S・キングの原作のTVムービー化、ではなく、このミニ・シリーズ用にキングが書き下ろしたストーリーというのが最大のポイント。まさにTV(ビデオ)でしか観られないキング作品だ。
政府の依頼で極秘の研究を行っているファルコプレインズ社。ここで掃除婦として働くハーラン・ウィリアムズ老人は、ある日実験の事故に巻き込まれ、光り輝く緑色の粉を大量に浴びてしまう。保安主任テリーは陸軍のクルーズ将軍と共に調査を開始。だがトッドハンター博士が指揮を取るその研究が何なのかは完全なトップ・シークレットとなっている。事故で死んだ科学者の遺体が政府直属の秘密組織“ショップ”によって運び出された事で、二人は事の重大さに気づく。やがてその手は、退院したハーランと妻ジーナにも迫る。かつて“ショップ”の一員だったテリーは、追っ手が凄腕の殺し屋ジュード・アンドリュースだと知り、旧友でもあるクルーズ将軍のバックアップを受けてジーナとハーランを街から脱出させようとする。そして、この間、ハーランの体には奇妙な変化が起きていた。彼は日を追う毎に若返っていたのだ……。
逃亡劇を基本に、SF・ミステリー・アクションなどの要素をふんだんに注ぎ込んだ作品で、妙なカルト色などはなく、正統派のTVドラマと言っていいだろう。もっとも、終息に関してはやや腰砕けの感は否めないが……。役者では、元“ショップ”の女戦士で、老夫婦を助け出す、言わばアクション面の主人公であるテリーに扮したF・ハフマンがいい。タフネスぶりと女の色香がほどよく合わさった魅力的なキャラクターを作り出している。彼女だけのスピンオフかシリーズが観たいぐらいだ。
予告編
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