※Ver.1.2反映済み

学者のしおり

しおりに使われた乾燥花、書籍のにおいがする。
象牙の塔にいる本に溺れた学士は、花を見ることが滅多になかった。
書斎にいる孤独感を癒やすために、学士に憧れる少年は異国の花を持ってきた。
学士はこの気持ちを受け取って丁寧に扱った。花を乾燥させ、ドライフラワーにして本に挟んだ。
それ以来、山ほど積み重なった灰色の書籍の中に彩りができた。

学者の羽根ペン

ペンに作られたある鳥類の尾羽、根元は洗っても消えないほどの黒である。
学士の羽根ペン。異国の鳥の羽根を使用した。
長く使い続けた結果、荘厳な黒色に染まった。
ずっと使っていたこの黒い羽根ペンは
ベテランの戦士のように、彼女にとって一番使いやすい武器。

学者の時計

机に置くのに適した時計。研究に没頭する学者に時間を教える。
小さくて精巧な置き時計。落ちないように学士は置く場所を選んだ。
長年書籍に顔を埋めた学士にとって、時間盲人が物を見るようだ。
この小さな置き時計は学問の苦難に陥った学士を導き、前方を照らしてくれた。
知恵は最後、この書斎に降臨する。学士が費やした時間は無駄にならないだろう。

学者のコップ

水を飲むための容器だったが、筆を洗う容器に使われたため、真っ黒に染まった。
学士のテーブルに置いてあったコップ。金メッキ仕様の薄い陶磁器である。
乱雑な部屋にそぐわず、高い社会階層の出身者であることが窺える。
しかし孤高な学士はこの美しいコップの使い道を無視し、羽根ペンを入れていた。
彼女はそれを筆先を洗う硯としても使っていた。黒い墨に染まってもそのまま放置した。

学者のレンズ

大量の読書によってダメージを受けた視力はこれがあれば問題ない。
学問は賭け金の高い賭博。一生を賭けても報われないことがある。
学士は数え切れないほどの記述、検索、計算と解明の中で半分の人生を過ごした。
また失敗と行き詰まりで大量の時間を無駄にした。
良かった視力も大量の閲読で低下した。
だが最後の答えに辿り着く日は遥かに遠い。

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