当wikiはアニメ、覇穹封神演義を検証するwikiです。

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◆脚本:大草芳樹 ◆絵コンテ:神保昌登・藤木かほる ◆演出:神保昌登 ◆作画監督:藤木かほる

王天君によって、武成王と引き合わされる聞仲。
さらに太公望、楊戩、天化も集められ、
その目の前で宝貝『紅水陣』を展開する王天君。
そこは、紅い霧が煙る禁城で。
太公望たちが見守る中、武成王と聞仲の二人が想いをぶつけ合う。
「もう私は誰にも心を開かぬと決めたのだよ」
「オメーを一発ぶん殴らにゃあ気がすまねぇ!!」
一方、王天君の策略を前に、元始天尊はある記憶を思い出していた。
それは2000年前のことでーー。


そもそも「武雄」とは誰なのか


「武雄」が「封神」される話なのでこのサブタイトル名なのだが、今回封神された武成王・黄飛虎は覇穹封神演義では3話と11話の2度しか戦闘シーンが無かった(20話の黄天化の冒頭の回想でも、どうやら黄飛虎も戦闘に参加していたのかも?と分かる程度の描写がある)。3話での初戦となった紂王との戦いでは負けているし、11話での金鰲島の雑魚妖怪たちとの戦いでも、どちらかというと目立っているのは息子の黄天化の方であった。
原作17巻(第146回)の題名をそのまま使用したとはいえ、こんな戦いしかできなかったキャラクターを「武雄」と呼ぶのは大げさだろう。

無論、原作では大将軍たる武成王の地位を殷でも周でも任されるだけあって、巨大鉄棒を軽々と振り回し、大剣で壁を破壊し、背中をグッサリ刺されても平気なタフさを見せつけて、黄飛虎は十二分に武雄として太公望たちの戦力となっていたのでこんなツッコミは無用であったのだが。
やはり第1話でおかしな登場の仕方をした時点で不安視されていたように、大いに魅力を損ねられた被害者であった。


ちなみに「武雄」は藤崎竜オリジナルの言葉なのか、字面から想像できるとはいえ、一般的な辞書を引いても正確な意味が見つからない。あるいは「武勇」の誤りなのか。

黄天祥くんは欠席です


原作既読組ならほとんどの者が異を唱えずにはいられなかったであろうポイントである。黄飛虎対聞仲の場に、王天君がワープ能力を使って連れてくる「観客」が黄天化しか居ない。原作では弟の黄天祥もいたのだが。

既に戦場が金鰲島に移った段階で黄天祥が居なかったため一部では予想もされていた事態だったが、王天君の便利なワープ能力があれば、黄天祥だけ地上待機となっていたケースでも、アニメ中の描写としては地上から連れてこようが納得させられるはずなのだ。なぜこういうときだけ整合性をとろうとするのか?せっかく4話から、黄家の長兄と三男を抹消しつつも天祥だけは声付きアニメつきで登場させていたのだから、蝉玉同様いっそ初めから消しておいた方が視聴者側にも制作側にも優しい結果になったことだろう。

それとも、覇穹の彼は過去の回想で描かれたウィルス攻撃によってそのまま病死してしまったのだろうか。

折レテナーイ


前回21話にて、元始天尊の重力攻撃によって下画像のように右腕を折られてしまった聞仲。


原作ではこのシーン以降、彼は一貫して禁鞭を左手に持ち替えて戦い続けるのだが、覇穹封神演義では場面ごとに右手に持ったり左手に持ったりと落ち着かない。折れたはずの右の二の腕もまっすぐに再生している。(黒「さすが聞仲さま!」)




どうやら、主に原作のコマに無い覇穹オリジナルの構図を描いて動画として埋め合わせようとした絵にこの作画ミスが起きたようである。絵コンテを担当した神保昌登氏のミスと言えるだろう。
しかし・・・(次回23話のページを参照)

黄飛虎の突進を跳んで躱して後方から鞭を打つ、原作にある構図(左手持ち)


その直前2秒前、原作では腕が写っていない構図(右手持ち)


言うまでも無く、都度持ち替えていることが分かるアニメーションは全く無い。

空間宝具ハンパないって!中国大陸めっちゃ移動するもん!

元始天尊を追い詰める聞仲の前に死んだはずの王天君が出現し、聞仲と黄飛虎は彼の空間宝「具」・紅水陣に閉じ込められる。
封印された空間は、崑崙山ではなく禁城であった。
黄飛虎は困惑するが、聞仲は、
聞仲「これは王天君が作り出した亜空間に過ぎない。」
と冷静に状況を観察し、この禁城は王天君の操る幻影だと考えて力づくで脱出を図ろうとする。

・・・というところまでは原作通りの展開なのだが、この後に戦いが終わり黄飛虎が封神されると、アニメオリジナル展開として黄飛虎の魂魄は太公望たちの背後から空に飛び立つのである。つまり聞仲の言う通りの幻ではなく、聞仲と黄飛虎は紅水陣によって一瞬で崑崙山から東に遠く離れた朝歌の禁城にワープし、そこで戦っていたようにも見える。また、この魂魄の光の柱は、根本が崑崙山の瓦礫の手前から伸びているようにも見えるので、太公望たちの手前でも遥か遠くの禁城でもない、太公望たちの現在地からやや離れた崑崙山中のどこか別の場所のようでもある。
王天君のワープ能力が凄まじい、という理屈を通すなら聞仲のセリフが無意味に誤解だったことになるし、ワープしていなかったとしたら崑崙山の後方に飛虎の魂が現れた画面と矛盾する。



黄飛虎は聞仲の目の前で力尽き、魂魄が飛ぶ


すると次のシーンでは紅水陣の外で戦況を見守っていた太公望たちの後ろから魂魄が空に上る


太公望たちも振り返って黄飛虎の魂を見つめるので、作画ミスなどではなく意図的な演出である。

原作17巻では、太公望たちの前で内部の様子を投影していた紅水陣の一部から魂魄が飛び出るコマがある。従って、聞仲の見抜いたとおり二人は実際に禁城へ飛ばされていたわけではない。


→その後、次の23話では激怒する聞仲が紅水陣の壁を内側から破壊して元の空間へ脱出するシーンから再開するのだが、脱出した聞仲と太公望たちの位置関係は、上掲の漫画のコマとほぼ同じ距離感であった。つまり紅水陣が解除された途端に太公望たちが見ていた画面の位置にワープしたということになる。

23話の開始から2分ごろ、聞仲を背負ってその場から離れようとする黒麒麟と、その隣の岩場に立つ太公望たち

スーパー宝貝をわしづかみする天然道士




黄飛虎は聞仲の禁鞭を掴み、勢いそのままに聞仲を殴り倒すアニメオリジナル演出が挿入される。

原作では武吉や黄天化の台詞によって、宝貝は仙人になるための修行をした者でなければ、扱うどころか触るだけで力を奪われ死に至る危険すらある、という設定が明かされる。なので原作準拠の設定があるとすれば、宝貝の中でも最大級の力を持つスーパー宝貝・禁鞭では触った時点で黄飛虎は反撃どころか一瞬で瀕死に陥るのではないのか。

とはいえ、覇穹では幸いなことにそういった面倒な設定が明かされるシーンが尽くカットされたおかげで破綻は無いと言える、かもしれない。上述した、武吉が太公望から天然道士と宝貝の関係について説明される場面は無いし、11話にあたる場面で黄天化が黄飛虎と黄天祥に「宝貝に触るとダメージをうける」と注意する旨のセリフもカットされている。
というか全23話の本作において「天然道士」という設定が登場人物のセリフになって表れたのは今回22話が初めてなのだ。説明不足のおかげで矛盾は回避されたのである。やったぜ!

妲己ぃー!


Cパート、本作の黒幕である女媧が、己の目的を語る。
同じ口調のまま画面が移って封印された女媧の前に立つ妲己が現れるので、どうやらこれは視聴者へのナレーションではなく妲己へ語りかけている体らしい。
「今回のこの世界は限りなく上手くいっておる」
と評価しているが、仙界大戦と牧野の戦いの同時進行は本当に「計画通り」なのだろうか?

また、語りの最後となる部分で、
ああ、ああぁ! 妲己!
と喘ぐのはどういう意味の演技なのか理解不能である。
原作の女媧は妲己でさえも取るに足らない存在としか見ていない様子なので女媧が妲己の個性に執着するさまが分からないが、この場面ではどうやら妲己は女媧に対して恐怖どころか優位を感じているような表情も見せる。妲己は女媧にさえも何かをして操る術を身に着けたのか。
より情報の少ない原作未読の視聴者は、女媧が妲己とレズ関係を望んでいるように映るのだろうか?
どうせ後1話分しか残っていない状況では、疑問を膨らませたところで到底答えが描かれるようなゆとりは無さそうだが。

このページへのコメント

すみませんが記事中の顔文字や私的な感想コメントは削除しました。編集作業は大変助かるのですが客観性を保ちたいので。

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Posted by 管理人 2018年12月17日(月) 00:21:44 返信

ポートボール武吉の件があるからここは突っ込みにくいね

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Posted by 名無し(ID:dMlUBtRDTw) 2018年07月01日(日) 14:00:39 返信

宝貝は持ち主の仙人骨から出る強大な力を吸収して奇跡を起こすって話だから、この場合聞仲の力を吸収して奇跡を起こしている禁鞭に触っても問題ないのでは?

実際に武王もヨウゼンが操ってる哮天犬に触れても問題なかったし(健康に悪いとは言ってたけど)
多分、誰も手を触れてない禁鞭に触れたら即死すると思うけど・・・、まあどっちにしても改悪だとは思うけどね。

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Posted by 名無し(ID:ZJ+3/qiFPA) 2018年06月30日(土) 20:46:02 返信

飛刀って宝貝じゃないのかな?妖怪?
武成王はとにかく頑健な描写が原作で多くてまあ死にゃせんだろうと思ってた
あと武吉もパスカットしてるので問題ないかとww

哮天犬が宝貝扱いで何かと気を使うんだよね

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Posted by 名無し(ID:Iub4alm7Xw) 2018年06月24日(日) 05:20:02 返信

↓いや、自分のレスだが、やっぱりちょっと苦しいかもしれない。
太公望たちの後ろで黄飛虎の魂魄が飛んでいくシーンの画像は、よく見ると建物の床らしき人工物が背景に映っている。これは聞仲が破壊した元始天尊の宮殿の床と見るのが妥当じゃないのか。つまり位置関係は近い、はず。

崑崙山には宮殿以外にもこういう床が使われてた建物があって、あの床は聞仲が破壊したものじゃなく金鰲島と衝突したときにできた残骸だ・・・とも言えそうだけど。

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Posted by 名無し(ID:NFXAlOyc/w) 2018年06月23日(土) 20:22:44 返信

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