『天空城と二つの塔』エピローグ 不思議の国のアリスの章

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 公式:『天空城と二つの塔』エピローグ 不思議の国のアリスの章。(物語)(2015/02/15)


アリスは地上へと落ちる天空の城を見ていた。



赤ずきんとアカヅキンの戦いは天空城の魔力は無尽蔵に消費し、アルハザードによって、浮遊の力が無力化されると、天空の城は重力に引かれ、地上へと落ちていった。その様子はこの地上に居る人々から見れば、まるで世界の終わりを思わせるようだった。



アリスはグリムの力に惹かれてこの世界に訪れた、異界からの来訪者である。しかし、アリスが辿り着いたときには、もう、グリムは力を失い。魔本へとその存在を封印されるところだった。アリスはグリムによって、その意志を託されると、それをルミアへと届け、それによって、ルミアは覚醒し、世界を再生させる力を得た。

アリスは「観測者」と呼ばれ異界の者であるが故に、この世界ではまだ十分に力を発揮できない。魔術の基本構造は共通の部分が多いが、その源となる魔石の使い方や性質は世界によって、違いがある。この世界で、アリスが発揮できる力は、本来の半分にも満たない。

アリスは地上へと落ちる天空の城を見ていた。



そのため、アリスはこの世界ではあくまで傍観者の役割に徹していた。グリムの助けとはなったが、物語の主要人物としては動いてはいない。しかし、この世界の行く末はアリスの命運も分ける重大な分岐点となっていた。アリス自身の世界を「奴」から「救う」には彼らの助けが必要になってくるのは間違いないからだ。



「始まるのね」



落ちる城を見て、アリスはそう、つぶやいた。終わりではなく、始まり。



ルミアはパンドラを救出し、さらに、絶望の塔で「支配者」の信奉者の末裔であるアルハザードもその創生の力によって打ち倒した。しかし、その代償として、ルミアもその力と心をアルハザードの「ネクロノミコン」によって封じられていた。



「私は帰れないかもしれない。だから、この最後の私達の希望をパンドラに託してある。だから、アリス、よろしくね!」



ルミアが残してくれた希望。それは、新しいパンドラの匣。これが、何をもたらすのか、今はアリスにも分からなかった。


そして、3日三晩続いた、赤ずきんとアカヅキンの戦いは赤ずきんが聖風石『フィースシング』に全ての力を込め最後の一撃を放ったことで、共に天空の城から地上へと落下していった。しかし、アルハザードが最後に解き放った魔封石の力と、アカヅキンの魔力が呼応すると、アカヅキンの落下したその場所に黒点のワームホール、「黒い月」が出現する。

その中から、生まれるのは千年の時を越えて復活した「支配者」だった。
「ここまでは、予定通りなのかしら、ねぇ、かぐや」



アリスは空を見上げると、いつの間にか、赤い月は蒼い月へと変わっていた。そして、遠くに見えるのは、古の世界に伝えられる物語の軍勢。



「さて、私もやれることをやらなくちゃ」

蒼き月の下、アリスは幻想の力を使い、何処かへと向かっていったのだった。





「月姫の帰還」へと続く。

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