊と弓が得意な友達から聞いていた、これはチュンチュンという害鳥だ。
彼女が言うには、このチュンチュンは手癖が悪く、人間の住処に入り込んで食べ物をつまみ食いする。
さらに、非常に不潔であり、伝染病の媒介にもなる。
おまけに繁殖力が強く、１匹見たら３０匹居るのを疑えという、非常に厄介な害鳥らしい。
つまり、発見した今のうちに退治しなければならない。
でもどうしよう、そんなばっちいもの触りたくないし、だからって武器を取りに行っているうちに逃げられたら困る。
どうすれば・・・あっ！
女の子「にゃああああああああ！！」
フリーズののち、女の子が咄嗟に取った行動は、手に持っていたヤカンに入っていた熱湯をぶっかけることだった。
糞鳥「ﾁﾞｭｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩｩﾝ!?」
実はチュンチュンは熱に弱い。あと洗剤にも弱かったりする。
糞鳥「ｱﾁﾞｭｯ､ｱﾁﾞｭｲﾁｭｩｩｩｩｩｩｩﾝ!!」
頭からかけられた熱湯はやがて全身を火傷させ、チュンチュンに激痛を与えた。
更に、どんぶりに溜まるお湯が熱から逃れることを許さず、口からも熱湯を飲み込んでしまい、呼吸すらできなくなる。
糞鳥「ﾁﾞｭﾝ…ｸﾞﾕｼ､ｲﾀﾞｲ……ﾁﾞｭﾝ…」
熱湯は喉を焼き、胃を焼き、外から内からチュンチュンを苛む。
もうお歌を歌うこともできないよ、とでも考えているのだろうか。
時間にしては一瞬のようなことであったが、熱による苦痛は当事者にとっては永遠に続くような地獄の痛みである。
糞鳥「ﾁﾞｭ…ﾁﾞ…」
やがてチュンチュンは苦悶の中で絶命した。
同時に脱力してしまい、結果、チュンチュンが体内に溜め込んでいたものが排出される。
ﾌﾟﾘｭｯﾌﾟﾘｭﾘｭﾘｭ…
熱湯の中、力なくプカプカと浮くチュンチュンから出てきたそれは、悪臭を放つと共に、お湯に溶けてどんぶりの中を茶色に変えた。
女の子「にゃあっ！？く、臭いにゃー！」
女の子「酷いにゃ・・・ラーメンが食べられなくなった上に、どんぶりまで使えなくなっちゃったにゃ・・・」
女の子「いくら鳥が一匹丸ごと入っていてもちっとも嬉しくないにゃ・・・」
女の子「これじゃミソラーメンならぬ、クソラーメンだにゃ・・・」
・・・。
・・・おわり
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