どこからつつこんだらよいでせう。
あひかはらず
演義」の第二回あたりをうろうろしてゐる。
玄徳の乗る馬(「愛馬」といふべきだらうか)の名前が「白竜」といふのは笑つていいところなのだらうか。「西遊記」ぢやないんだぜ。いや、それとも似たやうなものか。スーパー歌舞伎「三国志」で脚本書いた横内謙介は玄徳とか三蔵法師とか宋江とかは同じやうな感じ、といふやうなことを云ふてゐたからなあ。「的蘆」ではとつつきにくいと思つたのかなあ。
督郵は口の動きがいいね。よく動くなあ。どう作つてあるんだらう。動かしてるところを見てみたいなあ。
「演義」だとこのあと玄徳一行は劉恢の元に身を寄せるんだが、人形劇ではいきなり「世直し天狗」みたやうことになつてしまふ。玄徳にいたつては白馬童子だ。山城新伍か!
これ、リアルタイムで見てたら不安だつたらうなあ。
「この話、どこに行くの?」つて。
「三国志ぢやなかつたの?」つて。
「世直し天狗」になることを誓つた(違)玄徳は都に向かふことにするのだが、このとき張飛が「都には美芳もゐるしな」といふのはいいとして、「それに行方不明になつた淑玲も」つて云ふ関羽のセリフはどうなの。「行方不明」なんでせう? なんで都にゐるつてわかるのさ。都に行けば、行方が知れるとでも? それだつて妙な話だ。
まあ、その淑玲は都にゐるわけなんだが……「遠縁のをぢを頼つて」つて最初つからさうしてればよかつたのに。
舞台はいよいよ洛陽にうつつて、何進とか袁紹とか出てくるわけだが。
あのー、何皇后、なにゆゑそんなに笑ひ方がお上手ではないのでせう。
淑玲もさうなんだよなあ。笑つたり泣いたりといふ演技がどうにもわざとらしい。それでいいと演出家だか録音監督だかが云つたのだらうか。云つたんだらうな。やれやれ。
このころは袁紹も、妙ちきりんな喋り方をするとはいへ、それなりにぱりつとしてゐる。
曹操はあひかはらず青年将校つぽいところがイカす。悪役には見えんなー。この時点では悪役は何進とか十常侍とかだから、これでいいのかな。
張飛が美芳のことを「いい女だ」つて云ふところがあるけど、これはほんたう。美芳はいい女だなあ。
それと、この回から関羽の髯がさらに立派になる。1回から3回までは、なんとなーく長さがそろつてないといふか、段々になつてゐるやうな感じだつたけど、今回から長さもそろつてさらに美髯つて感じ。