過去の古い経緯から mapper #19 には Namco 106 が定義されていますが、近年様々な調査から "106" が現実には存在しない証拠が揃っています。N106 は古いエミュレータ向けの用語と位置づけが改められています。
163 は実在するカートリッジに記載された IC の名称です。よく n163 や N163 の様に n や N がつく記述をみますが、正式名称ではありません。単に 163 と書いた場合にはわかりづらいですし、プログラミングでは数字だけでは名称に設定できないのでつけてあることなどが伝搬しているようです。
筆者が確認した 106 の記述がある一番古い資料は iNES version 0.7 (1997年8月)に含まれるドキュメントでの"Namcot 106 chip"の記述です。長い間 N106 が定着した理由は複数の要因がありますが、一番の理由はカートリッジを分解しても bonded IC で名称が書いてないものばかりがでてきて、名前がよくわからないことだと思われます。
なお、関係者の証言では 160, 161 も存在すると記述がありますが、見つけた報告を聞かないので bonded IC の名前かもしれません。