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momotraoo33 2019年08月06日(火) 11:43:39履歴
一説ではウェルズが自ら演出するはずがRKOと揉め、製作と出演、脚本の補助だけに回ったと言うが、
ほぼ同時に「偉大なるアンバーソン家の人々」を撮り、
「イッツ・オール・トゥルー」でブラジル入りせざるを得なかった彼の多忙さが、
このスパイ・スリラーを人任せにさせた一因だろう。
にしても、素晴らしい緊張感を持った作品で、随所にウェルズの烙印は捺されている。
殊に、出だしのワンカットで、アパートの一室でレコードを聴きながら殺しの身支度をする、
実に不気味な面相のナチの諜報員を捉えたショットや、主演のコットンが彼を襲う諜報員に、
ホテルの窓外で追われる恐怖演出などで、ウェルズでなければ考えつかない技巧に満ちている。
予告編
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