当サイトは民主主義社会の根幹をなす最重要の「人権」であるところの表現の自由、およびその規制・弾圧・バッシングにまつわる用語集です。

 ディエゴ・ベラスケス(1599〜1660)作。『鏡のヴィーナス』とも呼ばれる。

 裸婦が寝そべって鏡を見ている後ろ姿を描いた油絵で、女性の美しい後ろ姿のラインと顔を同時に写実されている。なお現存する唯一のベラスケスの裸婦画でもある。当時の裸婦画の現存数が少ない理由は、17世紀当時のスペインでは異端審問によって裸婦画が弾圧の対象となっていたためである。

 この弾圧を生き延びた本作は、20世紀になって再び受難を迎える。
 ロンドンのナショナル・ギャラリーに展示されていた本作を、過激派フェミニストのメアリ・リチャードソンが刃物で切り付けるという【ヴァンダリズム】を行ったのである。
 動機は、フェミニズム指導者エメリン・パンクハースト逮捕の復讐だったとされるが、後に本人はインタビューで「男性の来訪者が日がな一日、あんぐり口を開けて見ているのが気に入らなかった」とも証言している。
『鏡の中のヴィーナス』そのものの修復は幸いにして無事完了したものの、この事件は模倣犯を産み、他の裸婦画や男性政治家の肖像画なども襲撃された。
 
 フェミニストによるヴァンダリズムには、他にもデンマーク首都コペンハーゲンの【人魚姫像】に対する汚損などが挙げられる。

参考リンク・資料:
美の巨人たち ベラスケス「鏡を見るヴィーナス」
「鏡のヴィーナス」損壊事件からは、初期のフェミニストが表象の差別性に関心を持っていたとは言えない

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