ホイミンああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!


イブールランドとは人気絵本作家イブールが儲けすぎた金で作っている遊園地、
およびそれを中心としたリゾート私設である。彼の描く絵本は『イブールの絵本』として
世界中の子供から大人にまで親しまれており、絵本に登場する様々なキャラクターを
あしらった商品は世界中でバカ売れしている。まさしく金の卵を生むガチョウである。
ちなみに一番有名なキャラクターは【ミ○キースライム】。ホイミンもこのイラストが
描かれた小さなマグカップが大のお気に入りで道具袋にいれていつも持ち歩いている。

「○○さん!このかんばん!!なんてかいてあるの?ミ○キーがかいてあるよ!」

『セントベレス山の巨大リゾート施設《イブールランド》この春ついにオープン!
かわいいキャラクターがお出迎え!楽しい乗り物がい〜っぱいの巨大遊園地!
珍しい動物がたくさんの動物園!誰も知らない海の生き物満載の水族館!
常設のサーカスではベテラン芸人による楽しいショーがお楽しみいただけます!
また当施設のホテルには良質の天然温泉、巨大カジノ、ショッピングモールを完備!
そして一流シェフを集めたレストランでぜひとも世界中の美食をご堪能ください!!』

「あ〜これかぁ…ついに完成したのか……。ホイミン、これは遊園地の案内板だ」

「ゆうえんち…?ゆうえんちってなあに?」

「遊園地ってのはな…。こう…でっかいカラクリの馬に人が乗ってグルグルまわったり…
ものすごいスピードのトロッコがあったり…作り物のおばけがいる屋敷があったり……」

「……???」

「口で説明してもわかんねーか。よし!今度ここに連れてってやる!とにかく楽しいとこだぞ!」

「ほんとう?わーい!わーい!」

「実は俺、3年くらい前にここの建設現場でバイトしてたんだぞ」

「へぇ〜」

「その頃は俺も旅に出たばっかでまだまだ弱くてな〜。魔物には苦戦するし金は無いし…、
明日の飯にも困ってたとこに酒場の親父からここのバイトの話を紹介されて行ったんだ」

「どんなおしごとだったの?」

「ん〜。毎日岩を運んだり、石壁を積んだりする体力勝負だったが待遇は随分よかったぞ。
給料は良いし、部屋は個室だし、三食美味い飯を食い放題だったし、温泉には入れたし」

「ねぇ、ねぇ…イブールさんにあったことある?」

「おう!ちょくちょく現場を見に来てたなあ…。優しげで結構気さくなおっさんでよ。
俺みたいなただのバイトにもよく声を掛けてくれたわ。あ〜懐かしいぜ…。
そこには俺のような若い奴らがたくさん働いててな。夜はみんなで酒飲んで騒いで…
将来の夢なんか話したりして…友達もたくさん出来たし、いい思い出だな。マジで」

「『せいしゅんのいちぺーじ』ってやつだね!」

「お、難しい言葉知ってんなホイミン!で、俺はそこで3ヶ月働いてまた旅に出たんだ。
金は貯まったし、力は付いたし。俺、イブールさんにはほんと感謝してるんだぜ」

「ゆうえんち、たのしみ!」

「え〜と、今からホテルの予約が出来るみたいだな…早速連絡してみるか。
お、世界中のでかい街に直通の旅の扉を設置してあるって!?スッゲェなあ…
当時は船で島まで行って、ケーブルカーで山頂まで登ったからな。こりゃ楽だぜ」

「ミ○キースライムいるかなあ……」

「握手してもらえるといいな!ホイミン!」

※『ゲマのティーパーティ』『ジャミのメリーゴーラウンド』『ゴンズさんのハニーハント』
が人気らしいです。夜は盛大なパレードと花火が楽しめます。行ってみたいです。

《ルラフェンの町》

「ほんっとにこの町は歩きにくいったらねぇぜ…よそ者を拒んでるとしか思えねぇ…」

「ねぇねぇ。この『ムラムラそう』をえんとつのいえのおじいさんにとどけるんだよね?」

「ああ、全く…迷子になって道聞いた家のじいさんからヘンな依頼受けちまったぜ」

「これ、なににつかうのかな?」

「新しい強壮剤の材料になるらしいが…なにせ下町の発明王の造るやつだ。
怪しい薬に違いねぇ。あぶねーあぶねー。絶対認可は下りないと思うぜ…」

「……あっ!○○さん!いまむこうからあるいてくるの、ゆうしゃさまだよ!」

「マジでか?おいホイミン、ちょっと隠れるぞ!こっそり様子を伺おうぜ!」

「キャッキャッ…!ボクたちなんかたんていさんみたいだね!カッコイイ!」
        ・
        ・
「う〜ん。どうやら連中、明日にはサラボナに向かうらしいな」

「ゆうしゃさまたち…すっごくおさけくさかったね……においがプンプンしたよ」

「全くこんな真っ昼間から…確かにこの町の地酒は美味くて有名だけどよ…
つーかまだあんなショボイ装備してんのか…いつまで革の鎧着てんだよ…」

「きっと、おかねをめぐまれないひとたちにあげてるんだよ……」

「カジノ船に行きてぇとかなんとか話してたぞ…こりゃ遊んで使い果たしてるな」

「………」

「チッ…仕方ねぇ…。確かサラボナへはここから1本道のはずだ…。
先回りしてサラボナ方面に抜ける洞窟の宝箱に売っぱらおうと思ってた
いらねー防具入れといやるか。急ぐぞホイミン!まずはじいさんの家だ!」

そして…ベネットじいさんが開発した『ファイト一発』は世界中で大ヒット。
勇者達は『革のこしまき』『かめのこうら』『戦士のパジャマ』を手に入れた。

※相棒は若いので薬は不要。しかもホイミン相手なので1発と言わず3発は…

《ついに明かされるホイミンの過去、そして人間に憧れる理由》

【まもののむれにかこまれた!】

「チッ…!数が多い!稲妻の剣発動!…イオラ!」

【まもののむれをやっつけた!】

「ふぅ…危なかった…マヒ攻撃する奴がいたからな。食らったら厄介だったぜ」

「おつかれさま〜!ケガはなあい?ホイミするよ!」

「ああ…俺は大丈夫だ……っ!!?ホイミン後ろ!伏せろっ!…!」

【なんと!ごうけつぐまがたちあがってホイミンにおそいかかってきた!】

「ガルルルッ……ガオォォォォォーーーン……!!!」

「きゃっ………!!!」

「ホイミン……!!!」

……………………………ドサッ…!!!

【ホイミンのどくばりがきゅうしょをついた!ごうけつぐまをやっつけた!】

「ふぅ…あぶなかったあ…。グスッ…えーん!こわかったよう○○さん…!」

「よしよし…無事で良かったぜホイミン。ゴメンな。俺が油断してた……」

「ぐすっ…もうだいじょうぶだよ○○さん。ちょっとびっくりしちゃっただけ…」

「ホントか?まあ少し休んで行こう。…にしてもお前の毒針はスゲェなあ…。
危ないからほとんど下がらせてるけど…戦ったらいつも百発百中じゃねぇか」

「きゅうしょをついているからね」

「……だからそれがすげぇんだって。熟練した武闘家だって動いてる敵の
急所を100%攻撃出来ないんだぜ?毎度毎度会心の一撃は絶対無理だ」

「そうなの?」

「ホイミスライムのお前に一体どうしてそんなことが出来るんだ?」

「……う〜ん。それはねぇ…はなせばちょっとながくなるけどいい?」

「待て待て…じゃあ人間に変身してから頼む。ひらがなだけだと読み辛い」

「……………」
       ・
       ・
「あれはまだボクが人間になる旅に出るずっと前のことです。
ある日、野原でちょうちょを追って遊んでいたボクはいつの間にか
ロンダルキアへの洞窟に迷いこんでしまい出口がわからず困っていました」 

「……なんつーあぶねー場所の近くで遊んでたんだ…」

「あそこに住んでる魔物は意地悪なやつが多くて…ボクはうっかりぶつかった
バーサーカーの怒りを買って追い掛け回されていました。ちゃんと謝ったのに…」

「そりゃ相手が悪かったな……」

「……とそこへ突然1人の人間の男が現れてあっという間にバーサーカーを
やっつけてしまったのです!本当に一瞬の事で……ボクもうビックリしたよ!」

「1人であの洞窟に来たのか?スゲェなあ……」

「どうやら武闘家らしいその人は鉄の爪はおろか、防具すら身につけてなくて…
もう剥き出しの筋肉がスッゴイの!胸には矢で射抜かれたような傷がいくつも
あって…とにかくゴッツイの!そんでもうメチャクチャ強くて凄いカッコいいの!」

「装備無しってマジか?ありえねぇ…恐ろしい男もいたもんだぜ……」

「ボクが危険な魔物じゃないとわかると、その人は親切に洞窟の出口まで
ホクを連れてってくれて……途中で襲いかかってきた魔物は全て瞬殺されたよ」

「パネェ……」

「ボクはすっかりその人に憧れて…頼み込んで少しの間旅に同行させてもらったんだ。
そしてその強さの秘密を教えてもらい、弟子にしてもらい修行をつけてもらったんだ」

「弟子……?ホイミスライムをか?」

「その人はえ〜と…何とかシンケンとかいう前説…いや、伝説の拳法の使い手で……
一撃で魔物を倒せるのはツボ…だか、ヒコウ…?だったかな?そういう体のキの流れ?
の要所要所が見えて…そこを正確に突くことによって…一撃で倒すことができるんだって」

「もしかしてその男が伝説の勇者じゃね?今いるのニセモノだろ絶対」

「違うよ〜。その人は魔法は使えなかったし。勇者ならライデインを唱えられるじゃん。
なんか同じ人間の宿敵がいるとか…そいつを探して倒すために旅をしていたんだって」

「そんな強い男が探し求める敵……マジで人間なのか?」

「ボク達は三ヶ月ほど一緒に旅をして、その間にボクはヒコウが分かるようになったんだよ!
その人も…いや、ボクはその人を師匠と呼ぶよ!?師匠もすっごく驚いてたよ」

「……俺も驚いてる」

「う〜ん、でもねぇ…ヒコウが見えた所で当時のボクはただの非力なホイミスライムで…
いくら力を込めても会心の一撃どころか…ひのきの棒で殴った方が全然ましだったよ」

「………だろうなぁ…」

「…で、でもでもね。敵を倒すヒコウの他にも体のキの流れを良くする治療のための
ヒコウも教えてもらって…ボクは触手がたくさんあるし…ホイミと組み合わせた指圧が
すごく良く効いてね。師匠にマッサージ師としてどこでも食っていけるって褒められたよ!」

「あ〜それでお前の指圧(触手圧?)はあんなに上手いのか。人間のプロ以上だもんな」

「……まあそれでホイミスライム初の武闘家になる夢は諦めたんだけど、ボク師匠に
出会って人間に憧れて…師匠と別れた後も人間になる方法を探して旅を続けたんだ」

「そこで俺に出会ったって訳だ。しかしお前にそんな過去が会ったとはなあ……。
なるほど、それで非力なお前に毒針はぴったりの武器だったって訳か」

「でもたくさん敵がいたら攻撃貰っちゃうし…、ボク守りは弱々だから……」

「それで人間になったら武闘家になりたいって言い出したのか……」

「なれるかなあ…?」

「なんせ1日3時間しか人間になれないからなあ……。
普通の人間だって長い時間修行を積んで強くなるんだし」

「そーだよねぇ……」

「まあ、そんなにがっかりすんなって。その内いい方法が見つかるさ!」

「エヘ…ありがとう○○さん!そうだよね!きっとなれるよね!」

「……ところでホイミン。その…ヒコウってのは…メタルスライムにもあるのか……?」

「……もちろんあるよ…ボクにはちゃんとそれが見えるよ…。でもね○○さん……。
ボクは同じスライム族を倒して強くなるくらいだったら……弱いままでかまわないさ!」

(…………ホイミン△)

※ホイミンはすばやさが高いので相手の動きが良く見えます。見えるだけ。

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