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 セシル・ローズ(1853〜1902)はイギリスの植民地政治家。ケープ植民地首相。鉱物採掘で巨万の富を得て成り上がった人物で、ダイヤモンド最大手デ・ビアス社の創立者でもある。

 歴史の教科書などでよく引用される、この風刺画の人物がセシル・ローズである。
 イギリス本国および南アフリカなど各地に像が存在するが、本人の経歴から2020年以前から反植民地主義・反人種差別運動による【ヴァンダリズム】や撤去の対象となっている。
 以下はその被害のおそらくほんの一部であろう。

ジンバブエ共和国
 ジンバブエ独立直後の1980年7月に引き倒された。デモ参加者は歓声を上げ、倒れた像にハンマーを叩き付けた。

南アフリカ共和国
 首都ケープタウンの公園にあるセシル・ローズ像は2001年に赤ペンキを塗られ、2017年には鼻削ぎをされ、2020年ついに何者かによって斬首された。アングルグラインダーのような工具が使われたらしいという。
 ケープタウン大学のエントランスにもセシル・ローズ像があったが、2015年に撤去された。この撤去運動を【ローズ・マスト・フォール運動】といい、約1か月間連日のデモが行われた。像は撤去後、傷が付けられ、汚物を掛けられたが、その後は地元陸軍基地で保管されている。

イギリス本国
 セシル・ローズはオックスフォード大学に巨額の遺産を寄付しており、彼の名を冠した奨学金によって多くの学生が学ぶ機会を得たことは紛れもない事実である。同大学にあるセシル・ローズ像は、ケープタウン大の対応を受けて検討したが、2016年には保存の方針を出した。このときオリオル・カレッジ(オックスフォードの構成大学のひとつ)は「こうした歴史的遺物の存在は、歴史の複雑性と現残する植民地主義の遺産を我々に気付かせる重要な役割を担っている」と述べた。
 しかし2020年、BLM暴動の激化に伴い、ついに理事会が撤去の意向を決めた。
 撤去反対派のミシェル・ドネラン教育省大学担当大臣は「歴史の書き換え」という「近視眼的」行為を批判し、過去の「検閲や修正」をするべきではないと批判した。
 同じく大学のルイーズ・リチャードソン副総長は像を隠すことを問題視し、「自分達の歴史を隠してしまっては英知を得られない」「歴史を理解し、石像が作られた文脈を理解し、なぜ当時の人々がそう考えたかを理解する必要」を説いている。

(オックスフォード大オリオル・カレッジ正面の像。BBCNEWS JAPAN記事より)

参考リンク・資料:
セシル・ローズ像の首切断 南ア、ケープタウンの公園―米国の黒人暴行死に抗議か
植民地主義者の像の撤去、アフリカの長きにわたる戦い
「より多様化していて、ある意味、閉鎖的になっている」。いまを生きる若者が選択肢という「特権」を得たことによって失ったもの<トニー・グーム>|南アフリカ、ネットグローバル時代におけるアイデンティティの模索 #001
英オックスフォード大、差別主義象徴と抗議の実業家像は撤去せず
英オックスフォード大学のコレッジ、植民地政治家の石像を撤去する意向
英オックスフォード大、植民地政治家セシル・ローズ像撤去へ

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