ヴォルスング・サガに語られる大英雄。
悪竜現象を討伐した偉大なる竜殺しであり、スタルカドが生涯培った技能を用いても敗北を喫した北欧の天才。最初で最後慄いた相手。娘のアスラウグは後にラグナル・ロズブローグの3人目の後妻。
ランサークラス
「汝こそは抜山せし蒼勁、倒海を巻き起こす澎湃なれり。されば戦場を跨ぐ無双、嵐の如き気迫を以って有象の集を薙ぎ払わん」
基本情報
【CLASS】ランサー
【真名】スタルカド/Starkad
【性別】男性
【身長・体重】327cm・416kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力A+ 耐久A 敏捷A 魔力C 幸運C 宝具A++
対魔力:A+
魔術への耐性。ランクAでは魔法陣及び瞬間契約を用いた大魔術すら完全に無効化してしまい、事実上現代の魔術で傷付ける事は不可能なレベル。 オーディンの祝福により魔術に対してより耐性を獲得したので、このランクにまで引き上げられている。
大神の戦士:B
オーディンの養子にして神々選定されし戦士。神性の亜種スキル。常時バフがかけられている状態で、全ステータスがランクアップ。また、このスキルにおける神性は「戦神」と同じ括りとなり、戦闘時にのみデフォルトで『勇猛』スキルが付与される。
雷神の呪い:B
トールに掛けられた呪い。本来であれば宝具に昇華する程の強力な呪いだが、オーディンの祝福と霊基の影響でダウンサイズされている。中立、または中庸のサーヴァントから反感をもらいやすく、一般人からも快く思われない。加えて、確率で反転衝動が発生する可能性を秘めており、幸運度判定次第で無効化されるか、正気度が徐々に失われてゆく。
戦闘続行:A+
名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けても戦闘が可能。また、『仕切り直し』と同様の戦闘から離脱する能力がある。
魔力放出(氷):B
霜の巨人たる血脈が隔世遺伝してスキルとなったもの。霊核から漏れ出る魔力は外気を凍てつかせ、肉体から溢れでる血液さえも冷気となる。
巨人脈路:A
巨人の血脈、破壊を伴う災害の権化。混血、怪力、天性の肉体、魔力防御、等との複合スキルとされている。魔力防御はに肉体表面を覆うシールドとしての役割を持ち、取り分けスタルカドは触れた物質を凍結させる「冷気」の性質を有している。また、家系図を辿れば妖精との血縁にも行き着く。
老境の武練:A
永年の時を経て至った武芸の手練。その境地。戦場にて培われた戦闘技術・心技体は肉体自体が直接記憶される程に染み付いており、いかなる戦闘状態・精神的制約の影響下にあっても十分の戦闘能力を発揮出来る。
『時つ風の栄光』
・ランク:A+
・種別:対軍宝具
・レンジ:(能力により変化)
・最大補足:500人
大神オーディンより施された祝福が由来。
神々の集う間にて議決された祝福は曰く「三人分の寿命」「最高の武器と衣」「膨大な金銭」「勝利と名声」「叡智と詩才」「高貴なる者たちから見定められる」であり、スタルカドはこれらを以って幾多の戦場にて武功を挙げた。
一つ目の能力は「三人分の寿命」に対応した三つの命のストック。霊核を砕かれるような一撃を受けた際、それを復活させて完全再生する。
消費した分はマスターの魔力で回復可能だが、喩え一流の魔術師であっても一つ回復するのに生涯を費やす程の膨大な魔力を必要とする為、大抵は無理な場合が多い。
どんなに規格外な神秘度、威力を持つであろう一撃を受けてもストックの消費量は一つであり、その絶対数は変わらない。よってこの宝具を破るのでれば、最低でも三回以上は霊核を砕く攻撃を与えなければならない。
二つ目の能力は「最高の武器と衣」に対応したあらゆる状況にて対応できる多種多様の武装の数々と、神々が纏う衣。
全てが神造兵装と分類される代物であり、武器としてカテゴライズされるものであれば一通り用意されている。なので、ランサーでありながらもセイバー・アーチャーとして活躍する事ができる。
衣の方は神々が戦争する際に使用する神格の宿る代物で、戦闘時に様々な恩恵を受ける事ができる。しかし普段着用しておらず、スタルカド自身が最高と考える戦闘にのみ装備を決意する。
三つ目の能力は「膨大な金銭」に対応しており、所謂『黄金律』を獲得する。
金銭関連でいえば、スタルカドは贅沢はしないが一生金に困ることはない。
四つ目の能力は「勝利と名声」に対応した“公平な戦い”の強制。相手と一対一の戦いに持ち込んだ際、幸運判定によって第三者、または運命力の介入といった事象の一切を遮断する状況を作り出す。ただし、そこまで制約が課さられる訳でもなく、魔術や宝具の使用は可能で蘇生能力すら機能する。あくまで一騎討ちのお膳立てをするのがこの能力の本質。
五つ目の能力は「叡智と詩才」に対応した『大神の叡智』を獲得し、かつて大神オーディンが片目を捧げて得たという大いなる叡智をベースとした、英雄が独自に所有するものを除いたほぼ全てのスキルを、B〜Aランクの習熟度で発揮可能とする技能。スタルカドは特例で原初のルーンを十全に扱う事ができる。
これは余談だが、この祝福の影響でスタルカドは即興で詩を紡ぐ事ができるアドリブ強者。
六つ目の能力は「高貴なる者たちから見定められる」に対応した王族・貴族・神の血を引く者を限定とした『友誼の証明』。対象との戦闘を回避し、同盟を組む確率を上げて有利な状況を獲得する。
『舂ける死の宣言』
・ランク:A+
・種別:対人・対軍・対城宝具
・レンジ:1〜50
・最大補足:700人
ヴィーカルを刺し、神々への生贄とした槍が由来。大神オーディンから授かった武具が一つ。
グングニルとも、世界樹の素材から作成された姉妹槍とも、オーディンがグングニルを振るう以前に使われていた槍とも言われる代物だが、実際にはユグドラシルの影、世界の織物を縫い付ける嵐の錨、最果ての聖槍そのものである。
常時は杖のような茎に擬態し、その全貌を秘匿する。「聖槍抜錨」を唱える事で姿を現し、擬態前と後で異なる出力を発揮できる。
真名を開帳する事によって聖槍の能力を解放し、穂先から石突までかけて刻まれている18の原初のルーンを起動させ、ルーンに応じて種別を変動させる。最大解放は対城規模にまで上昇し、巨人の膂力を以って投擲されると爆発的な威力を叩き出す。
また、投擲した際には必中効果が備わっており、この宝具を回避するのは困難を極める。加えて、手元から離れても自動的に戻る機能も入っている。
本来この宝具は一対一の決闘で振るう武器であるが、広範囲の威力を誇るので結果的に対人・対軍・対城の種別となっている。
『戦神宣誓』
・ランク:EX
・種別:対人・儀式宝具
・レンジ:???
・最大補足:1人
ヴィーカルを神々へと捧げた逸話────“不可能”という事象を“可能”へと落とし込む儀式の再現。
スタルカドが最も大切に思っているものを供物として聖槍に捧げる事で効果が発揮される。
不可能・不干渉とされる事象の一切を干渉可能な次元へと落とし込み、勝利と栄光を確約させる。
【解説】
北欧のサガにて数多の戦場を駆け巡った英雄スタルカド。
大神オーディンを養父に持ち、神々に祝福された屈強なる戦士。しかし一方で八腕の巨人スタルカド・アールドレングの血筋であった事から雷神トールから敵視され、名誉とは真逆の呪いも受けていた。
戦場を渡り歩き、数々の主君に仕えて戦果をあげた。そして北欧最強の戦士とも謳われているシグルドと一騎打ちを果たし、敗北を喫する。
そして後に戦場で死に場所を求めるも、いかなる戦士もスタルカドを討ち倒す事が叶わず、最期は高貴なる者の血筋であるハゼルの手により自身を殺させた。
こうしてスタルカドは英雄として名誉ある死を遂げる事ができず、しかして一人の人間として安らかな死を得たのだった。
【人物】
スタルカドの別クラス。ランサーの霊基で召喚されているので狂化が消失しており、高潔な武人としての側面を持っている英霊。しかしながらトールの呪いは健在。
ランサーとしての彼は「戦神」として名を馳せていた全盛期の姿であり、如何なる相手であっても敬意を表して全力で勝負を挑む。
戦士としての矜持を人一倍守る性格で、如何に無力な一般人であったとしても侮辱されたならば口論詩で相手を説き伏せるだろう。また、戦士でありながらも自らの誇りを守らない者に対しても顔を顰める。
一方で家庭的な女性、また淑女に対しては紳士的であり、逸話に「乳を待っている赤子のもとに帰った方がいい」という断りがある程女性の手を煩わせるのを嫌う。
バーサーカーの時は「過去の罪科の清算」のみに望みを託していたが、ランサーの場合はそれに加えて「シグルドとの再戦」を所望している。
【能力】
バーサーカークラスと比べてパラメーターは下がっているが、代わりにより卓越した技量を有している。加えて、大神オーディンの祝福より獲得した「三つの命のストック」「神々の手による複数の武器・武の祝福」「原初のルーン」等と多種多様の能力を備えている。
更に対人・対軍と戦術の幅も広く、正に一騎当千を体現する強さを誇り、そしてそれに対する魔力の消費量も動かすだけであればバーサーカーより少ない。ただし、全ての宝具を含めての運用を考えるのであれば魔力コストが格段に跳ね上がる。
変更点
【宝具】
死と叡智からの祝福
↓
時つ風の栄光
怒れる雷からの呪い
↓
禍つ雷の破滅
黄昏なりし死の宣言
↓
舂ける死の宣言
没宝具
『刻舟を覆す譚歌』
・ランク:C
・種別:対人・対軍宝具
・レンジ:臨機応変
・最大補足:60人
数多な戦場を渡り歩き、戦神の如き逸話を刻んだ武の具現。宝具化した対人・対軍殲滅技能。
手に持った武装の真価を引き出し、本来の使用法でもないにも関わらず能力を最大限に発揮させ、対人から対軍に至るまであらゆる状況下に合わせて対応し、能力を引き上げる。上述の宝具と合わせた運用法をスタルカドは使う。