
coi mi'e .kocon. こんにちは、こしょんです! 今回は、引用についてやります。引用はどういったときに使うかというと、
- 誰かの発言を項にしたいとき
- ロジバンの単語や文法について話すとき
- ロジバンではない文字列を扱うとき

の3つがメインかな?

ほうほう。単に、英語とか日本語みたいに、" "とか「」を使うのじゃダメなの?

ロジバンは音ありきって覚えてる? 終止符(のようなもの)も{.i}ときちんと音声化されてたように、引用開始語(「)と引用終了語(」)も音声化されてるんだ。

なるほどね。

まずは、文法的に正しい文を引用する語と、文法的におかしい文を引用する語の2種類を紹介します。後者のほうを特にエラー引用と言ったりするよ。
lu | 引用開始 : 文法的なロジバン語の文字列を引用する。「〜という文字列」 |
li'u | 引用終了 : 境界詞; lu で開かれた引用の範囲を閉じる |
lo'u | エラー引用開始 : 非文法的/中途半端なロジバン語の文字列を引用する。「〜という文字列」 |
le'u | エラー引用終了 : 境界詞; lo'u で開かれたエラー引用の範囲を閉じる |

文法的に正しい文って、ちゃんとした命題とかってこと?

ううん、もっと広い意味で。これはエラー引用のほうを先に見たほうがわかりやすいかも。
- lo'u viska le le'u / 『viska le』
- lo'u mi klama be le'u / 『mi klama be』
- lo'u do'u lo xrula be lo le'u / 『do'u lo xrula be lo』
- lo'u ku ku kei mi ku be coi be'o do'u / 『ku ku kei mi ku be coi be'o do'u』

明らかにおかしい!

そういうこと。で、文法的に正しい引用は、エラー引用ではない引用なので…
普通の引用だね。
- lu coi li'u / 「coi」
- lu mi klama .ui lo gusta li'u / 「mi klama .ui lo gusta」

{lu}{li'u}で囲まれた心態詞は引用文の一部になってることに注意してね。心態詞はどこに置いてもいいけど、引用文の中だけは、ね?

ま、そりゃそうだ。

あと、引用で一番注意しないといけないのが「終止詞({li'u}{le'u})は絶対に省略できない」ってこと。理由はもちろん分かるよね?

gismuの意味を尋ねたり、自分の名前を引用したりと、1語だけ引用するというのは多いよね。そのために{zo}があります。
zo | ロジバン語引用(単語) : ロジバン語の左に付いてそれを文字列として扱う |

{zo .kocon. cmene mi}で「『kocon』は私の名前です。」という意味になるよ。{zo}は{.kocon.}の1語だけを引用してることに注意してね。
*1
cmene | x1 (文字列)は x2 の、 x3 (者)による名称 |

おお、自己紹介の別の方法だね。

ちなみに、{zo}は1語の文も引用できます。つまり{zo klama}は{lu klama li'u}と同じで「何かは行く」という命題を表します。

さて、それでは非ロジバン文字列の引用をしてみよう。
zoi | 非ロジバン語引用 : 非ロジバン語の言葉の両端に付いてその境界を示す |

{zoi}には使い方が2つあって、ひとつは
非ロジバン語引用の開始するという役割。もうひとつは
非ロジバン語引用を挟むという役割。

ん?どういうこと?

ひとつ例を見てみよう。
- fanva zoi zoi 私はこしょんです。 zoi lo lojbau lo ponbau lu mi'e .kocon. li'u / 「私はこしょんです。」をロジバンに日本語から翻訳して、{mi'e .kocon.}を生む。
fanva | x1 は x2 (文字列)を x3 (言語)に x4 (言語)から翻訳し、 x5 (文字列)を生む |

{zoi zoi. 私はこしょんです。.zoi}の初めの{zoi}が「〜という非ロジバン文字列」を表していて、残りの{zoi}が非ロジバン文字列(私はこしょんです。)を囲んで非ロジバン文字列の境界線を表してるの。
- la .taron. cu smuni zoi zoi 太郎 zoi / taronは太郎という意味だ。
smuni | x1 は x_2 (文字列/記号/表現)の、 x_3 (者)が認識する意味/解釈 |

なるほどね。

さらに、「(非ロジバン文字列)という名前」を表す語があります。
la'o | 未ロジバン化名 : ロジバン化されていない名称を冠する; 名称の範囲は何らかの境界子で示されている必要がある; |
- mi nelci la'o zoi となりのトトロ zoi / 私は「となりのトトロ」が好きだ。

これがあればほとんどなんでも言い表せるね!

だね。もうひとつ言っておきたいことがあるの。非ロジバン文字列には何でも入るからそれが何語なのか分からない可能性が出てくるよね。英語なのかドイツ語なのか…。

うん、まあでも仕方ないんじゃない?

一応ロジバンはその対策をしてて、境界線として使った{zoi}の代わりに、{ponbau}とか{glibau}とか、その言語を表す単語で挟むの。これは{la'o}じゃなくて{zoi}のときにも有効だよ。
*2*3
- mi nelci la'o ponbau. となりのトトロ .ponbau / 私は「となりのトトロ(日本語)」が好きだ。
- zoi glibau. John .glibau cu glico cmene la .djan. / "John"(英語)はdjanの英語系の名前だ。

{.}は、非ロジバン文字列とロジバンの境界をより明確にするためにあるよ。

ふむふむ。まあ、一応覚えておこう。

てなわけで、引用でした。ちょっと単語が多かったので、まとめてみるね。
lu | 引用開始 : 文法的なロジバン語の文字列を引用する。「〜という文字列」 |
li'u | 引用終了 : 境界詞; lu で開かれた引用の範囲を閉じる |
lo'u | エラー引用開始 : 非文法的/中途半端なロジバン語の文字列を引用する。「〜という文字列」 |
le'u | エラー引用終了 : 境界詞; lo'u で開かれたエラー引用の範囲を閉じる |
zo | ロジバン語引用(単語) : ロジバン語の左に付いてそれを文字列として扱う |
zoi | 非ロジバン語引用 : 非ロジバン語の言葉の両端に付いてその境界を示す |
la'o | 未ロジバン化名 : ロジバン化されていない名称を冠する; 名称の範囲は何らかの境界子で示されている必要がある; |

これで述なれ語の「穴」に文字列を入れれるようになったってことか! 割と捗る!
→
sumtcitaってなんだ?
問題 : 次のロジバンを訳せ |
1. 私は「coi」とあなたに言う。 |
2. 「.soran.」は私の名前です。 |
cusku | x1 (者)は x2 (内容)を x3 (聴衆)に x4 (媒体)で表す/言う/表現する |
cmene | x1 (文字列)は x2 の、 x3 (者)による名称 |
答え |
1. mi cusku lu coi li'u do |
2. zo .soran. cu cmene mi |

(文字列)を項にとるような述なれ語をいくつか挙げておくね。
preti | x1 (文字列)は x2 (題目)に関する、 x3 (者)から x4 (者)への質問/質疑 |
skicu | x1 (者)は x2 (物/事/状態)を x3 (者)に x4 (表現/文字列)によって描写/叙述する |
smuni | x1 は x2 (文字列/記号/表現)の、 x3 (者)が認識する意味/解釈; x3 は x2 を x1 と解釈する |
tcidu | x1 は x2 (文字列)を x3 (表面/書物)から読む |
ciska | x1 は x2 (文字列)を x3 (媒体)に x4 (道具)で書く |
cmene | x1 (文字列)は x2 の、 x3 (者)による名称; x3 は x2 を x1 と呼ぶ; x2 は x1 と呼ばれている |
fanva | x1 は x2 (文字列)を x3 (言語)に x4 (言語)から翻訳し、 x5 (文字列)を生む |
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