【柊×NANA】笑顔の行方*エロなし
【柊×NANA】わがまま01*エロあり
【柊×NANA】チョコより甘く*エロありの続編

2012/06/21(木) 00:53:26.86 ID:0Lr5QSl6

「わっ、あと3分!!ギリ間に合ったー!」
豪快に玄関のドアを開けて、スニーカーを脱ぎ散らかして勇気はリビングに走る。
「そんな慌てなくてもお前、毎週録画予約してるだろ」
ゆっくりとブーツを脱ぎながら、廉が呆れたような声を出した。
勇気はすぐにテレビの電源を入れてソファの真ん中に陣取る。
「帰ってきたら、手ぐらい洗えよ」
美男もそんな様子に苦笑しながら手を洗い、冷たいおしぼりを作って勇気へ放り投げた。
「ほら、柊さん!早く早くっ」
手招きされて、柊もとりあえずポットの電源だけ入れてソファに腰掛けた。

ピアノが奏でる切ないBGMの中、スラリと背の高い男と、可憐な美女が部屋で向かい合っている。
男を見上げる女の目には既に涙が浮かんでいた。
『もう…回り道はしたくない。俺たちのことを、誰にも邪魔されたくないんだ』
『だったら…!私もあなたも…何もかも捨てるしかないの?でもそんなこと…っ』
『できるよ。俺たちが一緒に居られれば、何だって…』
女の瞳から、一筋の涙が零れ落ちる。
男は、それを指で拭った後にそっと唇を重ねた。
すぐに激しい口づけに変わり、男はベッドへ女を押し倒す。
『これからもう俺は、あの家の人間じゃない…。君が望む物さえ何も
買えないかもしれない…それでも、俺と一緒に…?』
『私が欲しいのは、あなただけ…他に何もいらないわ』
優しく微笑む女の首筋に男は顔を近づけて、2人は覚悟を決めた表情で互いの身体を
求め合ったところで、大袈裟な程のエンディングテーマ曲がかかる。
そして2人の恋路を邪魔する周囲の人間が、何かを画策しているシーンへと変わってから、
キャストのクレジットが流れ始めた。主役の若手人気俳優RYOの名前の次に、NANAの名前が流れる。

「も〜〜イイところでまたTo be continuedだよ…」
「これ、ほんと超ベタなんけどハマるよなぁ」
毎週このドラマを楽しみにしている勇気と美男が口々に言い合う。


ドラマの舞台は30年ほど前で、主役の大財閥御曹司と恋に落ちてしまう医者志望の苦学生をNANAが演じている。
他のドラマで何度かヒロインの友達役などを経験した後、その美貌と演技力を買われて
今回はヒロインに抜擢されたのだった。
古めかしいセリフや衣装とセット、展開などが却って新鮮で幅広い世代に支持され、
キャストの熱演も相まって前回の視聴率は20%を超えたという。

「あの嫌味な母親より、表向きはイイ顔する親友のほうが絶対怪しいよな」
ドラマが始まった当初は興味が無さそうだった廉さえも、今では一緒に語るほどだ。
「あー!やっとラブラブなのに、もう引き裂かれるのかなぁ、気になる…!」
次回予告を見ながら、勇気がジタバタとソファで悶絶する。
「NANAもすっかり女優だな…柊は嬉しいだろ?彼女が女優ってかっこいいよなー俺も女優と付き合いたい!」
「まぁ、NANAが仕事頑張ってるのは…いいことだと思ってるけどね」
ティーカップを手に、柊はクールに美男の問いに答えた。

「演じられるのは妖精ばっかじゃないんだな」
「いやいや、最後のシーンも表情とかすっごい良かったよ!妙にエロかったし」
廉もひねくれた言葉でNANAの演技力を認め、勇気はすっかりファンになっているようだ。
「あの2人、画になるっていうか…違和感無くて似合ってるよね」
「うんうん。ホントの恋人に見える!」
「主役のRYOってやつ、他にどんなドラマに出てたかお前ら知ってるか?」
「えっとね〜確か去年…」
盛り上がる3人を横目に見て、柊は静かに席を立った。

柊が部屋に戻ると、充電中の携帯がメールの着信を知らせていた。
差出人は、さっきまでTVの中で見ていたNANA。
"お疲れ様!ドラマ見てくれてた?どうだったかな?
私はさっき撮影終わって家に帰ってきたよ♪今日も疲れたけど、楽しかったー!"
柊はメールを確認した後、NANAへ短く返信してから1つ、大きな息を吐く。
そして部屋のキーフックにかけていた車の鍵を取って握り締めた。


NANAのマンションに着くと、満面の笑みで迎えられた。
「柊!遅いのに来てくれて、ありがと」
「突然、ごめん…急に会いたくなったんだ」
「ううん、嬉しいから…入って?」
先ほどメールを受け取った後、"今からそっちに行くけどいい?"と、やや強引な返信をしていたが、
NANAは快諾して柊を迎え入れた。

コーヒーを淹れながら、NANAは冷蔵庫からフルーツの乗った皿を取り出す。
「柊は知ってた?コーヒーと、イチゴやキウイを一緒に食べたら疲労回復効果があるんだって」
「へぇ…それは知らなかった」
「深夜ロケの時にね、RYO君が教えてくれたの。確かにちょっと効果ある気がするんだ」
さっきまでTVで見ていた主演俳優の名前に、柊の肩がピクリと反応した。
「撮影、かなりハードみたいだね…ちゃんと寝られてる?」
「うん、大丈夫。最近はRYO君がね、質のいい睡眠を取る食べ物を色々教えてくれて…
 バナナ豆乳がオススメなんだって」
「…そっか」
柊はコーヒーカップに口をつけながら、短く返事をする。
「あ、あとはコレ!」
棚の引き出しから、NANAはアイマスクを出して装着した。
「このアイマスクも、RYO君がくれたんだけど…ホントどこでも寝られちゃ…ぅんっ!」
振り向きざまに、柊はNANAの唇を噛み付くように奪った。
アイマスクをしたまま柊の表情は見えず、深く侵入してくる舌からはコーヒーの味がする。
「ぅ…ふっ…んん…」
NANAは息苦しくなって声を漏らしたが、柊はその腰をしっかり支えた。

「はぁっ…はっ…しゅ…う…?」
数分後、ようやく唇を解放されたNANAは荒い息を整えて柊に問いかけようとする。
しかし、砕けそうな足腰がふわりと宙に浮いた。
「えっ?柊…ちょっと…!」
視界を遮られたまま、NANAはベッドへと運ばれる。
背中にふわりと柔らかさを感じるとすぐに、柊が上に重なってきた。
「ねぇ、急にどうしたの…?」
邪魔になるアイマスクを取ろうとNANAが上げた腕を、柊が掴んだ。
「今の俺を…見ないでくれ」
「何なの…?」
「凄く…くだらない感情で、ヒドイ顔してるから」
そう言って、優しくNANAの身体を抱きしめる。
その胸元に顔を埋めて、柊は少しだけ力を強めた。


「柊…ホントにどうしたの?」
NANAは解放された手で、そっとアイマスクを外した。
今日柊に会ってからのことを思い返してみるが、いつもと違う言動をした覚えも無く…。
首を傾げていると、柊の唇がNANAの胸元から首筋へと這い上がってきた。
「ゃっ…ぁっん…」
ゾクゾクと身震いするような快感でNANAは瞳を潤ませる。
その表情が、さっきのドラマのラブシーンを柊に思い出させた。
「あいつに…こうやってされても、同じ顔してたよね」
「あ…いつ、って…」
ようやく、NANAは柊の様子がおかしい理由に思い当たる。
「ヤダ、もしかして柊…!」
緩く拘束されていた上半身をがばっと起こし、NANAは柊の顔と向かい合った。
バツの悪そうな顔をして柊は目を逸らす。
「もう、何変なこと考えてるのよ…あれはもちろん、あくまで仕事の1つだし」
「…わかってるよ」
「…でしょうね」
NANAは、ふふっと柊に笑いかけた。

「そんなに、上手かった?私たちのお芝居」
「勇気や美男は、お似合いだし…ホントの恋人に見えるってさ」
「皆がそう言ってるの聞いて、ヤキモチ焼いちゃったの?」
NANAにさらりと図星を突かれて、柊はあれこれ考えていた言い訳すら上手く出来なくなった。
「ここに来て…顔見て安心しようと思ってたけど…NANAはRYOの話ばっかりするし」
そう言って柊はベッドに仰向けになり、自分の腕で目を隠す。
「いつもクールで優しい、オトナな柊サンがねぇ…」
「自分でも情けないと思ってるよ。…幻滅した?」
腕をずらしてNANAの顔を確認すると、いつも以上の笑顔を向けていた。


「ううん…もっと好きになった」
NANAは柊の頬を両手で挟み、覆い被さるようにして口づけた。
さっきの激しいキスよりも、もっと優しく、熱く…触れ合う部分から互いの感情が溢れて伝わり合う。
柊は唇を離して、NANAが着ている軽い素材のホームウェアを慣れた手つきで剥ぎ取った。
家ですっかり寛いでいたNANAはブラも着けておらず、豊満な胸がすぐに揺れながら姿を現す。
「NANA…」
一言、名前を呼んで目の前の柔らかい膨らみに舌を這わせた。
胸の先端を口に含んで味わえば、NANAの身体は小刻みに震えて柊の背中に回した手に力が入る。
同時にもう片方の胸は柊の掌でぷよぷよとその形を変えて、指の腹で刺激を受ける先端は既にピンと尖っていた。
「しゅ…っう…こっちも…!」
しばらく執拗に胸への愛撫を繰り返され、たまらずNANAは柊の手を自分の下半身へと誘う。
ずっと疼いていたそこは、そっと指を滑らせるだけで容易く中へと受け入れた。

「そんなに、こうして欲しかった?」
「ぅ、…んっ…。あっ…ゃんっ…!」
かき回すほどに奥から溢れてくる愛液を長い指で掬い、柊はNANAに見せ付けるように指を舐めた。
「ん、NANAの味だ…」
「や、だ…もうっ…ゃっん」
NANAが羞恥心で顔を赤らめると、すかさずまた指で繰り返し中を擦られていく。
「ほら、ガマンしないで…」
「うん…っ、あぁ…んんっ…ゃ、ぁん…!」
十分に膨らんで、一番敏感になっていた場所を摘まんだ瞬間にNANAは艶やかな嬌声をあげて絶頂に身体を震わせた。


やや乱れた呼吸で横たわるNANAに背を向けて、柊が避妊具を装着しようとする。
いつも見る背中がこれまで以上に愛おしく感じて、NANAは身体を起こして後ろから柊を抱き締めた。
「私がこんなにエッチだなんて…誰も知らないのよ?柊だけだから…」
柊の肩に顔を乗せて、前に回した手を柊の胸元へと滑らせる。
そのまま薄く筋肉のついた胸板を撫で回して、敏感な場所を指で刺激した。
「ぅ…あっ…」
いつもはあまり触れられることのない場所で感じる快感に、柊は思わず声が漏れる。
NANAは柊をベッドにゆっくり沈めて、首筋から胸元、腹部へと舌を使って舐めあげた。
「ちょ、待っ…て、NANA…」
「じっとしてて?」
すぐにでも自分から攻めたい気持ちがあったのに、柊はNANAの愛撫に圧倒されて身体に力が入らない。
そして十分に硬く大きくなっているものを、NANAの口で包み込まれた。
「…はっ…ぅ…ん」
じっとり、生温かい感触で上下に動かされて先端から熱いものが滲んでくるのがわかる。
限界が近い…。そう思って柊は何とかNANAを制して起き上がった。

「NANA、凄く…よかった」
「ホント?」
嬉しそうに笑うNANAの口の周りをそっと拭ってあげてから、柊は避妊具を装着した。
2人は微笑んだまま、1つに繋がる。
激しい動きを繰り返し、互いの熱が一番敏感なところから伝わってさらに身体を熱くした。
「ん…んんっ…!はぁっ…ぅ、ん…あっ…しゅ…ぅっ」
喘いでいるNANAの表情は、普段の可愛らしさからは想像もつかないほど淫らで美しいと柊は改めて思う。
そして、そうさせているのが他でもない自分であることが、今更ながら何よりも嬉しかった。
「はぁっ…ふ、っく…、NANA…も、う…!」
「うん…っ、ん、柊っ…!」
精を吐き出してからも、柊はそのまま少しNANAの中に留まった。
色白の柔らかい身体のあちこちにキスを落として情事の余韻を楽しむ。
「くすぐったい…」
NANAはそう言いながらも柊の髪を撫でて、それに応えた。


「柊をこんなにカワイイって思ったの初めてかも…」
「子供っぽい、じゃなくて?」
「うん、そうとも言うかなぁ…ふふっ」
繋がっていた身体を離してから、裸のまま寄り添って2人は笑い合う。

「RYO君に妬くなんて笑っちゃう。凄くいい人だけど、あんな健康オタクはあり得ないって感じよ」
「へぇ…」
NANAは、RYOの勧めてくるサプリや健康グッズに関するエピソードを呆れながら語った。
「それにね」
「…うん?」
「私が欲しいのは、あなただけ…他に何もいらないわ」
ニッコリと笑うNANAに、柊もつられて笑顔になりそうだったがハタと思い出す。
「ん?そのセリフって…」
「なーんて。他に何もいらないって嘘よね。愛だけじゃなくて、名誉も財産もちゃんと手に入れないと!」
NANAはドラマでのセリフに自らツッコミを入れて、ちゅっと軽く柊に口づける。
「…それでこそ、俺の好きなNANAだよ」
無駄に嫉妬などしていた自分に改めて呆れつつ、柊もNANAにキスを返した。

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