メタファーとは本来「隠喩」。“ような”“みたいな”“ごとき”など比喩であることを示す言葉を付けずに比喩表現を行う修辞技法のこと。例えば「時間は金のように貴重だ」は比喩で、「時は金なり」は“ように”を用いていないので隠喩である。拡張して、あるものを描く・映すかわりに別の画像でそれを表すなどの視覚的な方法も含む。
精神分析学の創始者ジグムント・フロイト(1856〜1939)とその後継者たちは、精神疾患の原因は性の抑圧にあると考え、患者や一般人の夢や言い間違いの中に出て来るあらゆる棒状のもの「男根を表している」のだと捉えるに至った。
現に東北学院大学准教授という地位を持つはずの社会学者・小宮友根氏は、論説のなかで「ペニスのメタファー」として、このようなイラストを提示してしまっている有様である。何十年も昔の話ではない。2019年のことなのだ。
棒状の物体をペニスのメタファーとして、それとともに女性が描かれることで、性的な行為を連想させるような表現もあります。
こうしたメタファーは、あからさまではない仕方で女性を性的な鑑賞のために用いているわけですが、あからさまではないがゆえに、性的ではない(あるいは性的である必要がない)状況においても「性的客体としての女性」という考えが前提とされているという理解を生むでしょう。特に女性当人は性的なメタファーに気づいていないかのように描かれるときには、女性の自律性、主観性を軽視して一方的に性的な鑑賞のために用いているという印象が強まります。(
小宮氏の論説より)