ロボテック・クロニクル - パルス・ドップラー・レーダー

目次【Index】

概要

  • AN/APG-78:ダブルクリックにて 1,228 pixel x 1,024 pixel の大きさに復帰します。

AH-64D アパッチ・ロングボウ【AH-64D Apache Longbow】最大の特徴、AN/APG-78ロングボウレーダー。

AN/APG-78 ロングボウ・レーダーは、35GHzというミリメートル波を使ったレーダーで、パルス・ドップラー・レーダーで、8km以内の移動目標、6km以内の停止目標を探知できるほか、地形追随レーダーにもなり、ロングボウ・ヘルファイアの誘導も担当します。

目標の発見や捕捉/照準に加えて低迎撃可能性【 LPI 】を有するように設計されている。レーダー自体は、AH-64Dの主ローター・マスト頂部の円盤形ドームに収められていて、空対空モードでは360度の捜索能力を有し、1回の360度全周走査は30秒以内で行われる。

また空対地モードでは、一つの走査セクター(区域)は90度で、それを3セクター有し、機体前方270度の範囲内で走査する。この他、地形プロファイリング機能も有する。

ロングボウ・レーダーは戦車や空中部隊などを迅速に探知・識別して位置を特定し、攻撃のための優先順位付けを行える。

空対地モードでは、地上目標に加えて空中目標の探知も可能たが、空対空モードでは地上目標の探知能力はない。

レーダー・アンテナの走査で把握された目標は機上プロセッサーが、精密な位置評定、移動速度、移動方向等の情報処理を行う。この作業は同時に最大256目標に対して行え、それぞれの目標の種別を特定することも可能である。さらにこれら探知目標について、脅威の度合いを判定して自動的に対処優先順位を付けて目標リストを作成する機能も有している。加えて、空対地モードでは優先射撃ゾーン【PFZ】を設定し、そのゾーン内のみの目標に関する優先順位付けも行える。優先順位付けされた目標は、優先度の高いものから順に最大で16目標がコクピットの多機能表示装置に表示される。

ロングボウ・レーダーの基部にはAN/APR-48A レーダー周波干渉装置(RFI)のセンサーが付いており、AH-64Dが地形等の陰に完全に隠れる前に受動方式で敵防空システムのレーダー輻射を捉え、その情報はFCRが優先順位付けをし、AGM-114 ヘルファイア対戦車ミサイルへ渡される。FCRの捜索処理による目標に対するキュー化は完全に自動化されており、AH-64Dが地形などの陰に隠れた後でも作動している敵防空システム存在下で、乗員による反応時間の最短化を実現できる。360度の脅威警報・識別能力を有するとともに、FCRの照準線に準拠した最大90度の範囲で射撃方向判定が行える。干渉装置のアンテナ・アレイは、FCRアンテナとともにボアサイト化されているのでRFIによる探知は高い精度でFCRの目標情報と一体化される。


脅威特性では、最大100のレーダー輻射をプログラム化でき、内蔵データとの照合で輻射源の機材等の特定化が行える。このプログラムは、取り外し可能型の 使用者データ・モジュール(UDM)に収められており、新たな脅威が出現した場合でもユーザーが容易にアップデートできるシステムとなっている。

名称

パルス・ドップラー・レーダー

Pulse Doppler Radar

概念

パルス・ドップラー・レーダー
(Pulse Doppler Radar)
レーダーが受信した信号にパルス連続処理とドップラー処理を加えるもので、ミキサーとバンドパス・フィルターを使用して目標物からの反射以外のものを排除するレーダー。地上や海面のクラッターなどを除去できる。

ドップラー技術を使用することで、目標の接近率を知ることもできる。

限界


ドップラー効果を利用してルックダウン能力を得る航空レーダー。
従来のレーダーと異なり、自機と同じ速度で接近する反応(つまり地表)をカットすることにより、下方へのレーダー視程を得ることができる。 

地上を走る移動反応も探知可能だが、ホバリング中のヘリコプター横切るように飛行する航空機は探知できない。