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説明

芥川龍之介が1920(大正9)年に発表した『南京の基督』に、彼が自殺を遂げる直前の心象風景を綴った作品『歯車』『或阿呆の一生』を融合させて映画化した作品。1920年代の中国・南京。ひとりの日本人作家とまだ幼さの残る娼婦が出会う。その少女・金花は、一点の曇りもない純真さで神を信じていた。一方の作家・岡川は創作に行き詰まり、神を求めつつもその存在を疑問視していた。やがて少女の一途さ、純真さに惹かれていった岡川は、金花との愛の日々の中ですさんだ心を癒し、忘れかけていた創作意欲も次第に高まっていった。しかし彼女は、当時不治の病と言われた梅毒に感染してしまう。他人にうつしてしまえば治るとも信じられていた病気だったが、敬虔なクリスチャンである金花は客を拒み続ける。それは彼女の死を意味していた……。日本屈指の文学者、芥川龍之介の小説を基にしているだけあって、日本文学の持つ愛欲、性欲、死といった人間の普遍的テーマが実に深く、耽美的美しさで表現されているのに加え、氏自身が古典、聖書、中国文学に精通していることもあって、宗教観、異国情緒が色濃く漂う作品に仕上がっている。また芥川龍之介役に香港の俳優レオン・カーフェイを起用した意表をつくキャスティングと、愛くるしさと狂気が同居する壮絶な娼婦金花役を演じる実力派俳優、富田靖子の、中国語のセリフを交えての迫真の演技は見もの。これは、キリストを信じ、愛の対象とさえ見ている純真無垢な少女と、現実の過酷さを見抜いてしまっている作家の、運命的な愛の物語であると同時に、芥川の分身とも言える作家の目を通して、知性と狂気、神と人間、官能と無垢の間を交差して、愛と性、生と死というテーマを描き出した秀作である。



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出演


役名俳優
岡川龍一郎レオン・カーフェイ?
金花富田靖子?
譚永年トゥオ・ツォンホァ?
山茶ジェシカ・チャウ?
ラオ・シュン?
岡川の妻中村久美?
ユイン・ダッチョウ?
マーク・カスバーグ?
岡川の母千原しのぶ?

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