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旧貴族の花

絹で作った琉璃色の花、様々な場面で付けられた。今でも捨てられた日と同じくらい鮮やかである。
緻密で滑らかな絹で作られた青い百合。
旧貴族の女性が使っていた冠り物。

かつてモンドを支配していた旧貴族が残した精巧な髪飾り。
あの伝説の時代、貴族の容姿と立ち居振る舞いは一般人の模範であった。
その行動や知恵によってモンドの民を導き、臣民を統べただけでなく、
容姿までもが整っており、彼らはモンド人を代表するものであった。
それは単に高貴な血を受け継いだからではない。
彼らが美徳を守り、周囲に原則と尊重を保って行動したためであった。

だが、彼らの限りない欲望によって、貴族の寿命は縮まった。
自慢だった華麗な美貌も衰えていった。

旧貴族の羽根

モンドの旧貴族が狩りの時に帽子につけた羽根、今でもまっすぐに立っていて、時間の影響を受けていない。
猟鷹の羽根、旧貴族の帽子のつばに誇り高く立っている。
領民と共に狩りに出て、獲物を分かち合うのは古い伝統である。

かつてモンドを支配していた旧貴族は、よく荒野に出入りしていた。
従者や領民と共に広い大地で狩りをした。
出猟は貴族にとって、力と寛大さを示すものであった。
民にとっても、楽しみのひと時であった。

やがて、狩りは貴族の私欲を満たす虚しいものとなった。
貴族は欲望のままに従い、獲物を分かち合わなくなった。
羽根はまだはためいていたが、色は変わったように見えた。

旧貴族の時計

モンドの旧貴族の懐中時計、長い族譜と共に今日に伝わった。
青い宝石で作られた懐中時計、見た目は極めて精巧で美しい。
時を経ても、カチカチと鳴っている。

かつてモンドを支配していた旧貴族の懐中時計、今でも精確に動いている。
時間を守ることは最も基本的な美徳の一つ。そのため、貴族はいつも手元にこれを置いていた。
臣民に用心させるためだけでなく、自分を律するためでもあった。
正しい貴族であれば、毎朝、民よりも鋭敏でなければならない。
また夜になれば、民よりも先々まで深く考え、より早く起きなければならなかった。

だが長年を経て、厳しかった貴族の日課は怠惰な子孫によって捨てられた。
貴族の懐中時計はより煌びやかとなり、その荘厳な意味は失われた。

旧貴族の銀瓶

モンドの旧貴族が使っていた瓶、中身は何もなく、悲しい風の音だけが響いている。
青い宝石で作られたアクセサリー瓶。白銀の徽章が飾られている。
見た目は精美で優雅である。モンドの旧貴族の高雅なセンスが窺える。

かつてモンドを支配していた旧貴族が残したアクセサリー瓶。
今はもう、その中に精美なアクセサリーはない。
贅沢なアクセサリーは貴族の地位と財産を象徴していただけでなく、
モンドの民の自信と尊厳、繁栄を表した。

やがて、貴族の欲望は徐々に止まらなくなり、
民から搾取し、自分の欲望を満たすこと以外、何もしなくなった。
アクセサリーも虚飾を担うものとなった。

旧貴族の仮面

モンドの旧貴族が舞踏会に使用していた仮面、空洞となった目の縁は今でも昔の光景を見つめている。
精巧な花柄の彫刻が施された白銀の仮面。黄金と宝石が散りばめられている。
作りは精良で繊細であり、旧貴族の優雅な礼儀が窺える。

モンドを支配していた旧貴族は、元々民衆の中から選ばれた英雄であった。
偉大な族長と優雅な子弟、美しい姫と貴婦人たちも
宴の中で同じ土地の人民と共に食糧や喜びを分かち合っていた。
あの遥か過去の時代に、自分の知恵と財を惜しむ貴族などいなかった。

あの黄金時代、貴族は知識と利益を人々へ公平に分配した。
だが、やがて貴族は堕落していき、宴はただの権力を誇示する私欲を満たすための虚しい場となった。

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