MMD紳士動画製作wiki - エンコード
2023/08/08 最近の動向やAV1の話を追記

「あれ、私の動画画質悪すぎ・・・?」
ロスレス高解像度で出力して、美しくエンコードしようとかそういう項目

あまり詳しくない人間が初稿を書いたので、間違った点がまだ含まれているかもしれません。
訂正加筆できる方、特により美しいエンコード設定をご存知の方はお願いします。

(追記するにあたり一部、個人の方が書かれた別サイトのページを参考にしています。
ここでお礼申し上げます。ありがとうございます。まずい部分があったら消してください)



高画質動画の作り方

せっかく作った紳士動画が
アスペクト比おかしかったり、線がギザギザだったり、ブロックノイズだらけだったり
…そんな事故を減らし隊

1.投稿サイトの規格を調べる

投稿サイト別の規格情報はこちら

動画ファイルの最大サイズ解像度ビットレートなどに制限があるか確認する。
ニコニコ動画とYouTubeはあんまり気にしなくてよくなってきた。

2.投稿フォーマットを決める

解像度とFPSに比例して出力・エンコード・再生が重くなるので、
制作環境のスペックや、視聴者のスペックと相談する必要がある。

また動画の長さとビットレート(bps)に比例してファイルサイズが肥大化する。
高解像度・高FPS・そして動きが激しいほどbpsが必要になるので、
容量制限のあるサイトでは適切なバランスを選択する必要がある。

1280*720 HD 720p
 新規投稿ではあまり見かけなくなってきた控えめな解像度。
 30fps→60fpsにするとヌルヌル動くが、この辺から容量との戦いが本格化する

1920*1080 Full-HD 1080p
 一般的な解像度。ニコニコ動画の一般会員が投稿できるのはここまで。
 4Kスマホや4Kディスプレイを使う人も増えてきたであろう昨今、高画質を求める紳士動画には物足りない?
 
2560*1440 1440p 2K
 Youtube投稿時この解像度以上は再圧縮が行われなくなるらしく、Full-HDより予想以上に画質が向上する。
 デコード(視聴側)に多少のスペックを要求されるが、2023年時点で一般的なPC・スマホ・タブレットなら大抵再生できる。

3840*2160 4K
 (2023年) YouTubeではよく見かけるようになった。おまけや支援サイトで4Kを提供する人も多い。
 エンコードにはそれなりのPCスペックを求められる。ファイルサイズがでかくなるので、ディスク容量にも注意。
 デコード(再生)にもスペックを要求される。2021年時点ではタブレット・スマホだと再生すらできない事が多い。
 参考動画 [[[MMD]シンデレラ✨Cinderella(Giga First Night Remix) Full Sour式初音ミク[PV] - YouTube>>https://www.youtube.com/watch?v=CkFVmGEpXl4]]

7680*4320 8K
 (2023年) 再生環境を持っている人があまりにも限られるが、Youtube等で稀に見かけるようになってきた。
 再生環境を作るだけでも大変だし、動画を作ろうと思ったらさらにスペックを要求されるし、容量的にもなかなか厳しい。
 AV1の登場で風向きが変わってきたが、一般的な普及にはまだ遠そうだ。
おすすめフォーマット
管理人の独断と偏見によるおすすめフォーマット 2023年版

2560*1440 1440p 2K


健全なYoutube動画や、おまけ用超高画質動画のフォーマット。エンコード・デコード環境を考えると現状この辺になるだろう。


3.可能な限り高い解像度を選ぶ

基本的にスペックと時間が許す限り高い解像度で出力し、
エンコード時に縮小・圧縮した方が美しい仕上がりになる。

ただし
  • 解像度(のピクセル数)に比例して出力・エンコード時間が増加する
  • 投稿解像度の縦横二倍を超えると効果が薄れてくる

よって現実的には以下の解像度で出力する人が多い。

1280*720 の場合 1280*720 〜 (1920*1080) 〜 2560*1440
1920*1080 の場合 1920*1080 〜 3840*2160
3840*2160 の場合 3840*2160 〜 7680*4320

繰り返すがアスペクト比=縦横の比率にはよくよく注意して欲しい

フレームレートを60fpsにするとヌルヌル動くが、視聴側のスペック要求も上がるので悩ましいところ。
(2023年) 2K以下なら60FPS再生できる環境が一般的になりつつある。動きのヌルヌルさを強調したい動画なら60FPSを選んで大丈夫だろう。

4.ロスレス(劣化無し)フォーマットでavi出力

例:Ut Video Codec
このコーデックはロスレス=劣化無しな上に、圧縮率と速度のバランスに優れている。
とある紳士MMDerさんのページも参考に

初めて使うとき、コーデックの欄に種類が大量に羅列されて面食らうかもしれない。
出力動画に透明情報が不要で、ファイルサイズが大きくなってもよければRGB、一番小さいのはYUV420。
T2が付いているほうが早いらしい。
BT.709は、縦解像度720px以上用。それ未満は、BT.601が一般的らしい。
proは遅いらしい。
 
ファイルサイズ:RGBA > RGB >>> YUV422 > YUV420
 
ファイルサイズが大きいほうが綺麗になると思われるが、YUV420でもあんまり変わらないとのこと
(どうエンコードするかにもよるので、自分で確かめて決めてくれ)

PCの環境によっては出力できるaviファイルのサイズが制限されることがある
大きめのaviを出そうとして、いつも決まったサイズでMMDが停止したら、この制限のせいだろう。
(筆者の環境では40GBくらいで止まった)
解決方法については、下の項目「MMDから大きいaviファイルを出力しようとして途中で止まる場合」を参照。

追記: 音声は別にして、5.のエンコード時に追加した方が 二重に圧縮されて劣化する事故を防げる。
またBGM等を流用する場合、可能な限り高音質のものを用意する事 詳しくはオーディオを参照。

5.(縮小と)エンコード

2021年現在、AviUtlのx264guiExプラグインを使用するのが一般的と思われる。
導入が少し大変かもしれないが、情報はネットにたくさんあるのでがんばろう。
AviUtlの導入
x264guiExの導入
x264guiExの導入と使い方
  • 使っているGPUによって、もっとエンコが早いプラグインがあるかも。rigayaの日記兼メモ帳でQSV、NVEnc、VCEEnc等の中から自分に適したものを探して。
  • つんでれんこも復活しているので好きなのを使って。
  • オープンソースのHandBrakeも強力。
    最新のAV1などのフォーマットや、ハードウェアエンコードを利用できる可能性が高い。
    ただしインターフェイスに癖がある。
2015年現在、安定のつんでれんこ
より高機能な改造版である夏蓮根がオススメ
両ソフトウェアの情報はつんでれんこ まとめ wikiに詳しい
つんでれんこのサイトがChromeで赤く警告されてビックリしたゾ・・・。


「x264guiEx」の解説
AviUtlにMMDから出力したaviを取り込んで[ファイル]→[プラグイン出力]→[拡張 x264 出力(GUI) Ex]から動画出力
画面左下の方のビデオ圧縮ボタンから詳細な設定ができる。
出てきた画面の上のプロファイルから選ぶのが簡単。画質にこだわりたい人は設定を突き詰めてどうぞ。

色設定のcolormatrixとcolorprimはautoを推奨。(縦解像度720p以上ならbt709になる)
指定していないと一部の環境で色合いがおかしくなる。(色が強調される、例えば赤みのある個所がより赤くなる)
筆者が確認した色合いがおかしくなる環境は、Chromeエンジンを搭載したブラウザで再生した4K画質設定Youtubeと、Xperia1IIIで動画を再生した場合。
Iwara用の高画質設定
Iwaraなどのビットレート制限があり再エンコードされるようなサイトは下のように設定を変えよう。
(下の数値は2021年7月時点Iwara用60fps/1080pの場合、変わることがあるかもしれないので都度確認してくれ)

シングルパスやマルチパスを選ぶところで「サイズ確認付 品質基準VBR(可変レート)」を選び、
・上限ファイルサイズのチェックボックスをオン、余裕をもって280MBに設定(アップロード制限サイズは300MB)
・上限ファイルビットレートのチェックボックスをオン、10000kbps〜10700kbpsに設定(10000なら間違いない。公称制限は10500)
・下限ファイルビットレートのチェックボックスをオン、5000kbpsに設定(ここが小さいとエンコード後の動画が潰れる)
・品質シークバーを12くらいにする

まとめ

「動画サイトの規格を調べる」
「なるべく高解像度で出力」
「エンコーダで綺麗に縮小して、規格に収める」
これで割と十分な画質になるはず。

これ以上の高画質を追い求めると結構な知識が必要になるため、
余程こだわりが無い限りはこれぐらいで十分じゃないかな どうかな

新世代コーデック AV1の話(2023年)

動画フォーマットとして大きく進化
普及はまだこれからだが
買い替えのとき、少し意識しておいていいかも

これまでの経緯

H.264(AVC)→H.265(HEVC)・VP9の後をAV1とVVCが争っていたが、どうやらAV1で決まりそう。
・Google、つまりYoutubeが本気でAV1普及に乗り出した
 設定でAV1での視聴が選べるようになり、4KVRや8K動画はAV1のみサポートが増えている。
特許やライセンス料的に一番クリア
 ちなみにH.265(HEVC)は特許やライセンス料が問題で本格的な普及に至らなかった。VVCも同様の問題を抱えている。
PCの再生環境が整ってきた
 Intel Core 11世代以降がハードウェアデコード(再生)に対応。
PCのエンコードが現実的になってきた
 NVidia Geforce RTX 3080以上、GeForce RTX 4060以上、Intel ArcなどがAV1ハードウェアエンコードに対応
 (ただしIntel ArcはDirectX9のネイティブ対応が無い。MMDに向いてない可能性がある)
 2024年以降、ハードウェアエンコーダ搭載のCPUが登場しそう。
スマホは2023年後半の上位機種から再生支援に対応。
 AndroidはSnapdragon 8 Gen 2、AppleはiPhone 15 Proから
・紳士界隈でも、支援サイトのおまけ動画でAV1実験する方が登場。今後増えていくと思われる。

性能面

H.264(AVC) < VP9 ≒ H.265(HEVC) << AV1

エンコードが凄く重い
4K@60fps 約3分の動画をエンコードすると、2023年のミドルCPUで約40分かかった。
GeForce RTX 4090のハードウェアエンコーダを利用すると高画質設定でも約3分、つまり実時間で終了する。
(-vcodec av1_nvenc -cq 39 -preset 18 -multipass 1 -map 0:v -map 0:a)

ちなみに8K@60fps約4分の動画だと、4090でも11分かかる。

デコード(再生)も軽くはない
PCでも4K解像度は再生できないユーザが多数派。スマホやタブレットは最新ハイエンド機種以外たぶん厳しい。

予想以上に綺麗&ファイルが小さい
技術的な話は省くが

MMDから大きいaviファイルを出力しようとして途中で止まる場合

高解像度や高FPSな大きめのaviファイル(40GB以上)を出力しようとした際、サイズ制限に引っかかる場合がある。
(いつも決まったサイズでMMDが停止する。筆者の場合は40GBくらい)

まずはWAVE出力を止めてみるテスト


↓WAVE出力を止めてもダメな場合↓
インストールされているコーデックに関係があり、解決方法は以下の通り。
(環境によっては当てはまらないかも)

「Ut Video Codec」を使って出力するパティーン

Ut Video Codecがインストールされていることが前提。
コーデックパックCCCP、またはK-Lite Codec Packをインストールした後、
(vsfilter.dllが入っていれば他のコーデックパックもしくはVSFilter単体でも良いと思う。すでにインストール済みなら不要)
(vsfilter.dllは字幕用のフィルタだから、LAVFiltersだけでもいいかもしれん、試してない。知っている人がいたら修正よろ)

LAVFiltersをインストールする。

必ずコーデックパックのインストール後に、LAVFiltersをインストール。
(LAVFiltersをインストールした後で、LAVSplitter.axが入っているコーデックパックをアップデートした場合は、再度LAVFiltersをインストール)

要はavi出力時に、サイズ制限が緩和されている?LAVFiltersが使われるようにする。

これで大きなファイルも出力できるはず。

無圧縮で出力するパティーン

LAVFiltersをインストールする。
ffdshowでもイケるとの情報アリ。
つまり、ファイルサイズ制限が緩和されている?コーデックをインストールすれば大きいaviファイルを出せるみたい。
ただ、デバッガーで見ると無圧縮のくせにコーデックのdllを使っているので、圧縮がかかっているのかも?
イイことはなさそうなので、おとなしく「Ut Video Codec」を使おう。

ニコニコ動画 一般会員向け情報

一般会員だと2021年時点で解像度が1920*1080まで。

可能な限り高画質にするため、試行錯誤してみた結果(2015年時点の情報)

目的別エンコード設定

自分用の保管目的なら、HDDとPCスペックが許せば画質劣化の無い可逆圧縮(UtVideoCodec)でも構わない。
でも、そのままじゃ配布できないよね

動画投稿・配布サイトに関しては公開・配布を参照
よく使われるサイトはそれぞれの個別ページに詳細が書いてあるので、ここよりそっちを見よう。
YouTube
ニコニコ動画
Iwara

アップローダやストレージ向け

ファイル容量をあまり気にせず、高画質なおまけを配布するのにオススメ
大体100〜500MBぐらい

よく見かける3-5分の動画なら 200MB程で割と不満ない画質を得られるはず

旧記事

その他の投稿サイト


夏蓮根の設定例