ケレオスの息子たちは女神デメテルに深く愛されており、ケレオスにもその寵愛ぶりの余波が来ている。
かつてハデスに無理矢理拐われた娘ペルセポネーを探すため地上に下り、老婦人に化けケレオスが治める国を訪れたデメテルは、手厚い歓迎を受けながら王室の乳母として雇われた。
気をよくしたデメテルはその返礼として、王の赤子であったデモフォンの世話をしながら不老不死の儀式を行った───毎晩密かに赤子を暖炉にくべ、
人間部分を焼き尽くそうとした。
しかしある夜、息子が焼かれているという異常な場面を見てしまった
妃によって、デメテルの儀式は妨害されてしまう。
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神の善意を台無しにされ大変腹を立てた女神は正体を表し、自身の怒りを静めるための神殿を建てることを命じ、
更には返礼しそこねたデモフォンに代わり、王のもう一人の子トリプトレモスを祝福することにした。