新しいPVP艦をフィッティングするときに、その船で何をしたいのかを考えずに、とりあえず組み上げてしまう人はかなり多い。これが、ダメなPVPフィットの船を良く見かける理由だ。ここまで読み進めてきた人は、交戦距離、役割、防御を踏まえてフィットすることで容易に正しいフィッティングが行えるはずである。
まず、あらかじめ定めた交戦距離に応じて武装を決めていく。狙撃戦距離ならビームやアーティラリー、レールガンにクルーズミサイルを装備する。襲撃戦距離なら、ヘビーミサイルや、中型アーティラリー、パルスレーザー、レールガン(この場合はトラッキング増幅モジュールも必要となるが)、他の距離でも同様だ。まずフィットの最初に交戦距離に応じて必要な種類の兵装を決める。このとき、まずは対象の兵装のなかで一番ダメージを与えられるモジュールを選択しよう。後で調整のためにダウングレードする可能性はあるがこの段階ではとりあえずこれでいい。もしブラスターを装備するのであれば、中性子ブラスターをまず装備するといった感じだ。
繰り返しになるが、基本的なレベルでは複数の武装を装備せず、単一の武器で統一するべきである。また、船のボーナスに沿った武器を選択するべきである。さらに、船のハードポイントの上限数まで装備をおこなうべきである。また、同一の種類の武装でことなるグレードの武器も混ぜるべきではない。たとえば、180mmと220mmのオートカノンを混ぜて装備すべきではない。異なるグレードの武器は最適距離も、トラッキングも異なるしリロードタイミングも変わってくるし、グループ化することもできない。時としては、船のボーナスに沿わない武装選択やグレードの混在が正しい場合もあるがそれは、上級者向けの話である。基本的には船が6つのタレットハードポイントを持っているのならば、完全に同一の武装を6つ装備するべきだし、あまったスロットにミサイルを装備するべきではない。
次は、船の役割からくるフィッティングを行う。もし火力担当なら、トラッキングが充分かを考慮すべきだ。もしシールド防御にするつもりなら武装に対応したダメージ強化モジュールを2つロースロットに積もう。最終的には1つか3つになるかもしれないがまずは2つから調整を行おう。もし、4つ以上ロースロットがある船でタレットを利用するなら、少なくも一つはトラッキングエンハンサーを装備するべきだ。もし、アーマータンクなら1つだけ武装に対応するダメージ強化モジュールを搭載しよう。
電子戦を役割とする船も同様だ。もし、シールド防御なら2つ電子戦強化モジュールを搭載すべきだし、アーマー防御なら1つは電子戦強化モジュールを積むべきだ。これは、基本的なルールと考えてもよい。
最後にアーマー防御のタレット武装の艦船は、ミディアムスロットにトラッキングコンピュータを1つもしくは2つ積むべきだ。"ダブルトラッキングコンピュータ"は、アマーの戦艦武装の主流なフィットとして昔から良く知られている。
ほとんど全てのPVP艦船は、速力確保のためにミディアムスロットに推進モジュールを装備する必要があり、ほぼMWDが採用される。ABを利用するほうが正しい場合もあるが、基本的なレベルではとりあえずMWDを装備するべきだ。副作用もあるがそれだけの価値はある。ABの使用については、上級者向けのガイドで説明する。
次は防御に関するフィッティングを行う。基本的なレベルでは、まず最初にダメージコントロールを装備するべきだ。より上級レベルになったときには、ダメージコントロールを利用しないフィットも視野に入ってくるが、入門レベルでは必須の装備だ。PVPを学んでいく課程でダメージコントロールを装備していないと、何がおこったか分からないうちに死んでしまい学習のチャンスも失われる。もしダメージコントロールを装備していなかったら、状況を把握する前にあなたは撃墜されてしまうことだろう。
前述したとおり、パッシブアーマータンクは3〜6スロットを防御に利用する。以下の順序でフィッティングを行う。
- まず、可能な限りサイズの大きいアーマープレートを装備する。
- 続いて、2つの電磁加工ナノ対応装甲を装備する。CPUが足りなければ2つめはナノ対応プレートとする。
- ここでレジストを確認し、極端に低いレジストがあれば対応するアクティブハードナーを装備する(たいていExp属性)
- まだスロットが残っているようであれば、2つ目のプレートを装備するか検討する。
もし戦艦であれば、7つのスロットあれば理想的だ(6つの防御モジュール+ダメージ増幅用モジュール)。アーマー防御の戦艦や、巡洋戦艦ならこれで充分な防御となる。6スロットなら、2つ目のプレートは見送って5つの防御モジュール+ダメージ増幅用装備とするのが一般的だ。
パッシブシールドタンクの場合も非常に似たような手順だが、通常はパッシブアーマーより1スロット少なく、2〜5スロットを利用する。
以下の順序でフィッティングを行う。
- 大型シールドエクステンダーまたは、(フリゲートかデストロイヤーなら)中型シールドエクステンダーを装備する。小型シールドエクステンダーはPVPではいかなる場合にも使用しない。
- 適応攻撃耐性フィールドを1つ装備する。
- 極端に低いレジストがあれば対応するアクティブハードナーを装備する
- 2つめの適応攻撃耐性フィールドを装備する
- もしパワーグリッドに余裕があれば二つ目の大型シールドエクステンダーを装備する。
一般的に理想のパッシブシールドタンクは5スロット+ダメージコントロールとなる。
アクティブアーマータンクもパッシブアーマータンクと基本は同様である。そこからアーマープレートをリペアモジュールや、補助リペアに置き換えたフィットとなる。アクティブシールドタンクもパッシブシールドタンクからシールドエクステンダーをシールドブースター、補助シールドブースターに置き換えた形となる。通常は、XLサイズの補助シールドブースターかMサイズの補助シールドブースターを用いる。Lサイズは、充分な回復量でないケースが多いのでフィットするときは注意が必要だ。また、Sサイズの補助リペアはいかなる場合にも利用しない。
この時点ではCPUもパワーグリッドも不足していると思う。ここでフィッティング支援用のモジュールの装備も検討するべきだ。しかしながらフィッティング支援用のモジュールはどうしても必要な場合以外は、なるべく使わないようにするべきである。
フィッティング支援用のモジュールトしては以下の6つが一般的だ。
- 補助カレントルータリグ、パワー計測システム
- コプロセッサー、プロセッサーオーバークロックユニット
- リアクター制御装置、超小型補助パワーコア
最初の2つおよび最後の2つは、パワーグリッドを増加させるモジュールだ。超小型補助パワーコア、通称"MAPC"はフリゲートクラスの艦船にたいしてきわめて有効だし、それ以外の艦船にはリアクター制御装置のパワーグリッドを大幅に増加させる。3番目と4番目はCPUを増加させるモジュールだ。一般的にロースロットを使わずにリグで対応できるならそうしたほうがよい。1つか2つのフィッティング支援モジュールを使うことは許容されるが、それ以上のフィッティング支援モジュールが必要だとすればどこかで何がが間違っている。その場合は、プレートのサイズを小さくするか、シールドエクステンダーを減らすか武装のグレードを落とすべきだ(たとえば、425mmオートカノンを220mmバルカンにするなど)
また、フィッティングを調整する際にはT2モジュールをメタモジュール(通常はメタ4)に変更することも考慮にいれよう。特に、シールドエクステンダー、ダメージコントロール、スクラム、MWDはメタモジュールを利用することが多い。
これらを利用することで、いくばくかのCPUとパワーグリッドを稼ぐことが可能だ。ただし、レジストモジュールについてはメタにダウングレードするのはレジスト低下が大きく良くない考えである。
スピードタンクも似たような手順でフィットする。しかし防御用モジュールは1つか2つに減り、主にシールドに特化した形となる。もっとも一般的なのが、中型シールドエクステンダー(しばしばメタ品)とダメージコントロールを装備するパターンだ。大型艦なら変わりに2つの大型シールドエクステンダーとダメージコントロールを装備する。
通常、防御モジュールを少ししか積まないのであればバッファ(HP)を増やすべきだがロジスティックと一緒に行動するのであればレジストモジュールを装備したほうがいいだろう。たとえば、タロスは4つのミディアムスロットを持っているが、もっとも一般的なシールド防御のタロスの装備は、10MN MWDと、ワープ妨害器、そしてメタ4の大型シールドエクステンダーだ。だが、もしロジスティックと行動するのであれば、大型シールドエクステンダーのうち1つを適応攻撃耐性フィールドに変更し、レジストを上げてリペアの効率を良くするといった形となる。
この時点で、ロースロットが1つか2つあいており、ミディアムスロットも1つか2つあいているだろう。また、ハイスロットもあいているかもしれない。ハイスロットを埋めるのは簡単だ。
Zen and the art of utility highsを参照し、気に入ったものを装備すればいい。だが、タックル担当ならばNOSがおそらくベストな選択だ。他の役割を担うならニュートが一般的には最良の選択となるだろう。あいたロースロットは追加のダメージ増幅モジュールか、追加のトラッキングエンハンサー、または(CPUがもうないならば)ナノファイバー内部構造を装備するとよい。ミディアムスロットは、タックル用の装備(通常は追加のWeb)や、キャパシターブースター、電子兵装(センサーダンパー等)を装備するとよい。
慣性制御装置はどのような状況であってもPVP艦船には装備するべきではない。センサーブースターは装備するに見合うだけのメリットを得られるか慎重に考慮するべきだ。艦隊戦では狙撃などの特殊な状況以外では利用するシーンはないはずだ。
最後に、パッシブ回復モジュールに相当するモジュールは、PVPでは基本的には不要だ。具体的には、キャパシタリチャージャー、キャパシターパワーリレー、シールドリチャジャー、シールドパワーリレーが該当する。これらのモジュールはPVEでは非常に役に立つが、PVPにおける膨大なダメージ量やキャパシター消費量の前にはこれらのモジュールは役に立たないからだ。
最後の最後に、リグスロットの話となる。基本的なレベルではパッシブシールドタンクならコア防衛フィールドエクステンダーを、パッシブアーマータンクならトライマークアーマーポンプを装備するべきだ。これらのリグは船のバッファ(HP)を増加させ戦場で生き残れる時間を延ばしてくれる。アクティブタンクはより特化したリグを使用する。アクティブアーマータンクなら補助ナノポンプ2つにナノボットアクセラレーターを使用する。アクティブシールドタンクなら、1〜2スロットをレジスト増加リグに使用するがコア防衛オペレーショナルソリディファイアーや(稀にだが)コア防衛キャパシタセーフガードを利用することもある。もちろん、防御力と引き換えにフィッティング補助用のリグを装備してもいい。
ここでも、パッシブ回復リグ、コア防衛フィールドパージャーは基礎レベルのPVPでは利用すべきではない。これは上級者が特定の船でやる場合はうまく行くこともある。しかし、基礎レベルにおいてはバッファを増やすべきだ。