デザエモンDB - KEIZO
異生物惑星での孤独な戦いを描く、SFシューティング。
KEIZO
Recorded by Timo.KEIZO
作品データ
作者KEIZOサウンドKEIZO
媒体デザエモン+初出1996年
SAVEサイズ15ブロック
構成5ステージプレイ時間19分
解説
異生物惑星での孤独な戦いを描く、SFシューティング。異口同音、 「何でこの作品が入選してないのっ!?」 …圧倒的作家性、静けさと艶麗さとを湛える独特の作品世界、それを盛り立てる情感に満ちた楽曲群は、今もなおデザエモンファンの間で語り継がれています。
難度★★★★★★★ (優しさのビーム判定)
系譜・関連作品
前身となったKEIZOが同じく+で制作されており、こちらは本来2と呼ばれていた。
デザ2製のKEIZO3はパワーメモリーからソウルイーターを喰らい消滅。マイクで録音した曲だけが残っている。
関連リンク
個人HP:http://keizo.html.xdomain.jp/
KEIZO3ラスボス曲:http://qq3q.biz/oiB5
作者コメント
これの制作に青春を捧げました。今もこうして何かしら残っているのが嬉しいです。
最も時間を掛けたサターン版が消滅したのが悔しくて仕方がない。
1面はボコスカ倒せる、2面はギミック、3面はボコスカ、4面はギミック、5面はボコという流れを意識して作った覚えがあります。
飽きないようにそれぞれのステージに主張したい色と雰囲気を決めて区別した…生物>建物>機械>生物>機械…
とにかく飽きやすい自分が飽きないように作った覚えがあります。



登場機体

 
・KEIZO
 
進化する機械生命体の初号機。
安全性テストすらクリアしていない実験機体。
精命エネルギーを吸収する事によって形状が変化し、
機動力および装甲の強化のみならず、主砲を切り替える事をも可能とした。


・三人衆
   


地底都市で戦いを挑んでくる異生物の搭乗する機体。
彼らもまた、生きる為に戦っている。
戦士としてのプライドがあり、単騎で挑み華麗に散った。


・コピー
 
侵入者を模した偽装機体。
急ごしらえの為、ハリボテである。



STAGE


■STAGE1:宇宙〜地表

BOSS


■STAGE2:海底文明跡

BOSS


■STAGE3:地底都市

BOSS


■STAGE4:巣

BOSS


■STAGE5:小宇宙

BOSS
 


SIDE STORY


2058年

地球は異生物の侵略によって人類始まって以来の危機にさらされていた。
戦場がこの星というのもあって、圧倒的に不利な戦いをしいられ、
このままいけば地球は異生物に乗っ取られるという状況だった。
一流の傭兵パイロットだった俺にも国からの依頼はきたが、
集団戦法を好まない俺はその話を断り、パソ博士と呼ばれる科学者の
プロデュースで単身 異生物の本拠地へ乗り込むことにした。

パソ博士は精命エネルギーというものを研究していたのだが
この異生物との戦争をきっかけに自分の研究の成果を兵器に活かそうと
考えたらしい。俺はその初号機のパイロットに選ばれたわけだ。
パソ博士の造った兵器とは、進化する機械生命体 その名も「KEIZO」
種々の精命エネルギーを吸収し、様々な攻撃が可能になったという。
この機体に搭乗し、人類の存亡をかけて異生物とやり合うことになるが
しがない傭兵の俺には人類が滅亡しようが、地球がどうなろうが
関係のないことだった。
 
 
 
 
この星の表面はいたって原始的で、建造物の一つも見あたらなかった。
異生物はいったい何処からわいてくるのだろうか‥‥
パソ博士の通信によれば、海底に無数の生物反応が見られるという。
俺は手がかりを見つけるため海底へと足を進めた。

海底には遺跡があった。
明らかにそこには昔何かの文化があったに違いない‥‥
しかしそれは異生物のものではないようだった。
パソ博士も意図的に海底に沈められたものだろうと言っていた。
やはりこの星は異生物の侵略によって滅ぼされた別の星だったのでは
ないだろうか‥‥
俺はこの惑星に明日の地球を見たような気がした。
 
 
 
 
地底深く突き進んだ俺の眼前に姿を現したのは、水脈でも
高熱のマントルでもなく、高度に発達した地下都市だった。
異生物の文明がこんなにも高度だったとは思っていなかったことだ。
パソ博士が言うにはそろそろ奴らの巣に到着するらしい。
もともと死ぬ覚悟でこの仕事を引き受けたのだが、いざここまでくると
さすがの俺も恐怖というものを感じずにはいられなかった‥‥
 
 
 
 
とうとうこの星の中枢にきたようだ。
真暗で周りには何もない‥‥パソとの通信もとっくに切れてしまった。
ここは小さな宇宙なのだろうか? それとも別の次元か‥‥
どちらにしろ人知の遠く及ばない領域に入ってしまったことは確かだ。
親玉を討てば全てが終わる‥‥差し違えてでもこの任務は果たす。
この星に着いた頃とはずいぶん考えが変わっていた。
 
 
 
 
やった‥‥  これで地球は、人類は救われるだろう。
パソにもこのことは伝わったはずだ。
‥‥だが、この機体にはもう燃料が残っていなかった。
俺はこの星と共に永遠に眠ることになる‥‥
やるだけのことはやった。もう、思い残すこともない‥‥

その時、家族の写真が目に飛び込んできた。
‥‥愛する妻、娘‥‥
俺にはまだやらなければならないことがあった‥‥
「ここで死んでなどいられない」そう思った時、奇跡が起こったのだ。
機体の中の触手のようなものが俺のからだに吸い付き、
燃料が切れたはずのKEIZOはいきおいよく出口へ向かって飛び出した!
俺は無我夢中で操縦し、なんとか異生物の星から脱出することが
できたのだった。
 
 
 
 
今思えば、あの時のKEIZOは俺自身の精命エネルギーを使って
起動したのだろう。
進化する機械生命体KEIZO‥‥最後には自分の意志すら持ったというのか。
どうにしろ、しがない傭兵の俺には関係のないことだ。
この長かった戦いで俺は大切なことを学んだのだから。
何よりも‥‥