最終更新: hasa_minamikana 2018年05月16日(水) 22:27:57履歴
羽生蛇村 屍人の巣 中枢
第三日
AM3:00:00
はやて
────────────
……また、ここか。
もうどこが本当の世界で、どこが戻るべき場所なのかさえ忘れてしまった。
はやて「どんなに悲しくても涙も出ない…」
私はまた起きて、この宇理炎と共に屍人を狩り続けるのだろう。
はやて「死にたくても死ねない。帰りたくても帰れない。誰も…いない」
絶 望。
まさにその二文字が相応しい。
はやて「……堕辰子倒せば終わる……」
でも、それは二重の意味で出来なかった。
一つは今のままじゃ勝ても負けれもしないってこと。
一つは堕辰子を殺せば……。
その分身であるアニキが消えてしまうってこと…。
はやて「アニキ、いるんでしょ? 出てきなよ」
アニキ「やっぱり気づいてたんだね……」
はやて「ここへ来て二つの記憶が一つになった今、全部わかったんだ」
アニキ「……」
はやて「答え合わせをしようか、アニキ」
はやて「…現代時間で言えば27年前、私達は羽生蛇村の人間だった。私達4人は肝試しに出かけたところで異界に呑み込まれる。ここまで合ってる?」
アニキ「うん……」
はやて「そして私達はここまで何とかたどり着いた……宇理炎を手にして」
はやての左手の青白い炎が輝く。
はやて「四人で堕辰子に挑んだ……けど…私達は敗北した」
アニキ「……」
はやて「一回打てば命を失う宇理炎を3回分、当てても敵わなかった……かずき隊長、ぴゃー隊員、南カナ事務がいなくなり……怖くなった私は堕辰子に祈った。やり直させてくださいと……」
はやて「そうしてやり直した世界が……あの世界なんだね」
アニキ「うん……。私はそれを管理するために堕辰子から産まれた分身…」
はやて「弟って役割で入り込んで来たんだ。通りでアニキに話しかけられるだけで心が安らぐと思った…。脱け殻のみんなを見る度に違うと思った……! そんな造られた世界を本当の世界だとずっと思ってた!!!」
アニキ「お兄ちゃん……」
はやて「……答え合わせを続けよう、アニキよ」
アニキ「…………はやてがそれを望むなら」
はやて「今私が不死身なのはアニキのせい?」
アニキ「せい……だなんて言わないで欲しい」
はやて「……じゃあ言い方を変えるよ。アニキのおかげ?」
アニキ「うん……。部室で屍人化しそうなお兄ちゃんの血を抜き取って……私の血を…」
はやて「私は他の三人と違って生身だったってわけだ」
アニキ「……うん。隊長さんやぴゃーさん、南お嬢様は宇理炎で体を焼かれてしまったから……どうしようも出来なくて……」
はやて「違和感を与えないように脱け殻を設置したってわけだ……」
アニキ「……」
はやて「それで? いつまで続けるつもりなの? こんな終わらない世界をいつまであなたは繰り返すつもりなの?」
アニキ「私は……ただ……お兄ちゃんに生きて欲しかっただけなの」
はやて「私だってそうだよ……! ただみんなと普通に暮らしたかった! 憂とだって……」
アニキ「でも……もう知っちゃったよ? お兄ちゃんは全て……それでも……また……やり直したい?」
はやて「……私は……」
「おいおい、聞いてたら勝手に人を脱け殻だの何だの……言いたい放題だな、はやて」
「いつからそんな口達者になったんだ? はやて」
「はやてはそんな辛そうな顔して周りに心配かけたりしない子でしょ〜」
はやて「みんな……」
アニキ「……」
かずき「よっ、久しぶり。はやてもアニキも」
ぴ「それにしてもここ不気味だよな……」ガクブル
南「じゃあとりあえずお茶にしましょうか!」
かずき「南よ。さすがにそれは無理があるぞー」
はやて「……」
ぴ「はやて。私達のことが偽物だとか本物だとか……そんなことは大したことじゃないだろう?」
はやて「ぴゃー……」
かずき「ぴゃーの言う通りだぜ。それともなんだ!? 偽物だからってじゃあもう遊ぶのやーめたか?! そんなのわたしは寂しいぞはやてっ!」
南「どこの世界だろうと、私達が友達っていう事実は変わらないわ。だからこうしてまた私達はここにいる」
はやて「……でも……」
「全く……視界ジャックがなかったら死んでたわよほんとにもう」
はやて「!?」
リリシア「はやてが勝手に否定するのは構わないけど、私の記憶にはちゃんと幼なじみのはやてがいるんだから。それまで奪わないでよね」
はやて「リリシア……!?」
リリシア「私は何がどうなってるのかとか全くわからないけどね……。ただはやてやみんなが心配だからここまで来たの。それ以上もそれ以下もないわ!」
はやて「……」
アニキ「ありがとう、リリシアちゃん。来てくれて」
リリシア「アニキ。無事で良かったわ。なんだかよくわかんないけど喧嘩は駄目よ?」
アニキ「うんっ」
はやて「……じゃあ今までのこと全部忘れて……また繰り返せって言うの? もうやだよ……わたしには……」
羽生蛇村
第三日
AM1:00:00
さんちゃ
終了条件1 p_gmに自分の血を飲ませる
──────────
さんちゃ「p_gm〜」
さんちゃ「p_gm〜」
さんちゃ「ウィジェッタの夫〜」
さんちゃ「p_gm〜」
さんちゃ「駄目か」
一時間色々な呼び名で叫んでみるも反応なし、か。
さんちゃ「半屍人は生前の記憶に反応するらしいけど……もう屍人になっちゃったかな……p_gm」
さんちゃ「ううん諦めたら終わりだよっ! ここで取り出したりはわたし愛用のベース!」
さんちゃ「これを楽しそうに引けばp_gmも寄って来るかもしれない!」
さんちゃ「〜♪」ベンベンベベン
さんちゃ「……アンプないから寂しい」
バサバサバサ……
さんちゃ「はあ……」ベンベンベベン〜♪
バサバサバサ……
さんちゃ「p_gm〜」ベベンベベン♪
「シャアアアアアア」
さんちゃ「うわっ!」
上から急に何かに掴み上げられ、わたしの体は宙へ浮いた。
さんちゃ「な、なにっ! 屍人!?」
羽根p_gm屍人「シャアアアアアア……」
威嚇する猫のような声を出しながらわたしをどこかへ連れていこうとする屍人。
さんちゃ「ってよく見たらp_gmじゃん!!! わたし! ほら! さんちゃだよ!?」
羽根p_gm屍人「」バサバサバサ
さんちゃ「聞いてないしっ! クソ〜こうなったら!」
さんちゃ「とりゃっ!!!」
羽根p_gm屍人「ンン!?」
さんちゃ「ほら噛みなっ! そしてさんちゃ度100%の血を飲むんだよ!」
羽根p_gm屍人「ンン……ンンッ!」
さんちゃ「っつ……そう……それでいいよ…。わたしは屍人にもならない体らしいから心配しないで」
羽根p_gm屍人「ンン……ンン……」
さんちゃ「ありがとう、p_gm。わたしのことをあんなに思ってくれて。それがきっと神様に届いたからわたしはここを出れたんだよ」
羽根p_gm屍人「んん……ん……」
さんちゃ「でもね……やっぱり駄目だった。p_gmがいなきゃ生きててもつまんなかった。だから今度はわたしが神様に願うよ」
神様、いるのならどうかp_gmを元の姿に戻してあげてください……!
さんちゃ「届いて……っ」
ゆっくりと失速して行く二人。やがて木にぶつかると、長い遊飛行は終わりを告げた。
p_gm「……」
さんちゃ「あ、p_gm……元に」
p_gm「殺す気か!」
ペシーン
さんちゃ「あいたっ! ここは感動の再会の場面でしょうが! それを平手打ちってあんたね!」
p「うるさいうるさいっ! せっかく出られたのに戻って来たりして! 私のことなんてほっとけば良かったのに!」
さんちゃ「それが出来なかったから今ここにいるんだよ、p_gm」
p「……う、…うん…」
さんちゃ「奥さん見ました? これが噂のツンデレ」
p「デレてないから」
さんちゃ「相変わらず厳しいな〜p_gmは」
p「さんちゃ……ありがと」
さんちゃ「ん」
学校の中みたいなやりとりをした後、二人は光を遮る為に造られた屍人の巣に目を向ける。
さんちゃ「行こう、p_gm。先輩達の助けになりにさ」
梓p「うん。みんなで帰ろう。私達の場所に」
終了条件達成
────────────
14 16
第三日
AM3:00:00
はやて
────────────
……また、ここか。
もうどこが本当の世界で、どこが戻るべき場所なのかさえ忘れてしまった。
はやて「どんなに悲しくても涙も出ない…」
私はまた起きて、この宇理炎と共に屍人を狩り続けるのだろう。
はやて「死にたくても死ねない。帰りたくても帰れない。誰も…いない」
絶 望。
まさにその二文字が相応しい。
はやて「……堕辰子倒せば終わる……」
でも、それは二重の意味で出来なかった。
一つは今のままじゃ勝ても負けれもしないってこと。
一つは堕辰子を殺せば……。
その分身であるアニキが消えてしまうってこと…。
はやて「アニキ、いるんでしょ? 出てきなよ」
アニキ「やっぱり気づいてたんだね……」
はやて「ここへ来て二つの記憶が一つになった今、全部わかったんだ」
アニキ「……」
はやて「答え合わせをしようか、アニキ」
はやて「…現代時間で言えば27年前、私達は羽生蛇村の人間だった。私達4人は肝試しに出かけたところで異界に呑み込まれる。ここまで合ってる?」
アニキ「うん……」
はやて「そして私達はここまで何とかたどり着いた……宇理炎を手にして」
はやての左手の青白い炎が輝く。
はやて「四人で堕辰子に挑んだ……けど…私達は敗北した」
アニキ「……」
はやて「一回打てば命を失う宇理炎を3回分、当てても敵わなかった……かずき隊長、ぴゃー隊員、南カナ事務がいなくなり……怖くなった私は堕辰子に祈った。やり直させてくださいと……」
はやて「そうしてやり直した世界が……あの世界なんだね」
アニキ「うん……。私はそれを管理するために堕辰子から産まれた分身…」
はやて「弟って役割で入り込んで来たんだ。通りでアニキに話しかけられるだけで心が安らぐと思った…。脱け殻のみんなを見る度に違うと思った……! そんな造られた世界を本当の世界だとずっと思ってた!!!」
アニキ「お兄ちゃん……」
はやて「……答え合わせを続けよう、アニキよ」
アニキ「…………はやてがそれを望むなら」
はやて「今私が不死身なのはアニキのせい?」
アニキ「せい……だなんて言わないで欲しい」
はやて「……じゃあ言い方を変えるよ。アニキのおかげ?」
アニキ「うん……。部室で屍人化しそうなお兄ちゃんの血を抜き取って……私の血を…」
はやて「私は他の三人と違って生身だったってわけだ」
アニキ「……うん。隊長さんやぴゃーさん、南お嬢様は宇理炎で体を焼かれてしまったから……どうしようも出来なくて……」
はやて「違和感を与えないように脱け殻を設置したってわけだ……」
アニキ「……」
はやて「それで? いつまで続けるつもりなの? こんな終わらない世界をいつまであなたは繰り返すつもりなの?」
アニキ「私は……ただ……お兄ちゃんに生きて欲しかっただけなの」
はやて「私だってそうだよ……! ただみんなと普通に暮らしたかった! 憂とだって……」
アニキ「でも……もう知っちゃったよ? お兄ちゃんは全て……それでも……また……やり直したい?」
はやて「……私は……」
「おいおい、聞いてたら勝手に人を脱け殻だの何だの……言いたい放題だな、はやて」
「いつからそんな口達者になったんだ? はやて」
「はやてはそんな辛そうな顔して周りに心配かけたりしない子でしょ〜」
はやて「みんな……」
アニキ「……」
かずき「よっ、久しぶり。はやてもアニキも」
ぴ「それにしてもここ不気味だよな……」ガクブル
南「じゃあとりあえずお茶にしましょうか!」
かずき「南よ。さすがにそれは無理があるぞー」
はやて「……」
ぴ「はやて。私達のことが偽物だとか本物だとか……そんなことは大したことじゃないだろう?」
はやて「ぴゃー……」
かずき「ぴゃーの言う通りだぜ。それともなんだ!? 偽物だからってじゃあもう遊ぶのやーめたか?! そんなのわたしは寂しいぞはやてっ!」
南「どこの世界だろうと、私達が友達っていう事実は変わらないわ。だからこうしてまた私達はここにいる」
はやて「……でも……」
「全く……視界ジャックがなかったら死んでたわよほんとにもう」
はやて「!?」
リリシア「はやてが勝手に否定するのは構わないけど、私の記憶にはちゃんと幼なじみのはやてがいるんだから。それまで奪わないでよね」
はやて「リリシア……!?」
リリシア「私は何がどうなってるのかとか全くわからないけどね……。ただはやてやみんなが心配だからここまで来たの。それ以上もそれ以下もないわ!」
はやて「……」
アニキ「ありがとう、リリシアちゃん。来てくれて」
リリシア「アニキ。無事で良かったわ。なんだかよくわかんないけど喧嘩は駄目よ?」
アニキ「うんっ」
はやて「……じゃあ今までのこと全部忘れて……また繰り返せって言うの? もうやだよ……わたしには……」
羽生蛇村
第三日
AM1:00:00
さんちゃ
終了条件1 p_gmに自分の血を飲ませる
──────────
さんちゃ「p_gm〜」
さんちゃ「p_gm〜」
さんちゃ「ウィジェッタの夫〜」
さんちゃ「p_gm〜」
さんちゃ「駄目か」
一時間色々な呼び名で叫んでみるも反応なし、か。
さんちゃ「半屍人は生前の記憶に反応するらしいけど……もう屍人になっちゃったかな……p_gm」
さんちゃ「ううん諦めたら終わりだよっ! ここで取り出したりはわたし愛用のベース!」
さんちゃ「これを楽しそうに引けばp_gmも寄って来るかもしれない!」
さんちゃ「〜♪」ベンベンベベン
さんちゃ「……アンプないから寂しい」
バサバサバサ……
さんちゃ「はあ……」ベンベンベベン〜♪
バサバサバサ……
さんちゃ「p_gm〜」ベベンベベン♪
「シャアアアアアア」
さんちゃ「うわっ!」
上から急に何かに掴み上げられ、わたしの体は宙へ浮いた。
さんちゃ「な、なにっ! 屍人!?」
羽根p_gm屍人「シャアアアアアア……」
威嚇する猫のような声を出しながらわたしをどこかへ連れていこうとする屍人。
さんちゃ「ってよく見たらp_gmじゃん!!! わたし! ほら! さんちゃだよ!?」
羽根p_gm屍人「」バサバサバサ
さんちゃ「聞いてないしっ! クソ〜こうなったら!」
さんちゃ「とりゃっ!!!」
羽根p_gm屍人「ンン!?」
さんちゃ「ほら噛みなっ! そしてさんちゃ度100%の血を飲むんだよ!」
羽根p_gm屍人「ンン……ンンッ!」
さんちゃ「っつ……そう……それでいいよ…。わたしは屍人にもならない体らしいから心配しないで」
羽根p_gm屍人「ンン……ンン……」
さんちゃ「ありがとう、p_gm。わたしのことをあんなに思ってくれて。それがきっと神様に届いたからわたしはここを出れたんだよ」
羽根p_gm屍人「んん……ん……」
さんちゃ「でもね……やっぱり駄目だった。p_gmがいなきゃ生きててもつまんなかった。だから今度はわたしが神様に願うよ」
神様、いるのならどうかp_gmを元の姿に戻してあげてください……!
さんちゃ「届いて……っ」
ゆっくりと失速して行く二人。やがて木にぶつかると、長い遊飛行は終わりを告げた。
p_gm「……」
さんちゃ「あ、p_gm……元に」
p_gm「殺す気か!」
ペシーン
さんちゃ「あいたっ! ここは感動の再会の場面でしょうが! それを平手打ちってあんたね!」
p「うるさいうるさいっ! せっかく出られたのに戻って来たりして! 私のことなんてほっとけば良かったのに!」
さんちゃ「それが出来なかったから今ここにいるんだよ、p_gm」
p「……う、…うん…」
さんちゃ「奥さん見ました? これが噂のツンデレ」
p「デレてないから」
さんちゃ「相変わらず厳しいな〜p_gmは」
p「さんちゃ……ありがと」
さんちゃ「ん」
学校の中みたいなやりとりをした後、二人は光を遮る為に造られた屍人の巣に目を向ける。
さんちゃ「行こう、p_gm。先輩達の助けになりにさ」
梓p「うん。みんなで帰ろう。私達の場所に」
終了条件達成
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