ココネ なう。 - 不定詞と動名詞
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今日は、先ほど言ったように、不定詞と動名詞です。

It started to rain.

It started raining.
これは事実上ほぼ同じ意味なので
動名詞と不定詞の違いがわかりにくいと思います。

To play the guitar is my hobby.
これはまず言いません。
Playing the guitar is my hobby.
だとOKです。
学校では、「〜すること」なのでどちらもOKと学んだかもしれません。
でも、この二つは本質的に違うのです。

もうひとつ、
My hobbies are fishing, swimming, and reading.
これはごく自然な言い方ですが
My hobbies are to swim, to fish, and to read.
これは考えられません。

結論を先にいいます。
動名詞は完全に名詞的で、不定詞は動詞的ということ。
同じ名詞的用法でも
不定詞は動詞的で、動名詞は名詞的ということをまず頭にいれてください。

動名詞が名詞的ということは
「考え」「アイディア」「記憶」など
頭の中にある何かということです。
だから、
I enjoy playing the piano.
は現に今ピアノを弾いていることを想定しません。
ピアノを弾くということということです。

2つを分かりやすくするため文を比較してください。
1つは、
I remember talking to her on the phone.
もう1つは、
I remember to talk to her on the phone.

remember talking to her だと
talking to her は名詞的で、覚えている内容を指し、
「彼女と話をしたのを覚えている」ということですね。

ところが、
I remember to talk to her ...
だと
to talk to her は動詞的で
「これからする何か」ということを意味します。
「彼女と電話で話をするのを忘れないようにしなくちゃ」
といった感じです。

先ほどの趣味の英語では、趣味は何であるかをリストするだけで
My hobbies are swimming, fishing ...
となるのです。
動名詞が名詞的であることの確証は
Would you mind my smoking here?
のように my smoking とすることができるという事実です。また、
I'm fond of swimming.
のように、前置詞の後には目的語として動名詞を使いますが、
これは動名詞が名詞だからです。
I don't like John's singing.
という言い方もあります。
John's singing は名詞のしるしですね。

さて、不定詞は動詞的で to do なので「未来志向的」な意味合いがあります。
つまり、「予定された行動」「これからする何か」ということです。
それは to があるからです。

前置詞の to は何かと向き合う関係を表します。
face to face,
sit back to back,
100 yen to the US dollar
あと
correspod to,
equivalent to
などぜんぶ「向き合う」関係です。

よく to は「方向」と理解されますがこれは間違いです。
どうしてかといえば、
She went to school at 8.
だと、学校に到着したことを表すからです。
向きを替えれば、
She came to school at 8.
も可能です。
つまり、 go to school も come to school も可能ですが
それは、 to が「対象と向き合う」という状況を表すからです。

さて、前置詞の to は空間的に対象と向き合います。
to 不定詞の to も、前置詞の to の機能的拡張によるものです。
前置詞が空間的に対象と向き合うのに対して
不定詞の to は時間的に動作と向き合うということです。
空間的から時間的への応用です。
そして対象物から動作・行為への拡張です。
すると、手前から先を見据えるようなイメージが生まれます。
ここに、to 不定詞が未来志向という根拠があるのです。

皆さん、ご存知のように、不定詞には3つの用法があるといわれますね。
名詞的、形容詞的、そして副詞的です。

これらに共通しているのは「これからする何か」ということです。
The meeting to be scheduled next week is ...
これは形容詞的用法ですが、
「来週に行われる会議」で明らかに、未来です。

There are many books to read.
よく文法書に出てくる用例ですが、
many books to read は
「これからよむたくさんの本」ということで未来志向です。
もちろん、
I want to go to American to study economics.
to study economics は「経済学を学ぶため」ということで副詞的といわれますが、
目的というのは未来を見据えたものです。

だとすると、to do は未来志向的な特徴がある。
それは to が時間的に動作を向き合うことを意味するからだということがわかると思います。
いずれにせよ、予定された行為・動作ということで動詞的です。

では、動名詞はどうか?

動名詞は名詞的です。
She is singing on the stage.
これは現在進行形で、現に彼女が歌っているという様子が連想されます。
ところが、
She is good at singing jazz.
だと「ジャズを歌うのがうまい」ということで
実際に歌っているわけではなりません。

つまり、動名詞は、
概念、アイディア、記憶、など名詞的な何かを指すのです。
そこで、時間的には中立的となります。

I remember talking to her on the phone.
これは「彼女と話したのを覚えている」なので過去のことですね。
ところが、
Can you imagine working with her in the same project?
同じプロジェクトで彼女と一緒するのって想像できる?という意味合いですが、
これは未来に向いた表現です。

どうして動名詞か?
それは 動名詞がアイディアなどを表すのに向いているからです。
Can you imagine / suggest ...
これは doing になりますが、
想像する、提案するのはアイディアですよね。

じゃあ、まとめます。

動名詞は、名詞的で、時間的に中立的な概念、アイディア、記憶を表す。
そこで、3つの使い方がある。
(1) 〜していることの記憶(すでに〜したこと)、
  この例は、 I remember talking to her on the phone. です。
(2) 〜していることの想定(これから〜すること)、
  この例は Can you imagine working with her? です
(3) 〜していることの一般化(一般に〜すること)、
  この例は I love playing golf. です。
つまり、過去、未来、現在に関係なく動名詞は使えるということです。

一方、不定詞は動詞的で
行為と向き合うということが基本で予期された行為、未来志向的なことがらを表します。
ここでも3つのタイプ。
(1) 行為と向き合う願望 want, wish, hope, expect などです。
(2) 行為と向き合う意志・決意を表す promise, decide, choose などです。
(3) 行為と向き合って対応することを表す refuse, manage, hesitate, attempt などです。

このように不定詞と動名詞は違います。
主語の位置にい主語の位置に名詞をもってくるのがふつうであるため、動名詞がくるのが一般です。
不定詞は動詞的であるため、主語の位置にはすわりが悪い
To see is to believe / Seeing is believing
この場合は、同じ形が反復されているため可能です。
To see is to believe.
は動詞的であるため、
「見てごらん、すると信じることになるから」
といった感じで、手続き的です。一方、
seeing is believing.
だと「見ること」と「信じること」を並べて、=で結ぶような感じですね。
いつも言っていることですが、
形が違えば意味も違う、これは言語の本質です。

今日は、これぐらいにします。
明日もやります。
少し明日は時間が遅くなるかもしれません。

何か質問はありませんか?
今日のような話を全国の高校の先生にしています。
各県には高校英語研究会というのがあって
年次大会だと200名ぐらいの先生たちが集まられます。
そして、動名詞と不定詞の違いは人気のテーマなんですよ。

これからも、面白いテーマを取り上げていきます。
授業のやり方はココネで考えてもらいますね。
では、今日も、長い時間、ありがとう!
さようなら。