ロボテック・クロニクル - シンクロ・キャノン

小型艦への搭載例



西暦2038年以降に建造が開始されたガーフィッシュ級には、艦首シンクロ・キャノンが搭載された。俗にシャドウ技術が導入された艦級を「改〜級」の代りに「シャドウ〜級」と呼称することがある。

それだけこの技術の恩恵(おんけい)は大きかった。

航宙機凡例





第三世代レギオス(生産ブロック12)と第二世代トレッド(生産ブロック7)の結合であるシャドウ・ファイターにより運用される、シンクロ(トロン)・キャノン。 第二のオーバーテクノロジーと評されたハイドニットの影次元(シャドウ・ディメンション)理論と、その次元からの等価交換した影次元空間そのものの交換エネルギーを加速する環状粒子加速器(シンクロトロン)に技術的な鍵があり、これによりこのような小型機でも合体状態での双方の出力結合を前提として運用が可能となった

定義

シンクロ(トロン)カノン』砲を略したもの。

提供先と原理

ハイドンIV と 現住ハイドニット種族の自称名で呼ばれるヴァリヴェール恒星系の人工惑星の機械化種族ハイドニット【Haydonites】達より、共通する宿敵インビッド打倒の為に秘密友好条約締結の贈物として提供された。


理論的には、地球人、プロトカルチャー (太古の異星人)の末裔である衛星テイロルテイロル人にも対消滅の概念として、それぞれの種族の空想科学小説や、理論物理学の世界で構想されてはいたが、現実に反物質を取り出し、これを安全に利用する手段については全く実用的な開発が進んでいなかった。

本来は別次元の存在が我々の次元に存在する為に機械の骨格を必要とする存在であるという憶測も飛び交っているが、いずれにせよ、ハイドニット【Haydonites】の広範囲は「影次元」に関する知識を得て初めて、インビッドのセンサーからプロトカルチャー (資源)の放出を欺瞞するステルス機能と彼女等*1の巣【Hive】に貼られた防御幕を破壊する手段が入手可能となったのは確かである。

なお、前世紀の古典的な同期式環状加速器(シンクロトロン)と異なり、この影次元粒子加速器はサイクトロン*2を必要としない。


螺旋(らせん)状に厳密に「空間理論的」に渦巻を組まれた左右両巻きの一対のヘリカル【Stellarator】・モーター、その名に反して機械的な回転機構を持たず、影次元と我々の次元との相関空間収差的、かつ磁場的にのみ回転する。*3これにより、影次元より流入する現在位置の相手方空間の相当空間を転移交換させ、その収差を更なる加速駆動力(前段加速)として、これに破壊エネルギーの核となる物質(反物質への転換効率が高ければ、水【H2O】何でもよいが、その高効率性と親和性から、大抵は機関から抽出したプロトカルチャー (資源)をそのまま流用する。)ことで、破壊兵器としての利用が可能となる。

隠された欠陥

西暦2044-2045年のハイドニット事変に関して発生したハイドニットの七面鳥撃ちと自嘲的に語られる一方的な深宇宙開発基地リバティ守備艦隊雷(イカヅチ)級・超時空大型戦艦/空母【Ikazuchi,SCB】6隻、ガーフィッシュ/シレイラ/アナコンダ級・超時空(斥候艦・軽巡洋艦・高速突撃輸送艦)20隻が大破又は撃沈(正確には「破壊」ですが)する大敗北を喫した会戦があった。


彼らの提供した技術にはある特定の干渉波によりシンクロ・キャノン砲回路と連動したプロトカルチャー (資源)核融合機関を暴走させる瑕疵(かし)が隠されており、ハイドニットの艦船【Haydonites' vassel】から放たれたこの干渉波によって数的には優勢であったはずの遠征艦隊軍の多くの艦船が1回の主砲を発射する間もなく自滅した。

ヴィンス・グラント艦長(大佐)は後に(2060年代の退役後、守秘義務の為、詳細の一部は不明。)このことを回想録でトロイアの木馬に例えている。