茶を濁すように語る場所。碌でもない。









今回はGA文庫というレーベルのお話。

 一見すると共通点は無いかと思われますが、全部一緒のレーベル、すなわちGA文庫から出版されていますね。
 実情はわからないけれども、感覚的には看板はこの三作品(四シリーズ)なのかなと。他にはニャル子さん*1とか、あと石鹸枠系*2が幾つか。
 んでまあ、正直こうしてレビューする必要性もないくらいに流行っている作品ですよ。固定ファンもたくさんついている作品。だからこそ、そうじゃない目線の話をチラホラとね。
 この時点であまり肯定的な話ではないという。

ライトノベルってなにさ。

 改めてこの三作品に共通している点を、軽く言うと、面白いんですよ、ええ、そりゃー全部十巻クラスに続いていますからね。そりゃあ面白いですよ。
 ただね、ただ、もちろん一つの本全てがって感じでは無いんですがとにかく、とにかく
 楽しくない
 もうビックリするくらい、楽しい気分になれない
 もちろん、不遇を乗り越えて大立ち回りする場面もあるけれど、それでもプラスにならない
 それが全部そうだから、こうして一括りにしているわけで

面白い≠楽しい。

 ある意味としては、今のなろう系ブームの正しい意味での逆張りなんですよね。つまり、最強ではないキャラクターが成長して、乗り越えていく。
 それはネットの与太話ではすごくすごく尊重されていて、望まれていることなんですよね。でも実際、なろう系否定の雑談でこの三つが出てくることがないわけで。
 間違いなく、この三シリーズ四作品は面白いんですよ。主人公がかっこよかったり、脇役も光に光ったりする。喜怒哀楽全てが盛り込まれていて、面白いなあって思うんですよ。
 だけども、その終わりに行くまでが本当にどんより、ネガティブ、苦行。それが半分とかじゃなくて3/4、下手すりゃ前後巻の後半まで爽快感が無かったりする。
 あたしは基本的にリアルタイムでは無くて、後追いで読んでいるからそこまでの気分には陥っていないけれども、読者によっては毎回レイニー止め*3をくらっているようなものなのでは?

敵もなんかこう、こう。

 あとこれも共通しているんですが、どうしても敵側がちょっとカリスマ的なものはないかなあって。
 チンピラ系っていうか、ステレオタイプな嫌な奴。人気が出る感じはないなあって。そうなると、あたしなんかは「そんなジョバー*4に一々翻弄されないで欲しいなあ」って思う。
 もちろんジョバー以外の敵役も出てはいるけれども、なんかこう、薄いかなあ。薄いっていうか、地味っていうか。渋い? もしかしたらあたしが読んでいない部分で出てきているのかもしれないけど。
 でもやっぱりそういう、カリスマというか、上手く立ち回る敵キャラクターってのは序盤から出てきて欲しいかなあ。ただ、出てきたら出てきたらで文句言ってそう(逆側のご都合主義とか言って)。
 ここらへん、ケチつけようとしたら他にもあるけど(女性キャラクターの扱いとか、世界設定とか)、まあ完全なイチャモンになるので割愛。ツッコミをいれてもしょうがない部分。

数ある作品の中、一つを選ぶとしたらやはりね。

 読んでいる人によっては、その苦痛、ネガティブ、不遇の部分がそこまで気にならない人もいるとは思うし、そうだから数字も伸びているわけで。
 あたしは基本的にライトノベルは楽しんでなんぼ、ということなんですよね。別に鬱展開が全部駄目ってわけでもないんですよ。だけど、そのネガティブ展開がいつ終わるのかわからないというのは非常に疲れるわけで。
 世の中たくさんの娯楽がある中で、ライトノベルを選んで、感情を引き起こされる。もちろん怒りや悲しみや衝撃だってある種の快楽かもしれないけれども、だけども、それでも何にしても、スッキリしたモノを味わいたいかなあって。
 だけどれども、そのすっきりしない感じさえ娯楽として味わえる人も大勢いる。そしてそれはなろう系ではほとんど味わえないモノだから、やっぱりこの三作品の路線はそうした需要をきっちりと掴んでいる名作なのでしょう。
総評
 なろう系を叩くならGA文庫を読め。だけどもそうはならない。まだまだライトノベル界隈の知名度は薄いってことなんですかね。あるいは空想で語れるなろうとその反対側の理想は強いのか。
 しかしこうしたなろう系の反対側を突っ走っている作品が四つもあるのだから、そこらへん、どうにかならないかなあと。


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