やる夫スレ作者 ◆IL/7VRqS7E が自分の雑談所で好き勝手にやっている短編などの為に作った纏めです。編集などのは全て自由ですので好きに行ってください。色々弄くってくれると喜びます。


物語の流れ

〜封鎖二日目〜(文京区)


1話(41) 「プロローグ」
AC4シリーズの愛好グループ、オルカ旅団(仮)のメンバーやる夫は悪魔が現れた中オルカ旅団の面々とチャットで情報交換をしていた。
団長が見つけてメルツェル経由で配られた悪魔使役ソフト(1GBのzipファイル)を、各々携帯端末に移動させる。
チャットルームから退出し、メルツェルの指示通り召喚すると――末尾安価で決定された――怪異ムラサキカガミ(LV15)が仲間となった。
やる夫は驚愕のあまり二言言葉を発すると気絶してしまう。

2話(42) 「チュートリアル・戦闘」
起きたやる夫はムラサキカガミの説明を受ける。先ほどまで使えたネットはいつの間にか繋がらなくなっていた。
自分の足で情報を得るべく外に出る事にした。
周辺の探索で警察官の死体を発見。遺体を漁る事なく相手の瞼を閉じ、次の行動に移ろうとした。(基礎アライメントが善に設定
しかし遺体はゾンビコップとして蘇り、やる夫はサマナーとして初の戦闘を経験する。
屍鬼 ゾンビコップ(Lv6)を倒したやる夫はニューナンブ一丁とフルムーンクリップで計12発の弾薬を手に入れる。※
 ・やる夫のLVが2に上がった。ムラサキカガミLvUPまで後98%
 ※12発なのは、GMがニューナンブを32口径6連発と勘違いしていた為。(本来は38口径5連発)

3話(43) PM12:20
探索を再開したやる夫は馴染みのコンビニで水のペットボトルを二本、ウイスキーを一本、包帯とガーゼを手に入れた。
また商店街に放置されたパトカーから38口径弾8発を手に入れる。(装填6、残弾8+6)
デビオクでピクシーとコボルトを落札(計250マッカ)。彼らが元居た場所の出現悪魔のLV帯を聞いた。
チヨダが比較的安全、新宿は最も危険、渋谷はその次に危険な状態らしい。
近所の小学校へ
4話(43) PM13:20
当座の指針として、人を探して状況の把握、悪魔を倒し自分を強化、合体用悪魔の入手、食料の確保と
拠点となる自宅の防衛に役立ちそうな物があれば入手すると決めた。まずは情報を集めから。
ムラサキカガミに近場でやる夫の適性LVの異界を聞き、教えて貰った近くの小学校をへ向かう。PT編成は紫鏡とピクシー。
広域避難所に指定されていた小学校の校庭には、食い散らかされた人だったモノと無数の屍鬼や悪霊がうろついている。
生者を呪う屍鬼達はやる夫達を見ると襲い掛かってきた。
校庭(44) PM13:30
vs屍鬼 ゾンビスチューデンツ(Lv3)×3 → vs幽鬼 ポルターガイスト(LV1)×3
vs屍鬼 ゾンビコップ(LV6)x3 → vs屍鬼 ゾンビスチューデンツ(Lv3)×3 → vs幽鬼 ポルターガイスト(LV1)×3
  前半戦で38口径弾を4発消費。後半戦は全てムラサキカガミのメギド一発で決着x3(MP残量4割)。
   ・やる夫のLVが2→5に上昇(次Lvまで後10%、成長:力+1、速+2)
   ・ムラサキカガミのLvUPまで後77%、ピクシーのLVが2→5に上昇(次Lvまで後95%)
  ニューナンブ(残弾2)を一丁、SIG:P220(残弾10)を一丁、38口径弾を5発拾った。※
    (※38口径弾:装填6、残弾9+6 → 48スレで本来の装填数に修正され、装填5、残弾10+5に。残弾2は未計上)
  子供の死体と戦った事でやる夫のカルマが−2(善3)。
校庭の悪魔を一掃し、校内の探索を決定する。

5話(44) PM14:10
校舎の屋上から桁違いに強大な悪魔の気配がしているが、そこに近づかなければ無害と判断。校内の探索の前に準備。
  ・ステータスの確認、装備をニューナンブからSIGに。
  ・デビオクで手の込んだ悪魔を一体だけ狙い、880マッカで鬼女アチェリを落札する。
  ・編成をピクシー(LV5)とアチェリ(LV8)に変更。
まずは体育館の方へ行ってみる。
 途中で体育倉庫を発見、扉を開くと中には悪魔に襲われ逃げ込んだ子供達の死体が山積みになっていた。
 無残に過ぎる光景に嘔吐するやる夫、ピクシーに介抱され水のペットボトルを一本消費。
 しかし放置すればゾンビ化する為、落ちていた金属バットを拾い自らの手で遺体を復活不能になるまで損壊した。
体育館 PM14:30
vs幽鬼 アガシオン(Lv6)×3 
 火力不足の編成に加えダイス運が悪く、アギ(弱点)の一撃でピクシーが沈む。即座にムラサキカガミと交代してメギド。
 やる夫のLVが5→7に上がった(体+2)、ムラサキカガミのLvUPまで後71%、アチェリのLvUPまであと40%。SIGの弾を1消費。
 アガシオンのスキルカードを入手、やる夫が使用して衝撃耐性を獲得した。
 150魔貨でピクシーを復活。アチェリの提案でやる夫のMAGを「吸血」して「献身」で味方全体を回復する循環回復を使いHP全快。
 MP3割のムラサキカガミとアチェリの編成で探索続行。血の海の体育館に集められた物資からメディカルキットx5を回収。
 ムラサキカガミが余ったスペースにチョコレートを一箱放り込んだ。
体育館の二階から悪魔の気配。あまり敵対的ではない様子。
 12人の子供を眠らせ保護している天使エンジェル(Lv17)と出会う。アライメントが善の為、友好的。
 子供の保護で手を貸せない代わりに加護としてパーティーのHP/MPを全快してくれた。神の威光に触れ、カルマが善に+1(善4)
校舎 PM15:00
裏口から校舎に侵入。
・保健室でゾンビナース(某バブルヘッド)と遭遇。戦闘にはならず、生前の記憶の残滓か絆創膏1枚と赤チンを手渡された。
・用務員室でマスターキーを入手。
・職員室でゾンビティーチャーの群れが襲いかかってきた。

5話続き(45)
屍鬼 ゾンビティーチャーズ(Lv5)x3 ※〜ズなど複数形の時は3〜5体を一纏めにカウント
  ムラサキカガミのLvUPまで後66%、やる夫のLvUPまで後40%、アチェリのLVが8→9に上がった(LvUPまで後100%)
戦闘後、職員室を物色し「特殊警棒」と「さすまた」を入手した。さすまたは大きくて収納不能なのでメインアームに装備。
「二階への階段」、「東側廊下」は未探索。
PM15:25
校舎内での戦闘に反応し屋上の気配が動き始めた。身の危険を感じてダッシュで校外へ。
……が、校門直前で先回りされてしまう。相手は自分の領域なら何処にでも出現できる異界の主だった。魔人アリス(Lv99)と遭遇。
お近づきの印にチョコを渡し、所望された紅茶も自販機で調達し(紅茶花伝が好みらしい)、機嫌を取る事に成功。
お約束の「お友達になって」とのお願いは否応なく了承。続くお昼寝の誘いを安価のミスで断ってしまいゲームオーバーかと思われたが
やる夫の機転で寝付くまで読んであげる絵本を持ってくるという言い訳で切り抜ける。
昼寝には間に合わない為、夜9時までに保健室で就寝するアリスの元へとっておきの絵本を持って行く約束をする。破った時には……
自宅 PM15:40
やる夫がアリスと遭遇している頃、高校時代からの友人、両儀式が訪ねてくる。途中まで自転車だったが壊れたらしい。
相手が留守と知って身だしなみなど気にしつつ、一時間程待ち続けた頃、やる夫が悪魔達を連れて帰宅する。空気が緊張をはらんだ。
式の来訪〜ホームセンター
6話(45) PM15:40
やる夫の仲魔に厳しい目を向ける式に事情を説明。以前から彼女の厨二めいた発言を聞き流してきたが、
彼女が実際にナイフ一本で苦もなく悪魔を葬れるオカルト関係の実力者だったのだと今更ながらに知る。
彼女の方は打ち明けた秘密を何も言わずに受け入れてくれた特別な相手と思っていたので恨みがましい目で見られる事になった。
とりあえず、空腹な彼女のご機嫌を直して貰うのに食料の買い出しへ。
式に留守番を頼んで近所のスーパーとホームセンターに行く予定。夜は悪魔が活性化するので暗くなる前には帰りたい。

7話(46) PM15:55〜16:05
デビオクで材料用の悪魔を138魔貨で落札、闘鬼コボルト(Lv3)を幻魔タム・リン(Lv6)に合体。
武装をメインP220・サブ警棒に持ち替え、ピクシーとタム・リンの編成でスーパーに出発。(徒歩10分程)
 ※狭い店内が目的地なので、さすまた装備のままだと突っかえて1ターン休みという罠があった。
スーパー PM16:15〜PM16:35
武装したチンピラ12〜13人が占拠していたが話しかけると連れている悪魔に過剰反応され一方的に戦闘になった。
vs外道 アウトサイダーズヘッド(Lv6)、アウトサイダーズ(Lv4)x2
 やる夫とタムリンの一撃でアウトサイダーズ1グループを殲滅。怯えた残りが反抗を続けるリーダーを殺して許しを請うてきた。
 やる夫のLvUPまであと30%、タム・リンのLvUPまであと80、ピクシーのLvUPまであと65%、210魔貨入手。
 武装解除を条件に許すと武器を置いて逃げ去った。
  ・ブローニング・シルバーハンター(散弾銃)装填3/3 を手に入れた。
  ・アーモケースと12ゲージショットシェル62発(バラ12発+25発入りケースx2)を手に入れた。
  ・故意ではないが殺人を犯した事と、半ば追い剥ぎのように武器を入手した事でカルマが−1(善3)
店内を漁り、バックパックの8割まで食料を得た。(二人で三日分※)
メインアームに散弾銃を、サブを警棒に変更。絵本は自宅に仕掛け絵本があるが、ホームセンターにも行ってみることに。
 ※スレには二人で三食分とあるが、その後の展開からして一日単位でないと整合性が取れないので。

8話(46) PM16:35
途中、タム・リンから悪魔の存在や、死体のゾンビ化について講義を受ける。
悪魔は概念がMAGで実体化した物であり、屍鬼の発生も人々の持つゾンビの概念がMAGに侵された死体と結びついた結果だという。
つまりこの異変は全て、東京のMAG濃度が異様に濃くなったことが原因だと知る。
ホームセンター PM16:50
到着したホームセンターには無事な人間が立て篭もっている。いらぬ混乱を避ける為、悪魔を隠して(ピクシーを懐に入れ)接触。
施設を護衛していた刑事との交渉で、以下の生活必需品を譲ってもらう。食料一日分+メディカルキットと交換で話が付く。
  ・手袋(作業用) 懐中電灯 電池 サバイバルマッチ 肌着(白いシャツ)
  ・絵本数冊(今晩の命綱) /残:食料2日分、メディカルキットx4
収容人数が限界で物が不足している為、今後も武器・医療品・食料と交換で物資を都合すると打診された。
ホムセン内・書店(47) PM17:00〜17:30
要請した物資が揃うまでの待ち時間、避難民の託児所になっている書店で絵本を選んでいると年長の少女(タバサ)と出会う。
どうしても千代田区の総合大学病院に行きたいそうだが、今は力になれないので振り払いホームセンターを後にする。
帰り際に刑事からショットガンに使えるモデルガン用のスリングを渡された。メディカルキットで子供の命が助かったお礼との事。
外に出る頃にはほぼ日も暮れていた。暗くなると昼間動かない強い悪魔たちも動き出す。仲魔に警告されて家路を急ぎつつ、
そんな危険の中、夜の学校まで行かねばならないことに気付いて愕然としたやる夫であった。
「不幸なメリーさん」導入編
9話(47) PM17:35
日の落ちた街を必死に走る。危険度を下げるため急がば回れと近道の暗い路地を避けたが、あまり変わらず二度接敵。
vs邪鬼 オーガ(LV8)x3 → 邪鬼 ドンコウ(LV8)x3
 ショットシェル2発消費、530魔貨手に入れた。やる夫のLVが7→9に上がった(LvUPまであと20%、魔+2)、
 タム・リンのLVが6→8に上がった。SPECIAL修得(LvUPまであと65%)、ピクシーのLVが5→8に上がった(LvUPまであと95%)
自宅 PM18:00
無事帰宅。荷物を確認した式が絵本に気付いたが、アリスの件は伏せて誤魔化した。
PM18:45〜20:25
詮索を避けてくれた友人にバイト経験を活かした中華店仕込みの特製蟹あんかけチャーハンを提供。食後のまったりした時間、唐突に携帯が鳴る。相手は都市伝説の「怪異メリーさん」。しかし暫く様子を見ると果てしなくヘタレ化しているのが判明。何度も道に迷いマジ泣きして辿り着いたメリーさんを2chの某ネタ通りに虐めて遊んでから迎え入れると、ムラサキカガミが同じ都市伝説系怪異の先輩としてメリーさんにドSぶりを発揮した。悪魔は概念の存在である故に、彼女は2chで広まった妙なネタの影響でLv60オーバーの凶悪な悪魔からLV12の愛すべきヘタレキャラへと転落していたのだ。もう力の残滓を手に入れるしかないと捨て身で泣き付かれたので仲魔に加える事にする。ふと気がつくと、時計は20:25を指していた。
夜の小学校〜ORCA団長
10話(48) 20:25
小学校までは通常なら徒歩20分。訝る式に留守番を頼み、怪異コンビをお供に小学校へ走る。
ハーモナイザーのお陰で全力疾走すれば間にあうが、途中の戦闘でどれだけ時間を取られるかが問題。
危険だが五分で着く近道を選択。約束の期限まで残り35分。
vs屍鬼 ゾンビタスクフォース(Lv9)x3 → 幽鬼 グール(Lv17)x1
 ・やる夫のLvが9→11に上がった(LvUPまで後65%、魔+1、体+1)
 ・ムラサキカガミのLvUPまで後23%、メリーさんのLVが12→13に上がった(LvUPまで後90%)
 ・300+180魔貨を手に入れた。9mmパラベラム装填済のマガジンx3を回収。死霊の牙を拾った。
限界を越えて急いだおかげで約束の時間15分前に学校に到着した。
 ・一方、やる夫の様子を不審に思った式だが、留守番を頼まれた手前、戸締り確認を入念に済ませてからやる夫を追いかけていた。
小学校 PM20:45〜22:10
保健室のゾンビナース(屍鬼としても非常に強い気配)に案内され、豪奢なアリスの寝室へ。見た目小さいお人形さんのメリーさんがアリスに目を付けられガクブルしたり、女の子の必需品な綺麗な手鏡だと褒められたムラサキカガミも同様に怯えたりしたが、幸い何事も無く絵本の読み聞かせに入れた。選んだのは一匹の黒猫の物語。アリスは物語から何か感じたらしく。家族や友達になるのに同じ存在である必要はないのだとやる夫に教えられ、満足して眠りに就いた。眠る前に「力の残滓」をやる夫に握りこませて。残滓を欲しがりコントを始めた怪異コンビを促し、アリスを起こさぬよう静かに部屋を出た。

11話(48) 21:10〜21:50
やる夫がアリスに絵本を読んでいる頃、夜道の悪魔を容易く斬り捨てて後を追う式の姿があった。
その前に現れる一人と一体。やる夫と同じアパートに人を尋ねる途中だという悪魔使い(ルルーシュ)と魔人マザーハーロット。
戦っても負けるつもりはないが、身を震わせる程の存在感を感じる。敵ではないようなので道順を教えて早々に別れた。
それよりもやる夫が気になる。自分がすっかり彼にやられてしまっているのだなと自覚しつつ、先を急いだ。
小学校 22:10〜22:35
アリスの部屋を後にし、ゾンビナースと会釈を交わす。他の屍鬼と違い随分知能が高いようだ。
一方、相変わらずコントを続ける怪異達。
煩いので今回の力の残滓は早々にムラサキカガミに与えることにした。落ち込んだメリーさんには次回に与えると約束する。
テンション上がったメリーさんをよそに、ムラサキカガミの不意打ちで力の残滓のついでに濃厚なキスと多少のMAGを奪われた。
ムラサキカガミはある程度の霊格を取り戻し、LV15からLV40へと急成長した。
物音にふと窓の外を見ると、見慣れたジャケットに着流し姿の友人が悪魔と戦う姿が見えた。

12話(49) 22:35
校庭で屍鬼の大群を舞うように解体している式を援護に出る。
 vs屍鬼ゾンビコープス(Lv30)x1
 やる夫とメリーさんは防御して紫鏡のメギド一発で決着。320魔貨入手。
 しかし開幕テトラカーンを使わなかった為、やる夫は防御してなお99%のダメージを受けた。ギリギリの勝利。
  ・やる夫はLVが11→12に上がった。(LvUPまで後45%、魔+1)
  ・ムラサキカガミのLvUPまで後97%、メリーさんはLvが13→14に上がった(LvUPまで後75%)
 明らかに物理主体の敵に、何故何もせずに普通の防御を選ぶのかと泡を食ったムラサキカガミに怒られ、
 怖くてテトラを使えなかったメリーさんは改めてポンコツ呼ばわりされた。ピクシーのディアx3で9割回復。
22:50
帰り道は式が先頭に立ち、出くわす屍鬼や悪魔の首を片っ端から刎ねて行った。やる夫が戦う余地はない。
翌日ご近所の皆様が道に転がる無数の首無し死体を発見して驚愕するのはまた別のお話。
23:10
激動といって言い一日を終えて自宅にたどり着くと、ルルーシュことORCA旅団の団長(HN)テオドールが家の前で寒さに震えていた。
人心地ついた団長から用件を聞くと、やる夫こと(HN)首輪付きを迎えに来たとの事。彼は高校時代から悪魔の存在を知り、何者かが東京に細工して悪魔達を呼び出す事を予見して、この時の為に準備を進めてきたのだという。団長の厨二心溢れる演説を軽くスルーしては煽るやる夫とツッコミを入れる団長という毎度の事らしいコントを展開しつつ、この状況を仕組んだ元凶を探し出して叩き、悪魔を元の世界に叩き返して日常を取り戻す。そのついでに腐った体制(明らかにおかしい一部の政治家とか)を粛清し、また時代の影で悪魔を悪用してきた集団や、混乱に便乗して悪事を働く者たちを叩くのが目的だと告げられる。既にヴァオー、メルツェル、エメリー、真改は賛同し、チヨダの拠点に集っている。共に世界を変える同志として、人類に黄金の時代を呼び込もうと厨二全開で差し出された団長の手を、やる夫はしっかりと握り返した。厨二乙、と一言添えて。

〜封鎖三日目〜

千代田区:皇居周辺(新城Side)
13話(49)
AM5:00 
大結界の効果で通常兵器で屍鬼の群れを一掃する皇宮護衛官の分隊長・新城直衛(警部)とその部下。疲労が濃い。
HQからの更なる迎撃要請に新城一人が動く、彼自身も千早を使役する管使いのサマナーだった。
式と一緒に小学校へ
AM7:30(49) やる夫の家
式の起床。やる夫の作った朝食を取る。やる夫が贔屓にしているIAI製の歯磨き粉(チョコパフェ味)に引く。
式に昨晩出かけた理由を問われ(安価で)直球で答えてしまった為、ちょっと斬ってくるとばかりの彼女を説得する事に。
誰が焚き付けろと言ったんだっ!!(GM) →次スレ(50)
やる夫自身アリスと仲良くしたいと思っているのと、強そうなので出来れば仲魔にしたいという理由で矛を収めて貰った。
しかし強い相手なら尚更、次からは自分も連れていけと言われた。それとも自分はそれ程頼りないかと問う式を断る訳にもいかず
アナライズさせて貰うと、表示されたLV77という驚異的な実力に唖然とする事になる。

小学校
・千代田に出るので今夜は絵本を読みに来れない
・アリスにお土産のウサギを持ってくる約束
・体育館の天使に堕天使の仲魔を連れて会いに行ったので心象がよろしくない。
 近々増援が来るので子供たちのことは心配無用と断られた。
・日に日にMag濃度が高まり、より高位の悪魔が出現できるようになっている。
 日暮里に四文字勢力の拠点が築かれたことを教えられた。(了)
※実はアリスは会話の選択肢毎に《印象値》が組み込まれてて、これが高いと何かくれたりする(51)
ホームセンターへ
10:40(51)
・やる夫に氷雪特化がインストール
・《アルミ鈑金の籠手》入手
・シャルロットと千代田の母親の無事を確認する約束
・帰り道に桐乃を助けたが悪魔を見られた事で手酷く拒絶された(了)
別視点:舞台裏の観察者達
(51)
・閣下とバァル=ゼファーのgdgdお茶会。
・閣下は今回の騒ぎには気乗りしない。マザーハーロットが珍しく動いている(ルルの仲魔)
 奴が暴れるなら四文字は仕事が増えて苛くだろう。面白そうになるか四文字が出しゃばり始めたら全力で突入しよう。
・やってきたサマエル(QB)がいきなりボコられるた。嫌われ者らしい。しかし四文字への嫌がらせの件だと言うと聞いて貰えた。
 魔法少女を生産したこと、才能があり過ぎて消し飛ばされた事を告げると、さっさと監視に戻れと放り出された。
・閣下もベール=ゼファーも干渉に乗り気なった。(了)
千代田へ〜セルティ
※ここは文京区なのでバイクで一時間ほどの距離
11:55(51)
・自宅で食事
12:45(52)
・アリスのお土産用の『妖獣イナバノシロウサギ』を落札。費用《600マッカ》
 わざわざ落札理由(アリスへの貢物、命の保証なし)を聞かせたので散々に罵倒された。
 素で残酷な行為を行ったことにより、やる夫のALIMENTが-2された。
12:50
・千代田へ行く準備。
13:00
・記憶を失った邪霊 首なしライダー(セルティ)を無念を晴らすことを対価に勧誘。
 やる夫のバイクを取り込んだ事で『怪異 首無しライダー』となって仲魔になった。
・移動の足はその辺のバイクを直結して失敬する。(了)

13:25(52)
14:45
千代田区の結界内に到着、拠点を探す
別視点:封鎖2日目(古王Side)
12:50(52)
・コンビニで死にかけていた彼女に堕天使サマエル(QB)が接触。
 契約は結ばれ、新しい命と力と引き換えにまともな人間ではなくなったのを自覚した。
・古王なのは覚醒。本州ならどこにいても確認できる程の巨大な砲撃を空へと放ち、周囲をクレーターに変えた。
千代田区:ORCAの拠点
14:45(52)
・メンバーと顔合わせ
・武器を更新
15:25
・式と散策がてらシャルロットに頼まれた病院を見に行く、入院先は精神科だった。
 安否は確認できたので拠点に戻ろう(休憩)

16:10(53)
・拠点で雑談。こなたにお土産のウサギのぬいぐるみの心当たりを聞く。地元民でないので知らないとの事。
・DDS-NETで雑談系のスレを流し読み。ハイテンションカオスな書き込みであまり参考にならない。
・式といちゃついた
16:40
・DDS-NETで依頼を探す
依頼傾向
期間:直ぐ済む仕事、時間がかかる仕事、長期仕事
内容:アイテム収拾、戦闘、駆除、仲魔勧誘
報酬:高額報酬、アイテム報酬、報酬度外視だけど経験値は稼げる
  といったように、どのような仕事をとるか、自由に組み合わせて提示すると候補が提示され、その中から選択
 すぐに済む・内容問わず・高額報酬という条件の中から、
 [春日の文京市役所(出現悪魔Lv25帯)から情報の回収 報酬4000魔貨+アプリ:DEAD TALKER]を選択。
文京区:市役所
16:50 
出発
vs外道 無謀ライダー(Lv15)x3
・首都高で暴走してる連中の下っ端。屍鬼に近い存在で人間ではなくなっていた。
 今後首都高も調べた方がいいだろう(休憩)
17:20 
市役所
vs幽鬼マンイーター(Lv22)x3
・交渉:LV24 妖鬼モムノフ(豊久)を仲魔にした。(メリーさんの笑い話で)
・交渉:鬼女リリム(寧々)を仲魔にした。(堕天使がいた事で同類(四文字の敵)に好意的、《300マッカ》消費)
17:35 
vs幽鬼クパンダ(Lv25)x3
・まだ奥があったが、回収も済ませたし、やる夫が瀕死の痛手を受けたので無理せず回復して撤退(了)

17:50
・外に待たせていた式がバイクを守って悪魔を瞬殺していた
vs屍鬼ベイコク(Lv25)x3
・ここまでに、やる夫LV20、セエレLv19に上がった。きらきーのメギド頼りで二人ともガードしかしていない。
・帰りに寄ったコンビニの一番クジで《ウサギのぬいぐるみ》があったので回収。40cm程のミッ◯ィー。お土産の目度がついた。
・仕事を終え、《4000マッカ》とアプリ《DEAD-TALKER》を受け取った。

18:15
拠点に帰還
・団長が戻っていた。ネオニダスとは接触できたが、渋谷のハリには会えなかったとの事。
・ヴァオーはエメリーを連れて千代田のアパートで馬鹿やってるチンピラを〆に行った。
・やる夫の前衛的な味覚について同情される。
18:45
・そのまま料理技能の話になり、やる夫がノリノリで夕食の支度をする事に。(了)

19:35(53)
・良い匂いがし始める。真改、エメリ―、ヴァオー(ゲイナー)帰還。エメリーはLV15に。
・やる夫の手料理と聞いて快哉が上がる。出てきた料理の手の込みようにエメリーが引いた。
19:55
賑やかな夕食も佳境に差し掛かった頃、団長が今後の方針を打ち出した。
・明日にはもう封鎖は、西は杉並、南は品川 東は市川 北は川口に広がるだろう。
 外の自衛隊がカバーしきれず組織的な撤退を開始しつつある。
・東京のMag濃度が最高に達する7日目には終末の喇叭が吹く、神話の神や悪魔が自由に闊歩し争いあう魔界と化すだろう。
 そうなれば確実にクズノハが本腰をいれて動き出す。式の見立てでも彼らなら元凶を上手く膾にして叩き還すだろうとも。
・言うなれば鬼の居ぬ間の洗濯で、彼らが乗り出して来て邪魔される前に、旅団の目標の一つである国家の膿の始末を実行して
 さっさとトンズラしようというのが団長の計画。はっきり言ってかっこ悪いが、現実的なプランだった。
・二日間無法者などを始末することに専念し、最終目標は葛の葉が動いている間に済ませるとの事。
・最後に団長が皆から弄られて会議は終了した。(了)

20:35(54)
22:40(55)

〜封鎖四日目〜

(56)
(57)
(58)
13:15(59)
14:10(59)
(60)
(61)
(62)
(63)
・天使戦
・ホームセンター救援
・アリスの所に泊まった

状況推移:四日目〜五日目(外部視点)

別視点:渋谷女学校(堕天使Side)
1:20(64)
・堕天使の楽園と化したこの地にアザゼル(黒かなた)が到着、サタナキア(誠)と合流する。
・まだ万魔殿には貧相だが、Mag濃度が上がれば順次ソロモンの魔神が降臨するらしい。
・真面目に職務に勤しむのが誠一人で過労死しそうだったのでかなたの着任は喜ばれた。
別視点:東京湾レポート(いあいあSide)
2:30(64)
・おぞましき邪神の宴。魚人達が信奉する大神に貢物w捧げる……えびフライを。
・近づくと瘴気で発狂するので遠巻きに邪神様を愛でるOFFの参加者多数。実況スレは熱狂の末スレ数は2000を超える。
《魔王クトゥルフ》ことイカ娘は小さな暴君としてルルイエの浮上を祈る。
  「はははは! この調子で家無き子を一気に卒業でゲソ!!」 GM:東京湾は邪神と狂信者が一杯居るよ……!(了)
別視点:その他
4日目21:30(64)
・ネオニダス(アカギ)登場、相棒は《怪異クライムファイター》ことシャッハさん。
・二人はテルミドールの要件を終え、千代田付近から拠点へ向う途中だった。
・物語冒頭のチャットでのおどけた態度からは想像もつかないハードボイルドなアカギとの会話で、
 自分並に狂った奴に会うのは初めてだとロールシャッハ。2人共に相当の実力を感じさせた。

概要のみ
1.自衛隊の現状
 何やら市ヶ谷の方であった騒ぎが謎の男の活躍で鎮圧された模様。指揮系統が回復し、増員された。
 防衛ラインに九〇式などが配備され、千代田は落ち着いた様子

2.葛葉の動向
 謎の男が千代田の外れで何やら悪魔を誘引する術を使って夜の間に大型怪異を山ほど始末した模様
 それ以外にも大勢の葛の葉が防衛のために狩り出され始めた様子
 新城さんはビャッコと共に防衛ラインで二轍目突入

3.テルミドールの動向
 現在渋谷探索中。渋谷が騒動の中心になったと気付いたご様子。
 昼には拠点へと戻っているだろう

〜封鎖五日目〜

・電気・水道・ガスが止まった
・そろそろ前に団長が動くとか言っていた時間(午後5時)が近い
文京区:式が生理でダウン
6:30(64)
・3人で川の字に眠り、いち早く起きたやる夫は二人を起こさずコンビニへ補給に。
・式が朝起きると月の物が始まっていた。彼女のそれは二日目まで残る重さ。(完調に戻るのは最終日の封鎖7日目?)
・帰ってきたやる夫に看病してもらうが物資が足りない。午前の内に回収しに行く必要があるだろう。
7:10(65)
・式の看病、この地区の電気・水道・ガスが止まった事を確認(腹痛で終了)
7:20(71)
・式の看病に必要な物資を買物(略奪)に出る予定
・アリスのお願い(命の保証的な意味で断れない)で一緒にお出かけする事に(了)
文京区:アリスと地元の駅ビルへ
7:50(72)
・アリスの手を引いて駅ビルへ。徒歩20分。薬局や日用雑貨がある。
8:10
駅ビルには悪魔の気配がする。アリスの話ではLV40程のやる夫より少し上程度らしい。
ムラサキカガミとアラハバキ(豊久)を呼び出す。
内部は屍鬼がふらついてるだけで、アリスがいるせいか襲っては来ない。
一階のスーパーで
 ・《水を2Lペットボトルで六本入ったダンボール二箱分》確保しました
 ・カロリーメイトなどの《携帯食料を30個》ほど詰め込みました
 ・適当な女性の屍鬼を倒して《ゾンビナース用の腕》を確保した
 ・《抱え切れないほどの菓子類》をアリスとお供の紫鏡が勝手に確保していた。
8:25
誰も盗らぬだろうと荷物を置いて二階の薬局へ。とりあえず必要そうな物をかき集めて籠に放り込んだ。
 ・《生理用品を手に入れた》
 ・《生理痛を抑える為に市販の軽い薬》を手に入れた
 ・それ以外にも念の為の《市販薬》を回収しておく
 ・《衛生用品》を確保した
 ・《カイロ》を手に入れた
 ・携行保水薬……手軽な所で《アクエリアスでいいだろう。2Lが三本》もあれば事足りる
主がいる可能性がある駅までは進まず、ここらで戻る事に。
8:35
一階に放置した荷物のところに戻ると、何人かの男たちがやる夫達が集めた物資を持ち去ろうとしていた。
威嚇射撃をしたが効果がなく、仕方がないので始末する。ただし、自分の手を汚さずにアリスをけしかけた。
アリスが上機嫌で『死んでくれる?』を発動し、男たちを即死させた。アライメント-1(中立+3→中立+2)
8:45
御菓子が手に入り遊ぶこと出来てアリスはご満悦。ふと荷物が多過ぎる事に気付き、一度学校に戻る事に。
9:15
ゾンビナースに腕を渡す。ナースは妙に人間臭い仕草で新しい腕の状態を確かめ、自分で回復魔法を唱えて接合した。
満足した彼女はこちらを撫でようとした後で躊躇い……諦めてサムズアップをするに留めた。褒めてくれたらしい。
更に《5000魔貨》も iPod にチャージしてくれた。(了)
文京区:小学校にて
9:20(77)
・小学校で式の世話。格下相手にしか戦えそうになく、拠点に戻ったほうがいい体調。
・アリスが連れてけとせがむが、結界で負荷がかかるのは嫌だし、COMPに入るのもつまらないと言う。
 安価でまた来るからとここで待つように頼むと空気が不穏になった。…気を聞かせた式が自分がお守りをすると告げて窮地を回避。
 「面倒くさい事をするな馬鹿」視線でそう語られた。
・アリスと夜9時までに帰還する約束をさせられた。
9:45
・厨二こと団長に通信して穏便にアリスを結界に連れ込む為の策を聞く。
 以前貰った結界中和符の出所と同じで練馬区豊島園近くの神社がそうらしい(了)
練馬区:豊島園近くの神社へ
10:00(78)
・セルティのひき逃げでやる夫のLV41→LV44 速+3
10:50
・神社到着
・依頼主から《5000マッカ》チャージ。情報が少ないが、出現悪魔の最低付近レベルが知れただけでもよしとしてくれた。
・お札の注文と買物終えて首都高へ。11:20。(了)
「首都高の怪」解決編
11:20(90)
首都高に向かい、デュラハンの因縁に決着をつける。まずは下準備。
 ・魔神アラハバキ(Lv33)を破壊神アレス(Lv36)に合体。費用《2880マッカ》。
 ・堕天使サハリエル(Lv23→28)を魔獣セルケト(Lv30)に合体。費用《1830マッカ》。残277マッカ。
喚び出したセルケト(初召喚)を背中にタンデムさせて(密着する感触を意識しつつ)、デュラハンの先導で現地へと向う。
 ・途中の雑魚をセルティが轢き殺して《1500マッカ》入手。
11:40
vs魔人ヒアールドライダー(Lv50)
 やる夫のマハブフーラ(弱点)でバイクから叩き落として一戦目終了、下車状態で第二ラウンド開始。
 セルケトはターン前に一撃死で出番がなく、1ターンの交錯で敵もやる夫も残りHP4%まで削り合う激戦となる。
 2T目、デュラハンの憑依で敵の出足を殺せたのが決め手になり、薄氷の勝利をもぎ取った。
  ・やる夫がLv44→47に上がった(次Lvまで残34%)
  ・デュラハンがLv60→Lv61に上がった 速+1
  ・セルケトがLv30→Lv34に上がった(死亡ペナルティで経験値半減) 魔+2 体+1 速+1
  ・《5400マッカ》《力の残滓》を入手した。
12:00
回復を済ませ(ねーちんは唯一のリカーム持ちだったので復帰できず)、ムラサキカガミを呼び出して《力の残滓》を与える。
怪異ムラサキカガミ(Lv40)が完全体(Lv61)になった。
ムラサキカガミは目に涙を浮かべて感激し、やる夫に心の底からの忠誠を誓った。
「……感謝致します、サマナー。いいえ、我が主。卑賤にして卑小なる身ですが、私は我が身体と忠誠を永久に捧げましょう」
 ・更に、完全体おめでとう記念でGMからボーナス。全反射+勇者の精神装備・本当の意味で完全体のムラサキカガミが爆誕した。(了)

12:05(90)
合体タイム。
 ・破壊神アレス(Lv36)を鬼神タケミカヅチ(Lv43)に合体。費用《5100マッカ》。残1077マッカ。
完全体ムラサキカガミを召喚して次のボス戦へ。やはりタンデムして妙に密着された。好感度的な物がMAXになっている模様。
12:25
 仮面ライダーV3と再会。ヒアールドライダー3体と戦っていたのを先行したセルティが援護して二体で殲滅。
 (やる夫は不参加なのでEXPはなし)
 何故来たのかと問うV3にセルティが告げる。[退く訳には行かない 自分自身の復讐のために]
 自分と同輩の元人間の悪魔である事に得心したV3が、敵ライダー達との因縁を口にしかけた所で新手がやって来た。
12:30(91)
 現れたのはヒアールドライダー七騎、そして連中のボスであるヘラルドライダー。
 取り巻きだけなら七騎相手に一人で勝てるV3も、自分と互角のヘラルドと連携されては勝ち目がない。
 素直に逃げるか、どちらか一方をやる夫が相手取るか選択を迫った。「選べ! ここが分水嶺だぞっ!!」
  「そこまで言うならやってやらぁ!! 七体くらい何だってんだ!! やれるなっ!! デュラハン、ムラサキカガミ!!」
 安価の結果、ヒーローは怪人との一騎打ちに、邪魔な七騎はやる夫が引き受ける。スレの温度が上がる燃え展開の始まりである。
12:35
vs魔人ヒアールドライダーズ(Lv60)
 憑依→☆であぼん
 クリティカル発生であっさり決着が付いてしまったが、これが複数体まとめて一体扱いでなく、x7体だったら憑依で封じきれずに
 終わっていたのは想像に難くない。後から公開されたボスステータスは住人を戦慄させるのに十分な凶敵であった…いやホントに。
 そして明星フラグがまた一歩進んだようだ。
12:40
魔人ヘラルドライダー(Lv70)vs魔人マスクドライダーV3(Lv70)
深緑の騎手(真)と深紅の騎手(V3)。援護を入れる余地のない激闘である。互いのバイクが交差する度に、拳やタイヤによる
全力の突撃が肉を削り、路面を砕く。互いの骨格が歪み、バイクが大破し、ボロボロの体で最後の力を振り絞ったライダーキック。
……その結末は――(ここでGMロール「……チッ 」)――立っていたのはV3。片足を失いながらも、敵の胸を貫いていた。
12:45
 満身創痍のV3がヘラルドの胸から《力の結晶》を取り出し吸収。傷がバイクごと完治するばかりか、明らかに進化していた。
 先駆けの騎士と、露払いの騎士は首都高速から一掃された。
 今後、首都高近辺で発生していた死んだ騎手から襲われるという事件はなくなるだろう。
  V3「……ふぅ、一旦は……勝ち、か……。だが、今は……疲れた……な」
  ・イベント『首都高速の怪』が完了しました。(了)

12:50(91)
戦い終わって事情説明タイム。自分で決着を付けられなかったセルティは、納得はしているものの少し口惜しそうだ。
V3が語った事情は以下。
 ・元々は交通機動隊の白バイ隊員。実家がバイクの専門店。
 ・一介のバイク乗りだった頃に、店に出入りする若いバイカー達の面倒を見てやり慕われていた。
 ・彼に憧れた自称舎弟的なグループが店のエンブレムをシンボルにバイカーチームを結成。
 ・V3が警官になり離れ気味になった事で、ただの走り屋の集まりが劣化して珍走団化した。度々取り締まるものの手遅れに。
 ・異変後、下手に停まるより安全だと首都高で走り続けているグループの噂を聞き、千代田への避難を促しに来た。
  そこで珍走団が謎の『光の球』に襲われているのを目撃し、自分もその餌食になって意識を失った。
 ・夢の中で何かから逃げ切り、周りより早く目覚めると悪魔の体になっていた。
 ・そこで周りが怪物に変わる所を目の当たりにし、人を襲うようになった彼らに引導を渡す為に独りで闘っていた。

人が悪魔になるレアケースは存在するが、上の様な状況でこんな高位悪魔に変質するのは聞いた事がないとムラサキカガミ。
おそらく異変の原因と無関係ではないのだろう…。
一方、こんな姿になって原隊に復帰できなくなったV3は、それでも人々を助ける為に奔走するという。
 「言っただろう、俺は警察官だ。どうなろうが、人助けが仕事なんだよ。まだ取り残されてる気配が沢山ある……
    そんな人達を助けに行くんだ」
“公共の敵”を自称するテロリストとしては、凄く耳が痛かった…。
13:10
さて、行くか…と、混迷の東京にただ一騎駆け出そうとする深紅の騎手を呼び止める
とてもではないが勧誘できる雰囲気ではないし、テロ業にも差し支えるが……?
(自由安価:悪魔・周辺地域の情報を教える、対価に何かあった時は救援の要請する為の連絡手段を確保。)
悪魔の分布や、夜になると悪魔が強くなることなど、現在の東京の状況を大まかに教えると参考になると感謝された。
しかし対価に関しては、連絡手段がない事と一人にかまける訳にも行かない事からすげなく断られてしまった。
代わりに回復アイテムがてら貯めこんでいたらしい《力の残滓》を一つ放って寄越し、軽く挨拶して颯爽と走り去った。
本イベントの収穫。
 ・やる夫がLV47→LV52に上がりました。魔23→魔28
 ・《70000マッカ》、《力の残滓》を入手しました。
13:20
ふと背後をみると、デュラハンが感慨にふけっていた。本来望んだ形ではなかったが、仇は討たれたのだ。
自分の心に決着を付けると、やる夫へ近づきその頭を乱暴に撫でた。年上の女性を感じさせる動作に無言の礼を感じて、
やる夫は甘んじて受け入れた。ひとまず今後の方針を出すと、寒空の下であれこれするのも何なので神社に向う事にした。
本決まりにするか否かは落ち着ける場所に移動してから考えよう。
 ・メリーさんに残滓あげる
 ・サブ装備に犠牲の短剣装備
 ・団長に通信で連絡。より良い防具の更新(ストック、購入先)などについて聞く
 ・巫女の所で買物
 ・悪魔合体!
しかし、やる夫のバイクが戦闘による限界を超えた酷使でご臨終していた。本格的な修理でなければ動かない。
セルティの提案で彼女の後ろに2ケツする事になったが、レーシングバイクでするのは…と不安がるやる夫。
[峠を荒らし回った私の腕を信頼しろ]と豪語するセルティだったが人を後ろに乗せた経験はないらしく、しばし首都高から
男の絶叫が響いていたそうな…(了)
練馬区:神社再び
13:35(92)
・ここは本社で符が専門、販売できる装備品は渋谷の分社で扱っている。
・家(本社)に置いてある武具は危ないから本当に強い人でないと渡せない。見定めるので本人を連れてくること
 (ハーモナイザーによる偽物の強さは不可なので、式しか該当者がいない)
・符をディアラハン4枚、アギダイン2枚、ジオダイン2枚、ザンダイン2枚、魔晶石を2個購入で《4000マッカ》消費。
・メリーさんに《力の残滓》。怪異メリーさん(Lv42)が完全体(Lv63)になった。
  ・イベント『不幸なメリーさん』が完了しました。
  ・イベントクリアBONUSで《ORCAバイザー(強化)》を入手、《犠牲の短剣》と共に装備した。

14:00(100)
千代田に戻るための足を確保しなくては。 駐車場でバイクを拝借した。
必要な事とは言え盗難を行ったことにより、やる夫のALIMENTが-1された
先導の護衛にデュラハンを出し、タンデムシートに座らせる悪魔としてキクリヒメを召喚。
久しぶりに召喚したキクリヒメは、放置された意趣返しなのか移動中ちょっかいをかけてきて何度か転倒しかけた。
千代田区:エメリーたちと合流
14:50
・千代田への道中、戦闘音が聞こえたのでそちらへ向かう。
14:55
千代田の街の間は、正しく戦場となっていた。
 vsラクシャーサ×3
  ・2500魔貨を入手 (魔貨合計:69577)。
  ・やる夫のLVが53に上昇
   魔に2ポイント振り
    魔力が30になったので、ブフーラが ブフダイン(8%)へ変化した
  ・デュラハンに32%の経験値
  ・キクリヒメのレベルが8上がった  
・エメリーと合流。以前紹介された怪異ドッペルゲンガー以外にも怪異シリアルキラーを仲魔にしたようだ。
 曰く合体事故でできた悪魔でlvが50くらい離れているがなぜか気に入られて、使役しているとのこと。
15:00
・エメリーとタンデムで拠点に向かうことに
15:10
拠点に到着。
エメリーが自分とタンデムした事でからかおうとするが、やる夫は(乳の)好みが違うとぶった切る。
報復としてエメリーはセレンにある事ない事吹き込んでやるーと不吉なことをいって走り去る。
強烈な死の気配に冷や汗がやる夫の背筋を伝う。 (了)

15:15(111)
拠点の談話室で、ネオニダスと出会う。何をしていたか聞くと野暮用と言葉を濁される。その後、適当に団長を話のネタに
時間を潰していると、その団長が怒鳴り込んできた。
円卓についたメンバーに団長よりORCA旅団行動開始の宣言が出された。最初の作戦行動のターゲットは悪徳異能者
終末思想扇動者、そしてゲリラ。
提示されたターゲットの中で、やる夫が取ったのは内神田に潜むゲリラ拠点への襲撃。
また今日の支給品として、団長より2万マッカを支給される(魔貨合計:89577)

15:40
実行まで一時間ちょっと余裕があり、かつ金が手に入った為合体を行うことにする。
・合体タイム
  グレーテル: 女神 キクリヒメ  → 地母神 ホシガミlv50 
  蒼星石  : 邪神 バフォメット  → 破壊神 セイテンタイセイlv52
  ダニエラ  : 女神サラスヴァティ  → 妖精ヴィヴィアンlv52
  神崎火織 : 魔獣 セルケト  → 英雄 ジャンヌダルクlv50
  寧々    : 魔王 ミトラス  → 堕天使 デカラビアlv56
 残魔貨合計:11277

16:10
ちょっと散歩に出かけてみることにした。
そういえば、靖国神社がどうとか聞いていたので行ってみることにする。 靖国神社に着くと避難民達が英霊に
護られていた。
彼らの間を抜けて神社に参拝を行い、立ち去ろうとした時背後に人に気配を感じた。 そこに立っていたのは、
真っ白な詰め襟の服を身に纏った青年だった。 
彼と対峙したやる夫はどう足掻いても勝てない力の差を感じた。(了)
千代田区飯田橋:古王との再会
16:25(112)
小腹がすいたので、飯田橋の方まで足を伸ばして店を探してみると一件のラーメン屋が
一人一杯まで 300円! と張り紙を出して営業していた。
豚骨ラーメンを注文して待っていると、自分の隣に座る人が居た。 女性のようだが注文内容が
女性らしからぬ豪快なものだった。 そしてその声には聞き覚えがあった。
注文内容とその声に驚いたやる夫が振り向いた先には古王が…。
久しぶりの再開に固まる二人だが、そこに注文したラーメンが置かれる。
やる夫に自分の注文が聞かれていたという事実に古王があたふたする面もあったり、店の中に入ってきた
サマエルに古王が怒鳴ろうとする一面もあったりで再開の空気が微妙なものになってしまう。
なにはともあれ気を取り直してラーメンに手をつける二人。 
食べ終わった後やる夫に続いて爪楊枝に手を伸ばしかけた古王だが、乙女の恥じらい(笑)が出たのか手を止める。
ニンニクの匂いをお互い漂わせつつ今までの情報交換を行おうとする二人。 
その際、やる夫に向けてジーパンだの閣下だのと、聞き捨てならない事を口走り始めたサマエル。
尋問しようとする古王の前で、サマエルが何者かの干渉によって消える。
もう時間もなくなってきたので、とりあえずは拠点に戻ろうと古王の手を握り走り出す。(了)
別視点:舞台裏より
????(113)
何処とも知れぬ空白の無の空間
そこに閣下とその彼の手に首根っこを掴まれてサマエルがぶら下がっていた。
どうやら彼に引っ張り込まれた模様。
サマエルは文句をつけるが、余り喋るなと逆に言われる。 今回呼び戻されたのは口止めの為だった模様。
理由を聞くと、やる夫が今回の騒動における閣下側の最後の種らしい。
今までの発想から転換し、今回手当たり次第に種を撒いてみたが、殆どが枯れて(倒れて)しまったとの事。
発想の転換は良いが、そもそもなんで相手を選んで力を与えていた理由を忘れていた模様。
嘆く閣下に思わずバカだろアンタと口走ったサマエルを襲う攻撃、最初に闇ありき(物理)!
漫才を繰り広げる二人にバァル=ゼブブが呆れた声を掛ける。
下の様子を聞く閣下にバァルは良い具合にカオスだと答える。
その他、万魔殿の構築状況や、サマエルが力を与えた駒(古王)の現状など幾つか情報を確認して解散する。
最後に青年から意味深なメッセージが発せられて視界は暗転する。
千代田区:ORCA拠点
17:00(113)
やる夫、古王の手を引いて拠点である偽装会社のビルへと駆け込んだ。
着いた所で、古王を拠点に連れて行くことを優先する余り、状況の説明をすっぽかしていたことに気付くやる夫。
恐る恐る自分達が正義(?)のテロリストをやっていると説明するやる夫だが、自身も魔法少女(笑)などという録でもないものをやっているので
古王は冗談と返す事はなかった。 同時にあの団長(厨二)ならやりかねないと納得もしていた。
そこへ行くぞ諸君と、団員をひきいて団長がテンション爆上がりで拠点から出てきたが、ビル前で硬直する二人を確認し事実摺り合わせのため
拠点に戻るというコメディーのような場面が展開される。
古王との再会を彼らなりに喜ぶ団員達。そして説明を団長に任せ、やる夫達は出動していく。
団長は演説の後、古王を”力を持つ者”と呼ぶ。既に彼は古王の現状に気付いていた。
力を解放する古王に、マザーハーロットが顕現。
説得を試みつつ、それでも止まらなければ実力行使もやむなしと、ヘラクレスも召喚して団長は古王と相対する。
一触即発の張り詰めた空気の中、先に力を抜いたのは古王だった。
説得を聞き入れたものと一息つく団長に、首輪付きと美味しいラーメンに感謝しろと古王は微笑む(了)
千代田区:テロリストとの戦闘
17:20(115)
団長と古王が対峙していた頃、やる夫は真改達と別れてテロリストのいる建物の近くへ来ていた。
建物の正門に二人、裏手のシャッターに二人、屋上にスナイパーが居るのが見える。 伺える錬度から、どうやらプロ=軍がテロリストをやっているようだ。
堀に手を掛け中を覗き込むと、敷地内でも複数人が巡回しているのが見えた。 
そこまで確認したところで、額に狙撃を受ける! スナイパーに狙撃を受けたのだ。
幸いハーモナイザーで大事なかったがテロリストに知られてしまう。 
確認にきたテロリスト三人を不意打ちで片付け、そのまま襲撃を仕掛ける事にする。
屋上のスナイパーをグレネードで薙ぎ払い、裏手に回って開きかけたシャッターにマハブフーラを叩き込み、シャッターとその周辺に居た人間を切り刻む。
シャッターの中は車庫だった、そこにあった車両も魔術で大きく破損している。 奥で物資の運び込みをしていた男を射殺したところで、増援と戦闘になる。
 vsミリタリースカッド(Lv35) ×3
  ・やる夫のレベルが1上がった(LV54) 次のレベルまで98%
  ・1150魔貨を手に入れた(魔貨合計:12427)
  ・体に1ポイント振り
テロリスト達を倒した後、キョンシー二体を率いて大陸系と思しき美女が現れた。 
エメリーのドッペルゲンガーのように、キョンシーも人間に近い悪魔だから短時間行動可能のようだ。
対抗するため結界緩和の符を使い、使い魔を召喚できるようにする。
そして紫鏡、メリーさんを召喚して対峙する。
 vs 異能者 ネクロマンサー(Lv55)、屍鬼 リビルドボディ(Lv55) ×2
  ・やる夫のレベルが2上がった
  ・ムラサキカガミのレベルが1上がった 魔が1上昇
  ・メリーさんのレベルが1上がった 速が1上昇
  ・12000魔貨を手に入れた(魔貨合計:24427)
  ・体に2ポイント振
敵の異能者は重傷を負ってはいたが、まだかろうじて生きていた。
情報を引き出すため、彼女を抱き上げ現場から離脱した。(了)
 
17:55(122)
尋問を開始する。
治癒の符と犠牲の短剣を使った凄惨な尋問の後、女はテロリストの情報を吐く。
 ・あの場に異能者は女しか居なかった
 ・女の名は道 潤といい、中国人の死体遣い
 ・他の大きな拠点は千代田郊外にある場所だけ
 ・そこは結界の外で、異能者が四人と1個中隊規模の人員が詰めている
 ・他の異能者の能力は不明
以上の情報が手に入る。
また、この行動によりALIMENTが悪に4傾いた(中立-3)
この女の処遇だが、とりあえずアリスに引き渡すことにした。

18:05(122)
やる夫が襲撃したテロリストの拠点に純白の詰め襟を着た男が立っていた。
結界の異常を感知して駆けつけた模様。 
今度は間に合わねば、と決意をあらわに彼はその場を立ち去る。

18:15
尾行を警戒しながら拠点に戻ったが、まだ誰も戻っていなかった。自分が一番乗りだったようだ。
新宿区:異変の中心
17:35
新宿は、かつての面影は既になく殆ど廃墟と化していた
人の代わりに高位の悪魔が跋扈し、その合間を少数の強力な異能者や使役ソフトユーザーが、自分を鍛え上げる為や
勧誘の為に僅かに蠢いているだけ。
その新宿のスクランブル交差点を見下ろせる傾ぎかけたビルの上に、団長と古王がたっていた。
古王の促しに、団長が厨二がかった身振りで、現状と今後の展望を語る。
 ・新宿駅が異変の中心
 ・団長は上京したばかりの時新宿駅で二時間程迷った
 ・千葉は田舎(古王談)
 ・新宿駅に何度か潜ったが、迷宮の複雑さと悪魔の強力さに攻めあぐねている。
 ・葛葉が何とかしてくれるとは思うが、彼らが失敗したら自分たちが何とかしなければならないかもしれない
そこまで話し、古王に新宿にいる悪魔が千代田区に流れ込まないよう依頼しかけた所にサマエルが話に割り込むが、
古王に問答無用でビルの上から蹴り落とされる。
新宿の地に咲く一輪の鮮やかな赤い花。団長は古王の所業に恐れおののいた(了)
 
千代田区:拠点出発
18:20(125)
拠点に戻ったが誰もいないので、少し早いが符を受取に神社に向かうことにする。
異能者の女についてはセルティに運んでもらう事にしよう。
拠点の倉庫より弾薬と破片手榴弾を補充して女を置いた路地へ向かう。
路地に着くと、そこには女はおらず、血文字で書かれた不吉なメッセージと手足が残されていた。
隠し持った符で脱出を行ったようだ。逃がしてしまったのはしかたない、次はキッチリ処理しておこう。
奪った符を手に神社へ向かう。
別視点:拠点、団員達の語らい
19:05
拠点に何人かの団員が帰還してくる。 程度の差はあれ、それぞれ請け負った作戦は片付いた模様。
互いの成果を語っている内ににカラード(やる夫)の話になる。
表面上は落ち着いているが、内面は結構不安定だというのがネオニダスの見立て。
そして彼がどのルートを選ぶのか団員達で議論になる。 
その過程で彼の相方が誰になるか賭けになる。 
だが彼らは思いもしなかった。やる夫のパートナー選びが、今後に大きく関わってくるかも知れないという事を……。
練馬区:神社到着、符の受け取り
19:05
神社に着くと、ちょうど符ができた所で来れた模様。
符を受け取ったついでにテロリストの女が持っていた符を見てもらうと、俄かに不機嫌になる。
神職として絶対に赦せない部類のものらしい。
持っている符を全て渡すと、代わりに対死体使いの符を幾つか渡される。
 ・ハマオンの符 ×10枚
 ・死者を行動不能にする符 ×5枚
死者を行動不能にする符は使うと、十分間周囲全ての死者は動けなくなるそうだ。
最後に追加の符の作成を依頼して(魔貨−3500:魔貨合計20927)
小学校へ向かう。
石段を降りている時に、デュラハンにあの巫女が好みか聞かれてスッ転びかける。
確かに彼女のようなタイプはドストライクだが…。
赤くなるやる夫ををからかいつつデュラハンは、大恩ある彼になにかしてやりたいと思った。
文京区:小学校前
19:45(147)
かなり余裕をもって小学校に着くことができた。
ナース屍鬼に会釈して入ると、中央のベッドに二人の少女が横になっていた。式はもう就寝していて、アリスは横になって絵本を読んでいる。
退屈していたアリスを連れて、近くの公園に散歩に行くことにした。
公園に着いた所で、アリスの遊び相手(生贄)を増やそうとムラサキカガミとメリーさんを召喚。
2体とも完全体になっていたが、立場的にあまり以前と変わっていない模様。
なし崩し的に始まる鬼ごっこ。しかもアリスが鬼で。
まず最初にやる夫が追いかけられる。自分より強大な存在に追いかけられる恐怖に耐えながら何とかかわす。
次に狙われたメリーさんが思わず能力を使ってしまい、結果アリスもスキルを使ってムラサキカガミ共々纏めて捕まる。
最後に残ったやる夫は多少粘ったが20分以上逃げたところで捕まった。
20:20(147)(148)
捕まったやる夫に罰ゲームとして、アリスの言うことを一つ聞くことになる。さて、何をお願いされることやら…(了)

20:30(156)
公園で遊んだ帰り道、アリスから人から悪魔になる方法を教えてもらう。
その方法は、強い悪魔のサポートを受けながら力の残滓を取り込めれば良いとの事だ。
良ければやる夫を眷属にしてあげる、とアリスから提案される。 無邪気に悪魔の候補を並べるアリス。
・ゾンビ情報:アライメントが悪でアリスの好感度が一番高ければ此処で転んでた……、との事
まだ人間を止める気はないと断るがアリスは引かず、さっきの罰ゲームの約束があったよね、と切り替えされる。
嗤うアリスにやる夫は…。
20:45(157)
何も言わず、ただ瞳を見つめながら手を握る。そのままアリスと見詰め合いになる。
とりあえずこの場ではアリスは引いてくれた。まだ諦めてないようだが。
寝床でアリスを寝かしつけたところ、目覚めていた式にロリコン呼ばわりされた。
相変わらず症状が重い式を抱き起こしてスポーツドリンクを飲ませた後、何処か不機嫌そうな式の横で添い寝する。
別視点:???
??:??(157)
iphone5を買って浮かれる閣下の前にネビロスが現れる。
用件を尋ねる彼に、さっきベリアルがアリスゥゥゥゥ! って叫びながら下界に駆けていった、と報告する。
このままだと予定が狂うと、わりと本気で焦る閣下。
とりあえずネビロスに事態の収拾を命じる。
・現在は直接降りることは出来ないので取り合えずネビロスは分霊を送ることにした。
・閣下の話によると、二日後(最終日)には高位の悪魔でも本体が降りられるようになる。
当面の方針を決めた所でその場は解散となる。
解散数分後、息せき切った金髪の女がやって来るが誰も居ないので怒って去った所でこの場の幕は閉じる。(了)

〜封鎖六日目〜

文京区:小学校保健室
7:00(176)
天蓋付きベッドの中、やる夫は携帯のバイブレーション機能で目を覚ます。瞼を開くと、何故か真っ赤な服を着た妖しいオッサンに寝顔を覗き込まれていた。
身構えるやる夫と式に対し、どうやら赤いオッサンには害意が無い様子。アリスの保護者を自称する赤いオッサンは『べリアル』と名乗った。
いぶかしむ式に対し悠然と構えるべリアル。べリアルがアリスの寝顔を盗撮しようとした為に、式がアリスを起こした。
起床したアリスはべリアルを『赤おじさん』と呼んだ。どうやら彼が、アリスが以前から口にしていた二人のおじさんの一人であるらしい。
嬉しげに新しい友達(やる夫達)が出来た事を語るアリスに、それは良かったと微笑むべリアル。しかし内心、やる夫達の事は軽く燃やすつもりで来た様だ……。
やる夫の名前を聞いたべリアルは、これからもアリスと仲良くしてくれと言う。ついでに、間違った方向へアリスを行かせるな、とも釘を刺された。
その後べリアルはアリスを遊びに誘うが、アリスがやる夫と遊ぶ約束をした、と聞いて表情が一変。彼はアリスが外に出る事に反対の様だ。
このべリアル、彼女の為にわざわざ仕事をブッチして来るような男である。やる夫を燃やしてしまおうかと考えるが、それを悟ったアリスに脅され断念。
その後、ゾンビナースが運んで来た朝食を食べる。一見ほのぼのした光景が広がる中、やる夫だけはべリアルからの突き刺さるような視線に晒されていた。一体自分が何をしたと言うのか。
 ・安価→『話しかける:あなたも一緒に遊びに行きませんかと誘う』
べリアルはアリスの身を案じている様だし、一緒にいる事を提案すれば機嫌も良くなるのではないか。
そう考えたやる夫はその旨を口にするが、べリアルはそれを断る。どうやら彼程の存在になると大っぴらに出歩く事は出来ないらしい。
そこで、符を用いる事でアリスを安全に遊ばせてやれるように努力をしている旨を伝える。
べリアルはやる夫が考え無しに動いている訳ではなく、むしろこの状況に対して理解を持っていると判断。ある程度やる夫に対する評価を上方修正した。
その評価のお陰か、べリアルは“万魔殿の悪魔なら式の煩いを治せる”と言う事を教えてくれた。色々と言動はアレだが、アリスの事を第一に思う気持ちは本物の様だ……。
やるべき事を済ませたべリアルは帰って行く。去り際の様子から、アリスもまた彼の事を慕っているのだろう。自分がそれを奪う形になってしまった事を、やる夫は少し申し訳なく思った。
7:45
さて、時間は有限である。この後どうするべきか。
 ・安価→『1.拠点に戻る 2.万魔殿で式の体調を治して貰う 3.アリスと遊ぶ』
荷物の問題もあるし、まずは一度拠点に戻るべきだろう。
それに足の問題もある。アリスは悪魔使役ソフトに入ってはくれないし、式も今の状態で九段下まで行くのは厳しい筈だ。
となると……。
 ・安価→『アリスとタンデムし、デュラハンに式を運んで貰う』
ふらつく式に肩を貸してやり単車の所まで運んでやる。この選択を責める様な式の目に、居心地の悪さを覚えるやる夫であった……。(了)

(177)
荷物を纏めて車に積み込む。
ふと見ると、アリスの身を案じてかゾンビナースがアレコレと小言を言っている。何か言ってやるべきだろうか。
 ・安価→『何か言ってやる』
彼女はアリスが自制せずに暴れるのではないかと心配している様だ。自分が付いているし、しっかり楽しませてからなら言う事も聞いてくれるから大丈夫だと言ってやる。
心配なら一緒に付いて来るか? と聞いたが、学校の守りがあるからと断られた。
7:50
出掛ける用意は済んだのでさっさと行く事にしよう。式の身を案じ、デュラハンに飛ばし過ぎない様に言い含めると、なにやら分かった様に頷かれてしまった……。
アリスを自分の前に座らせ発進する。さて、まず行くべき所は……。
 ・安価→『万魔殿』
まずは渋谷区にある、悪魔の巣窟となっている女子校へと向かおう。距離的にここからは一時間程である。
渋谷区:万魔殿
8:30
バイクがオフロードになり車を避ける為に大周りをしなくて済んだので、予定よりも早くに着く事が出来た。
道中、アリスの気配に怯えたのか悪魔が全く出て来なかった事も一因だ。
女子校は既に異界と化し、重苦しい雰囲気を露骨に放っている。周囲には下位の堕天使や死霊が徘徊する為に、最早民間人では近寄る事すら出来ないだろう。
正面から入って良いものかと悩んでいると、立派な堕天使になったアザゼルが出迎えてくれた。アリスの事はどうやら知っているらしい。
見れば、式は随分と辛そうにしている。肩を貸してやると諦めた様に身体を預けて来た。アザゼルに導かれ、やる夫達は悪魔の巣窟へと入って行った。
8:35
驚いた事に、内部の様相は学校の物とは大きく変わっていた。
悪魔や呆けた顔の人間達が徘徊するここは、徒歩で踏破するには半日以上を要する程の大きさに歪められているとアザゼルは言った。
通されたのはとても広い空間であった。立派な椅子や荘厳な階段が設けられたここは、ルシファーの直臣や上級精霊が控える間であるそうだ。奥の階段は玉座へと通じているらしい。
空席が目立つ椅子の一つには、堂々とした雰囲気と共にべリアルが座している。一方、上級精霊用の椅子の一つには、相当疲れている様子のサタナキアがへたり込んでいた。
べリアルよりも上座の位置には一人の女性が座っている。見た事の無い顔だが、座る位置からして相当の実力者である事が窺えた。
彼女の名をアザゼルが呼ぶ。その名は『パイモン』。ルシファーに尤も忠実とされる地獄の王である……。
8:50
しかし此方の用があるのは大悪魔2柱ではない。
アザゼルに言われ、サタナキアはゼパル卿なる人物を呼びにフラフラとした足取りで何処かへと歩いて行った。恐らく、一番苦労しているのは彼だろう……。
サタナキアの代わりにやって来たのは、深紅の衣装に身を包んだ偉丈夫。彼こそが愛や性に関する権能を持つ、地獄の公爵『ゼパル』だ。
どうやら彼が式の煩いを治してくれるらしい。どんな手順があるのかと思えば、彼がただの一度指を打ちならすだけで式の体調は改善されてしまった。
やる夫の驚愕に対し、本当に式は健常な状態に戻ったらしい。悪魔の力とは正しく人知を超えた物であるのだろう。
 ・式の生理痛が完全に収まった。
9:00
さて、とりあえずの用は終わった。他に何かあっただろうか……。
 ・安価→『お邪魔しました』
用事が済んだのに長居していては仕方が無い。アリスも焦れて来ているし、式もなにやらもじもじとしている。
何より、高位の悪魔達が立ち並ぶ空間に長く居続けるのは精神衛生上良くない物がある。故に礼を言って立ち去ろうとしたが、そこでアザゼルに呼び止められる。
彼女がやる夫に手渡したのは、彼女が精製した『力の結晶』であった。不肖の我が身に代わり役立て下さい、そう言って彼女はやる夫の手の甲に口づけした。
 ・《力の結晶》×1を手に入れた。
改めて礼を言い、万魔殿を辞した。
アザゼルが空間を歪めてくれたお陰で少し歩くだけで入り口に辿り着いたが、実際の所は非常に攻略が難しい迷路構造になっている様だ。
別れ際、パイモンが此方を見て笑っていた事が気になると言えば気になる……。
とりあえず色々あったが、式が元気になり力の結晶を手に入れた結果は喜ばしい事であろう。さて、次はどうするべきか。(了)

9:05(178)
万魔殿から出た後、式は一件の民家へと消えて行った。何をしに行ったのかは聞かない方が良いだろう。
さて、この力の結晶をどう使うべきか。やる夫は赤く輝く結晶を掌の上で転がした。
 ・『残滓ですら悪魔の存在を二つ程上位に引き上げるのだ。これは、下手をすると分霊として、本来の霊格を取り戻す可能性すらある。』との事、慎重な使用を要する。
そうこうしている内に式も帰って来た。式は完全に復調した様子である。
アリスも式が元気になったのが嬉しいのか、機嫌が良い。今ではやる夫を通してではなく、彼女自身の意志で式に懐いている様だ。
さて、これからどうするか……。
 ・安価→『アリスを連れて何処かに遊びに行く』
アリスを満足させられる遊び場というと、さて何処に行くべきか……。
 ・安価→『渋谷にある神社』
アリスを連れて長身の巫女から教えて貰った神社へと向かう事にした。
そういえば結界は大丈夫なのだろうか。結界如きでどうこうなる存在とは思えないのだが。
デュラハンを呼び出し、すぐ近くにある神社へと向かった。
渋谷区:神社
9:10
バイクで乗りつけると、すぐ手前でデュラハンが停止した。
どうやら千代田区程ではないもののかなり強固な結界が張られているらしく、入りたくはないとの事。バイクで乗り入れても仕方が無いので、大人しく戻してやる。
因みにアリスにとっては「そよ風みたいなものね」との事である……。
結界を跨ぎ数歩進んだところで、特徴的な巫女服を着た少女が神社の奥からやって来た。
やる夫達を制止した少女は、大体中学生から高校生くらいの年頃。頭に大きなリボンを付けている。愛らしい容姿ながらも、相当の実力者である事が雰囲気から窺えた。
アリスからの遊びの誘いを受け流しながら、彼女は巫女服の裾から数枚の符を取り出して構える。何時でも投擲できる姿勢だ。
険呑な状況になりかけた所でやる夫が事情を話す。武器を買いに来たと言うと、少女はいぶかしみながらも奥へと通してくれた。
9:25
面倒臭そうに出涸らしのお茶と湿気た煎餅を三人分運んで来てくれた少女は、博霊 霊夢と名乗った。
彼女はお品書を提示しながら、騒動が起こってから押しかけて来た客が大量に居た為に在庫があまり残っていないと零した。
さて、何を買うべきだろうか……。
 ・安価により、13000魔貨支払って
  ・《錬気の剣》×1
  ・《水垢離の襦袢》×1
  を手に入れた。錬気の剣は悪魔に突き刺せば合体が出来、水垢離の襦袢は呪殺耐性を付与する効果がある。
  ・魔貨合計が7927になった。  
そこで式が水垢離の襦袢を欲しがったため、新しい物をもう一着買って共に着こむ事にした。
 ・やる夫の体が4上昇、呪殺耐性が付与された。
 ・式の体が4上昇、呪殺耐性が付与された。
 ・魔貨合計が4927になった。
9:40
買い物を終えアリスと遊ぶ事にした。すると、どうやら霊夢が鞠突きとお手玉を教えてくれるらしい。
お手本としてまず霊夢がお手玉をやってみせる。童謡を口ずさみながら同時に八個のお手玉を操る姿に、無邪気に感嘆するアリス。
遊び相手を求める水子霊を祓う時等には役に立つのだと霊夢は言った。因みに彼女ではアリスを祓う事は不可能であるらしい。
皆でお手玉をしている光景に対し、着替え終えて出て来た式は微妙な表情になる。彼女もお手玉は出来る様だが、むしろ鞠突きの方が得意との事。
手鞠歌を口ずさみながら鞠を突く和装の少女という光景、なんとも絵になる物だ。式の手つきも手慣れた物であり、大分熟練している事が分かる。
歌っている歌詞は何処かもの悲しく、そんなものを黒髪和装の少女が口ずさみながら手鞠をし、縁側ではワンピースの少女と巫女がお手玉をする。何とも平和な光景だった。
一瞬、戦いの火中に身を放り込んでいるという事実を忘れるほどに……。
10:00
暫くそうやって遊んでいて、アリスとしてもご満悦だったのだが、時計を見た霊夢は結界の確認に向かう必要があると言った。
どうやら本殿の方には神社を縋って逃げてきた避難民が幾ばくか居るようだ。
寂しがるアリスに対し、霊夢はお手玉を5つプレゼントした。その上で霊夢はアリスの頭を優しく撫で、
「少なくとも五つ以上出来るようになったらまた来なさいな。五つ以降の壁は厚いわよ?」
そう言って去って行った霊夢を見送れば、その場にはやる夫と式とアリスの三人だけが残される。
お手玉は室内でも出来るから余所に行きたい、とアリスはまだまだ遊び足りない様だ。
さて、今度はどこへ行こうか……。
 ・安価→『拠点に行く』
アリスを連れて拠点に向かう事にした。ここからなら半時間ほどで帰れるだろう。
もっとも、本当にアリスを連れて言って良い物なのかは疑問であるが……。(了)
千代田区:九段下近辺〜拠点
10:30(178)
デュラハンを召喚し、千代田区の近辺まで戻ってきた。
どうやらこの近辺に集まった有志のサマナーによる駆除策戦が上手くいっているらしく、殆ど悪魔の姿は見かけない。
デュラハンを結界の手前で引っ込め、そこからは徒歩で行く。移動面では世話になりっぱなしだ。時間を取って埋め合わせをするのも悪くはないだろう……。
アリスを結界内で活動させるために神社で買った符を持たせた。これがあれば丸一日は結界内で悪魔だと気取られずに動くことが出来る。
ステータス変動的な問題は無いようだが、身につけている間は魔術を行使する事が出来なくなるらしい。万が一の事があったら破って剥がす他ないだろう。
九段下の雰囲気は昨日離れた時と変わっておらず、落ち着いて来た為かむしろ自衛隊員達の表情には余裕が戻っていた。
今の所アリスが怪しまれる事は無い。ただ、そもそもこの三人連れの格好自体が目を引く物でもある……。
10:35(179)
少々目を引きながらも無事に拠点へ帰りついた。バンが無くなっている事から人は少ない様だ。
談話室に入るとメルツェル(L)が居た。彼は此方を出迎え、……アリスを見て表情を固めた。
普段の冷静さを崩す程に衝撃を受けている様子のメルツェルに、これまでの経緯を全て説明する。彼の表情は酷く険しい物になった……。
やはりと言うべきか、アリスという存在は大きな不確定要素になるようだ。少なくとも、今夜の襲撃配置を考え直す必要がある程に。
本来、今夜の襲撃目標は
・悪徳宗教家
・中共の残存勢力
・悪魔を悪用する組織
・国家転覆を目論む宗教染みた政治思想団体
の四つであった。
これは殆どが結界内での戦闘になる為、アリスから離れられないやる夫を使える場面が極端に限られてしまう。
本来なら、やる夫は結界内での戦闘に用いられる筈だったらしいが……、完全に予定が狂ってしまったと言う事だ。
「ええ、ぶっちゃけ気分的には、やってくれた喃……って感じです」
メルツェルは目に見えて苛立っている様子だ。それほどまでに、やる夫が持ち込んできた問題は大きな物なのだろう。
因みに他のメンバーの所在は
・エメリー:ヴァオーに連れられてブートキャンプの最中
・真改:悪魔の勧誘
・ネオニダス:煙草を買いに行った
そして、団長とオールドキングは……
「新宿です」
新宿区:新宿駅内にて、団長とオールドキング
10:40
異形と化した新宿駅内では、一方的な虐殺が行われていた。
純白の衣装を纏ったオールドキングは、無数の光球を用いて無数の高位悪魔をゴミ屑の如く引き裂いて行く。
MAGが切れたら団長が力の残滓を数個放り、オールドキングはそれをまるでスナック菓子か何かの如く纏めて噛み砕いて嚥下、己の体内へと取り入れる。
そうしてもう一度虐殺を再開する……。もうこの人一人で良いんじゃないかな状態を、延々と続けていた。
しかし異形と化した駅内の攻略は、彼女の力を持ってしても一筋縄ではいかない。空間の揺らぎが絶えず発生する為に、自分達のいる位置がコロコロ変わってしまうのだ。
オールドキングは悪魔の中枢を叩けば終わり、と考えここに来たようだが……。そう簡単には行かないと言う事だろう。
団長としてはここを叩く事が困難である以上、二日後に葛葉が動く事に期待している。無理に攻略しようという気はないのだ。
放っておいたら落ちている残滓をエネルギー代わりに無限に悪魔を殺し続けかねないオールドキングを引き摺って、団長は新宿駅内から脱出した。
10:50
彼らが去った後、いつの間にかサマエルがそこにいた。
彼はオールドキングが為した戦果を評価した上で、彼女の暴れっぷりを是とした模様。
彼は彼の上司の企みの為に動き、そしてオールドキングの覚醒もその一環であるのだ。
彼は現れた時と同じように、いつの間にか消えていた……。(了)
千代田区:ORCA拠点
10:50
場面は戻ってORCA拠点。相変わらずメルツェルはイラついた様子である。
彼がここまで感情を露わにするのは何とも珍しい事である。大抵の物をそつなくこなし、誰かが問題に気付いたらその時点で既に片付けている。
だからこそ団長の側近ポジションを勤め、今回の戦略・戦術レベルでの基本構築を行っているのだが……、今回の件はどうやら相当痛手のようだ。
イライラと糖分不足が頂点に達したのか、彼はシュガースティックは“飲み”始める。それでも飽き足らないのか蜂蜜まで要求し出した。
明らかにあて付けの意も含んだその行為に、やる夫は自分のやった事を今更ながらに後悔。やってしまった事はもう仕方が無いし、メルツェルもそれを理解しているのだろうが。
とはいえ、このままではメルツェルが糖尿病になりかねない。それは非常に嫌な事なので、さてどうしたものか……。
 ・安価→『お菓子でも作る』
物で釣るというのはあまり褒められた行為ではないのだが、この際は仕方ないだろう。此方には言い訳をする権利などない。
メルツェルが希望したチョコチップクッキーの制作に取り掛かろうとすると、アリスが一緒にやりたいと言ってくる。やる夫はそれに承諾して給湯室に入って行った。
甘味が提供されている限り大人しい領民である、それで良いのかテロリスト。
11:00
やる夫が居なくなった為に式に視点が移る。
料理をする時には他よりの介入を何より嫌うやる夫が、キッチンへアリスを招き入れた。それも、恐らくは整形の段階には関与させるつもりなのだろう。
高校からの六年続く付き合いの中で初めての事態。全くの異例な出来事に対し、式は複雑な感情を抱く。
そんな時、メルツェルが式にある提案をする。やる夫の尻拭い、つまり式を結界内の戦線に投入する事の許可だ。
現状、ORCAに於いては戦力不足が否めない。主戦力となり得るレベル50台は、カラード(やる夫)、ヴァオー、ネオニダスの三人のみ。
真改は個々のレベルは問題無くとも、肝心の悪魔を二体しか持っていない。エメリーに至っては単純にレベル不足だ。
メルツェルのレベルは70あるが、彼は後詰め専門である上に、戦闘用悪魔は一体しか持っていない。
そして団長は考慮外とすると、具体的にあと二体程の手が足りないのだ。
葛葉という存在がある以上、作戦を長引かせる事は出来ない。全ては一気に初めて、一気に決着しなければならないのだ。
式は一度葛葉とやり合った事があるが、そんな事が出来る人員は他に居ない。
式はメルツェルの提案を了承。ただし、貸し借りの請求はやる夫に行くようだ……。
11:30
ともあれこれで一件落着、とした所で団長とオールドキングが帰還した。
ある程度の収穫(食糧等も含め)は有った様だが、オールドキングは不満げな様子。まあ、それはいいのだが……。
問題は、式とオールドキングが克ち合ってしまった事だ。それも、お互いの力量や能力を正確に感じ取ったというおまけつきで。
俗に言う、修羅場である。
構える式とオールドキング。咄嗟に団長が止めに入った事で惨劇はひとまず回避されたが、式はオールドキングという名前を思い出していた。
確か、やる夫が折に付けて話していた様な……。それも、かなり仲が良いと言う。
一方のオールドキングも、セレンと言う名に耳聡く反応した。
セレンと言えば、AC4fAに於いて主人公のパートナーを務めた女性の名だ。そんな名前が目の前の女性に充てられている事や、今までの記憶から彼女の声を掘り起こして考える。
二人は本能的に悟った。悟ってしまった。
『相手が 決してわかり合える存在では無い 事を…………』
11:35
二人の間に漂う空気は果てしなく重い。軽く団長が死を覚悟する程度には。
一方メルツェルは早々に机の下に逃げ込んでいる辺り、ちゃっかりした物である。
そこに飛び込んで来たのは天の救いか、はたまた混合燃料かいまいち判断が付きにくい我らが主人公。
彼はクッキー生地を冷蔵庫で寝かす為にやって来たのだが、この状況の熱は冷蔵庫如きでは冷えさせる事など出来はしないだろう。むしろ冷蔵庫が融ける。
「おい」
「カラード……」
「「この女誰?」」
一瞬……やる夫の手が震え、生地を載せたバットが手からこぼれ落ちそうになる。
放たれる殺気は最早物理的質量に近い何かさえ持ち、凄まじい圧迫感を此方へと伝えてくる。少しだが、膀胱が緩みかけた。
Q.……自分は一体何かやったのだろうか?
A.それはもう(住人の見解)
ふと、団長ことテルミドールは思った。
このカラード……首輪付きの獣。なんというか、首輪は付いているも、リードが不存在では無いか。
そして、リードを握りしめた悪鬼が二人向かい合っている。……最初っから手綱をしっかりしめておけ、そう叫びたい気分で一杯だったそうな。(了)

11:40(181)
ここでやる夫の名誉を守るために一つ述べておく。
別段彼は、式にもオールドキングにも友誼は結んでいても異性として粉をかけていた訳ではない。
あくまで親しい友人として付き合っている。向こうもそれは理解していると思われる。
……が、何故こうも“愛人同士が出かけでブッキングした”ような嫌な胃の痛みに苛まれなければならないのであろうか。
外野達の「おい、お前の女だろ、早く何とかしろよ」的視線に対しても、正直どうしたらいいのか分からないのが本音である。
ともかく、悪い事をしていようがしていまいが、この場の空気を何とかしなければなるまい……。
 ・安価→『見目麗しきご婦人方が大声を出してはしたないですお、とちょっと気障ったらしく仲介に入ってからお互いについて紹介してみる 』
とりあえず場の雰囲気を和やかにすると同時に、話をする方向へ持って行こうとして軽く茶化してみる。上手く行ったら空気は緩和されるだろう。
しかし、この2人は何故こうも殺気を飛ばし合っていたのだろうか……。殺気に鈍い一般人でも失禁物の気配であった
「う、うぇっ!? び、美人って……」
「茶化すな 叩っ斬るぞ」
両者、両極端な反応が帰って来た。
やる夫はそれにも怯まず必死に事態の収束を図るが、そこに第二の混合燃料が投入されてしまった。
クッキー作りを楽しみにしているアリスが、何時まで経っても帰って来ないやる夫を待ちわびて降りて来たのだ。
彼女の姿を見た途端、赤くなっていたオールドキングの顔面が一気に冷えた。
途端に状況は臨界点に達する。オールドキングが戦装束を展開し、アリスは符を何時でも破れるように懐へと手を入れた。
あわや木端微塵、と言った所でやる夫が奇声を上げながら飛び込み、今までの事態を掻い摘んで説明した。
非常に早口かつ大声で有った為、言いたい事の四割も伝わったか疑問であったが、何度も「敵じゃない」と繰り返した事が功を奏したのか場を最低限落ち付ける事には成功した。
とりあえず場を落ち着け2人を椅子に座らせ、やる夫も椅子に座る……、と膝にアリスが乗ってきた。
式は最早慣れたのか、一度だけ眦を上げたきり止まったが、オールドキングから此方を射殺すような気が何の臆面もなく叩き付けられてきた……。
二つの射殺す様な視線と、メルツェルからの「何とかしろよ」的視線、そして団長からの戸惑う様な視線全てに対し、やる夫は選択を迫られた。
さて……、どうするべきか……。
 ・安価『とにかく団長とメルツェルとなのはにアリスの説明。後は式になのは、なのはに式のどういった関係なのかを説明する 』
 ・余談ではあるが、このすぐ下の安価内容は『娘です(迫真)』であった。その場合どうなっていたかは、想像に任せる。
とりあえず、メルツェルに介添えを頼みながら事態の正しい把握の為に説明を行った。
団長は既に自分がアリスに会うために小学校に通わないとならないと説明した時に拠点に居たので、大まかには理解していたのだろう。
しかし、それでもやはり計画に狂いが出てくるのを恐れ、少し不満そうだった。
因みに、女性陣の方はと言うと沈黙を保っている。互いに友人であると言われても、イマイチ納得いっていないのであろう。
アリスは機嫌良さそうに自分の膝の上で脚をばたつかせているが、式はだまりこくったままで、オールドキングは「へぇ」と友人だと紹介した時に漏らした以外は同じく口を噤んでいた。
やる夫はふと、さっきの服って一体……と問うたが、凄い目で睨まれたので黙らざるを得なかった。
状況は好転も悪化もしていないが、とりあえず一触即発の状態は免れたと見てもいいだろう。とはいえ、今後の対応によってはどちらに転ぶか全く分からないのだが。
さて、どうした物かと思っていると……不意に団長が口を開いた。彼は問う。
「君はカラードの……味方かね?」
問われたアリスは、答える。
「私はおにぃーさんのお友達よ。それ以上でも以下でも無いわ」
「ただ、場合によってはそれ以上にはなり得るのかしらね。逆もまた然り、かもしれないけど」
続けてそう言ったアリスに対し、少なくともカラードを害するつもりは無いのかと念を押す団長。
はぐらかす様な言葉を返したアリスに怯まず、更に団長は「今後カラードが為さねばならぬ事を邪魔するつもりは?」と問う。
帰ってきた答えは「面白そうなら手伝う、つまらなそうなら……」と言う物。
12:00
ここに至って団長、マクミシリアン・テルミドールは選択を迫られる。
強大な不確定要素。大きな障害になり得るが、一方で大きな助けにもなり得る非常にデリケートな存在がアリスだ。
しかし不確定要素程作戦を練るにあたって邪魔な物はない。ならば排除するか、と考え、否定。自分の戦力と彼女の能力を鑑みて、実力行使で滅する事が出来る可能性は低い。
オールドキングの助けを借りればどうにかなるかもしれないが……、そもそもカラードの心境を鑑みても排除は得策でないと感じられた。彼はアリスの事を決して嫌っては居ないだろうから。
考え込む団長に対し、アリスは「友達として、お願い位は聞いてあげても良い」と言葉を残し、給湯室へと上がって行った。
団長は顔を覆い、やる夫は顔面をテーブルに落とした……。
「俺にどうしろと言うのだ……」
団長は絞り出す様に声を発した。有用な駒の一つであったカラードが、途端に自爆スイッチの様な存在になったのだから当然だろう。
彼は、今後の計画への支障を考え……カラードがどこまでアリスを御せるのか、とりあえず問うてから考え直す事にした。(了)

(182)
団長の苦悩は続く。
今ここでカラードを切り捨てる事は出来ない。彼は最早、ORCAにとって無くてはならない程の重要な戦力になりつつあるのだから。
更に、彼を切り捨てる事で彼に連なる者の離反も懸念される。即ち、セレン(式)とオールドキングが新たな爆弾に化ける可能性も高いのだ。
何よりもアリスという存在がある。彼女は用いるべき場所で用いた場合は最強の戦力となり得るが、その期を逃せば全滅一直線の危険なワイルドカードだ。
そんな彼女を繋ぎとめているのは、今の所カラードただ一人だけ……。彼は単体の価値に加え、強大な戦力を繋ぎとめる鎹でもあるのだ。
実際の所、これらの問題を纏めて解決する方法が無いわけではない。
それは、問題を運びこんできた本人であるカラード自身に、この爆弾三つを上手く御させるという手だ。
彼に向いている好感度の矢印的な物を考えれば、あながち現実離れした案という訳でもない。何より、強力な戦力を安全に運用できるメリットは非常に大きい。
尤も、それはあくまで上手く行けばの話だ。失敗した場合は、……目も当てられない状態になる事だろう。
そもそも、団長としてはこの様な不測事態や、ギャンブルにも等しい真似は実に気に食わない物でもある。とはいえ、それを否定すればこれからの行動は大きく制限される……。
とはいえ、まだ計画に致命的な齟齬が発生したわけでもない。メルツェルにネオニダスと言った戦力は現存しており、彼らを用いる事でリスクは大きく減らす事が出来る。
カラード自身も利用価値が無くなった訳ではないし、最悪団長自身が出ていくという手も、取れなくは無いのだ。
とにかく、賭けに出るか、出血を我慢するかのどちらかしかない。さて、どうするべきであろうか……。
 ・安価→『カラードにスケコマシをやらせる』
団長は、ただ一言、こう言った。
「上手くやれ、いいな?」
彼は己の賛同者の能力に賭ける事にした。それはどちらかといえば、分の悪い賭けとも言い切れない物でもある。
やる夫としても団長の言葉の真意は重々承知している。この場に面倒を持ちこんだ責任から逃れる位なら、八方美人くらいやってやろうと覚悟を決めた。
一方で式もまた、気に食わない部分は多々有るものの、ある程度は助けてやっても良いと考える。自分としても動きようはあるし、件のオールドキングは無視すればいい。正直、あの女は割と単純そうだ。
ともかく、それぞれのやる事、もとい“やらなければならない事”は決まった。
ひとまずやる夫はアリスのご機嫌取りの為のクッキー作りを再開。団長は気持ちを切り替え、仕込みへと向かう事にした。最悪の場合はメルツェルも手を貸してくれるとの事だ。
物騒な言葉を残し、団長はやたら重そうなデイパックと共に拠点から立ち去って行った……。
12:00
さて、気がつけばお昼時だ。そろそろ外に出ていたメンバーも帰還してくる頃だろう。
オールドキングは昼飯へと向かうらしく、メルツェルはコンビニまで甘味調達に行くとの事。
式はやる夫の手伝いでもしようかと考えたが、アリスと違って断られたらと思うと不安である。
腹は減っていないので飯に向かうのも気が向かず、寝ようと思うほどには眠気も無い。かといってここに残っていれば、あの女に絡まれるだろう。
ふと気がつけば、ここで借りた白鞘は大分ガタが来ているらしい。こちらもどうにかしなければならないだろう。
とりあえずはオールドキングから離れるのが先決だろうが、さてどうしたものか。
 ・安価→『給湯室に行ってみる』
アリスが居ても良いのなら、自分が居ても良い筈だ。クッキーの成型位なら混ぜてくれるかもしれない。
式は刀をぶら下げながら、何も言わず、そのままふらりと給湯室に向かって行った……。
12:25
やれ残念だのヒドインだの脳筋過ぎて女と思えねーだのと散々言われ続けたオールドキングであるが、空気を読むことくらいは出来る。
給湯室に向かうのは得策ではないという判断は出来るのだ。
となると、空腹を満たすのが良いのだろうが……、如何せん冷蔵庫には碌な物がない。生のニンジンを齧るのはごめんである。
なので、外に食事に行く事にした。何というか、色々ありすぎて整理がまだついていない。一度考えを纏め直すことにしよう。
そういないと殴り倒すにせよ蹴倒すにせよ蒸発させるにせよ上手く行かない。
オールドキングも財布が懐にあることを確認すると、ふらりと街へと出かけていった……。(了)
千代田区:古王視点、饂飩屋にて警備隊と邂逅
12:30(183)
行き交う者の少ない街路を、時折携帯を持った堅気じゃなさそうな人々が通り過ぎていく。辻という辻では警官や自衛官が目を見張らせている。
そんな、剣呑な雰囲気の市街。閑散とした九段下を、オールドキングは悠々と行く。
警官に見咎められようが何処吹く風。彼らが最近増えている物騒な集団や悪魔に頭を痛めている事は知っているが、正直知ったこっちゃない。
今考えているのは、空気を読んだと言えば聞こえは良いが、実際は拒絶されるのを畏れて逃げた負け犬の所行なのではないだろうかということだ。
よもやこの自分が退く等という無様な真似をする嵌めになるとは思いもしなかった。ただ、悪魔を潰す時のように前進制圧するのみ……とはいかなかったようだ。
むしゃくしゃするのとは別のイライラが募る。あの女は何だ、一体。説明は受けたとはいえ納得はしていない。まあ、今更言っても仕方ないが……。
さて、これからどうしよう……。
 ・安価→『そんなことよりおうどんたべたい!』
まずは腹を満たす事にした。腹が減っては何とやらとも言う。
最近、チャリティーの一環でセルフの饂飩屋が活動しているのを見つけたので、そこで食べる事にしよう。
温かいかまたまうどんが食べたかった。大盛りで、ネギをこれでもかと言う程かけまくり、ついでに掻き揚げなんかものっけよう。
暫くの間胃に放り込んだ物と言えば、力の残滓だけである。これでは腹も減ると言うものだ。
食事を思いご機嫌で街を行くオールドキングの周囲、人影は無い。警官や自衛隊が居るとはいえ、治安が良いとはお世辞にも言えない状態なのだから。
何より、たまに奇妙なプラカードを持ち、奇声や奇天烈な文句を張り上げている危ない集団も見かける。
今もまた、目の前にはそれその通りの集団達が犇めき、警官隊と小競り合いを繰り広げていた。異能を悪用した新興宗教の様な物らしいが……。
オールドキングとしては、以前から水面下で怪しい事をしていた有象無象が、騒ぎに乗じて浮いて来ただけと言った認識しかない。
そもそも、今まで神様や悪魔の存在なんぞ信じてはいなかったのだ。あんなカルトもどきに本気になる事などあり得ない。
まあ、現在進行形で本当の神や悪魔と殴り合っている事は確かだが、形を持った分むしろその神聖度が薄れた様にも感じ、結果として宗教の類は阿呆臭く思えて仕方が無いのだ。
狂信者達に背を向け、オールドキングは自分の食欲を満たす為に歩きだした。どうぞご勝手に、幸せに死んでくださいと言った体で……。
12:45
暫く歩けば目的地に着く。こんな状況下では客入りも少ないに決まっているし、配給がある程度進んだ状況では饂飩の奪い合いなども起こらないだろう。
故に、オールドキングは意気揚々と饂飩屋へと足を踏み入れたのだが……、そこには先客が居た。
どういう訳かむくつけき薄汚れた黒衣の集団が店で饂飩を啜っている。傍らには短機関銃や自動拳銃、大和刀をぶら下げた連中まで居る……。
普通の警察官ではない。皇宮警備隊の警察官達だ。
そんな連中が大勢食事をしていたら普通の人間なら回れ右だろう。特に、公務員連中が殺気立っている時期では。
「かまたま一つ! 特盛りで!! あとネギたくさんかけてください」
知ったこっちゃなかった。
オールドキングはどっかりと席に腰を下ろすと、堂々と注文を飛ばした。周囲の人間が、なんだこの肝の太い女は、と感心するのにすら目もくれず。
店主は少し面喰った様子だったが、オーダーを通してくれた。今のご時世卵は貴重品だが、まあいいだろうと言う事か、数分後注文通りの品が出来上がった。
座席を確保し、ついでにテーブルの上に置かれていた邪魔な拳銃を警備隊の男(※隊長です)に除けさせてから、注文の品を取りに向かう。
そうしてネギを饂飩が隠れるほど盛り付け、出汁を濃過ぎるだろうという程に山ほどかけた。……明らかに女の喰い方では無い。
12:50
隣で追加の薬味として生姜まで突っ込み始めた女を見て、それは邪道じゃないかなと思いながら、皇宮警備隊にて一隊を預かる男……。
そして、葛葉の連枝に繋がる末端の一人である古式サマナー、新城 直衛は、その女からとてつもなく大きな力を感じ取っていた。
隠されては居るが、かなり大きい……。少なくとも中位以上の異能者であることは間違いない。
見つめ続けているとあちらに気が付かれたので、口元に天かすが付いている事を指摘してやる。
その上で異能者である事を確認すると、どうやらボランティアで悪魔を滅してくれている一人らしい。……それも、飽きるほど大量に、だそうだ。
彼女の興味は今の所饂飩だけに向いているようなので、こちらから伝えるべき事は手短に話す。
「暫く新宿の方には近づかない方が良い。議事堂周囲の安全圏拡張のために本腰をいれはじめたのでね……」
現在、仮の議事堂として防衛庁の方に機能が移されている。主に防衛能力や独自結界の関係だが……。
しかし新宿は騒ぎも大きい為、政治家の先生方は喧しく身の安全を訴えている。その為、少し大きめの戦力を投入して悪魔を散らす予定であるのだ。
悪魔狩りをする人間にとっても害になる可能性がある。故に彼女にその旨を伝えたのだが、どうやら彼女の興味が少しこちらに向いたようだ。
「でも、それって戦力沢山必要なんじゃ?」
「……安全面の為に国防関係者だけで動くんだ。だから手出しは無用……というより巻き込まれると危ない。人外連中が無茶やらかすからねぇ」
だから、どちらかと言えば他所に行ってもらった方がありがたい。各所から人員を抽出した為に、どこも慢性的に人手不足なのだ。
そう言うと彼女は、腹がこなれたらかんがえておく、とのこと。
……ともかく伝えるべき事は伝えた。食事を邪魔した詫びも含め、彼女の分も金を置いて店を出る。
既に二日と半日起きているが、これが済んだら二時間は寝れる。その良報を部下に伝えたが、どうも反応はよろしくなかった。
12:55
オールドキングは、饂飩を啜りながら警備隊の男が言った言葉を考える。
この事実はテルミドールも知っているのだろうか? もしも新しいネタならば、転機の一つになるかもしれない。
そしてきっと、面白い事にもなるだろう……。
オールドキングは期待に胸を膨らませつつ、出汁と卵の残りを飲みほして腹の方も膨らませて、店を後にした。(了)
千代田区:ORCA拠点、給湯室より
13:45(185)
既にクッキーは焼き上げの段階に入っていた。やる夫はアリスを抱え上げオーブンの中を観察させてやり、式はその様子を二人の背後から暇そうに眺めていた。
目に見えてクッキーが出来るのを楽しみにしているアリスと、単純に腹が減ったとぼうっとしている式。対照的な様子の二人だ、
そんな風にしていると、いつの間にか帰還していたエメリーがやってきた。どうやら、クッキーの匂いを嗅ぎつけたらしい。
彼女は微妙に血臭が漂わせており、屍鬼、或いは別の使役ソフトユーザーとでも克ち合ったのだという事をやる夫は感じ取った。
相変わらずマイペースな態度を崩さないエメリーは、いともあっさりアリスとも打ち解けてしまった。団長やメルツェルの苦悩はどこへやるべきか。
そして現在の彼女の興味はクッキーのみに向いているらしく、やる夫に対してはぞんざいな態度。どうやらアリスと式の写真も撮りたいようだが、それは式が拒否した。
「つーか、菓子集りに来ただけか、オメェ」
やる夫が問うと、どうやらメルツェルが集合を掛けていたらしい。先に言え、とやる夫。
どうやら向かうのはやる夫だけで良いらしい。オーブンを式とアリスに任せ、やる夫はエメリーと共に廊下へ出た。クッキーはあと十数分もすれば焼き上がるだろう……。
エメリーが言うには団長以外の全員が既に帰還しているらしい。どうやら面白い事になっている、との事だが……。
また、どうやらエメリーがクッキーを所望した理由は、ここに泊めている友人の為でもあるそうだ。確かに常人が碌な娯楽も無く、見知らぬ他人の大勢いる環境に寝泊まりするのは苦痛だろう。
かといって心底から友人を気遣っているかと言えば、むしろ彼女はこの様な状況を楽しんでいる様である。他のORCAメンバーとは異なり、彼女には使命感やら必死さと言った物はあまり窺えない。
二階に行くと、団員達は確かに団長を除いて全員が集合していた。皆はそれぞれ、思い思いの過ごし方をしている。
挨拶を交わしながらメルツェルの所へ行くと、団長が来たら始めるのでそれまで待機してくれと言われた。来てから呼べばいい物を。
さて、どうしようか……。
 ・安価→『ネット(スレ)で現状把握。封鎖線突破がどうなったか知りたい 』
早速スレを覗いて見る。家の子自慢や、相変わらず勢いが天元突破している東京湾のいあいあスレ、後は東京脱出の反省会などのスレもある。
何を見ようか?
 ・安価→『巫女スレ 巫女さんの情報 』
どうやら彼女の他にも、一部の有名人にはファンスレッドがひっそり立っている様だ。確かに彼女の美貌や体つきからして、人気が出ない方がおかしいだろう。
最近怪しいチューリップ仮面を良く見かける、というスレは見なかった事にした。
件のスレの内容は、まあ良くあるファンスレの物と同様だ。各種の妄想を炸裂させている紳士達も相当数見受けられる。
また、時折隠し撮りらしい画像が貼られているが……、さて。
 ・安価→『……画像を見てみる』
貼られていた写真は、背後から隠し撮りしようとした際、投稿者の気配に気付いた巫女が振り返った瞬間のなんとも恐ろしくも美しい顔であった。
投稿者はこの後ダッシュで逃げた為に無事だった様だが、望遠レンズの残念画質以外で綺麗に取られていたのはこの一枚だけだった。
……冷たい美貌に背筋がぞくりと来た。そして、やっぱり好みだと再確認させられる。
と、そこでエメリーに写真を見られてしまった。しかも、止せば良いのにこの女周囲にばらしやがった。
立ち上がりかけたオールドキングを制するヴァオー。そして内容を突っ込むネオニダスに答えを返すエメリー。
一方的なやる夫弄りが発生し、結果としてプチ悪魔戦争が発生した。度を越しているとメルツェルにカットされるまで、カラードは怒りを振りまいた。……主にこの惨状の元凶に対して。
一方、静かにやる夫の好みを確認し、どこまで自分にあてはめられるかを計算していたのはオールドキングである。
14:05
さて、メルツェルに間に入られた事で室内は落ち着きを取り戻した。
とりあえず何時かエメリーはシメるか、酷い目に会わせる予定だと固く決めながら、時間を潰す事になった。
 ・安価→『他の連中に近況や状況とか話を聞く。あとさっきのことは式にはナイショで』
とりあえず仲間の状態を聞く事にした。自分は作戦構築には直接関わっていないものの、仲間の事を把握しているのとしていないのとでは、万が一の時の対応が変わってくる。
結果をまとめると
 ・エメリー:レベル40台に到達。どうやら逃げ足(速)ばかりを伸ばしているようだ。戦力的には当てにならないだろう。
 ・真改:レベル50手前らしい。スキルはかなり充実している為、後は格を上げつつ継承するのみ。
 ・ヴァオー:ぎりぎりレベル60に届きそうな具合。
 ・ネオニダス:若干補助が心許ないが、戦闘だけならどうにかなる。
 ・オールドキング:悪魔は持たないが、十分過ぎるほどの力は保有。
 ・メルツェル:レベル70に届いており、いざという時には十分な戦力として動ける。
 ・セレン(式);単体運用は可能なレベル。
 ・カラード(やる夫):現状、メルツェルと団長を除けば一番戦力が充実している。移動手段、スキルともに申し分なし。
全員の状態を聞いたが、戦力はエメリーを除いてかなり充実しており、やりようによっては此方が蹂躙して終わるだけの展開という物も十分あり得そうだ。
心強いのかおっかないのか……などと考えて居ると、階下から足音が聞こえてきた。どうやら団長のご帰還のようだ……。(了)
千代田区:円卓、決断の場
14:20(185)
厨二、もとい団長が帰還した。出かけた時に持っていたデイパックが無くなっている事から、目的は果たしてきた様である。
皆で帰りを労ったら、何故かキレられた。何やら心労が溜まっているようだが、どうしてだろうね厨二。
ともあれ、彼が円卓の自席に着き、メルツェルから渡された缶コーヒーを煽れば話は始まる。
主な議題は、オールドキングが掴んできた“例の情報”である(『古王視点、饂飩屋にて警備隊と邂逅』を参照)。
完全に悪魔を殲滅する事はほぼ不可能。団長は実に良い笑顔と共に、そう断言した。
魔界と化した東京に飽和限界まで溢れたMag。それこそ何もかも消し飛ばそうが、次から次へと悪魔は湧いてくる事だろう。
「地脈に楔を打ち込むなり、竜脈を使った葛葉の秘奥なりなんなりを使えば一時的に悪魔を封ずる事はできるが……」
「一掃は不可能だ。それが出来たら2日前には東京は綺麗になっている」
結局は元を断つしかない。それ以外に悪魔を殲滅する方法など無いのだ。
今回は、それが分からない政治家達の我儘に警備隊等の面々が付き合わされている形となる。何時の時代も、彼らはお上には逆らえない物だ。
(186)
それが絶好の好機となる。最高戦力や葛葉縁のサマナー達が捌けると言う事は、その分攻めるべき場所の防備が薄くなると言う事でもある。
だが、ここでオールドキングが疑問を挟む。「意味はあるのか?」と。
元々、こちらは明日の大きな騒ぎに合わせて行動を起こす予定であった。騒ぎの大きさからして明日の方が成功率も高く、効率も良いのではないか……。
なのに、予定を変えてまで今日やる意味はあるのか、……オールドキングはそう言いたいらしい。
脳筋な彼女がまともな事を言った事は驚きだが、確かに的を射た意見ではある。
だが、騒ぎが大きいと言う事は良い事ばかりではない。日数と共にMag濃度が濃くなると言う事は、その分出てくる悪魔の強さも上がると言う事だ。
最悪、四大天使が騒ぎの真っただ中に降臨してくると言う事もあり得る。そうなったら目も当てられない。
葛葉がそちらに掛かり切りになるのはいいが、こちらにも被害が及ぶ可能性がある。その小さな懸案事項を消せるならば、今日やる意味は十分にあると団長は言った。
何より、ORCAの面々はお祭り事を好む。面倒を先に片づけておくと言うのも悪くないだろう。運が良ければ、この事件の真相を探る時間もとれるかもしれない。
因みに、真相と聞いて猫箱の話が始まった為に、実は竜騎士ファンであったネオニダスに深いダメージが加えられた事は余談である。
話が逸れかけたが、つまるところ「お前らどうせなら火中で遊びたくね?」という事である。
祭りが派手過ぎて肝心の仕事が出来なかったら本末転倒でもあるが。場合によっては皇居に逃げ込まれ、将門公と一戦交えることにもなりかねない。
 ・要するに『騒ぎが大きく無い事を祈って明日決行する安牌を切る』か『ちょっと無茶して明日の安全を取る』かの二択である。
という訳で決が取られる。偶数になる事、また意見が偏る事を避けるために団長は棄権するそうだ。
作戦決行日を何時にするか、皆の意見を纏めると
 『明日派』
  ・メルツェル:決行の際のリスクが違う。いざとなれば移動中に襲撃を掛ければ良い。
  ・ネオニダス:ギャンブルにしても、お祭りの規模が大きい上に掃除も出来たら二度美味しい。また、葛葉がUターンしてくる可能性も減らせる。
  ・真改:作戦そのものの確実性は明日の方が高い。騒ぎの規模によって工夫も出来るだろう。
 『今日派』
  ・ヴァオー:明日の事が不安。現状を鑑みれば心配し過ぎという事は無い筈だ。
  ・エメリー:明日の騒ぎを眺めたいのもあるが、乱戦になれば間違いなく死ぬので。引き籠るか誰かの助けを受けられる状況を作っておきたい。
  ・オールドキング:ぶっちゃけどちらでも良いが、明日派やりたい事があるので今日。
……見事に割れる結果となった。大方の予想通りだろうが、決定権はやる夫にまわって来る。
騒ぎによる介入が少ない確実性を取って今日決行するか、作戦そのものの安定性を取って明日決行するか……。
演者も、舞台も、シナリオも用意されている。しかし、方向性を決めるのは自分自身であるのだ。
さぁ、引き金を引こうか。
 ・安価→『今日。祭りを楽しむ!』
――賽は投げられた。羅紗の上を転がり、後は出目のままに。
「……道は示してやる」
扇動家は己の掌を見た。運命がデックを混ぜ、そしてカードが配られた。
自分の手にはカードがある、様々なスート、数字のカード達が。そして、それを手繰る自分の実力が物を言う。
さて、チップが最終的に転がり着くのは何処であろうか。
「さぁ、作戦会議と行こう――」(了)
千代田区:作戦会議
(187)
さて、予定の前倒しが決まった。膿出しは今晩行う事になり、明日は様子見しつつお祭りに参加だ。
何やら厨二がニヤニヤしながら地図を取りだし、広げて幾つも駒を置いたりピンを突き刺していく。
走り書きのある地図は何かの予定を立てるための物なのだろうが、今時紙の地図に無数の書き込みしつつピンを刺すという古典的な事をしているのは、十割雰囲気出しの為であろう。
確かに雰囲気は出るのだが、目がしぱしぱするなーとやる夫は思った。
防衛庁や皇居周りに国会議事堂の辺りにある無数の走り書きは敵の装備などの内容だ。
防衛庁には霊的な能力を持った人間がある程度配置されており、既に機能の殆どを移した議事堂にはあまり警備はついていないようである。
そして、今度はこちらの戦力を表す駒が置かれる。……何故かGジェネのソフビフィギュアが。因みにオールドキングを現すのはビグ・ザムである。
こうして並べてみると分かるが、明らかにこちらは寡兵である。単純な物量で考えれば、それこそ警備側の数百分の一以下に過ぎない。
しかし、こちらは力ある寡兵である。混乱を来した大勢よりも、一騎当千の兵達の方が強さでは上である筈だ。若干一名を除いて。
さて、古来より寡兵が大群を打ち破った方策は限られている。それは『陽動』と『奇襲』である。
件の団長殿は、陽動班に回る気満々だ。「そりゃお前、私が首謀者だからな! 目立たんでどうする!!」との事。
勿論、陽動であるからには“派手で簡単には潰れない”という要素が不可欠である。ただ単に目立ちたいだけでは無いのだ、多分。
それぞれの基本的な作戦内容はこうだ。
 『陽動部隊』
  団長が講堂で派手に暴れて敵の目を引き付ける。
  相手は新宿で戦闘中の為、大部隊が向かってくる可能性は低い。来るとしても一部隊か、葛葉だけとなる筈である。
  むしろ焦りが出る為に、新宿の部隊が足止めの役割を果たす可能性もある。
  尚、戦力不足のエメリーは陽動に強制参加。
  保険として逃走ルートは確保されており、陽動部隊にはトラフーリストーンも一つずつ渡される。
 『奇襲部隊』 
  陽動部隊に続き、奇襲部隊が動く。陽動が成功するまでは固まって潜伏し、その後纏まって突入。
  議員達は政党毎に纏まって動いているので、基本的に売国奴は纏めて始末する。探しながら動く為、求められるのは機動力。
  標的となるのはアカの連中と訳の分からない宗教集団、売国奴は皆殺しの方向。ついでに訳分からん教義の小規模集団も始末。
  間違って殺すと後で面倒なので、正確な動きも必要。
  尚、作戦指揮を執るのはメルツェル。
オールドキングがハマりすぎな台詞を吐く中、やる夫達も役割の決定を求められる。
陽動か奇襲による殺戮か……、どちらにしても相応の困難と危険が伴うだろう。
自分は……。
 ・安価→『テルミドールと陽動する』
場合によっては最も危険な戦場を受け持つ事になるだろう。葛葉とやらがやってこなければよいのだが。
ともあれ、これでそれぞれの班員が決定した。
 『陽動部隊』
  ・テルミドール【班長】
  ・エメリー
  ・カラード(やる夫)
 『奇襲部隊』
  ・メルツェル【班長】  
  ・ヴァオー
  ・ネオニダス
  ・真改
  ・オールドキング
  ・セレン(式)
作戦に関する細かい説明はグループ毎に行う事と成った。その後は自由行動であり、戦力を拡充するなりなんなり御自由にだ。
団長が陽動の作戦を説明する前に……セレンと悪魔の事を考えておけと、そう言った。(了)

15:00(189)
早速円卓の席次を変え、役割毎に作戦の説明が始まった。
……団長は随分と楽しそうだ。
自分が用意した策を人に披露すると言うのは、策士の典型である彼としては何よりも楽しく得意げになれる時なのだろう。
班ごとに分かれた頃、式がクッキーの乗った皿を持ち、アリスを連れて部屋にやって来た。
優しいバターやココアの香りが部屋一面に広がり、幾人かは相貌を崩した。珍しくLが感情を露わにし、カラードグッジョブと声を上げる。
アリスは自分で小皿を抱え、幸せそうにクッキーをほおばっていた。
「凄く美味しいわ、おにぃーさん」
そう言ってアリスがやる夫に近づき、頬にキスをした(重要)。それから軽やかに膝に乗り、再びクッキーを啄むように食べ始める。
……場の空気が一部冷えたんだか熱されたのだか良く分からない事になっていた。
とりあえず落ち着けと荒ぶるオールドキングを沈静化し、作戦会議が再開する。
式はやる夫の方へ行こうとしたのだが、メルツェルが戦力的に此方に参加して欲しいと言い、此方に来た時の話もあったので渋々其方へと向かった。
一方のアリスは、やる夫の膝でクッキーを食べて御満悦である。どうやら彼女はやる夫と同じ班に参加したいらしい。良いのか? と団長に目で問うと、頷かれた。
 ・アリスとは行動を共にする事になる。
再び荒ぶりかけたオールドキングは、クッキーを食べる事で沈静化した模様。思い人が作ったものであれば、尚更その味も美味しく感じられる事だろう。
式も感想をこぼす事こそないものの、黙々と食べ続けている事から気に入っている事は一目瞭然だ。
場の空気が元に戻った所で、団長が話を始めた。
15:05
団長旗下の二人は陽動を行う事が目的である。
つまりは戦果そのものより、敵を引き付ける事を重点的に行う必要がある。
派手で尚且つ頑丈な誘蛾灯……、さしずめ求められるのはそんな所だ。
団長が示した陽動部隊の攻撃目標は『国会議事堂』である。
保管すべき文書は多く残っているだろうし、連絡の為の議員や閣僚の数人、警備員も幾人か残っているだろう、との事。
襲撃された場合、公になっては困る物を守る為に警備員を焚きつける者も多くいる筈だ。
また、残って仕事をしている議員には仕事の対象外もいるが、その中に二人ほどターゲットが紛れこんでいるらしい。
これはやる夫かエメリーのどちらかが、選別して殺す必要があるだろう……。
陽動の際には結界を中和する符も使用するとの事だ。立ち向かってくる者が居る場合は、殺すか再起不能にする必要がある。
皇居から後詰めの葛葉が出てくる可能性はあるが、その場合は団長が抑えにかかる様だ。不安な単語が行き交うが、彼の実力は信じていいだろう。
制圧その物の目標時間は“15分”とされた。その後、団長が千代田区各地に仕掛けたスピーカーも用いて“演説”をぶちかますらしい。
内容は政治犯の犯行に見せかける物、作戦後に実行犯は皆死んだという事にする為の前振りでもある……。
また、同時に小規模な爆破テロも行うとの事。そこにメンバーが居ると言うブラフも合わせれば効果は絶大な筈だ。
事が終わったら背格好が似た死体に壊れた使役ソフト入りの機械と服を着せ、その辺に打ち棄てておけばいい。
そうすれば騒ぎのゴタゴタに乗じ、ORCAメンバーは日常に回帰できるという寸法だ……。
15:20
さて、制圧を短時間で済ませるにはさらなる役割分担が必要だ。
『議員暗殺』と『警備殲滅』、この二つのどちらをやるべきだろうか。
やる事は別に難しく無い。議事堂内外の警備員を蹴散らし、外から入って来ようとする増援を屠るだけでよい。
そして、議員暗殺の方は恐らく、議事堂内の警備を突っ切りながら目標まで突撃し、そのまま強襲的に暗殺を行うのだろう。本当に単純である。
どちらを受け持つか?
 ・安価→『警備殲滅』
やる夫の役割は警備の相手になった。精々があまり強くない異能者か自衛隊、元から配属されていた警備員程度の物だろう。
その程度で最早自分はとめられないだろうし、アリスも居る。そこまで気負う必要はないだろう。
尚、エメリーもこちらを担当する様だ。
ここで団長が奇襲部隊の集まりへ振り返ると、どうやらそちらも纏め終わったようだ。
各々が最終チェックのために渡された議員のスナップ写真などを観察している。
「ふむ、向こうも終わったか……。では、今から18:30まで自由時間とするか」
そして、会議の終了を意味する柏手を一つ打ち、団長が自由時間の開始を宣言した。(了)
千代田区:自由時間開始
15:20(189)
さて、自由時間と言っても何をすべきだろうか。アリスを満足させてやった方が良いのか、と考えていると、団長が声を発した。
どうやら団長からの支給品があるようだ。何が欲しいかと問われる。
 ・安価→『よさげな刀持ってたらくれ、無かったら金』
刀を所望してみると、倉庫にある白鞘では駄目かと言われてしまう。
実際式が持ちだした刀は既にガタが来ており、そもそもの性能自体も鈍らでしかない物だ。
人間相手ならともかく、悪魔や近代火器を相手取るには不足極まりない代物である。
一応一本10万円はする物のようだが、真改も使っていたら折れてしまったので、現在は悪魔から奪った刀を使っていると言う。
悪魔が死んでもMagが霧散せず、形を持って残る事があるのだとか。因みに真改が手に入れたのは、雷撃能力を持った刀らしい……。
式の要望では、薄くて柄が有り頑丈な物ならなんでも良いとの事だが、欲を言えば厚造りの鎌倉刀が良いようだ。
生憎そのような物は持ち合わせが無く、本格的な物となると美術館でも襲撃しなければ手に入らないそうだ。
団長は代わりに魔貨を出してくれる事になった。悪魔と交渉をすれば、奇特な者が売ってくれるかもしれないとの事だ。
当ても無く悪魔からのドロップを目指すよりは良いかもしれない……。
 ・式の分も含めて30000魔貨を渡された。彼女の為に使ってあげよう。
因みに、式に向けられた“相方”という言葉を聞き、少し離れた所に居たオールドキングが小さく言葉を漏らしていた事は、余談である……。
15:30
さて、今度こそ本当に自由時間の開始である。
『18:30』までに此処へ戻って来られるならば、何をしようが自分の勝手だ。
遊び呆けようと、レベル上げに勤しもうと、稼ぐ為に依頼を受けようと、スレッドを見て時間を無為に消費しようと自由だ。
まだ、皆は談話室に残っている。どうするか………。
 ・安価→『先代巫女の所へ向かう』
そういえば、先代巫女が武器について何か言っていた事を思い出した。
団長に車を借りられないか聞くと、放置車両が多い為来るまでの移動は厳しいと告げられた。
拠点から北に言った所のパーキングに留めてある軽自動車を使え、と言われた。あれなら狭い道でも多少は動ける、と。
因みに、この日の為に用意した盗品である為、多少擦ったり凹ましても構わないようだ……。
アリスも当然着いて来るつもりらしい。彼女はやる夫と一緒ならどこでも楽しい、と泣かせる事を言ってくれる。
さて、出かけよう……、とした所でオールドキングに呼び止められた。どうやら彼女は一緒に来たいらしい。
 ・安価→『エメリーを頼む』
オールドキングは、「俺達がするのは単なる買い物だから、どうせならエメリーのレベル上げを手伝ってやってくれないか?」と言われてしまった。
彼の意思を尊重してやりたいと思っていたので、首を横に振ることは出来なかった。
彼がセレンを伴侶の如く伴い、アリスを片腕に抱きつかせながら去って行く様を、オールドキングはただ見送ることしか出来なかった……。
(190)
残された者達にとっては、起爆寸前の爆弾を置いて行かれた様な物だ。
エメリーは逃げようとこそこそし始めたヴァオーとネオニダスをひっ捕まえ、オールドキングと共にレベル上げへと向かった。
この中でオールドキングの戦闘能力を直に知っているのは団長と、団長から情報提供を受けたメルツェルだけなのだが……。悪魔との戦闘を経験している彼等は既に彼女から何となく“ヤバイ”雰囲気を感じ取っていた。
しかし、それが安堵に繋がるか強大な敵になるかは今し方出て行った戦友の双肩掛かっていることは知らない……。
※オールドキングの機嫌が“かなり”悪くなりました! 今後、慎重な対応が求められます!
15:35
テルミドールから指定されたパーキングに行くと……、隅っこの方に銀色の軽ロードスターが止まっていた。
盗難車を使い棄てる為に買ったのだから元の持ち主は別に居るのだろうが、よく考えると可哀想である。
が、今は文句を言えないので仕方があるまい。アリスは可愛らしいお車ねと感想を漏らしているので良しとしよう。
問題はこれが二人乗りであるという所だが……、アリスには式の膝に乗って貰うとしよう。
因みにやる夫はマニュアル車は教習所以来動かした事はない。……行き成り、行き先が不安になって来る。
パーキングから出る前にエンストさせてしまったりと少しトラブルもあったが、その後は概ね問題無く走る事が出来た。
やはり人間一度覚えてもやらないと忘れる物である。それも、何となくという理由で取ったマニュアルの免許なら尚更である。
しかし、車は小型で小回りも利くのでバイクよりは上手く行かなかったが、感覚的にはサイドカーを着けた状態のバイクと然程変わる事は無かった。
練馬区:神社
15:55
慣れない車なのでブレーキが荒くなったり、加速の感覚が掴めなかったりして苦労したが特に事故もなく目的地に到着した。
やはり小型とはいえロードスターであるので、加速の反応がかなり良くてひやひやさせられた。
やれやれと思いながら神社の前で車を降りると、何やらアリスが険しい顔で神社へと続く石段を見つめていた。
午前に訪ねた神社の様に、力ある宗教施設には邪悪な者や、敵対する概念の物を跳ねのける結界が張られているものだ。
特にこの神社は、結界を易々と跨いで進んだアリスが眉を顰めるほどの、強力な結界が張られているらしい。
「亜神族くらいなら滅ぼせるんじゃないかしら」
さて、どうしたものかと思っていると……。
石段の中程に影が硬質な音と共に降り立った。それは鳥居の向こうより跳躍し、数十メートルの距離がある場所へと落着する。
犬であった。それもかなり大型の。そして、尋常の犬ではない。
その毛並みも体躯も、瞳も何もかもが磨き上げられた石で出来ている。狛犬が動いているのだ。
神敵を打ち払う石の番犬。西洋風に言うなれば、一種のガーゴイルと言った所か。
うねるような豊かな体毛は全てが石で作られているというのに、威嚇の唸りに合わせて細やかに震えてみせる。
いざ向こうが此方に噛み付こうと思えば、元が石であるという事を思わせぬしなやかな身のこなしでのど笛を切り裂きに来ることであろう。
泰然と構えるアリスとは対象に、何なんだと思っているやる夫の前に式が面倒臭そうに立った。
そして、睨み合いの間に玉砂利を踏みしめる音が嫌に大きく響き渡る。
「……随分な物を連れてきたな ええ?」
鳥居の向こうから離れて尚威厳を喪わない長身が現れ、一段一段石段を踏みしめて降りてくる。そして、狛犬に並ぶと頭を撫でてやる。
この神社を守る巫女だ。……その視線は静かにアリスを見つめていた。
緊迫した空気が張り詰める。巫女は唸り声を上げる狛犬を制しつつも、アリスへの警戒の目を緩めない。
また、式が異能者である事も看破すると、そちらに対しても警戒の目を向けた。
「……さて、詳しい話を聞かせてもらおうかしら?」
彼女の目はやる夫を違わず見つめていた。いやーな汗がじわりと滲む。
……やはりアリスを連れ歩くのならば場所を考えないと行けないようだった。
とはいえ、拠点に置いていくというわけにも行かない。暇を持てあました彼女が何をやらかすか分からないからだ。(了)

(194)
結局、やる夫だけが巫女に続いて神社へと登る事になった。
アリスの相手は式に任せ、事態の説明は全て自分が行う事と成る……。
相変わらず狛犬達はこちらに向かって唸り続け、巫女の視線も冷ややかな物だ。
巫女にとってアリスは正しく“邪法の塊”。そんな物を見過ごせと言われ、はいそうですかと従う訳にはいかないのだろう。
彼女に用いられた子供の魂は、最早悪魔以外の何物にもなれない。彼女を“アリス”である前の何かに戻す事は、最早誰にも出来ないのだ……。
また、巫女の警戒は式にも向いている。巫女の目から見ても式は“バケモノ”と形容出来るほどの異能を持つ存在であるようだ。
そんな存在がやる夫と親しくしている、等ととてもでは無いが信じられないと言う様子の巫女。
しかし、やる夫にとって彼女は大事な友人だ。そう易々と“バケモノ”呼ばわりは、してほしくはない。
「アイツは……式は良い奴です。化け物なんて呼ばないで下さい」
……やる夫の言葉に、巫女は礼を欠いていたと謝罪の言葉を述べた。
その上でやる夫の物怖じしない態度に対して内心である程度の評価を与え……、しかし彼女らを連れて来た理由だけはしっかりと求めて来た。
やる夫は正直に武器を求めていると告げる。先日巫女が言った、力ある武器を、式に与えたいと。
「断る……と、言いたい所だけど言われて引き下がる性質?」
確固たる理由がある以上引く事は出来ない。対する巫女は皮肉を返してくるが、しかし機会は与えてくれるようだ。
刀を欲した理由は要らない。肝心なのは、刀を“扱えるかどうか”であり、刀を“扱うに相応しい人物であるか”である。
巫女は、式と直接話をすることを要求してきた……。
16:00
一旦下に降りると、式がアルファロメオに腰掛けて童歌を歌いながらお手玉をしていて、それを見てアリスが拍手をしている所であった。
どうやら本当に子守りをしっかりやっていてくれたらしい。式がお手玉を止めたのを見計らい、上で巫女と話してくれと言う。
その理由を告げると式は了承した。彼女はお手玉を一つずつ此方に投げて寄越し、受け取りながら放り投げ、お手玉を継続させる。
タイミングを合わせてくれているので難しい事は無かった。
全てのお手玉を此方に寄越すと、式は既に損傷の激しい白鞘片手に石段を登っていった…………。
練馬区:神社にて、巫女と式の問答
石段を登り切った先には、巫女が悠然と待ち構えていた。
お茶は出してはくれないようだが、そもそも茶飲み話をしに来た訳ではないし、そもそも式はやる夫が煎れた物以外を好かない。
巫女は、彼に感謝しておけ、と言う。彼が居なければとっくに追い返している所だ、と。
別に式自身が力を欲したわけではない。やる夫が勝手にした事だ。
そう言うが、その辺りは巫女にはやはりどうでも良い事らしく、そっけない返事が返る。
「濃密な死の臭い。どんな異能を宿せばそうなるのやら……」
彼女の言葉に、式は答える。自らの異能を。自分が持つ物は、死を“視る”事が出来る、魔眼だと。
直視の魔眼。生きているモノならば、神ですらも殺す。その名に恥じぬ、狂気的な力を持った異能だ。
魔眼殺しも無しに式が正気を保っているという事実に、僅かながら相貌を崩す巫女。実際、式の眼には溢れかえる程の“死”が視えている。
だというのに、彼女が正気を保っている理由とは――。
「慣れと人間性の問題だ。後は…………」
「ちょっとした精神安定剤があれば耐えられる」
……壮絶な惚気に対し、流石の巫女も頷く事しか出来なかった。
ともあれ、ここからが本題であるようだ。
16:05
「貴方が剣を振り下ろす理由は? ……ま、あのチューリップ仮面の一党らしいから、振り下ろす先は聞かないでおくわ」
汝が剣を取る理由は何ぞや?
戦いに正義は無い、ただ、そこに納得出来るだけの理由があるか否かが問題なのである。
それがなければ、正義などはただ薄っぺらな理由付けに過ぎず、闘うに足る理由とはなり得ない。
最も重要なのは、何のために剣を取るか、なのだ。
式の答えは――。
 ・安価→『手を離していると勝手にどこかに行く獣を守るため。ついでに自衛』
式は、言葉を放つ。
「……アレは人懐っこい犬みたいなもんだからな。あっちにふらふら、こっちにふらふら気が気じゃ無い」
「人が好きな上に、愛想は良いし人が良すぎるし、勉強出来る割に阿呆だ。あんなん放っておいたら酷い目にしか遭わないだろ」
「だから、悪い獣を追い払うんだよ。棒きれ持ってな」
「後は、まぁ……」
「自分と、自分が側に置いておきたい奴の為に闘うのは、自然だと思う。――ただそれだけだ」
式の言葉を聞き終えた巫女が返したのは、まず沈黙。
その上で、式の考えを非常に危険な物であるとも言うが、……彼女は頷いた。
巫女は神社の奥へと消えていった。そこに倉があり、力在る武器を保管しているのだ。
式は暫く玉砂利を馴らしたり、模様を描いたり、こちらを警戒している狛犬をからかって遊んだりして待っていたが、10分もすると巫女が戻ってきた。
手渡された刀は、無銘。兼定の作とは言われているらしいが……。
ただ、“斬る”という事に関しては特化に特化を重ねている古刀。既にその能力は概念武装の領域へと片足を突っ込んでいる程だと、巫女は言う。
しかし当の式は、そんな説明を全く聞こうともせず、勝手に刀身を大気に晒そうとし始めた。慌てて巫女がストップを掛ける。
こんな場所で抜けば、結界を断ち割ってしまう可能性があると言う。
式は不満を口にするが、割と本気で巫女がキレかけているのを知ると、渋々刀をしまった。
しかし、ここで気になるのは代金である。問えば、巫女はレンタルで良いと答えた。使い終わったら返しに来い、と。
再度不満を口にしかけた式だが、巫女がぴしゃりと、全額魔貨で二〇〇〇〇〇〇の即金払いだと言い放った為にひっこめた。
どうやら、本当に貴重な品らしい……。やる夫にそこまでの甲斐性を期待するのは酷であろう、仕方が無いが条件を受け入れざるを得ない。
「刃毀れさせたら割かし本気で怒るから」
そんな巫女の言葉を受けながら、式はその場を後にした。真の獲物を手にした式は、今後最大限に力を発揮する事が出来るだろう。
力は力として、振るわれる理由はその根本にあればよい。理由の重要さを知る者は、その力を振り下ろす先を過つ事はないであろう
「……ま、少しは期待に応えてやるとするか」
式は鳥居の外、結界から出ると、古い方の白鞘をもう要らんと言って放り投げ……何かが一閃した。
そして、刀の落着を見送ること無く階段を降り始める。
放り投げられた刀は数秒後に重力に引かれて地に落ちたが……落着と同時に、“縦に半分”に割られて折れた…………。(了)
練馬区:神社入口にて
16:10(200)
コペンの運転席に座って式が降りてくるのを待ってきた。気を揉むというより最早精神を鑢でゴリゴリ削っているのに等しい状態である。
アリスはそんな自分を見て、あまり積極的に絡もうとはしなかった物の、自分の膝の上に体を投げ出して暇そうにしている。
時折胸板を指先で擽るのは止めて貰いたい……。
どうなっただろーなー、等と思っていると、式が一本の日本刀を携えて戻ってきた。
白鞘の刀は何処かへ置いてきたのか、古い拵えの刀だけを片手にぶら下げている。
彼女は助手席に乗り込むと、いそいそと刀を封印していた腰紐と封を破り始めた。
事情を聴くと、どうやらレンタル品であるらしい。因みに買い取る場合は、お値段なんと二百万魔貨。
驚きのあまり素っ頓狂な声を上げたやる夫に対し、式は欲しかった玩具を手に入れた子供の様に無邪気な喜びを見せる。
狭い車内なので刀身を抜ききる事は出来ないが、式は鯉口を切って僅かに根本だけを露出させた。
美しい直刃の刀身、まるで霜でも降りたかのような静謐な白と、墨でも塗ったのでは無いかと思うような黒の対比。見ているだけで底冷えがするような美しい刀であった。
それでいて、秘められている力は恐ろしく強大である事が窺える。恐らくは、悪魔の存在根幹までもなぎ払えるのでは無いか、そう思えるほどの物であった。
「もう、これは刀というよりも“斬る”という概念を具現化しただけに近いな」
流石のアリスも、これで斬られたらダメージを受けるとの事。尤も、式には最早アリスを斬るつもりなど無い様だ……。
16:15
さて、まだ自由時間には余裕がある。どうしようか?
 ・安価→『なのはに今何してるか連絡とってみる。連絡無理なら本拠地に。出来たら合流して一緒にレベル上げ』
団長から渡された無線機を使ってオールドキングとコンタクトを取ることにした。
通信可能距離は、あまり遠くないらしいのだが、それでも多分何とかなりそうだ。朧気な手つきで操作して、チャンネルを合わせる。
団長は忙しくて切っている事が多いが、オールドキングなら……と、思っていたが、出ない
何故か繋がらないので、同行して居るであろうエメリーに連絡をしてみた。すると、今度は数秒間のノイズの後に通信が繋がった。
……背後から爆音のような何かが聞こえてくる。
エメリーに問えば、それはオールドキングが悪魔ごとガソリンスタンドを吹っ飛ばした音、らしい。
やはり彼女の戦力はケタ違いの物らしい。男衆は既に一緒に戦う事を諦め、ジュース片手にパワーレベリングを受けている最中のようだ。
彼女らが居る辺りは都市計画もう一度やり直しになるような惨状、との事。因みに、場所は“小石川”後楽園近くの路上であるようだ。
……エメリーの声色はやや刺々しかった。明らかに「はよ来いボケ」と言われている。
16:20      
さて、どうしようか……。
団長に頼まれたが、彼女の心の平静を保つのも大切な事だ。どうしたものだか。
“小石川”後楽園は文京区だし、此処からそう遠くない。どうする?
 ・安価→『行く』
という事で向かう事にした。はてさて、どんな惨状が待ち受けている事やら……。(了)
文京区:小石川後楽園
16:30(212)
後楽園に到着した。初期から異界化していたこの地は、サマナー達による狩りが活発に行われてきた土地でもある。
現在では掲示板の呼びかけによって集った善意のサマナーによる“ボランティア”が行われているらしいが……、やる夫の目に映るのは破壊されつくした建物ばかりという風景。
とある女性の為に地獄絵図と化した街を見て戦慄するやる夫。一方アリスはやたらとご機嫌な様子。
ふと見れば、近くの信号機の上で黄昏ているエメリーを発見する。だいぶ憔悴した様子で鼻歌を歌いながら、遠い目で眼下の惨状を眺めている……。
信号機の下でレベリングと魔貨集めに勤しんでいたドッペルゲンガーに聞けば、オールドキングがガソリンスタンドを地下のガソリンごと吹っ飛ばしたらしい。
ますます戦慄するやる夫を余所に、妙に空気を読まないエメリーの仲魔二体とアリスが妙な会話を始める。それを収めた上でオールドキングの居場所を聞けば、後楽園ホールとの事。
 ・安価→『このまま後楽園ホールに向かってみる』
負のオーラを発するエメリーはそっとしておくことにし、やる夫は真っ直ぐホールへと向かおうとする。
すると式が車の留守番を提案してきた。ここから先車で行くのは危険だろうし、かといって放置するのも良くないだろうと。
 ・安価→『留守番を頼む』
式を残し、アリスと共に崩壊した後楽園を行く事にする。
崩壊した後楽園遊園地を見てアリスははしゃいでいる。時間があったら連れて行ってやるのもいいだろう。
16:50
ホールに到着するや否や、アリスの存在に気がついたサマナー達が蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
ホールに近づけば、怪しいコスプレをした男が一人。こちらに気付いた彼はミスター・ブシドーと名乗るが、どう見てもコスプレした真改だ。
彼が言うには、どうやらホール内は異界化してダンジョンとなっているらしい。かなり強力な悪魔も出現するようで、真改が身に付けている物はホールの悪魔がドロップした物の様だ。
他にも莫大な魔貨が手に入ったりと、レベル上げの聖地と化しているようだ……。
多分に洩れず、真改やヴァオーはここで戦力増強をしていたらしい。周囲には漏れ出た弱い悪魔も出現するため、エメリーのレベル上げにも適していたようだ。
件のオールドキングは憂さ晴らしに突入していったらしい……。
中がどんなことになっていようが、彼女に会いに来た以上ここで退く事は許されないだろう。腹を括った方がよさそうだ。(了)


千代田区:作戦開始直前
18:55(366)
19:15[[(367)>http://jbbs.shitaraba.net/otaku/12368/storage/1393...]

このあたりだれかまとめおねがいします

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7日目開幕
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ED
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〜事件後2ヶ月弱〜

なんやかんやで全部終わった後のIF
(106)



今後のご予定
・式とアリスを千代田区の拠点へ連れて行く。その際はアリスに符を持たせる。(済み)
・練馬区の神社に式を連れて行き、式が保管されている刀の所有者たりうるか巫女に見てもらう。(済み)
・渋谷区の神社で装備品を購入しよう。(済み)
・文京区:小石川後楽園へと向かいオールドキングに会う。※恐らく非常に慎重な対応が求められます。
 ※移動時間も考慮しよう!

どなたでも編集できます