有用微生物群(EM)まとめ - EMを批判する意見
有用微生物群(EM)の効果を疑問視し、批判する意見をまとめています。中には疑似科学であると批判する意見もあります。


EMを批判する意見

EMを批判する意見

EMにはEM活用技術に挙げられるように多くの効果があるとされています。しかし、このように多くの効果があるとされていること自体、一般的にはありえないことであり、このことから疑似科学であると批判されることもあります。
EM研究機構のEMのメカニズムというページでは、EMの働きを次のように説明されています。
普通、土の1g中には約1〜10億もの有用な微生物がおり、EMといえども数で圧倒する訳ではありません。EMに含まれる微生物がリーダー的な存在となり、現場に最初からいる微生物 (日和見菌) を連係させて働かせる事ができるので、投入した量以上の効果が出るのです。
しかし、このことは現代科学では解明されていません。

また、社団法人日本土壌肥料学会の公開シンポジウムでの資料に「EM試料には抗微生物活性は認められなかった」など、EMの効果を否定する結果が示されています。
ただし、農業利用に関してEMが全く効果がないとはいえず、何らかの効果が出る可能性もあります。

農業用に「菜園EMパウダー」という製品が販売されています。商品説明には「高温で焼成して」と書かれていますが、高温で焼いて微生物が生きているわけがありません。これは、長崎大学の講義でも指摘されています。
2010年に日本で流行した口蹄疫に関して、EMの開発者である比嘉教授は「比嘉照夫氏の緊急提言 甦れ!食と健康と地球環境」の第27回 EMによる口蹄疫対策で次のように述べています。
EM仕様に変えれば、抗生物質や消毒薬の不要な飼育が可能になり、畜産公害も解消し、その糞尿は、すばらしい有機肥料となり、有機農業を支える大きな力となります
しかし、このような効果を示す実験データがあるわけでもなく、その効果は疑問です。個人ブログでこの件について書かれています。
浄化槽など限られた小さな場所で使う分には効果があるかもしれませんが、湖や流れのある川でEMによる水浄化の効果を期待するのは無理があるでしょう。
水処理利用については最近のエコブームで、行政などが主導している場合もありますが、下記の様にその効果については疑問であるばかりか、逆に汚染の原因となるとの報告もあります。 上から2つめの項目参照 「菌」でページ内検索して初めに出てくる亀岡義尚委員の発言から一連の質疑応答を参照 8ページの「(3)EM菌製剤を用いた水質浄化効果判定試験」を参照
学校教育での利用例に学校のプールの清掃にEMだんご、EM活性液が利用されており写真で見る限り効果があるように見えます。しかし、次のブログでは米のとぎ汁だけでも十分な効果が得られるのではないかと指摘されています。 プールの水にEMを投入し、清掃の際に水を排出することによりそれが川に流れて環境がよくなって一石二鳥、という説明がなされることもあるそうです。EMには米のとぎ汁を使いますが、米のとぎ汁は環境に悪いはずです。矛盾していませんか。
「比嘉照夫氏の緊急提言 甦れ!食と健康と地球環境」の第27回 EMによる口蹄疫対策で比嘉教授は次のように述べています。
EMをベースに作られたEMXゴールドは、C型やB型肝炎のウイルスを完全に消滅し得るという事例が多数、確認され、エイズはもとより、ヘルペス、インフルエンザ等々のウイルスに対しても万能的な力を発揮しています。
この効果を示す実験データは示されていませんし、エイズに対して万能であれば大々的に報道されているはずでしょう。

比嘉氏は「連載 新・夢に生きる シントロピー(蘇生)医学の序幕」で、次のように述べています。
「波動」の関与も間接的ながら確認...
この「波動」は放射能や有害な電磁波を無害化するばかりでなく、有害なエネルギーを蘇生的なエネルギーに転換している現象が認められ...
「波動」という概念を持ちだしていることから疑似科学であるとされています。また、波動については菊池誠氏による「「ニセ科学」入門」の「5.波動」で詳しく説明されています。
ベラルーシとウクライナで行われた実験で、EMを土にまくことで放射能を除去することが可能であるとの報告があります。放射性物質が植物に吸収されることもないそうです。これは比嘉氏自身が行ったのではなく、各国の研究所によるものだそうです。
ただし、比嘉氏の「私は理論では仕事をしておりません」という発言もあり、そのメカニズムはよくわかりません。

EMを用いた放射能の除去に関して比嘉氏や研究を行った方の発言があるページへのリンクを貼っておきます。発言箇所の記述がないものは「放射能」でページ内検索してください。
EMフェスタ97でのE.F.Konopiya氏による発表。 EMフェスタ98でのパネルディスカッション。 EMフェスタ99での比嘉氏の特別講演 EM-EXPO2003での比嘉氏の講演 EMフェスタ2003での比嘉氏の記念講演

EMの放射能に対する効果への反論 小波秀雄教授と菊池誠教授がEMの放射能に対する効果について批判されていたツイートをまとめました。 上記のEMフェスタなどでの比嘉氏の発言を検証されています。 EMを含むいくつかの放射線対策に対してその問題が書かれています。
EMに水質改善の効果があると言われているため、エコの観点から小・中学校でEMを用いた授業が行われています。EMの効果を先生や地域の大人の方がそのまま鵜呑みして授業を行うことが多く、児童,生徒がEMについて誤った知識を得てしまう可能性があり、大変問題です。
ただし、中には児童自身がEMについて調べる中で、水槽と流れのある川でEMの効果が同じであるとは判断できないと結果を出した仙台市立大野田小学校の「有用微生物群実験隊」という授業もあります。
EMにはいろいろな効果があると言われており、EMを使えば川や湖の水質改善から人間の病気まで何でも解決できるとも主張されます。(実際に効果があるのか疑問ですが)これを信じて、本当に必要なことを行わず、ただ単にEMを使ってさえいればいいという考えに陥ってしまう危険性があります。
川の水浄化を例に挙げると、下水道の整備などをしなくともEMだんごを投入しておけば川はきれいになる、といったものです。
EMを推進する方は(あたりまえですが)EMには効果があると主張されます。ここで、何をもって効果があるとしているのかが問題です。例えば、魚が住み着くようになったとか、悪臭がなくなったとかは事実としてそうなのかもしれません。でも、その原因をEMと主張するからには、他の同じような条件下でEMを投入しなかった場合との比較や、その場所で行われた他の環境対策による効果を考えなければいけません。

EM自体に効果があると主張するならば、科学的な調査を行い結果を公表すべきではないでしょうか。


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