ロボテック・クロニクル - シュトゥルムフォーゲル II

親記事

ジェネラル・ギャラクシー社 YF-21 。 2014.9.18 発売の同機のマスターファイルのAmazon販売紹介など、メイン記事の大半はこちらです。

目次【Index】

記事構築・動機(モチベーション)資料

これぞ、SF航空機のモノグラフの真髄!, 2015/4/22
  • 投稿者:Yui-Nyaa "Lisa Hayes" (東京都)

歴代VFマスターファイルの“モノグラフ”〔単一機種を図版や写真付きで徹底解説して一冊にまとめた書籍のこと〕で、
  • 可変戦闘機〔VF〕エピソードアーカイブスVol.1 (VF-19編 マスターファイル・シリーズ)

のような航空戦記 兼 航空機開発談話を除けば、一番売り上げが悪いようで残念な話です。

しかし私は保存用途で 3,000円×2 = 約6千円 の価額工面に苦労しながら Amazon さんから2冊も取り寄せてしまう位、お気に入りの1冊になりました。

暫定的な重力・慣性制御装置 “キメリコラ K-IVC”を補助に利用することを前提条件にしているため、艦上戦闘機なのに単車輪の首脚と主脚の華奢な構造、エンジンがバトロイドの脚を兼ねていない為、切り離し可能という特異性、少数生産の高品位機と、ヒーロー性充分な要素満載なのに、マクロスシリーズ中での扱われ方が「光と影」のうち、影を担当すると否定的なので、評価で損をしています。
個人的には、マクロスフロンティア以降、機能や性能のインフレーション化で、現代の戦闘機の可能性の範囲から離れてしまい、絵空事ぽくなってしまった可変戦闘機の新方向性として、SF方向の独自性〔ユニーク〕と魅力を開花させたと YF-21/VF-22 を評価しているだけに、この扱いは本当に残念でなりません。
特にバトロイド時のクアドラン系を思わせる艶かしい曲線美の腕や脚部は、独特の魅力があるだけに、バトロイドやガウォーク形態の記事配分は他のマスターファイルよりは3頁ほど多いようですが、まだまだ足りないように思います。

一方で航空戦記二本立ては、戦記の項目が、あまりにも昭和時代の少年雑誌の活躍想像図や架空戦記の体裁に偏り過ぎていると感じました。
人類同士の現実の航空戦でも、もちろん一方の側から敵の状態は見えません。
けれども、相手の戦術思考は見えるはず。

例えば、敵機も海面スレスレに誘い込む機動をするとか、小惑星帯から奇襲を掛けてくるとか、相手も執筆者側の部隊に勝つ、言い換えれば自分達が死なないように知恵を奮ってきます。
バシュラは虫だから力任せに数で押しまくる戦術なのは仕方ないとして、少なくともゼントラーディ、バロータは知的生命体だから作戦や空戦に関しても知恵を絞ってくるはずです。

太平洋戦争末期の学徒兵の飛行なら、確かに『ゆるい隙間だらけの編隊での目的もなしに直線飛行』もあるかもしれませんが。

坂井三郎氏は、ベテランパイロットは、実戦では雷撃や急降下爆撃など明確な目的がある時以外、絶対に『目的なしの直線飛行』をしてはいけない、と部下に戒めていたそうです。

地球人より遥かに戦闘経験の高い彼らが、シューティングゲームのヤラレ敵機〔俗に言う「ザコ敵機」〕、あるいは「GIジョーのドイツ兵」のように、自ら弾に当たるように飛び出してくる筈がなく、ドッグファイトにせよ、ミサイルによる遠距離殲滅戦にせよ、お互いが自分たちが死なないように考えを巡らせる。

しかし、そこに「見落としによる不注意や、慢心油断があれば敵の奇襲などで壊滅する危険が常にある」それが戦場なのですが、その緊迫感が足りないように思います。

フリー記者パトリック・ヒルツの現役復帰話にせよ、女性テストパイロットのカーリナ・パセットのバロータ戦役でのマックス艦長支援の話にせよ「敵を千切っては投げ〜」の文体になっていて、アオシマの合体マシンのプラモデル付属の販売促進漫画の物語構成を感じます。

ヒルツ〔仮名〕少佐の反乱側の交渉の切り札であるMDEをパルス電磁波で無力化させる構成も、カーリナのエピソードで最後で思い出したようにテストパイロットとしての彼女の特性を書いて〔 121頁 〕るのは悪くないですが、どこか英雄談話に近い小説の地の文の作りがしっくり来ない。

いっそのこと、ヒルツやカーリナが自ら語る自伝による航空戦記にしておけば、仕方ないよねと、多少の誇張は納得出来るのですが。
総評としては、機体解説に関しては申し分なし。
但し航空戦記に関しては、誇張や現実味に欠けた記載を修正するか、あるいはパイロット自らの自伝として英雄談話風に処理するか等の改善を、今後の刊行予定書籍にて望みたいです。


SCALE AVIATION (スケールアヴィエーション) 2011年 01月号

評価指数 ★★★★★のうち ★★★★☆(4.0)

【SVF-124 Moon Shooters " Moon Light Cafe " 】
    • クリックにて原寸 1,200 pixel x 744 pixel pixel に復帰します。


三面図(図面提供:長谷川製作所)


VF-22S SVF-124 Moon Shooters " Moonlight Cafe " Nose-art Queen " Yuu Teshima "



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重田 英行氏の人物伝と、VF-22Sのノーズアートに思いを寄せた或る女の感想

西暦2011年 7月7日 (木曜日、七夕)
  • By Yui-Nyaa "Lisa Hayes" (東京都)
  • レビューを全て見るー
  • 対象商品: SCALE AVIATION (スケールアヴィエーション) 2011年 01月号 [雑誌] (雑誌)

既に他の方のレビューで要点は抑えられていますから、私からは違う視点で書きます。

今号の特集は 【1/72】F-14「トムキャット」です。超有名機かつ、アニメ的な外連味(けれんみ)に溢れ、ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-1バルキリーのデザインのモチーフともなった機体で、70年代から90年代の数多くの模型雑誌の特集を飾りました。

本誌に於いてもSCALE AVIATION ( スケールアヴィエーション ) 2010年 01月号 [雑誌]で第84戦闘飛行隊「ジョリーロジャース」【VF-84 Jolly-Rogers】 → 第103戦闘攻撃飛行隊【VF-103 Jolly-Rogers】(1/60 マクロス 完全変形 VF-1S ロイ・フォッカー機少佐のスカル飛行大隊のルーツ)に絞った特集を組みました。

今回はあくまでも 1/72F-14A トムキャット (ハイビジ)の「必勝マニュアル〜完成までの4ステップ〜」(7p - 24p)と 「1/72 F-14 三社キット徹底比較」(ハセガワ / フジミ / レベル:26p - 29p) に的を絞った特集が紙面や本誌の編集方針に沿っており、記事の誤りを差し引いても、興味深いものでした。

今回、50p - 52p、66p - 67p に掛けて 1/72 ハセガワ製 VF-22S シュトゥルムフォーゲル II「SVF‐124 ムーンシューターズ」【1/72 VF-22S Sturmvogel II "SVF-124 Moon Shooters"】に附属した3種類のノーズアート
  1. 夜の女王【Queen of Night】
  2. ミス・エイプリル【Miss April】
  3. スプリットS 【Split "S"】

に加えて、新たに「ムーンライト・カフェ」【Moon Light Cafe】という新規のノーズアートを製作し、これに合致する連動企画として





さんのノーズアート(表紙右下、4p、52p-53Pが左記関連。2P-3P が

【"Eine Klein Carole"】関連のもの)という連動企画は、本誌特有のものですが、小悪魔的な彼女のキャラクター付けは読者の大半を占める熟年殿方の皆様にとって「片目閉じのあざとさ」を割り引いても、出版宣伝戦略として成功していると私は感じます。

さて今回、62p - 65P の「飛人探訪 〜重田 英行〜」の記事は、この記事の為に本号を購入したと云っても過言ではない程の非常に価値あるものでした。

造形村コンセプトノートSWS (No.II Ta152H-1)の発売に寄せて特集された記事には、
1/32 J7W1 「震電」で「スーパー・ウイングズ・シリーズ」【SWS / Super Wings Series】を立ち上げた、氏の熱い思いと、将来への「社長への夢」、1/32 超精密模型【HG】の1万円以下の採算度外視(決して無視という訳ではない)の挑戦、機関銃や主脚(降着装置)、コクピットの操縦士による体重沈み込みなど反動をも考慮した「実在機の縮小」への徹底的こだわり、更には構造の再現による「その時代の設計思想と当時の技術水準の限界の中での飽くなき技術者達の挑戦」をも再現し、これに見合う、「鶴野 正敬(技術大尉)、クルト・タンク(工学博士)、エド・ハイネマン」設計の各機体(震電、
A-1 スカイレイダー)を最初の3作に選出した拘りは、氏の意思の強さと信念を伝えるに十分なものです。

氏の人物伝は、女性の立場からみても十分魅力的な人物像を捉えることに成功していて、この記事の為だけでも本誌を買う価値はあると思います。

七夕の夜に浴衣で読むには少し違和感のある本ですが、この号は私にとって最高のアマゾン出品者様からの贈りもの(お中元)となりました・・・

機種固有愛称はドイツ語)【Destuch】

  • シュトゥルムボーゲルII とも発音しますが、一般的ではないので、こちらで再製作した。

ドイツ語(独文字)【Destuch:VF-22S Sturmvögel II】

簡易解説

  • プロジェクト”スーパーノヴァ”(「新星計画」)にて、競争試作に敗れた(トライアウト)ジェネラル・ギャラクシー社の高度な試作機『YF-21』《コールサイン「オメガ・ワン」》の制式採用版。

シャロン・アップル事件にて ゴーストX-9 を撃墜するもゼネラル・ギャラクシーの設計主任兼テストパイロットである ガルド・ボア・ゴーマン開発主任 の死亡と言う最悪の事態も重なり、製造原価も YF-19 と比較すると高いと言う事で先進可変戦闘機計画主力【AVF】採用は見送られた。

しかし、特殊部隊を運用する用兵者にとって見れば、VF-17 ナイトメア(俗称:ステルス・バルキリー)の後継機として、アクティブ・ステルス、搭載能力が評価され、特殊部隊用の限定生産という制限にて制式採用される。

これは VF-17 の機体設計上、大気圏内での空力特性が劣悪で、作戦行動時には場合により強攻型の ガウォーク・形態を多用しなければならない制約があったからで、同様に VF-22S も整備性が悪いが、空力特性は飛躍的に改善し、特殊部隊の戦力向上が果たせた。

制式採用に当たり運用に不安定な問題が散見される『脳波操縦システム』、BDIの大幅な簡素化により脳波コントロールは”補助システム”となり、手動操作を中心とするように変更された。

これにより膨大な製作費用→運用経費→整備費用の一連ね関連費用の削減と機体の軽量化に成功した。

これは開発段階で脳波機体制御システムの危険性が軍関係者に知られていたからであり、ゼネラル側としてもこの機体系列の開発費回収の為にも受け入れざる得ない状況であった。

また、パイロットの中にも脳波コントロールシステムに対する不信感があった背景もある。

ペットネームの”シュトゥルムボーゲル”はドイツ語でウミツバメ等の海鳥を意味する。

この機種に YF-21 の様なリミッター解除システム搭載の有無は確認されてないがFASTパックや FBF‐1000 フォールド・ブースターと言った選択装備装着は可能と考えられ(今の所装着した映像は確認されてない)武装面も大差無い事から完成度は高いと言っても過言ではない。

マクロス7 (1994年制作のテレビドラマ)ではマックスとミリアが終盤に利用し、マクロス ダイナマイト7(1997年制作のディスク・ドラマ)ではガムリンが搭乗している。

何れもマクロス7船団工場艦『スリースター』【三ツ星】で製造されたと見られ、マクロス・フロンティア(2008年制作のテレビドラマ、及び映画)ではSMS『マクロスクォーター』の艦載機として登場している。

他にもマンフレードが乗る機体も確認され、ガリア宙域でオズマが乗るVF‐25S 『メサイアS』と戦闘している。

性能・寸法(自主規制による制限記載)

飛行形態(ファイターモード)

全長19.62m
全高 4.04m
全幅15.36m
空虚重量9,340kg (YF-21は9,550kg)
主発動機中島航空発動機製造株式会社(当時)
プラット・アンド・ホイットニー
ロールス・ロイス plc
以上、3社の協同開発。

FF‐2450 熱核バーストタービン(ステージ II)×2 
最大速度M5.07(高度10,000m)
M22(高度30,000m)

【武装】

標準装備
  1. エリコーンAAB‐7対空ビーム砲×1
  2. モーゼル REB‐22レーザービームガン×2
  3. ヒューズ/ジェネラル・エレクトリック【GE】 GV‐17Lガンポット×2
  4. ボフォーズBML‐02Sマイクロミサイルランチャー×4
  5. ヒューズPBS‐03Fピンポイントバリアシステム×1
  6. スタビライザー兼シールド×2
選択装備(オプション)
  1. 専用-FASTパック
  2. FBF‐1000 フォールドブースター

  • (参考文献 マクロスクロニカル メカニックシート VF‐22S シュトゥルムボーゲル�より抜粋)
  • (参考文献 マクロスフロンティア Vol4 トライアングラー)

【関連項目】