フィギュアの作り方に関する情報をまとめるwikiです。原型制作からお披露目まで動画付きで初心者にも分かりやすく説明します。

何を、どんな形にするか決まったら、原型をどのように制作するかまとめていきましょう。
原型仕様では、完成品の形状はもちろんですが、スケールやパーツ、素材についても決めておくと良いでしょう。

形状

どのようなモデルをどのようなデザインで制作するかをまとめておきましょう。
3面図を書き起こしたり、ポイントを整理しておくと良いと思います。
モデルの選定デザインの選定はリンク先に考慮するべき点をまとめていますのでご参照ください。

スケール

フィギュアをどれくらいの大きさで作る決めましょう。大きさについては実物を何分の1にするか(スケールモデル)、自由に決めるか(ノンスケールモデル)に分けられます。

スケールモデル

スケールモデルのフィギュアは実物に対して何分の1のサイズにあたるかで決められたものです。
スケールモデルのフィギュアは同じスケールのフィギュアを並べたときに、各フィギュアの身長差が現れて、統一感を出すことができます。
とはいっても、商業原型ですらスケール感は若干の誤差がありますので、そんなに慎重にする必要はないです。自分で作るときは、フィギュアを購入してみて、それにあわせたりしてみると無難かと思います。
スケールモデルの種類は様々ですが、キャラクターフィギュアでは、1/6, 1/7, 1/8が多いです。
1/101/81/71/6
1/51/41/31/2

ノンスケールモデル

ノンスケールモデルは実物の大きさの何分の1か、特別決めることなく自由に作ったフィギュアのことです。
figmaやねんどろいどもノンスケールモデルにあたりますが、商業フィギュアのシリーズとしてはスケールが統一されているので、バラバラな感じはないですね。
ねんどろいどfigmaその他

パーツ

フィギュアは完成品=原型ではありません。プラモデルのようにいろいろなパーツに分割されており、塗装、組み立て作業を経て完成します。ですので、早い段階でどこを分割するのか、何パーツくらいになるのかあたりを付けておきましょう。
以下でパーツ分割の理由、メリット、デメリットについて説明します。参考にして分割位置を決めてみてください。

パーツ分割の理由

なぜ、原型を分割必要があるのか。これには、以下の理由があげられます。
複製しやすい形にするため
基本的には2面取りの複製型を使って複製するため、逆テーパーが多く存在するような構成は複製に向きません。ですので、逆テーパーをなくすようにパーツ分割を行います。
また、できるだけパーツを平たく並べられるようにした方が複製型に使用する素材を節約できます。ですので、出っ張ったパーツをパーツ分割することがあります。ただし、節約のためにパーツを分割してディティールを損なうといった本末転倒となることはできるだけ避けたいところです。
塗装しやすい形にするため
太ももの間や、服と胸の間などなど、しっかり塗装したいのにエアブラシが届きにくいところが出そうな場合はパーツを分割します。こちらもディティールを損なわないようよく考えて分割する必要があります。
制作しやすい形にするため
前髪のひたい側やスカートの中のパンツなど細かく造形したいのにナイフが届きにくいといった場合にもパーツを分割します。もちろんディティール損失に注意が必要です。

パーツ分割のメリット

上記の理由が全てです。
複雑な形状でも複製しやすくなり、
複雑な形状でも塗装しやすくなり、
複雑な形状でも制作しやすくなります。
分割せずに実現できるなら分割しません。

パーツ分割のデメリット

パーツ分割には様々なデメリットがあります。よく考えて分割しましょう。デメリットを以下にあげます。
分割作業分、工数増加
分割するという作業が発生しますので、その分作業時間が延びます。
分割が好き!得意!といった原型師はあまりいないと思いますが、がんばってやるしかないです。
ディティールを損なう可能性あり
分割部分は堀が深くなりやすく、想定していたディティールと異なるものになる可能性があります。
足の付け根や袖、前髪、後ろ髪など大体分割する位置は決まっているので、安いフィギュアを購入して分解してみると、参考になるかもしれません。
複製コスト増加
複製型の素材(シリコンゴムなど)使用量を減らしコスト削減できる可能性もありますが、パーツ数が増えると複製型の数が増えたり、ゲートが増えたりするので、複製コストが増える可能性もあります。
全体像把握の難易度増
パーツを分割していると各パーツの作りこみに注力しがちになり、組み合わせたときの全体像をなかなか把握しにくいです。

素材

どの部位に何の素材を使うか、あたりを付けておきましょう。
例えば、体はポリパテ、マントはエポパテ、剣はプラ板などです。
様々な素材を使う場合は、基本的にはひとまとまりごとに同じ素材を使うようにしたほうが良いです。
素材ごとに硬度や食いつきが異なるので、下手に混合すると制作しにくくなります。
原型制作に用いる素材については原型素材のページをご参照ください。

さて、ようやく原型の仕様が決まりました。
次は、仕様にあわせて原型を作っていきましょう。

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