俺の妹がこんなに可愛いわけがない（電撃文庫)

今更語ることがあるのか？

　無いですね。なんたって名作だし、アニメ化しているし、伏見つかさ先生は二発目も当てているし、絵も良いし。
　じゃあなんで書くのかって言われたら、そりゃ一日一ラノベしたいからであって（日付変わってますね）、自分のベストに入る作品を振り返るしかないなと。
　しかしなんで受けたのか、って言われたら十年前はこういうタイトルが斬新だった、はず。断定できないのはなんせ十数年前のラノベとラノベ以外の事情はわからんて。
　2008年って言ったら、WWEならジェフ*1が王座戴冠したりCMパンクが化けたり（年末だけど）、日本ならDDTが隆盛真っ只中で、あとなんだろう、映画はダークナイト？
　まあそんな感じで、リーマンショック前の不思議な期間だったと思うんですよね。ベイスターズはまだ最下位になったばかりなのでギリギリセーフの時代と書けばなんとも遠い時代である。
　そんな中現れた、妹ブーム全盛期に現れた直球タイトル。この妹ブームってのは正直わからないというか、貧乳ブームみたいなもんなのかなあ。そこらへん時代を振り返るラノベ史本とか出してくれやと思う。
　話は逸れまくったけど、個人的にこのラノベでなにが一番面白いかって、兄貴が純粋に格好いいというか、兄なんですよね。最終巻に到るまでに実は兄貴は昔は輝いていたってことが判明するんですが、そうではなくて、兄なんですよね。
　こんな文章を読んでいる人はみんな俺妹の結末知っているとは思いますが、最終巻の締め方はまあ荒れる荒れる。もう荒れる。簡単に言えば誰も選ばないってルート。でも、あたしはそれがベストなんですよね。
　そこで妹と禁じられた愛を育みました、ちゃんちゃん。じゃあ駄目なのよね。それだと高坂京介って兄ではなくて、三流のポルノ作品と変わらないんですよ。あくまで高坂桐乃の兄で無きゃならない。
　兄だから、そこは守る。何故ならそこに禁じられた関係、つまり性交渉をすると、それは桐乃の兄ではなくて一つの欲望が優先されてしまう。それじゃあアカンのですよ。あくまで兄妹愛なんですよね。
　性行為しているだけならセーフかもしれないけれども、まあでもそういうことはしないでしょう。高坂京介が最後まで兄であるから俺妹は面白いのである。
　桐乃もまあ、何年か経てばそこは終着駅ではないと、気がつくのかなあ。ゲーム版だとやっちゃっているらしいので（アニメ展開はあまり合わなかった）（（京介は「俺の妹がこんなに可愛いわけじゃ無い！」って開幕言いませんよ））、まあある種の正常性バイアスというか認知的不協和なのかもしれない。でもやっぱり妹とくっつくエンドだったらあたしは全部燃やしてたね。

でもなあこういうのはどうなんだろうか？

　読書メーターでも書いたけど、そりゃあエロマンガ先生でさらにメキメキと楽しさ面白さのレベルを上げた伏見つかさ先生が微調整して発売したんだろうから、面白いけれども、面白いけども、面白いけども。
　なんだかなあ。いや、なんだかなあっていうか、なんだろうかなあ。このレーベルのやり方なんだろうけども、でもなんかこう、うーん……
　はっきり言えば蛇足というか、いや別に出しても良いんだろうけれども、でも完結したの2013年なんだからちょっとなあ。
　面白いから良いんだけども。なあ。

高坂京介に相応しい女性とは。

　少なくとも俺妹にはいません。強いて言うならやっぱりあやせなんだろうけども、あやせはやっぱり桐乃と近すぎるのが欠点で、あとやっぱり年下なのがね。押されたら押し返せないのがちょっと惜しい。まあ五年後のあやせだったら有りなのかなあ。
　個人的に推したいのはガンパレ*2の田代香織かドラクエⅤのデボラ*3とか、ガンガンガンガン引っ張ってくれるそう。それでいて、過去を聞いてもそれがなにか？　って言ってくれる胆力が強いタイプ。あと物理的に桐乃とやり合えるタイプ。
　やっぱり桐乃とは喧嘩して認め合う関係性が良いですよね。まあ幼馴染みの、田村麻奈実と拳でやりあってましたけど。アレは認め合う戦いじゃないし。
　ちなみに桐乃に相応しい男は赤城浩平です。瀬菜の妹の。ブラコンとシスコン。お互いに良い所と悪い所を言い合う。んでまあ他がいないし良いかの精神。こういうなんとなくくっつく要素があるのは好き。