B-OSP EVEONLINE WIKI - PVP201:艦船フィッティング基礎理論(翻訳記事)
元記事:
Jester's Trek
PvP 201: Basic Ship Fitting Theory





はじめに


このEVEの艦船Fitに関するガイドは、これまでにこのブログで書いた各種ガイド記事の中でもっとも複雑なものとなり、およそ5000語を費やした長いガイドとなっている。
そのため、いくつかの部分ではかならずしも充分な記述になっていない箇所もあるかもしれない。
これを読んだあなたの意見を共有してもらえれば幸いだ。

EVE OnlineでPVPのために艦船をフィッティングするのは大変難しい。
本物の航空機のパイロットの間ではこういう言葉がよく使われる「よい着陸の90%は事前の準備にかかっている」
これと同様にPVPで成功するか失敗するかは、戦闘が始まるずっと前、艦船をフィッティングする段階でほぼ決定される。
このガイドではPVPにおけるフィッティングの基礎理論について述べたいと思う。


このガイドでは、PVP向けフィッティングに関する次の4つの基礎要素を中心に説明する。
  1. 交戦距離
  2. 艦船の役割
  3. 防御方法
  4. 上記を受けたフィッティング
上記のお互いに関連する要素について順番に検討するプロセスを踏むことで、論理的にフィッティングができるようになるはずだ。

このガイドはこれまでに筆者が記載してきた各種PVPガイドと同様に、EVE Online のプレイ経験が比較的浅い人向けに記載している。
そのため、かならずしも全ての状況に対応できているわけではないが、プレイヤーが自力でPVP向けのフィッティングを行うための基礎概念を提供できると思う。PVP経験を深めるにつれて独自のスタイルを確立できればこのガイドは無用になっていくかもしれない。しかしながら、そこにたどり着くまではこのガイドは手堅く無難なフィッティングを提供できるだろう。



交戦距離(Engagement Range)

どの艦船を選んで、どのようにフィットするかを検討するときにもっとも重要な要素は交戦距離だ。
多くの戦闘艦船は(特にT2艦船は)特に力を発揮できる交戦距離がそのボーナスや搭載可能なモジュールによって定められている。
交戦距離は以下の4種類に分類される。

白兵戦距離(Brawling range)

オーバーロードしたWebの射程距離内、およそ12km未満の距離を白兵戦距離と定義する。
白兵戦距離用に向けた艦船は、非常に高い防御力とレジストを備え、攻撃力も高いものとなる。しばしばMWDとABの両方を装備することもあるし、低いシグネチャ半径でダメージを低減することもある。
この距離の戦闘は主に、プラスター装備のガレンテ艦やロケットを用いる艦船がよく使われる。
この交戦距離の代表的な艦船としてはソラックスが挙げられる。安価でシールド/アーマー防御のどちらでも採用でき高い近距離DPSを発揮できるためだ。

機動戦距離(Kiting range)

この交戦距離は、白兵戦距離の終わりの12kmからオーバーロードしたワープ妨害器の射程限界範囲である約27kmまでと定義する。
機動戦用の艦船は、攻撃力と機動力と防御力のほどよい組み合わせを実現することになる。他の交戦距離に特化しない場合は、基本的にこの距離がデフォルトの交戦距離となる。
機動戦距離での戦いは主にミンマター艦により行われ、オートキャノン、ヘビーアサルトミサイルが主兵装とされる。
また、代表的な艦船としてはバガボンドが挙げられる。バガボンドはその機動力で交戦距離を調整し、ワープスクランブラーの射程外ギリギリから攻撃を行うことが可能なためだ。

襲撃戦距離(Skirmishing rang)

襲撃戦距離は、機動戦距離の終わりの27kmからおよそ70kmまでと定義する。
襲撃戦闘用の艦船は以下の2パターンに分類される。
  • DPSや防御力を犠牲にしてスピード、機動力をもって交戦距離をキープすることに主眼を置くパターン
  • 上記とは逆に、固定点から攻撃する前提でDPS・防御力を重視し、スピード/機動力を犠牲にするパターン

襲撃戦距離での戦闘は最も難しい。多くのプレイヤーは、フィットの問題 - 万能にしようとしてなにも達成できない - か、戦術の問題 - 射程外となったり、果敢に近づきすぎたり - で失敗してしまう。
この交戦距離での戦いはカルダリ艦、ヘビーミサイル、クルーズミサイル、あるいはレールガンによってよく行われる。パルスレーザーもこの距離向けには最適だ。
代表的な艦船としては、ドレイクが挙げられる。機動力に難があるが、簡単にそれなりの性能をだすことが可能だ。

狙撃戦距離(Sniper range)

狙撃戦距離は、70kmより遠くと定義する。
襲撃戦距離の艦船同様に、この距離の戦闘艦は防御力重視か機動力重視のどちらかのパターンとなる。
よい指揮と充分に検討されたフィットと戦術によっては、戦闘相手の射程外から一方的に攻撃を行うことが可能となる。
狙撃戦闘の技術は日々改良されており、現時点ではスキャンから射撃位置へ移動するなどの対抗戦術が採られている。
また、MJDを利用した戦術が今後流行していくと思われる。
狙撃戦闘はビーム装備、あるいはこの距離であってもパルス装備のアマー艦船によって行われることが多い。
代表的な艦船としてはオラクルが挙げられる。オラクルは相手の射程外から強力な攻撃を叩き込むことが可能だ。

交戦距離に関する留意事項

  • 種族による得意交戦距離に固執するのはよくない考えだ。どの種族でも、全ての距離で戦闘が可能だからだ。しかしながら種族によって自ずと交戦距離の傾向が定まるのも事実だ。
  • 一般的に、タレット装備の艦船は設定した交戦距離と、それから一段近距離の交戦距離で戦闘が可能となる。しかし、設定距離から遠距離の交戦距離では戦闘不可能だ。たとえばブラスター装備のタロス(襲撃戦距離)は、機動戦距離の標的を捉えることは可能だが、狙撃戦距離には射程が足りないし、白兵戦距離ではトラッキング不足で役に立たないだろう。
  • ミサイル装備の艦船は設定した交戦距離と、それ以下の交戦距離全てで戦闘が可能だ。たとえばクルーズミサイル装備のレイブン(狙撃戦距離)は、4つ全ての交戦距離で戦闘が可能となる。
  • 白兵戦距離向けの艦船(これは白兵戦距離のみで戦闘可能)は、その戦闘距離の制限と引き換えに極めて高い攻撃能力を保有する。ミサイル装備の艦船は(通常、3つあるいは4つのレンジで交戦可能)は、その距離の優位性と引き換えに、ダメージを与えるまでの時間が長い。(長距離ほどミサイル飛翔速度により遅延してダメージを与えることになる)



役割(Role)

交戦距離を選択した後(または、艦隊なら定められた交戦距離により)は、艦船の役割を選択する必要がある。
役割はフィッティングを左右する二番目に重要な要素だ。交戦距離や後述する防御とは異なり、役割は複数を兼ねることができる(し、おそらくソロや小規模の艦隊ならおそらくそうする必要がある)。
役割はハイスロットに何を装備するかで決まることが多く、うにゃうにゃ。
PVPには以下の6つの基本的な役割が存在する。


火力担当(Primary damage)

敵にダメージを与える役割で、PVPでもっとも基本的な役割であり必ず必要な役割だ。当然、ソロの場合はこの役割を行う必要がある。通常の艦隊戦では2/3以上の艦船がこの役割に特化することが多い。


タックラー(Tackler)

火力担当と並んでPVPでは重要な役割。この役割に利用される船はおおむね決まっており、以下の4つの典型的なパターンに分類できる。
  1. フリゲートタックラー。小型高速艦で自分より大型艦に対してタックルを行う。
  2. 軍事偵察艦(recon)または、T3タックラー。艦船固有のボーナスを用いて襲撃戦距離からタックルを行う。
  3. インターディクターまたはヘビーインターディクター。バブルを用いて敵の逃亡を阻止する。
  4. ヘビータックラー。これはフリゲートより大型で、防御を重視した艦船、ヘビーインターディクター、防御重視装備の巡洋艦、巡洋戦艦によって行われる

タックラーは100%必要とは限らない。名誉を掛けた決闘やトーナメント試合などでは不要だし、PVPでもタックルされてないことに気づかないケースもあるからだ。しかし、タックラーはほぼ確実に必要となると考えてよい。艦隊全体の交戦距離を考慮して機動戦距離または襲撃戦距離をカバーするかどうか(T2/T3タックラーとするか)を決める必要がある。


スカウト(Scout)

スカウトは読んで字のごとく、偵察を主任務とする。敵を発見し艦隊を導くのが仕事だ。スカウトは他の役割と兼務でき(そしてよくそうされる)、主にタックラーと兼務することが多いが、完全に専業として行動することもよくある。スクリーン(後述)との兼務もよい組み合わせとしてしばしば見られる。


ロジスティック(Logistics)

味方の艦船を修理する役割で、必須な役割というわけでもないが、非常によく利用される役割だ。
EVE全体のプレイヤーのスキルポイントが増加し、経験を積んできていることからますます一般的な役割となりつつある。
通常、ロジスティックは主力艦隊の後方の襲撃戦距離に位置取りする。


電子戦担当(Electronic warfare)

この役割もEVE全体のプレイヤースキルポイント/経験の増加にともない増加している。また、ソロでもしばしばいくつかの電子戦モジュールを搭載することもある。これまでは電子戦担当といえばECM艦を指していたが、昨年のアップデートの結果強化されたトラッキング妨害やセンサーダンパーを利用するケースも増えてきている。しかしながら、やはりECM艦がもっとも利用されている。
通常は襲撃戦距離での運用となる。


スクリーン(Screen)

この役割は、味方艦隊へのタックルを阻止することや、敵の火力担当から味方を守ることである。防御的な役割だが、結果としてしばしば重火力を持つことがある。強襲型巡洋艦は、火力担当として有効な艦船だがタックル艦への有効なスクリーンとしても機能する。レイピアとフギンは最高のスクリーンとなるし、ドレイクもスクリーン艦として一般的だ。


役割に関する留意事項

  • 前述したとおり複数の役割を兼務することは容易に行える。たとえばジーロットは火力担当と重タックラー、スクリーンを兼ねることができる。これがジーロットが普及している理由だ。これにロジスティックが少数混じればそれだけで良いフリートを編成できる。
  • ここで紹介した以外にも多数の役割がPVP艦隊には存在するが、このガイドでは基本的な役割のみ述べている。
  • フィッティングを始める前に船のボーナスを上手に利用することを考えるべきだ。かならずしも、船のボーナスに沿ったフィットとする必要はないが、基本的にはボーナスを使いこなしたほうがよいフィッティングとなる。



防御

三番目に重要な要素が、防御だ。ソロで行動するときはもちろん自分の好きなように防御すればよい。しかし艦隊で行動するときは、艦隊で定められた防御方法に合わせることが非常に重要となる。ロジスティック付きの艦隊で全員シールド防御にもかかわらず、一人だけアーマー防御が混じっているときのことを考えてみるといい。
PVPでの基本的な防御方法は以下の6種類となる。


パッシブアーマータンク(Passive armor tank) ※アーマーバッファの方が一般的な呼称かも

このタイプの防御は通常ロースロット3〜6つとリグスロットを2〜3を使ってアーマーレジストと装甲を増加させる。
この防御の利点は、実効HP(EHP)が非常に多くなることだ。パッシブアーマータンクを採用した船は他のどのタイプの防御よりもEHPが大きくなる。しかし、その代償として速度、機動性が落ち、敵に容易に捕捉されやすくなる。
パッシブアーマータンクは、ロジスティックとも相性がよく、長い時間生き残れることから火力を持続的に発揮することが可能だ


パッシブシールドタンク(Passive shield tank) ※シールドバッファの方が一般的な呼称かも

このタイプの防御は、ミディアムスロット2〜5つリグスロット2〜3を利用して、シールド量とレジストを高くする。シールドは時間経過とともに自然回復することもあり、通常はアーマータンクよりも必要スロットが少なくなる。シールドタンクは、修理しなくともよく、自己回復モジュールも不要というのが利点の一つである。パッシブシールドにした艦は通常、高速で機動力が高めとなる。しかしながらシグネチャ半径は大きくなりがちである。これは、1サイズ大型の武器からの攻撃を受けた際にもサイズによるダメージ減衰がほぼ起きないことを意味している。


アクティブシールドタンク(Active shield tank)

このタイプの防御はミディアムスロットにいくつかのシールドレジスト向上モジュールと、1つか2つのシールドブースターを装備し、2〜3つのレジストアップ/シールド回復関連のリグを使用する。アクティブタンクはバッファ(パッシブ)と比べるとめずらしく、またEFTのようなツールでみてもEHPは低いものになりがちである。しかしながら、シールド回復力は非常に高いものになり相手にとってはストレスのたまる状態となることだろう。アクティブタンクでは、2種類の回復モジュールを使い分ける形となる。一つは通常のシールドブースター、もう一つはキャパシターブースターを使った"バーストタンク"モジュールである(補助シールドブースター)。しばしば両方を1つづつ装備することもある。だが、この防御方法はキャパシターや、キャパシターブースターが切れたときが船が沈むときとなる。


アクティブアーマータンク(Active armor tank)

このタイプの防御はロースロットにアーマーレジスト向上モジュールと、1〜3つのアーマーリペアを装備し、通常は3つ全てのリグスロットにアーマーレジストアップや回復関連のリグを使用する。アクティブシールド同様に、EHPは低いものになりがちである。さらに、回復力もシールドに比べると低めである。このタンクはごく少数の艦船にのみ向いており(ミュルミドンやハイペリオン)、プレイヤーのテクニック/キャラクターのスキルが充分でない限り初心者レベルではあまり使用しない。アクティブシールドタンク同様に通常のアーマーリペアと"バーストタンク"モジュールを併用することもある。


スピードタンク(Speed tank)

このタイプの防御は、しばしば高速な小型艦が白兵戦距離から機動戦距離で利用する。高速に移動することで大型艦からの攻撃を回避する防御である。多くのフリゲートにとって、巡洋艦以上の敵艦船を相手にする場合に非常に有効な防御方法である。タックルを担当する要撃機はダメージコントロールとMSE(中型シールドエクステンダー)のみを装備しこの防御を実施するのが典型なパターンだ。また電子戦担当は、高速移動で相手の射程外で戦うためにスピードタンクを採用する場合もある。このケースでは真に脅威が迫ったときは単にワープアウトすることで対応することとなる。


ノータンク(No/minimal tank)

防御を行わないことが妥当であるケースもいくつか存在している。特に狙撃戦距離で戦うオラクルやトーネードの場合は防御にスロットを使わず、位置取りのための推進モジュールと、射程確保のためのロースロットモジュールの方を優先したいため、あえて防御は行わないほうがよい場合が多い。脅威が迫った場合は単にワープアウトすればよいのだから。また、電子戦艦船やステルスボンバーも通常は防御を行わない。


防御に関する注意

  • 7番目の防御方法としてデュアルタンクが存在する。これはアクティブシールドとアクティブアーマーの両方を単一の艦で実施する方法だ。これは、基本的な防御タイプではない。非常に経験の積んだプレイヤーが、特殊な状況下でのみ利用する防御だ。このガイドの読者はこの防御は行ってはならない。
  • これは本気で言っているのだが、デュアルタンクは自分が何をしているかはっきり認識するまでは使用してはならない。
  • 次のセクションでは、ノータンクの場合に利用するモジュールについても説明を行う。


フィッティング

新しいPVP艦をフィッティングするときに、その船で何をしたいのかを考えずに、とりあえず組み上げてしまう人はかなり多い。これが、ダメなPVPフィットの船を良く見かける理由だ。ここまで読み進めてきた人は、交戦距離、役割、防御を踏まえてフィットすることで容易に正しいフィッティングが行えるはずである。

まず、あらかじめ定めた交戦距離に応じて武装を決めていく。狙撃戦距離ならビームやアーティラリー、レールガンにクルーズミサイルを装備する。襲撃戦距離なら、ヘビーミサイルや、中型アーティラリー、パルスレーザー、レールガン(この場合はトラッキング増幅モジュールも必要となるが)、他の距離でも同様だ。まずフィットの最初に交戦距離に応じて必要な種類の兵装を決める。このとき、まずは対象の兵装のなかで一番ダメージを与えられるモジュールを選択しよう。後で調整のためにダウングレードする可能性はあるがこの段階ではとりあえずこれでいい。もしブラスターを装備するのであれば、中性子ブラスターをまず装備するといった感じだ。

繰り返しになるが、基本的なレベルでは複数の武装を装備せず、単一の武器で統一するべきである。また、船のボーナスに沿った武器を選択するべきである。さらに、船のハードポイントの上限数まで装備をおこなうべきである。また、同一の種類の武装でことなるグレードの武器も混ぜるべきではない。たとえば、180mmと220mmのオートカノンを混ぜて装備すべきではない。異なるグレードの武器は最適距離も、トラッキングも異なるしリロードタイミングも変わってくるし、グループ化することもできない。時としては、船のボーナスに沿わない武装選択やグレードの混在が正しい場合もあるがそれは、上級者向けの話である。基本的には船が6つのタレットハードポイントを持っているのならば、完全に同一の武装を6つ装備するべきだし、あまったスロットにミサイルを装備するべきではない。


次は、船の役割からくるフィッティングを行う。もし火力担当なら、トラッキングが充分かを考慮すべきだ。もしシールド防御にするつもりなら武装に対応したダメージ強化モジュールを2つロースロットに積もう。最終的には1つか3つになるかもしれないがまずは2つから調整を行おう。もし、4つ以上ロースロットがある船でタレットを利用するなら、少なくも一つはトラッキングエンハンサーを装備するべきだ。もし、アーマータンクなら1つだけ武装に対応するダメージ強化モジュールを搭載しよう。

電子戦を役割とする船も同様だ。もし、シールド防御なら2つ電子戦強化モジュールを搭載すべきだし、アーマー防御なら1つは電子戦強化モジュールを積むべきだ。これは、基本的なルールと考えてもよい。

最後にアーマー防御のタレット武装の艦船は、ミディアムスロットにトラッキングコンピュータを1つもしくは2つ積むべきだ。"ダブルトラッキングコンピュータ"は、アマーの戦艦武装の主流なフィットとして昔から良く知られている。

ほとんど全てのPVP艦船は、速力確保のためにミディアムスロットに推進モジュールを装備する必要があり、ほぼMWDが採用される。ABを利用するほうが正しい場合もあるが、基本的なレベルではとりあえずMWDを装備するべきだ。副作用もあるがそれだけの価値はある。ABの使用については、上級者向けのガイドで説明する。


次は防御に関するフィッティングを行う。基本的なレベルでは、まず最初にダメージコントロールを装備するべきだ。より上級レベルになったときには、ダメージコントロールを利用しないフィットも視野に入ってくるが、入門レベルでは必須の装備だ。PVPを学んでいく課程でダメージコントロールを装備していないと、何がおこったか分からないうちに死んでしまい学習のチャンスも失われる。もしダメージコントロールを装備していなかったら、状況を把握する前にあなたは撃墜されてしまうことだろう。


前述したとおり、パッシブアーマータンクは3〜6スロットを防御に利用する。以下の順序でフィッティングを行う。
  1. まず、可能な限りサイズの大きいアーマープレートを装備する。
  2. 続いて、2つの電磁加工ナノ対応装甲を装備する。CPUが足りなければ2つめはナノ対応プレートとする。
  3. ここでレジストを確認し、極端に低いレジストがあれば対応するアクティブハードナーを装備する(たいていExp属性)
  4. まだスロットが残っているようであれば、2つ目のプレートを装備するか検討する。

もし戦艦であれば、7つのスロットあれば理想的だ(6つの防御モジュール+ダメージ増幅用モジュール)。アーマー防御の戦艦や、巡洋戦艦ならこれで充分な防御となる。6スロットなら、2つ目のプレートは見送って5つの防御モジュール+ダメージ増幅用装備とするのが一般的だ。



パッシブシールドタンクの場合も非常に似たような手順だが、通常はパッシブアーマーより1スロット少なく、2〜5スロットを利用する。
以下の順序でフィッティングを行う。
  1. 大型シールドエクステンダーまたは、(フリゲートかデストロイヤーなら)中型シールドエクステンダーを装備する。小型シールドエクステンダーはPVPではいかなる場合にも使用しない。
  2. 適応攻撃耐性フィールドを1つ装備する。
  3. 極端に低いレジストがあれば対応するアクティブハードナーを装備する
  4. 2つめの適応攻撃耐性フィールドを装備する
  5. もしパワーグリッドに余裕があれば二つ目の大型シールドエクステンダーを装備する。

一般的に理想のパッシブシールドタンクは5スロット+ダメージコントロールとなる。


アクティブアーマータンクもパッシブアーマータンクと基本は同様である。そこからアーマープレートをリペアモジュールや、補助リペアに置き換えたフィットとなる。アクティブシールドタンクもパッシブシールドタンクからシールドエクステンダーをシールドブースター、補助シールドブースターに置き換えた形となる。通常は、XLサイズの補助シールドブースターかMサイズの補助シールドブースターを用いる。Lサイズは、充分な回復量でないケースが多いのでフィットするときは注意が必要だ。また、Sサイズの補助リペアはいかなる場合にも利用しない。


この時点ではCPUもパワーグリッドも不足していると思う。ここでフィッティング支援用のモジュールの装備も検討するべきだ。しかしながらフィッティング支援用のモジュールはどうしても必要な場合以外は、なるべく使わないようにするべきである。
フィッティング支援用のモジュールトしては以下の6つが一般的だ。
  • 補助カレントルータリグ、パワー計測システム
  • コプロセッサー、プロセッサーオーバークロックユニット
  • リアクター制御装置、超小型補助パワーコア

最初の2つおよび最後の2つは、パワーグリッドを増加させるモジュールだ。超小型補助パワーコア、通称"MAPC"はフリゲートクラスの艦船にたいしてきわめて有効だし、それ以外の艦船にはリアクター制御装置のパワーグリッドを大幅に増加させる。3番目と4番目はCPUを増加させるモジュールだ。一般的にロースロットを使わずにリグで対応できるならそうしたほうがよい。1つか2つのフィッティング支援モジュールを使うことは許容されるが、それ以上のフィッティング支援モジュールが必要だとすればどこかで何がが間違っている。その場合は、プレートのサイズを小さくするか、シールドエクステンダーを減らすか武装のグレードを落とすべきだ(たとえば、425mmオートカノンを220mmバルカンにするなど)

また、フィッティングを調整する際にはT2モジュールをメタモジュール(通常はメタ4)に変更することも考慮にいれよう。特に、シールドエクステンダー、ダメージコントロール、スクラム、MWDはメタモジュールを利用することが多い。
これらを利用することで、いくばくかのCPUとパワーグリッドを稼ぐことが可能だ。ただし、レジストモジュールについてはメタにダウングレードするのはレジスト低下が大きく良くない考えである。


スピードタンクも似たような手順でフィットする。しかし防御用モジュールは1つか2つに減り、主にシールドに特化した形となる。もっとも一般的なのが、中型シールドエクステンダー(しばしばメタ品)とダメージコントロールを装備するパターンだ。大型艦なら変わりに2つの大型シールドエクステンダーとダメージコントロールを装備する。
通常、防御モジュールを少ししか積まないのであればバッファ(HP)を増やすべきだがロジスティックと一緒に行動するのであればレジストモジュールを装備したほうがいいだろう。たとえば、タロスは4つのミディアムスロットを持っているが、もっとも一般的なシールド防御のタロスの装備は、10MN MWDと、ワープ妨害器、そしてメタ4の大型シールドエクステンダーだ。だが、もしロジスティックと行動するのであれば、大型シールドエクステンダーのうち1つを適応攻撃耐性フィールドに変更し、レジストを上げてリペアの効率を良くするといった形となる。

この時点で、ロースロットが1つか2つあいており、ミディアムスロットも1つか2つあいているだろう。また、ハイスロットもあいているかもしれない。ハイスロットを埋めるのは簡単だ。Zen and the art of utility highsを参照し、気に入ったものを装備すればいい。だが、タックル担当ならばNOSがおそらくベストな選択だ。他の役割を担うならニュートが一般的には最良の選択となるだろう。あいたロースロットは追加のダメージ増幅モジュールか、追加のトラッキングエンハンサー、または(CPUがもうないならば)ナノファイバー内部構造を装備するとよい。ミディアムスロットは、タックル用の装備(通常は追加のWeb)や、キャパシターブースター、電子兵装(センサーダンパー等)を装備するとよい。

慣性制御装置はどのような状況であってもPVP艦船には装備するべきではない。センサーブースターは装備するに見合うだけのメリットを得られるか慎重に考慮するべきだ。艦隊戦では狙撃などの特殊な状況以外では利用するシーンはないはずだ。

最後に、パッシブ回復モジュールに相当するモジュールは、PVPでは基本的には不要だ。具体的には、キャパシタリチャージャー、キャパシターパワーリレー、シールドリチャジャー、シールドパワーリレーが該当する。これらのモジュールはPVEでは非常に役に立つが、PVPにおける膨大なダメージ量やキャパシター消費量の前にはこれらのモジュールは役に立たないからだ。

最後の最後に、リグスロットの話となる。基本的なレベルではパッシブシールドタンクならコア防衛フィールドエクステンダーを、パッシブアーマータンクならトライマークアーマーポンプを装備するべきだ。これらのリグは船のバッファ(HP)を増加させ戦場で生き残れる時間を延ばしてくれる。アクティブタンクはより特化したリグを使用する。アクティブアーマータンクなら補助ナノポンプ2つにナノボットアクセラレーターを使用する。アクティブシールドタンクなら、1〜2スロットをレジスト増加リグに使用するがコア防衛オペレーショナルソリディファイアーや(稀にだが)コア防衛キャパシタセーフガードを利用することもある。もちろん、防御力と引き換えにフィッティング補助用のリグを装備してもいい。

ここでも、パッシブ回復リグ、コア防衛フィールドパージャーは基礎レベルのPVPでは利用すべきではない。これは上級者が特定の船でやる場合はうまく行くこともある。しかし、基礎レベルにおいてはバッファを増やすべきだ。


まとめ

ここらで、PVP向けの艦船フィッティング基礎理論については終わりとしよう。好きな船のフィッティングについてここまでの理論にそってフィットしたらどうなるか試してみよう。理論立てて船のフィッティングができるようになると、より優れたEVEプレイヤーになれるはずだ。盲目的に他の人のアドバイスに従うのはやめよう。自分で考えて飛ぶことが生き残る可能性を増し、そして勝利する可能性を増やす方法だ。

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