- VF-1は運用の柔軟性を拡げた結果、作戦ごとの要求性能を満たさない点が課題となった。
このため開発当初から脱着・使い捨て式のサブシステムが計画され、中島航空発動機製造株式会社(当時)により開発された。
これらの追加装備により、VF-1は真のマルチロール・ファイターとして評価されるに至った。
陸戦における装甲の脆弱性、及び必要以上の高出力といった問題点を解消すべく開発されたバトロイド形態用の全身装甲兵装システム。
これらを装着した状態は「アーマード・バルキリー」と通称され、外観は格闘戦用デストロイド「MBR-07
スパルタン」に酷似している。
この状態では
バトロイド形態のみに形態が固定されるため、当然変形は不可能となるが、装甲は戦闘中でも任意で瞬時に解除離脱(パージ)する事が可能である。
固定武装は両腕に「エリコーン GA-100 高速徹甲クラッシャー」3連×2基(1基あたり弾数3発、計18発)、全身に「エリコーン GH-32 グレネード・クラッシャー」計56発(次発装填無し、一斉射分のみ)。
本来は陸戦用限定の装備であり(
SDF-1 マクロスでは大気圏外運用が禁じられていた)、おもに強行突入や単独迎撃などの特別任務でしか使用されないが、マクロス艦上ではデストロイド部隊に混じって対空戦闘にも参加する。
その際の運用実績により、近距離まで接近してきた敵機には、無数のミサイルで弾幕を張るのが最も効果的だと判明する。
重装甲と全身のミサイル装備により、陸戦能力は局地戦兵器
デストロイドに匹敵する。
自重は倍加するが、剰余推力によりホバリングが可能である。
初期は開発企業
中島航空発動機製造株式会社(当時)の関連からJ型にしか対応インターフェイスがなかったが、後には複座型を除くほぼ各型に対応可能なように改良がなされた(アリイ1/170プラモデルシリーズでは、複座型のアーマードも商品として存在している)。
ガウォーク形態専用の
プロテクター・ウェポン・システムも存在し、こちらを装備した機体は、通称「アーマード・ガウォーク」と呼称される。
一部の武装は
バトロイド時用のものと共通だが、やはりこの状態での変形も装甲を解除離脱(パージ)しないかぎり不可能である。
一説には、ノーマルタイプのバトロイド形態に先駆けてアーマード形態がマスメディアには公開されていたと言われており、当時はまさかこの機体が航空機に変形するなどと想像する者はいなかったという(『超時空要塞マクロス ホビーハンドブック1』より)。
半世紀後の西暦2050年代にマクロスフロンティア船団で開発された「VF-25 メサイア」では、装着したまま三段変形が可能なタイプのアーマード装備が登場する。
大気圏外運用時のネックである稼動時間、行動範囲の延長、さらに機動性と火力の向上を図ったユニット。
構成は背部の化学式液体燃料ロケットブースター2基、両エンジンナセル側面の反応エンジン用大型プロペラントタンク、両腕のミサイル装甲ブロックからなる(各パーツは爆発ボルトによる分離が可能)。
これらを装着した状態の正式名称は「FASTパック装備型 VF-1(VF-1 w/FAST PACK)」であるが、兵士達がつけた愛称「スーパーバルキリー」が一般化し、FASTパックも「スーパーパーツ」と呼ばれるようになった。
なお、開発時は「ブービーダック」のコード名で呼ばれた。
これらのパックはVF-1各機種に装着でき、GPS-1Sと異なり三段変形の利点を損なわない。
戦闘時の加速力・機動力・火力すべてに数倍の性能を引き出し、宇宙におけるバルキリーの標準装備となる。またVF-11など後継の可変戦闘機にも継承されている。
通常、背部両ロケットブースターの前部ハードポイントにはマイクロミサイルポッド2基を装備するが、正面左側、パイロットから見て右側に2連装ビームカノンを付けるオプションもある(機構上では左右どちらも装着可)。
ただし高価で取り扱いが難しいため、S型(隊長機)しか使用を許可されない。
この仕様は「ストライクバルキリー」と呼ばれる(劇場版のみ登場。劇場版ではスーパーバルキリーが大気圏外運用時の標準仕様とされたため、隊長機の差別化のため設定された)。
VF-1を地上基地から宇宙へ打ち上げる際、機体後部に連結される。全長18.9m、通常型ロケットエンジンを使用(推力22,500kg×4×4)、分離後は補助翼を広げ自動操縦で基地に帰還する。一部にゼントラーディ系技術を導入したため、従来の地球兵器とは異なるフォルムを持つ(TV版30話のみ登場)。
PC-9801ゲームの『超時空要塞マクロス・ラブストーリーズ』、『超時空要塞マクロス・スカルリーダー コンプリートパック』に登場するゲームオリジナルの機体、スタンピードバルキリーの特殊装備。
通常のスーパーバルキリーやストライクバルキリーではゼントラーディ艦を相手では火力不足であることが指摘されていた為、攻撃力に特化した変形可能なアーマードバルキリー的な機体として登場した。
特殊な変形を可能とする為に、頭部や腕部の取り替えなど機体の事前改修が必要であり、また
ガウォーク形態が存在しない。
荷電粒子砲、クラスターミサイル、ガトリング・ガンポッドなど、戦艦を撃沈するに十分な強力な火器を装備しているが機動性に欠けている。