ロボテック・クロニクル - 超時空騎団サザンクロス 鳥海 尽三 インタビュー

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2017年は本放送開始から33周年



  • 2017年4月15日(土曜)に、第1話の初放映から33年を迎える。
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目次 【Index】

故:「鳥海 尽三」インタビュー/故:隔月刊 アニメック 西暦1984年12月号

シリーズ構成「鳥海尽三」氏に聞く
″裏をとる″という言い方、あまり好きではないんですけど、一つの作品の本質を読みとるには、″裏″をとらなくてはなりません。
そこで今回、1984年7月号でサザンクロス世界をお聞きした鳥海尽三さんにもう一度お話しを伺ってみました。

− 女性が主人公ということで。やりにくかった事とかやりやすかった事ってありましたか。

そういう事はなかったね。そういう事は意識的には考えなかったけれど、3人の女を中心に絡ませなかったというのは残念だな。最初の段階では女3人が中心になって展開するはずだったんだけど。その辺は反省してる所があるんだよね、
というのはみんなバラバラになっちゃったでしよ、衛星アルスの方へ行ったり。女の子3人が離れちゃうから芝居もやりにくくなっちゃうんだよね。

− でも女性と男性との物事の対処の仕方の違いはよく出ていましたよね。


それはある。ジャンヌの動きに対立させながら。男だ、女だって判るようにはっきり出してるって事はあったね。
それから後半になって、ジャンヌが誰と結ばれるかって問題が莫然とあったんだけど、実際それがよく出ていなかった。それでギリギリの詰めになってから「サイフリート・ヴァイス」とくっつけようと思ってね。最後彼は自爆しちゃうけど。でもむしろジャンヌに特定の男性がいないだけにね。その分自由奔放にジャンヌを動かせた。だから2クールじゃなくて、もっと長く、せめてもう1クール分(13話分相当)は欲しかったね。
それとゾル側の方を最初、謎・謎という形で全然出さなかったでしょ。それがちょっと道草だったんだよね。

− 「ゾル」といえば、ジャンヌとの感情の対比がよく出ていたと思いますけど。

静と動のような感じだと思うんだよね。行動派のジャンヌ側に対してしてゾル側は静みたいなね。例えばムジカ・ノヴァにしても3人一組でしょ。ジャンヌとかラーナ・イザヴィアとかマリー・アンジェルのような3人組と対照になってるんだよね。だからその辺のことももうちょっと描けけたんだけれど。

― 感情豊かな面から、人間讃歌”を描きたいとおっしゃってましたけど。

それは結局SFの設定の中で生きてくることであって、ゾルはあくまで合理性に流れていって、ジャンヌ達は我々のように情で動く。それを純粋に合理性だけを収ってしまったらどうなるかっていう話なんだけど。それは最終回に全部解明されちゃう訳だけどね

− シナリオレベルでの各話のストーリーとか感情的なものの統制っていうのはある程度とれたと思いますか。


欲を言えばもっと出来たんだけれど。ちょっと日常のつまらない事にこだわりすぎたんじゃないかな。そういう事よりもSFの設定を生かしてその中で物語を進めればよかったと思うんだよね。これは監督(プロデューサー)や企画をやった連中も言っていることだけれど、最初の設定の範囲内でやれば良かったんだ。それが曲がってきたことは作品をやる上で難かしくなってしまった点だよね。
 結局僕の独断ではいかないところもあったから、逆にこっちが強気でやった方が良かったのかもしれないけれど。僕自身も久し振りのタツノコ作品だったし、こういう類の話はあまりやっていなかったから、少し譲った点もあった、そこを少し反省してるんだけど。
終ってからどうこういうのは言ってとはいけないんだけど。反省はしてるんだけどね。(苦笑)

− ある程度ドラマ性を重視してしまったことで、SF設定の面を語りきれなかったということでしょうか。

というよりも。もっと設定を生かした話をやらなければならないのではないかということだね。例えば誰かに惚れたのを助けるとか、お菓子を作ってどうとか、そんな生活面でのことは自然に、にじみ出てくるものであって、無理して出してもああいうSF物の中では活きてこない。それよりももっとSFの設定の面白さを生かしてたら、変ったエピソードが出来たんじゃないかって気かする。

− もう少しゾル人の三位一体を深く描けるのではという気がしました。


そう、それを描くことでテーマが出てくるはずだったんだけど、それでも最終回に近づくにつれてテーマに近いものを出してきたけどね。
ゾル人は元々地球人なんだよね。何百年か前に惑星グロリエにいた地球人が生命の花を利用して生きるようになった為に三位一休のゾル人になってしまったんだよね。その方が長く生きられるし、合理的に生きられるから。それじゃ果たして人問は合理的に生きればいいのかという,その裏返しとして、人間讃歌・人間であることの素晴らしさ、しかしそこに弱さがあるというものを背負っていたのがサイフリート・ヴァイスじゃないのかなと思う。

− 最終回になるにつれて。ジャンヌ達が喊いに緊張感を持ってきたと思うのですが、これはジャンヌ達が成長したからだと解釈していいのでしょうか。

そうでもあるんだけど、でもあんまり成長もしてないんだよね。(笑)そういうことはあんまり考えない方がいいんだよね。かえって戦争を通して人間が成長したなんて、ちょっとあんまりやりたくないことだし。ジャンヌ自体が成長しているとは考えない。だって最初から何にも考えないで戦闘をバカスカやってるでしょ。それが戦争を通して利口になったというのは。ちょっと違うんじゃないかって気がする。

− 最後の質問になりますけれど、超時空シリーズをやられていかがでした?


僕は始めから超時空ものっていは意識せずにやろうと思っていたから。だって超時空シリーズといったって、ただ未来や宇宙が舞台である話で、それだけのことでしよ。あと巨大なものが出てきたってどうということはないと思うけどね。

−超時空シリーズは多少ドラマ性を優先させてますからね


ドラマを僕はやりたかったわけ。ドラマ性のないものっていうのは飽きちゃうんだよね。ただドンパチやってるだけだと、終ってから何も残らんという事になるから。それじゃ意味ないし。
それにクマ(熊)やハチ(蜂)に見せる訳ではなく、今の人間に見せるんだから、ドラマ性を重視しないといけないんだよね。物語というのは人間の人情を描くものだから。
人間なんて未来になってもそう変わるものでもないだろうし、ましてや二百年や三百年先の人間に見せるものではないんだから、その辺の事をわきまえてやっていかないとダメですね。そしてその本質をおさえておけば、逆にいつまでたっても見られる作品ができる。これは自らに自戒をこめて言ってるんだけどね。(笑)


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シリーズ開始時のアピール・ポイント【 appeal-points】

バイオロイド の意外な正休 !
ゾル人側のバイオロイドというのはどういうものなんですか。

鳥海 ロボット自体がバイオロイドというのではなく、一種のサイボーグなんだ。だから、赤いバイオロイド(前期II型・改「ジスタ・ドュール」)が出てくるでしよ。あれに乗っているのがバイオヒューマンであって、あれ(赤いバイオロイド)はロボットなんですね。ただ、いわゆる生体とメカとの有機的なつながりをもった機能を持ってる、ということなんだ。だから人間をバイオロイド化すれば、そのメカも人間の自由な動き方ができるわけ。

ゾル人が改造をうけてロボットに乗っているんですか。

惑星グロリエにはアルスという月があって、そこの基地がやられて守備隊がつかまり、その生きている連中が改造されてバイオロイドになったという前提が一つあるんです。

− ジャンヌ達がゾル人ランディング・フリゲート【第4話「ハーフムーン」登場のキルトラ・ドラニッツ級・科学調査船を、編集部側が思い違えている】に忍び込んだ時にゾル人は殺さないで逃してしまいましたけど、あれはなぜなんですか。

もともとゾル人というのは戦闘を好まないんです。あの戦艦類は皆、輸送船を改造したような代物で、もともと戦闘用ではないんです。だから1話での戦闘の始まり方というのも、グロリエ側が攻撃してしまったからだしね。
サザンクロスの見どころはココダ!
超時空騎団サザンクロスで特に注目してほしいところはどこでしょうか。

見てほしいところは多いんだよね。さっきも言ったようにゾル人の生活態系とか、第15分隊の青春群像とかね。その中でも特に三位一体のソル星人と地球人の個性の違いを見逃してほしくない。表面ではジャンヌはかなりやりたいことをやつていて、じゃじゃ馬みたいに見えるけれど、それが地球人の個性なわけ。そんな戦略機甲師団 第15分隊の個人個人の確立された個性と対象的に、ソル人の三位一体となる個性を比較して見てもらいたいということだね。ということは人間個性の尊重ということにもなるし、ひいては人間讃歌というところまで持っていく訳だけどね。今の段階ではまだ難しいけれど、物語の謎解きとともにだんだん解明されていくはずです。また個性ある人間という存在自体への批判も出てくるから、その辺も期待して見てもらいたいですね。
故:ラポート社「隔月刊 アニメック」西暦1984年7月号 より



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ゾル人つて何?


− 敵側のゾル人の基本設定に「三位一体」ということが出てきますけれど、どういうことなんでしょうか。

人間というのは情報を入手する。それからその情報を判断して次に行動に移る。情報・判断・行動というこれが1つの個人の思考につながるものでしよ。
だからそれを分けたらどうなるかということなんですよ。
例えば3人で魚屋行ったとするね。まず“ 情報 ”が、「あ、いい魚がある」と、すると“ 判断 ”が「これは煮たり焼いたりするよりも刺身にした方がおいしい」と判断して、「それじゃ料理しましよ」とするのが“ 行動 ”なんです。わかりやすく言えばそういうことなんですね。

− それでは3人の内の1人が死んでしまったらどうなるのでしょう。

人間というのは、情報・判断・行動と揃って始めて完成されたものになるわけで、1人が死んだら他の2人は不完全になってしまう。これが一つの大テーマなのね。 つまり、その根源にあるのは「ゾル人とは何なのか?」という事なんだ。

− そのゾル人の個体を3分割して出した理由は何なのでしょう。

間違うことが少なくなる訳だから、この方が合理的なんだよね。「情報」は、そのまま見たり聞いたりすればいいし、「判断」は、判断だけで良し悪しを決めればいいし、「行動」は、それを盲目的に行えば良いだけなんだから。
それが、3人1組のゾル人の女の中の1人「ムジカ・ノヴァ」が、ジャンヌ・フランセーズ側の少年兵「ボウイ・エマーソン」と接触することによって、愛に芽生えていって個性が出てくる。
つまりゾル人の新世代が出てくるわけ。

− そうなると、ゾル人の描き方が大変難しいと思うんですけど。

難しいです。とても難しいんで色々と考えているんだけど・・・。でもやっぱり、苦労する内容がないと作品って面白くならないんだよね。


惑星グロリエの秘密って何?
− ゾル人が植民星グロリエを狙う理由というのは何なのでしょうか。

これは絶対に秘密なんだ。暗示的に言っておけば故郷だったのかもしれない。
単にそれだけだったら理由として弱いんで、もっともっと設定が出てきて、意外な展開になるだろうけどね。

− 惑星グロリエ は地球と同じ環境なんですか。

惑星グロリエと地球とでは「公転周期」が違うんです。
73年 も経たないと恒星の回りを1回転しないわけ。地球の1年が 73年 になる。
だから四季がすごく長くて、だ円軌道をとっているから、冬はすごく寒いし、夏はとても暑い。
それで惑星グロリエが、2回恒星を回るとゾル人の寿命は尽きるんですよ。約 140 年 という地球人の2倍はある寿命なんです。
これもゾル人の謎にかかわってくる事だけれど。


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