ロボテック・クロニクル - ヴォイヤー/ヴィクセン

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【 AV-11D Bronco - II 】


絵美里ニャアの一言:なんだか、ほんとうに第二世代 ガウォークブロンコ II」みたいだにゃう。でも無骨な攻撃機と違ってこっちは優雅なデザインにゃん〜


よく、気がついたわね.... ニャウ 〜 ~(=^・・^)_●旦ヾ(^ ) ナデナデ 。

この機体はOTMが存在しない、つまりASS-1 シアン・マクロスがこの太陽系の第三番惑星に落下しなかった平行世界の分岐未来(西暦2062年)地球統合軍の西側の分裂組織「自由宇宙連合」の技術で設計されているの。

どことなく非正規戦のために使用される軽攻撃機/COIN機機のような男性的で無骨な印象に較べて、ヴォイヤーとヴィクセンちゃんはヨーロッパ的な優美なデザインラインを持ってるわね。

それは用途がとってもシンプル、最低限の偵察器材を積んで『高速で一刻も早く衛星軌道まで駆け上がること』を目標にしているからなの。

百式司偵の成功理由と同じね!


引用注意

本図面は刊行書籍が現役発売中の為、入門案内としての例示に留めます。 操縦室内部などの大判の拡大図は、下記出典資料を御購入下さい。
また例示は任意の購買意欲と動機の支援を目的としており、書籍の売上げを阻害する意図を有しません。




目次【 Index 】

  • 「ヴォイヤー/ヴィクセン」の開発背景
  • 開発総指揮はブランシュ・フォンテーヌに
  • 次世代機の練習機として
  • 設計と課題
  • 条件付加速度相殺装置の搭載
  • 政治的圧力
  • 【参考】
  • 原文解説(英語)
  • 【関連項目】
  • 【親項目】
  • ロボテック小説版 リン・ミンメイ 語録
  • ヴォイヤー(複座型・レベッカ・カスタム)奪取による逃亡
  • 無人地帯【No Man's Land】
  • 追撃の手は緩まない
  • 反撃に思わず顔をしかめるレベッカ・ニックス
  • なおも追撃
  • 不時着を決意
  • 2人きりの逃亡生活の始まり
  • スパルタス【VHT-2/‐A2型】夜戦隊の追撃
  • 名称

    SVR-1 Voyeur / SVT-1 Vixen 

    名称由来

    • 「ヴォイヤー」【Voyeur】はフランス語で「覗き魔」の意味。同様に「ヴィクセン」【Vixen】は「雌キツネ」を意味する。

    開発と製造企業

    • 横 660 pixel のPNG形式パイロット画像をクリックすることで、サーバー Onedrive に保管した Bitmap オリジナル原寸 1,575 pixel x 1,035 pixel 画像に移動します。
    リージェ重工業 (発音上は「リエージュ・インダストリー」)

    【 Liège 】
    ノースロップ・グラマン・エリダヌス支社

    リベルテ・グロリエ合弁会社:旧ダッソ・ブレゲーリベルテ及びグロリエ各支社
    以上の合弁により地球圏内の親会社より独立し、成立した。

    開発指揮ダッソー・ブレゲー・アビアシオン
    設計1:リージェ・インダストリー【Liège】社 ※

    2:ノースロップ・グラマン・エリダヌス支社

    ※(リベルテ・グロリエ合弁会社→旧ダッソ・ブレゲーリベルテ及びグロリエ各支社 )
    製造同上(但し生産比率はダッソー・ブレゲー・アビアシオンとリージェ・インダストリー【Liège】社が3割、ノースロップ・グラマン・エリダヌス支社が7割

    寸法と重量

    項目/形態飛行形態VTOL形態
    ガウォーク・ファイター
    全長16.1 m15.5 m
    全高5.1 m8.9 m
    翼幅最大 9.5 m 〜 最小 6.2 m (無段階可変翼
    空虚重量13.6t(自重)

    形式

    SVR-1単座、全天候 VTOL偵察機。
    SVT-1複座、VTOL練習機/高速連絡&軽輸送機【Fast courier】。

    就役履歴

    派生型就役状況
    SVR-1遠征艦隊軍【UEEF / REF】、及び遠征艦隊軍【UEEF / REF】空軍において、西暦2021年から同2036年(地球時間2032-2047) まで就役。
    SVT-1遠征艦隊軍【UEEF / REF】海軍、及び遠征艦隊軍【UEEF / REF】空軍において、西暦2021年から西暦2066年現在も現役。(地球時間2032-)

    駆動&電力機関(エンジン)

    主機中島プラット&ホイットニー【Pratt & Whitney/ P&W】FF-2029ロールス・ロイス plc【 Rolls Royce 】RP-2029・プロトカルチャー (資源)核融合タービン×2。

    ブースト無しの最大推力各々140 kN。 ブースト時 各々275 kN 。

    エンジンは脚部に内蔵されている。
    副機ターボ・ユニオン【Turbo-Union】RRJ-399 ラムジェット・エンジン×2。

    2基のエンジンは、脚部の上、胴体に沿って並ぶ2つのエンジン・ポッドに内蔵され、ブースト無しで各々160 kN 、ブースト時には各々 300 kNを出力する。
    スラスタープラット&ホイットニー【Pratt & Whitney/ P&W】 HMM-4A 高機動ヴァーニア・スラスター×6基。

    内訳は、主胴体に2基、脚部に2基、エンジンポッドに2基。
    発電機ゾル【Tirolian】プロトカルチャー (資源)・ジェネレーター。

    人類側からは、その後追いコピー(デッド・コピー)版が【RT/PS-4d】として知られる。

    325MWの電力を機体に供給可能。
    プロペラント容量8.1 リットルの、核融合タービン・エンジン用の D20 (重水) 反応物質。
    姿勢制御機動と安定性維持の為の内装の小型反発スラスター・セット一式
    ・中島:中島航空宇宙発動機製造株式会社
    ・ターボ・ユニオン(Turbo-Union)→ アヴィオ S.p.AMTU アエロ・エンジンズ【MTU Aero Engines】/チュルボメカ/ロールス・ロイス plc合弁企業体。

    性能

    最大海面速度マッハ 1.25
    中高度最大速度マッハ 4.1 / 高度10,000 m 。
    高々度最大速度マッハ 6.4 / 高度30,000 m 以上。
    失速速度198 kph (VTOL 無しで)
    初期上昇率30,000 m / 分
    最大上昇限度45,000 m(45km、ブースト効果無しで)
    実用上昇限度最大上昇限度に同じ
    デルタ-v (SVR-1)内部反応剤で 5.5 kps。 3.2 kps の Δ-v を外部増槽で追加可能。
    デルタ-v (SVT-1)内部反応剤で 7.9 kps。 3.2 kps の Δ-v を外部増槽で追加可能。
    発電機耐久性標準的な使用状況で、約8年間の作戦使用が可能。
    耐G限界‐5.0G / +11.5 G(オーバーライトによる、機体単体の構造限界、慣性制御装置の効果無しの場合。)
    • コンピューター・オーバーライド:機体や乗員の危険を考えてリミッターで制限されている限界を、コンピューターの制限設定を解除し乗り越える(override)こと。リミッター解除につき、安全性は保障されない。

    電子装置

    レーダー追尾ヒューズ電子 APG-111 X 帯域 パルス・ドップラー・レーダー。長距離、全高度に於ける目標の探知及び追尾。
    SVR-1 のみテキサス・インストゥルメンツ APG-131 合成開口レーダー。長距離レーダー偵察用。
    光学追尾コーニンクレッカ・フィリップス・エレクトロニクス「オールヴュー(全視界)」多波長・全方向・デジタルカメラ・システム。
    中距離・全天【spherical】・全高度の赤外線画像・光学&紫外線帯の探知と追尾。
    目標指示器トムソン CSF LT-5 多波長・レーザー光波測距儀と レーザー目標指示装置(ディジネーター)。
    SVR-1のみ電子戦倉に カール・ツァイス【Zeiss】製・多波長光帯域(マルチバンド)・デジタルカメラ
    SVR-1のみ

    (追加選択電子装備)
    電子戦倉に トムソン CSF・放射&動作検知センサー。

    ヒューレット・パッカード機上自動データ解析システム。

    これは全てのセンサーからの情報を1個の情報処理システムに結び付ける。
    • X バンド 8 GHz - 12 GHz Cross = 十字の照準線に由来 (IEEE規格表記)
    X帯域マイクロ波の帯域の一つ。
    センチ波であるSHF帯《周波数: 3GHz〜30GHz、波長: 10cm〜1cm》の帯域と重複する部分がある。

    その帯域は《周波数 8〜12GHz、波長2.5〜3.75cm》。
    衛星通信バンドでは、アップリンク 8GHz、ダウンリンク 7GHz。
    パルス・ドップラー・レーダー
    (Pulse Doppler Radar)
    レーダーが受信した信号にパルス連続処理とドップラー処理を加えるもので、ミキサーとバンドパス・フィルターを使用して目標物からの反射以外のものを排除するレーダー。地上や海面のクラッターなどを除去できる。

    ドップラー技術を使用することで、目標の接近率を知ることもできる。

    戦術電子戦システム 【TEWS】

    • TEWS/Tactical Electronic Warfare System 】
    電波受信機エレクトロニカ【Elettronica】 レーダー警告受信装置【RWR】。
    赤外線受信機オルデルフト【OlDelft】 赤外線警告受信装置【IRWR】。
    妨害装置ウェスチングハウス【Westinghouse】ALQ-250(V) 能動型(アクティヴ)・センサー妨害装置。
    追尾妨害消耗品チャフ頒布器(ディスペンサー)/フレア放出機。

    武装

    固定火器無し。但し、冒頭の機体のように、ウェスチングハウス社製パルスカノンを1門装備した機体もある。
    これは、バルキリー(VF-1R シリーズ)に搭載された砲から、自動照準システム【Auto Tracking】を省いたものである。
    設計年度が新しく、高速性の為に、加速性を幾分犠牲にした代りに、特に高出力な本機のエンジン出力を活かして、2秒間の連続照射モードが追加されている。
    兵装懸吊強化点
    (ハード・ポイント)
    2つのコンフォーマル・ハードポイントが翼下にあり、追加の偵察装備、又はカーゴ(積荷)・ポッドを懸架可能。

    これらのハードポイントは、たとえばカラパス【Carapace】ミサイル・コンテナのような武装を懸架可能。

    しかし、追加偵察装備に替えてこれら武装を装備することは、その長い運用歴においてほとんど無かった。

    装甲

    ヴォイヤー【Voyeur】とヴィクセン【Vixen】の外皮は高度なチタン鋼合金から成り、小火器と、12.7mmの機関銃弾等のより重い歩兵重火器の発砲を止め、更に軽装甲機動兵器に装備された、例えばゼントラーディ【Zentraedi】の22.3mmのHE自動砲弾からの比較的良好な幸甚力を有する。

    ※ HE【High Explosive、HE】 → 榴弾(りゅうだん)のこと。

    重機動兵器に装備されるような、例えば VF-1バルキリーのヒューズ・Gu- 11 / 55mm 三連ロータリー 滑腔砲【smooth-bore】型・ガンポッドの「装弾筒付翼安定徹甲弾【APFSDS/APDS-FS】」砲弾についても、不十分ながら、一定の距離である程度の抵抗力を有する。

    翼面、胴体、そして機尾 の垂直尾翼前縁は、特殊な耐熱セラミックス・タイルに覆われ、大気圏内の高マッハ数の飛行における高温から機体を保護する。

    しかしながら、装甲防護として判断するなら、これらのタイルの能力は最小限度のものである。

    ヴォイヤー【Voyeur】とヴィクセン【Vixen】は、 放射線からの完全な防護、生物もしくは化学戦災害に対して、過圧操縦室(オーバープレッシャー・コックピット)環境を使用する。

    これは放射線、そして化学センサーによって起動され、又は生物戦的状況が予想されるとき手動で起動される。

    内部消耗品供給は、単座型で最高2日間、複座型で同1日間の大気を提供することが出来る。

    (値はパイロット生物的活性時のもの:睡眠待機時は左記に加えて多少の余裕あり。)
    左より、核兵器・生物兵器・化学兵器(毒)の標識

    The skin of the Voyeur and Vixen is composed of an advanced titanium-steel alloy. The skin stops all small arms and heavy infantry weapons fire, provides good resistance to light mecha-mounted weaponry, such as the Zentraedi 22.3mm HE autocannon round, and poor resistance to medium mecha-mounted weaponry, such as the Valkyrie's 55mm APFSDS round.

    The wing, hull and tailplane leading edges are covered with a special heat resistant ceramic tile to protect the plane against the high temperatures associated with high Mach numbers in an atmosphere. However, the armor protection these tiles provide is minimal.

    The Voyeur and Vixen provide full protection from nuclear, biological, and chemical hazards, using an overpressure cockpit environment activated by radiation and hazardous chemical sensors, or manually when biological warfare conditions are anticipated. The internal consumables supplies can provide atmosphere for two days maximum in the single seat version, one day maximum in the double seat version.

    開発と就役史【西暦 2066年現在 現役】

    概要
    「ヴォイヤー」【Voyeur】と「ヴィクセン」【Vixen】は、同一の航空機設計を基礎として、各々異なる運用目的に専門化した2つの派生型でした。

    本来「ヴォイヤー」は、その高い速度とスタンドオフ・レーダーと高精細カメラによる偵察システムにより、情報を集めて基地へ持ち帰るものとして開発されました。
    • スタンドオフ・レーダー【Standoff Rader】:相手の探知距離外から先制して探知可能な(敵に比較して)長距離なレーダーのこと。

    設計要求
    設計要求は、西暦2010年代中頃に地球統合政府を通して広まった「反可変機体」の潮流に巻き込まれました。

    この思想の影響の結果として、「ヴォイヤー」はバトロイド、又は完全なガウォーク、つまり腕付きのガウォーク形式では決して設計されず、ただ、垂直離着陸【VTOL】の為に脚の降下機能だけを残しました。
    構造
    「ヴォイヤー」【Voyeur】は、1枚の垂直尾翼と後方に装着された、1対のクランク翼を持ち、空力的に良好な流線形を持つ航空機でした。
    可変主翼は前進し、翼長と低速性能を増加させることが可能でした。

    2基の反応タービン機関が脚部に内装され、さらに2基のより強力なラムジェットが主胴体に沿って、脚の上のポッドに備え付けられていました。

    しかしこれらのラムジェットはマッハ0.75以下では機能出来なかったので、「ヴォイヤー」は高マッハ数で飛行する航空機の大半が有する飛行特性を持っていました。

    どんな内装火器の欠如と全くの非可変主義の設計が、多くの反応プロペラントの容積を提供したので、「ヴォイヤー」は宇宙空間に於ける、大きなデルタ‐V加速の許容量を、そのプロペラント容量を以て満足させることが出来たのです。
    偵察装備
    偵察装備は、標準的な偵察型のVF-6Rの航空電子装備(アビオニクス)に基づいていて、増加した高解像度の長距離センサーと分析システムは、高価な可変機であるVFA-6レギオスの偵察型であるVF-6Rの効果的なコピーでした。
    初期配備状況
    SVR-1 ヴォイヤー【Voyeur】は軽巡洋艦以上の全ての艦船に於いて、6飛行隊に亘って使用されて、偵察型のVF-6R、電子戦型 VE-9/12トレッド(それは通常、エリント型のレギオスVF-6D/-6G/-6Jと一緒に運用された)が就役するまで現役に就いていました。

    戦域偵察部隊の一部では、上記機体到着後も運用を続け、最後の機体が引退したのはハイドニット事変終了後の、実に2046年のことでした。

    遠征艦隊軍【UEEF、旧:REF】が戦った、ほとんど全ての戦場に於いて本機は使用されたにも関わらず、敵によって破壊されたのは幸運にもわずか3機に留まりました。

    練習機型概要
    SVT-1「ヴィクセン」【Vixen】は下部胴体の電子戦用の機器倉を犠牲にして、追加のプロペラントタンクとした複座型で練習機として運用する為に改設計され、製造されました。

    しかしながら「ヴィクセン」は、その速度と追加の座席が、優れた艦上高速連絡&軽輸送機【COD】、更に高速の要人【VIP】輸送機として有用であったので、「ヴォイヤー」より長寿命となり、数十年の就役期間を獲得したのです。
    高級士官の私的訓練用
    その上、飛行資格のある高級士官の多くは、「ヴィクセン」【Vixen】で私的(プライベート)な平時の彼らの飛行時間(彼らパイロットの飛行隊の錬度と飛行評価の結果である俸給を訓練で維持する為に)を過ごすようになりました。(例:レベッカ・ニックス
    このような運用を積み重ねるうちに、この機体は優れた操作性、かなりの有効容積と遠征艦隊軍・艦隊で利用できる『最もホットな飛行』機体としての評判を持ったのです。
    戦闘救難用途
    しかし下級士官の階級の戦闘機パイロットにとって最も重要だったのは、敵線の後方で撃墜されたパイロットの為の(戦闘)救難機としての用途でした。

    その高速、優れたセンサー、大きなプロペラント・タンク貯蔵量と追加の座席を以て「ヴィクセン」は、敵対的な空域に潜入することが出来、撃墜されたパイロットを発見し、彼または彼女を救出することが出来たので、遠征艦隊軍の他のどんな航空機や機動兵器よりも速く安全に「単独で」衛星軌道に駆け上がることが出来ました。
    練習型の運用状況
    レフレックス・ポイント」作戦後のかなり後まで「ヴィクセン」【Vixen】は、再び主力艦船群の6つの部隊に於いて、遠征艦隊軍・艦隊で就役中でした。
    民需用組立キットの販売
    そして、用途廃止された機体は、払い下げの個人航空機市場でとても人気があり、幾つかの民間の会社が西暦2060年代初頭に、この航空機の「組立飛行機」キット版を提供したほどでした。
    翻訳者追記
    • プラモデルのように化粧箱コンテナに電子機器や精密部分ユニットのみを出荷時に組立済の部品一式と専用組立治具が梱包された半完成の組立キット形式で、西暦 2061年にダッソー社から発売されました。

    開発者ブランシュ・フォンテーヌについて



    お前と同じでチビで醜い蛙(カエル)だ。やはり には可変戦闘機など設計させるべきでは無かったな!

    利用者の求めに応じて必要十分な役目を果たせるサービスをしただけ。醜いのは真実を見抜けない貴男の心だけよ !

    • 後輩の現場作業員(女性)が VF-8 ローガン B型の試作機の地上滑走(ガウォーク形態)試験時にたまたま二人の遣り取りを聞いた証言との後世の研究書で触れた記述ですが、検証が為されていない為、真偽の程は明らかではありません。
    • チビで醜い蛙(カエル)だ。」 「求め」、「サービス」等意味深な単語が散りばめられていますが、「正確な伝記」ではなく、執筆者の創作の可能性が指摘されています。

    本機の主要な設計者であるブランシュ・フォンテーヌ【Blanche Fontaine】を語る前には、まず2010年代にエアバスA380の機長を務めていた「マリー・フォンテーヌ」【Marie Fontaine】について語る必要があります。

    未婚の母親でありウーマン・リブ活動家でもあった彼女は自身が余りに平凡な名前(マリーは日本人の感覚では『花子』や『芳江』並の古風な名前)であったことから、娘には「ブランシュ・スコット」から引用した命名をしました。

    ブランシュ・スコットまたはベティ・スコットについて
    「空のお転婆娘」(Tomboy of the Air)のあだ名で飛行を披露した。 曲芸飛行にも熟練し、背面飛行や急降下からの低空の引き起こしなどの飛行を見せるようになった。
    1911年にグレン・マーチンに雇われ、テスト・パイロットを務め、1913年には海外での展示飛行チームに加わった。

    1916年に航空事故に対する、世間の注目や、航空機メーカーが技術者として女性に機会を与えないことに嫌気して航空界を引退した。

    第一次星間大戦後、民間の大型機は軍の輸送機としてゼントラーディ人の反乱鎮圧支援に徴用されます。

    これを嫌い、某航空会社を退職した母親は2018年に当時19歳の娘を連れて、議員に対する影響力を使い、初期のプロキシマ星系【Proxima system】の惑星「リベルテ」(【liberté】:フランス語で「自由」を意味する)移民船団に応募します。

    折しもエアバス社の移民希望者一部を取り込んだダッソ・ブレゲーリベルテ支社は、ノースロップ・グラマン・エリダヌス支社との合弁会社『リージェ・インダストリー』【Liège Indusutry】を設立し、軍用機のみならず、民間機に関しても植民星に適した大気圏内用輸送機のテストパイロットを求めていました。

    母親は娘に英才教育を施しましたが、残念ながら様々なスポーツを試みても、娘の身長は154.3cm にしかならず、パイロット基準の男女共通『158cm以上190cm以下』に足りませんでした。

    娘自身はパイロットとしての身体適性不足を理解した時点で航空業界から足を洗い、リージェ社の自社養成学校であるポリス航空大学校を寿退校(退社)する予定でいました。

    突然の訃報

    ところが、娘のブランシュ・フォンテーヌに突然の訃報が訪れます。




    SC-32 ゴッサマー級輸送シャトルの大気圏突入試験中、テストパイロットであった母親がゼントラーディ人のテロリストの操るヌージャデル・ガー【Flemenmik Nousjadeul-Ger】により被弾、既に復航限界点を超えていたシャトルは、「一か八か」の大気圏内突入を実施、そのまま空中分解してしまったのです。

    せめてもの餞(はなむけ)(注記*1)は、深追いしたヌージャデル・ガー【Flemenmik Nousjadeul-Ger】を大気圏再突入の焼損の道連れにしたことでした。

    二次大戦で、他の身寄りをとうの昔に亡くしていた「ブランシュ」は、母親の「マリー」の殉職で独りぼっちになりました。

    娘のブランシュの転身

    この事件を契機に、ブランシュは人が変わったように勉学に励み、航空大学校から転学し今度は航空宇宙機設計士としての道を歩み始めます。

    死亡退職金には万が一の際にはその全てを娘に譲る旨の手紙がそうさせたのではないかと、後世に『想い出の中の白い泉』*2を著した元リージェ社の後輩で彼女の年下の恋人でもあった、『ジール・ブロマシェ』【Gille Blomache】は著作の中で回想しています。

    2025年の抜擢

    26歳になったブランシュはリージェ社初の可変戦闘機開発に抜擢されます。
    可変軽戦闘機 VF-8 ローガンに対する軍の要求は植民惑星の乏しい予算や整備環境で確実に動作し、宇宙空間では戦闘機として、大気圏内では地上部隊への直協軽攻撃機としての役割を第二利用者であるエリダヌス星系の惑星グロリエサザンクロス軍より期待されていました。
    ブランシュは今回の試作には応募しないものの当時ライバル会社であったクラウス=マッファイ・ヴェクマン (提携先も同様にライバルであるロッキード・マーティン)社の技術者であったジョルジュ・サリバンと非公式にクラブ等の機会えお利用して会合し、活発な意見を交わしました。

    男女関係ではなく、対等な設計者として激論を交わし、また時には助言を仰ぐ友人関係をブランシュは善しとしていましたが、彼女をリーダーとする設計チームの構造強度計算担当で一歳歳下であった『ジール・ブロマシェ』【Gille Blomache】は彼女に横恋慕とジョルジュへの嫉妬から、チームの和を乱す発言をし、彼女自身が悩んでいたことが、当時の書簡から伺えます。

    チームの中には、私がリーダーだから、女がリーダーをするから、開発がおかしくなると言う人達がいます。今回の開発は貴方の会社との競争試作ではありません。

    私は普通にジョルジュ、貴方を技術者として尊敬し、企業間で意見交換をして、機体の信頼性と品質を高めたいだけです。

    男の開発者がリーダーならこうは言われないでしょう、何故なのだろうかと思います。テストパイロットだった母の七光りなんて関係ありません、パイロットと設計士は違います。私は私自身でしかないのに

    史上最小の可変戦闘機「VF-8 ローガン」

    VF-8【A/B/T】ローガンの 全長6メートル級の極端な小型化は、遠征艦隊軍【UEEF、旧:REF】の最小可変戦闘機VFA-6 レギオス以下です。

    この為に宇宙空間でのプロペラント容量を予算上の制約から FASTパック(ファスト・パック)無しで少しでも稼ぐ為に、バトロイド形態の機能をガウォーク形態に担わすことで可変機構を単純化し、容積拡大を実現しています。

    ライバルの開発者達の中には小柄な彼女自身のミニマム指向から来たものとする意見がありますが、感情論に過ぎる嫌いがあります。

    有視界能力重視

    宇宙放射線の危険を承知でパイロットの露出度合いの高い大型透明風防部は見張り警戒をカメラやセンサーに頼らず自分の目視で確認出来る能力を重視しています。

    これは母親の殉職時に狙撃銃でカメラを、ECMで後方警戒センサーを潰され、SC-32 ゴッサマー級輸送シャトル貨物室内に取り付いたヌージャデル・ガーに気付くのが遅れたことが母親の死因と感じたブランシュの個人的信念に由来するものと言われています。
    被弾時の大気圏突入能力と小型化は軍の要求でもありましたが、もう一つは『被弾時の大気圏突入能力』にありました。

    従来の可変戦闘機でも『被弾時の大気圏突入能力』は一応カタログ上は謳ってありましたが、損傷は極軽微な程度に限られていました。

    2040年代末から一部の高価な機体に実用化されたピンポイント・バリアー【PPB】を利用した防護は当時は勿論、期待できません

    また技術的に可能としても植民惑星の予算が許さない事は明らかでした。

    このため、ピンポイント・バリアー【PPB】に代わり、機体外板そのものに十分な耐熱度合と冗長度を持たせる事にし、20mm弾程度までの被弾穿孔は、特殊な耐熱充填材を内部からセンサーで感知し噴射し塞ぐ自動修復装置が用意されました。

    こうして、機体下面は耐熱性能と耐弾性能を兼ね備えることとされました。

    上記の目的達成の為に、極力リフティングボディにより大気圏内での揚力を得るように務めましたが、輸送機や偵察機と異なり、(制限付きながら)一応は空戦をする戦闘機でもある為に、機動性の為に矩形(くけい)状の後退角の無い直線翼を持ち、垂直尾翼はエンジンポッド毎(ごと)外側に20度〜60度(ファイター)〜180度(ガウォーク)まで回転し、安定性不足を補います。

    とはいえ、実用上昇限度は10,000m (ブースト効果無)、失速速度は 350kph (空力のみの場合)とその皺寄せは大気圏内能力に影響を与える結果となりました。

    しかしこれは、大気圏内では制空戦闘機ではなく、陸軍地上部隊に協力する直協軽(戦闘)攻撃機を、驚くべき低価格で提供する義務を第二利用者であるサザンクロス軍から求められた結果で、必ずしも彼女自身を責めるのも酷なことかもしれません。

    VF-8 ローガンの機体は自力での衛星軌道への到達能力を持ちません。

    結局いかなる専用の単独打ち上げブースターやFASTパック(ファスト・パック)も開発されず、小型化を活かした打ち上げシャトル搭載に衛星軌道への到達能力を頼みました。

    この反省は遠征艦隊軍のシンプルな要求下で開発された彼女の次回作品、高速偵察/練習機 [[SVR-1 Voyeur / SVT-1 Vixen(ヴォイヤー/ヴィクセン) で活かされました。

    彼女の航空機開発設計者との素質は狼のような獰猛さを要求される戦闘機ではなく、偵察機練習機のような要求項目が単純な単能機にあったのだと評価する後世の研究家もいます。

    この機体の設計で、彼女は前作 VF-8 ローガンでは果たせなかった、ブースター無しの単独での衛星軌道到達能力を実現しました。

    これは、2040年代の高価格な次世代型可変戦闘機【AVF】でしかなし得なかった能力を、比較的低価格のエンジン、しかもロールス・ロイス plc社製の発動機を使用しなければならないという同社名誉会長の命令下で実現したもので、要求項目が簡素な機種とはいえ、快挙でした。

    また、この機体では実体弾への耐弾性が緩和されたことから、前作では諦めていた「耐熱タイル」が復活しています。

    「ヴォイヤー/ヴィクセン」の開発背景

    西暦2020年代、遠征艦隊軍【UEEF/REF】の主力戦闘機は大気圏内の対艦攻撃機と迎撃機、更に宇宙空間汎用重戦闘機として VF-4 ライトニング が、同じく大気圏内の「前線戦闘機」、宇宙空間での戦闘攻撃機として VFA-6 レギオス が陸軍系企業の長年の悲願であった可変戦闘機市場への参入を果たし、艦隊防空(宙)の重責を担いました。

    けれども、対インビッド戦闘に特化した専用設計のレギオスに関して、海軍・宇宙軍の艦閥派出身のリサ・ハイエス提督は合理主義で
    「必要であれば陸(おか)の皆さんが創った飛行機でも」
    と継続使用の方針を示した一方で、夫であるリック・ハンター名誉提督は、パイロット出身であり、ついに現場飛行指揮官を離れる最後の日まで VF-4 ライトニングを使い続け、レギオスに乗ることはなく、マクシミリアン・スターリング (センチネル版)ミリア・ファリーナ夫妻も 大気圏内での空力や、操縦性能にある程度の向上が見られたZ(ゼータ)型の登場 まで、頑(かたく)なに、このVFA-6 レギオスの使用を避けました。

    また、その航続時間と距離はこれまでのどの可変戦闘機よりも短く、「大気圏内では事実上無制限」【註:*3】の航続時間と距離を持つと謳われた触れ込みから後退する莫大な反応剤消費は長距離、いえ実質は中距離侵攻にあたってでさえ、前世紀中期の化石燃料ジェット機の黎明期なみの「アシの短さ」に支援機の存在が叫ばれ続け、この航続時間と距離の不足の為、生命を落とした操縦士も多かったのです。
    20世紀の空中給油を彷彿とさせるプロトカルチャー (資源)【HBT】カートリッジの空中交換も試行されましたが、燃焼に依り減少した液体を補充すれば済む前世紀の空中給油と異なり、円筒型のキャニスターを4本束ねたリンク付きのカートリッジ集合体を抜き去り、新規に挿入しなければならず、宇宙空間ではこの宙間換装も実施されたものの、大気・重力圏内では気流による揺らぎによる接触事故や、ヘリウムガス風船16個で浮かび上がるまで軽量化されたカートリッジそのものの風圧に対する強度不足、機体側のカートリッジ保管庫の扉が開くと同時に風圧に堪え切れず吹き飛ぶ等、様々な問題が噴出しました。※ 注釈*4

    また、単独で地球規模の惑星の「大気・重力圏内」を突破出来ないことも、第三世代の可変戦闘機としては問題でした。

    これを解消する為、レギオスを「α」(アルファ)ユニットとして統合システムとみなした「β」(ベータ)計画の発動が当のヴィッカース plc連合側から提案されました。

    その為に2つの計画が「打ち上げ」られたのです。

    1つ目は【α】(アルファ)「レギオス」を軌道投入が可能なブースターロケットを製造し、大気圏外活動における、より大きな推力と出力を与えるブースター。
    このブースターは大気圏内で空気力学的配慮を受け、再使用可能とする計画でした。

    更にはVFA-6 【Alpha/α】(アルファ)「レギオス」は、「新しいブースターから分離することなくバトロイドに変形すること」が可能であるようにと軍側から要求が追加されました。

    検討を重ねるうちに時は過ぎ、大型戦闘爆撃機と重戦闘バトロイドの必要が現実になったとき、第2の計画が始動し始めました。
    提案された航空機は当時試作中であった、VF-X-7シルフィード(大気圏内での性能重視の為、地球圏でもライセンスされた数少ない殖民惑星企業の設計である)であり、バトロイド時の全高はレギオスより1割程大きい10.7m程度ですが、戦闘機形態での翼幅はレギオスの2倍以上もある(レギオスに較べれば)比較的大型の機体でした。

    提案された「戦闘爆撃機」は小型の「レギオス」より巨大かつ大量の武装を運ぶことが必要とされ、それは主に短距離・短射程兵器に依存することと定義付けられました。

    1. 最初の計画は「TREAD Booster」または【TRans-EArth Deployment】(地球圏【宇宙空間】両用【双方向接続】支援)システムと称され、
    2. 第2の計画は「ベータ・ファイター計画」と呼ばれていました。
    これらの計画は後に統合され、後に可変戦闘爆撃機 VFB-9 トレッド、可変電子戦機 VE-12 ストーカー」として一応の解決をみます。

    開発総指揮はブランシュ・フォンテーヌに

    太陽系にインビッドが侵攻《侵攻自体は西暦2031年に開始、サザンクロス軍が壊滅する原因となった本格的なインビッド大会戦は、西暦2033年5月15日(日曜)》したブランシュが 32歳 の夏の或る日、地球圏より遠く離れたヴァリヴェール恒星系【Valivarre star sysyems】の遠征艦隊軍の某司令官より、ブランシュ・フォンテーヌを抜擢したいとの打診がリージェ【Liège】社に、フォールド暗号通信回線を通して届きました。

    次世代機の練習機として

     「レギオストレッド」の操縦訓練は、それ自身でしか習得出来ない!


     「こいつらは、まるで フォルクスイェーガーだ!」  【 Volksjäger 】


    (「ハインケル He 162」)【Heinkel He 162
    書籍名:「溝(トレッド)に落ちたヒヨッコを!」 

    2060年、退役した「ミカエル・ブラッドレー」訓練教官(中佐)の出版した2025年から2036年に掛けての回想記より
    • (2062年:「ドニング&コーリン・カンパニー出版社」刊行)

    訓練現場の教官の多くが頭を抱えていました。

    それまでの航空機とまるで異なる特性を持ち、また空力前提の可変戦闘機とも異なる「レギオストレッド」の操縦訓練は「それ自身でしか訓練出来ない」とまで教官達から評価され、中等過程までの訓練を通常の非可変航空機と、地上戦用バトロイド、或いはデストロイドで徹底的に行い、不適格者たちを「振るい落とした」後で実機訓練に入ると、必ず大隊規模(α+βの24機組/48人+予備人員)で殉職者が2 〜 3人は発生するという有様で、人事部は亡くなった操縦士の家族、特に寡婦(或いは「寡夫」)に軍人遺族年金とパイロット組合の慰霊金の手続きをする際、家族の側から説明を求められて対応に苦慮する場面がみられました。

    名誉の戦死なら、仕方が無い、悔しいけどな。だが、妻の死因が機体の欠陥なら、(軍部と開発企業の連中に)お湯【*5】を掛けに行ってやる! 
    • 寡夫「ジム・ウォーカー」2035年のテレビ番組 「地球開放を目指して」 のインタビューにて

    この為、ヴィッカース plcを始めとする「元」陸軍系企業連合は、遺族年金基金や軍人&軍属パイロット互助組合に多額の寄付を行い、この見境の無い「口封じ」は基金や互助組合側の幹部や事務員との間で癒着・汚職・賄賂を招き、遠征艦隊軍は、その管理責任を問われ、民間人の警察・検察側からの厳しい追求と批判を浴びることになりました。

    技術調査部は既にα+β(アルファ+ベータ)システムを過渡期のものと位置づけ、対インビッド戦争への勝利の可能性が見え始めた際を見極めながら、あまりに特殊化、小型化され過ぎたレギオスの反省を活かした、第四世代可変戦闘(攻撃)機の要求仕様を模索し、練習機に関しても、あまりにトリッキーで戦時下の徴兵速成教育計画には馴染まない機種へ、例えるなら某他星系の AVF「VF-19 エクスカリバー」に似た特性の、これら第三世代機への対応と接続を考慮した可変練習機よりは当初より第四世代機への対応を考慮した高等練習機の開発を指示すべきとの結論に達しました。
    α+β(アルファ+ベータ)は、戦域偵察機としては失格

    また「レギオス」&トレッド、或いは、「レギオス」& 電子戦機ストーカーを組み合わせた【α+β】(アルファ+ぺーター)システムは重装甲で戦術偵察機としての使用には問題ありませんが、戦域偵察機(司令部偵察機)としては長時間の作戦行動が出来ず、問題が多い機体でした。

    その大気圏突破能力や大気圏突入能力も、良く言えば漢らしい、悪く言えば強引な仕様で、衛星軌道上へ駆け上がり情報を持ち帰る機体の装甲の損傷、逆に大気圏再突入に関して細部のセンサーの損傷は「気にしない」こととされ、純粋な戦闘機としての使用なら許容範囲でしたが、「戦域偵察機としては役に立たない」と司令部偵察部隊(戦略偵察飛行団)からは受領を拒否されました。
    こうした中で予算の制約もあって、開発中の次期(第4世代)可変戦闘機の高等練習機としての機能と、戦域偵察機の機能を兼ねる機体を、政治的な配慮から「陸軍系以外の企業」かつ、企業間紛争による後難を避ける為、従来の可変戦闘機開発企業(ロックウェル&ベル・テキストロン、ロッキード・マーティン)以外から選出する必要が生じました。

    そこで、ルーイ・ニコルス技術少佐(彼は出身地の関係からダッソー社と縁があった)の提出資料を基に、リージェ・インダストリー【Liège】社に白羽の矢が立てられました。

    なお、インビッド侵攻までは親会社の「ダッソー社」の協力の下、鍛造プレス機 や スキンミラーを削り出す工作機械等の協力関係が保たれていましたが、インビッドによってパリを占拠された後は、親会社の協力は期待出来ませんでした。

    また、親会社の社員の中にはインビッドの連行後の人体実験によって行方不明(人体解剖によって亡くなったと推定される)者も多くいた為、リージェ社の受注は、占領地の人々のレジスタンス活動に対しての精神的な支援の意味もあったと後世の歴史家は唱えています。

    他恒星系への実情視察出張

    リージェ社幹部は当初「出向を前提で検討したい」と回答しましたが、遠征艦隊軍側はリージェ社に試作指示を出す予定であり、事前に要求項目を出す艦隊内の事情を知って欲しい為の視察協力願いであることを告げました。

    住み慣れた第二の故郷を、一時とはいえ離れて、未だ摂取リージェントインビッド軍団と交戦中のヴァリヴェール恒星系に向かうのは危険もありましたが、会社幹部の説得もあって、彼女は6日後には了解の回答をしました。

    フォールド航法を2回重ねて着いた先で見たものは、苛酷な現地の実状でした。

    リサ・ハイエス海軍/宇宙軍提督、リック・ハンター名誉提督に謁見の後、ルーイ・ニコルス技術少佐や艦隊附属技術検討委員会のスタッフ達(ジョナサン・ウルフ大佐含む)と議論を重ねたことは、要求仕様の趣旨や真意を汲み取る上で意義がありました。

    現用機 VFA-6 レギオス、VFB-9 トレッドの補修や小規模改修はヴィッカース plcを柱とする陸軍系企業連合が行っていましたが、空力の問題を質量相殺装置の常時起動という手法で解決した判断は賢明【Smart】とは言えず、今回の「可変戦域偵察機」兼「高等練習機」の用途にはそぐわないのは明らかでした。

    政治的判断で陸軍系企業の開発機体を主力機の「可変戦闘攻撃機」VFA-6レギオス、「可変戦闘爆撃機」VFB-9トレッドに採用した遠征艦隊軍側でしたが、既にその独占化による改良怠慢・自社で自主開発&提案等を行わない開発怠慢など、綻(ほころ)びは見え始めていました。
    可変戦闘機バトロイド形態以外の運用手法を学ぶ練習機としても、来たるべき次期主力機導入後も長らく使える機体を目指すならば、ヴィッカース plcを柱とする陸軍系企業連合にこの種類の機体設計を任せるべきではないとリサ・ハイエス海軍/宇宙軍提督、リック・ハンター名誉提督に謁見の後、ルーイ・ニコルス技術少佐らは彼女らに告げてきました。

    リサ遠征艦隊軍・総司令官

    ブランシュを代表とするリージェ社の第二設計室の構成員は、遠征艦隊軍の総司令:リサ・ハイエスの招待により、ヴァリヴェール恒星系に位置する旗艦である超時空要塞 SDF-3 パイオニア に招かれました。

    • 【 太空堡垒 哨兵.Artwork by Pocket Chocolate 〔口袋巧克力〕】クリックにて、736 pixel x 1,057 pixel (120KB) 原寸画像を展開します。



    3万トンの鍛造プレス機問題

    古巣リージェ社に戻ったブランシュでしたが、要求仕様を実現可能な機体骨格を実現するには無重力下で分子組成を均一に調整する必要性があり、惑星リベルテの衛星軌道上の小さな実験人工衛星では、工場衛星『イコーリティ』(元ゼントラーディ、リガード専用82933工場衛星)にあるような、型鍛造に用いるような3万t. プレス機は設置する余裕も、また工場衛星『イコーリティ』級の他のゼントラーディ工場衛星を奪取回航する軍事力も、遠征艦隊軍に融通を依頼する政治力もありませんでした。

    このため、彼女自身は配下の鍛造技術者をノースロップ・グラマン・エリダヌス恒星系支社に派遣し、全鍛造過程間の重力相殺機構を利用した、3万8,000t.の能力を持つ擬似無重力鍛造プレス工作機械の中古購入を打診させました。

    ノースロップ・グラマン社は故リパブリック社の忘れ形見『ワイマン・ゴードン』【Wyman Gordon】社のスキンミラー用フライス盤と、旧い素材であるアルミ合金鍛造機械の機構を流用したチタニウム(塑性特殊合金)用途への改造鍛造プレス機ならバトル【Battle】級・超時空重巡洋艦 SCA-72【Mar-ne】(マルヌ(2043年にインビッドにより撃沈)を工面して3回に分けて分解しフォールド輸送可能と回答してきました。
    スキンミラーって?
    素材から薄肉の構造物を削り出すフライス盤であり、胴体や翼の外板(スキン)の加工に用います。

    設計と課題

    開発の総責任者の入院

    此処で一つの障害が生じました。

    元々余り身体の丈夫でなかったブランシュ・フォンテーヌが出張先の遠征艦隊軍旗艦 SDF-3 パイオニア内で倒れてしまったのです。

    軍医の診断では
    1. 『植民星の土着細菌が宇宙放射線で変異』
    2. 『あと二日遅れていたら熱が脳にいって意識不明となり回復不能だった』
    3. 『白血球数が通常の二倍』
    4. 『過労による急性腹膜炎でCRT(体内アレルゲン反応)値が21.8(正常値は0.3ですから21倍)で意識を失う前に一刻も早く入院させるのでリージェ社の費用負担を了承して貰いたい

    との返答でした。

    しかしリージェ社会長からは、一旦帰郷して彼女自身の体調を含めた報告をすることを求められブランシュ・フォンテーヌは応急措置の点滴バックを傍らに惑星リベルテに帰郷します。

    その場で彼女の報告を聞いた当時の代表取締役であった『ピエール・カルバン』【本名は都合により使用出来ず、仮名としました】は当時既に同社役員でもあったブランシュ・フォンテーヌに対し
    1. 計画の象徴としての影響力を考えて、他の従業員、社員(役員)、テストパイロットには内密にすること。
    2. 入院費用は会社が立て替え、ブランシュ個人に対する貸付けとして毎月100ユーロを返済
    3. リベルテ内の地元から遠隔地の病院に入院、治療設備上必要ならば突然変異細菌に造詣の深い他の病院への転院も認める。
    4. 3ヶ月で復帰出来ない場合はプロジェクトを降りてもらう
    5. プロジェクト代行総合責任者はジール・ブロマシェ(このときまでに構造計算担当から出世していた)とする。

    という厳しいものでした。
    ブランシュは二ヶ月は治療に専念、以降は抗生物質の点滴通院をしながら現場に復帰しました。

    条件付加速度相殺装置の搭載

    戦域偵察型SVRと、SVTの救難仕様機は、高精度かつ繊細な偵察器材(或いは捜索センサー)を保護し、負傷した遭難者を加速度から護る為の何らかの装置を搭載することが求められました。

    ブランシュ・フォンテーヌは、ポーランド系物理学者ユスティーナ・リシウィク【Justina Lisiewicz】*6の提案した理論を取り入れた、条件付慣性制御装置の搭載を決定しました。

    これは、ある加速度運動をしている機体に対して、鏡像としての仮想の機体質量と正反対の運動を装置に実演させ、対称性(反作用)により、実在機体の加速度を『見かけ上』打ち消すものでした。

    某他星系や船団で導入されたという慣性蓄積コンバータとは異なる『解』を求めたもので、装置には仮想機体の鏡像の加速度運動を正確に再現する為の高度な演算能力が必要とされました。

    装置の開発はリージェ社のみでは荷が重い為に、セキュリティ・ゲートを介した星間技術ネットワークへの接続を通して遠征艦隊軍ルーイ・ニコルスのチームや、他の植民星、引退した個人技術者の参加を求めました。

    13カ月を経過して完成した装置は慣性を示す【Inertia】の語彙をユスティーナ・リシウィク博士が、「慣性そのものを打ち消すものではない」と嫌ったことから、『加速度相殺制御装置』【Acceleration Set-off Controller / ASOC】 と命名されました。

    その特性上仮想可能な鏡像は13.6t(自重)/18.9t(全備)の本機に合わせて設計された為に、他機種への応用や、当時の演算能力の問題から複雑な回避や射撃機動をするバトロイド形態を持つ可変戦闘機への応用は困難でしたが、この装置の完成により、軍の要求水準を満たすことが出来ました。

    政治的圧力

    これまでのシェアを、リージェ社側に荒らされるとみたヴィッカース plc・クライスラー他企業連合は、議員や高位軍人に対してロビー活動を開始しました。

    しかしこれは杞憂(きゆう)で、同社が可変戦闘機市場に進出する意図はなく、軍部は両社間の住み分けによりヴィッカース plc・クライスラー連合の政治力を逸らす意図をもって試作開発指示を出したのでした。
    リージェ社側は好むと好まざるに関わらず、受注を得ようとすれば、この企業間の政治的争いに巻き込まれることになりました。

    ヴィッカース plc & クライスラー LLC & コンチネタル AG 連合の妨害工作

    陸軍系企業連合は、VF-6Rと電子戦型 VE-12ストーカーを開発し偵察型であるヴィクセンの任務範囲を奪う手段を講じましたが、それはブランシュ側も織り込み済みでした。
    相手にしない
    大気圏外ならともかく、大気圏内での高速維持飛行能力と航続力の欠如はこれはもうα+βシステムそのものの限界で、戦術偵察用途と本質的に異なる中高度10,000 mでの最大速度マッハ 4.1、高々度30,000 m以上での最大速度マッハ 6.4、は上記システムには追随出来ないものでした。

    またインビッドを地対空ミサイルの概念を持たず加粒子砲の大気圏内での発射は水蒸気の為に減衰拡散し、控え目に見積もっても高度6,000m付近で無効となることから、SR-71 ブラックバード までの極端な高空高速性能は必要無く、情報を艦隊に持ち帰る為に衛星軌道到達までに第一宇宙速度(時速28,400km)を出せればよいとの考えに立ちました。

    また本機は当初より高等練習機としての安定性と操縦性という、一見上記用途とは特性の異なる用途を要求されました。

    この為1枚の垂直尾翼と後方に装着された、1対のクランク翼を持ち、空力的に良好な流線形を持つように配慮されました。

    可変主翼は前進し、翼長と低速性能を増加させることが可能でしたが、任務上も必要性の無いバトロイド形態は当初から省かれました。

    また本体価格は任務分担が違うとはいえ偵察型VF-6Rと電子戦型 VE-12ストーカーの1/3、電子機器を含めた総合価格差でも60%内に収まり、分離・合体(但し宇宙空間のみ)機能の為、αとβユニットで同じ電子機器やセンサーを重複装備することの無駄や干渉による効率低下のロスを考えると勝負は明らかでした。

    α+β偵察ユニットが唯一勝る点は耐弾性でしたが、前述の通り、リージェ社ことブランシュ側はそれについては『相手にしない』方針で自ずと低空強行偵察任務へα+β偵察ユニットの採用を黙認する姿勢を取り、遠征艦隊軍側も、住み分けをすることで当初の目的を達すると考えました。

    こうして試作機6機を含めた戦域偵察型の最初の生産ブロック45機と高等可変練習機型の同60機の生産許可が出ました。

    【参考】

    原文解説(英語)

    【関連項目】

    【親項目】

    ロボテック小説版 リン・ミンメイ 語録

    ジャック・マッキーニらの小説版。背景は、
    1. リン・ミンメイ (二次的連続性作品) II
    2. ヴォイヤー/ヴィクセン
    を参照。

    私達人類*7は、この世界(ヴァリヴェール恒星系)で少数派になってしまいました。
    今はテラ(地球)とかティロルとかをいがみ合う時ではないでしょう?
    今は共に手を携えて苦しい時代を乗り越えなければ、たちまちインビッドに滅ぼされてしまいます。

    私の歌が少しでもみんなの心に届いて気付いてくれるように、私はこれからも人々を信じて歌い続けるでしょう!
    (一部意訳)

    ヴォイヤー(複座型・レベッカ・カスタム)奪取による逃亡

    ジョナサン・ウルフリン・ミンメイは、トーマス・ライリー・エドワーズ准将の謀反軍の軟禁から、本機を奪って逃走する。
    交戦しても数で勝てないことを、実戦経験により知っていた、ベテランのジョナサン大佐は、その高速持続性能と耐G特性により、G訓練をしていない民間人を乗せる為、【慣性制御装置 標準搭載が必要】から、始めから本機を奪取することに決めていた。
    行動開始
    発進
    追撃
    追撃飛行小隊のVFA‐6Z(ゼータ)レギオスが迫る
    逃亡

    無人地帯【No Man's Land】

    追撃の手は緩まない

    反撃に思わず顔をしかめるレベッカ・ニックス

    なおも追撃

    ウルフ大佐は、自衛用の粒子光線砲で反撃・牽制を試みるが・・・

    不時着を決意

    2人きりの逃亡生活の始まり

    スパルタス【VHT-2/‐A2型】夜戦隊の追撃

    衛星ティロルの星都「テイレシア」の路地裏で
    錯乱
    突飛な行動と捕縛
    ジョナサン・ウルフは今後の対応を考えながら一時撤退