セリフ

とある昼下がり
この事務所は、いつもどこか騒がしい。
目に映る子供たちは眩しくて、その横を、私はいつも通り過ぎていた。けれど……
このとき声をかけたのは、今思えば、必然だったのかしらね。
うわぁぁぁぁ!!すごいすごーい!!
雪美……!!…………!!
真奈美はっはっはっ、そら、スピードを上げるぞ!
薫・雪美キャーー!!
……ふふ……。
……彼女、モテモテね。みんなとても楽しそうだわ。
あいおや、奏くん。ふふ……あの子たちがよい子で宿題をしていたからね。「労い」だそうだよ。
真奈美お姉ちゃんすごいね!全然フラフラしない!!
雪美……ちからもち。
……二人の子供を両腕にぶら下げてぐるぐる回るなんて……すごい腕力と体幹。
あ!奏お姉ちゃんだ!奏お姉ちゃんもやるー!?
いえ、間に合ってるわ。お気遣いありがとう。
由愛あの……こ、こんにちは……。
由愛ちゃん!こんにちは!!
由愛ドアが開いてて、楽しそうな声が聞こえたから来ちゃいました……。遊んでるんですか?
うん!由愛ちゃんもぐるぐるしよー!
由愛ぐるぐる……回してもらってたの?楽しそう……でも、私は見てるだけで……
雪美楽しい……よ……?
由愛うぅ……でも……。
真奈美フフ、遠慮することはないが、無理強いするものでもないからな。だが、遊びで身体を動かすのも悪くない。
真奈美代わりにみんなで鬼ごっこでもするか?由愛も、このあと予定がなければ。
由愛あ、私……打ち合わせが終わって帰ろうと思ったら、楽しそうな声が聞こえて……スケッチしようかなって……。
由愛でも、みんなの楽しそうな声聞いたら、私も一緒に遊びたくなって……。
じゃあ、みんなで鬼ごっこしてそれからお絵かきしよーよ!!
真奈美それはいいアイデアだな。よし、鬼は私が引き受けよう。みんな、かかってこい!
薫・雪美・由愛とつげきー!!
……!!
い、いきます……!
真奈美はははは!こっちだ!!
ゴロゴロゴロ……!
わーっ、よけられたー!!
雪美なら……こっち……!
真奈美おっと、危ない!フフフ……!
……バク転したわね。アクション俳優もびっくりの大立ち回りだわ。
あいふふ、真奈美さんらしいな。子供たちも楽しそうだ。
由愛薫ちゃん!雪美ちゃん!協力しましょう……!
真奈美お?連携プレイか?さすが由愛、いいところに目をつけたな!
……いまだーっ!!
ザザザ……!!
真奈美ははっ、囲まれてしまっては身動きが取れないな。参った。降参だよ。
由愛やりました……!
雪美真奈美に……勝った……。
真奈美3人で協力したのは偉かったな。よし、いい子たちは撫でてやろう!
薫・雪美・由愛キャー!
……!!
わ……!
あい勝負あったようだな。みんな、喉が乾いただろう。しっかり水分補給をするんだよ。
薫・雪美・由愛はーい!!
うん……!
はい……!
あい……真奈美さんも、お疲れさま。10分間動きっぱなしだったね。今コーヒーを淹れるから。
真奈美フフ、いい息抜きになった。コーヒーはありがたいな。いただくよ。
……息ひとつ乱れてないのね。すごいわ。
真奈美ああ、鍛えてるからね。体力には自信があるんだ。さぁ、今度は奏が私の息抜きに付き合ってくれるか?
……あの子たち、真奈美さんにとても懐いているのね。
真奈美フフ、まぁ、慣れているからな。奏は小さい子たちと遊んだりしないのか?
そうね……私は子供に好かれるタイプではないから……。
嫌いではないし、避けてもいないんだけど、寄って来ないの。話しかけにくいみたいね。ふふ。
あぁ……あいさんのコーヒー、美味しいわ。気持ちがほどけていくみたい。
あいふふ、光栄だね。
……でも、少し羨ましいわ。
あい真奈美さんが?
いえ……あの子たちが。私には、真奈美さんのように遊んでくれる大人が身近にいなかったから。
もしいたら……私ももう少し可愛げのある女の子になっていたかもしれないわね。
あら?あの子たち、寝てしまったみたい。
あいああ、本当だ。遊び疲れたんだろうね。しばらく寝かせてあげよう。
あいどれ、ブランケットを掛けてきてあげよう。
…………可愛い。
真奈美私からすれば、君も可愛いがな。
……私?
真奈美ああ。フフ……よしよし。
あら……あの子たちみたいに、私のことも撫でてくれるの?ふふ、ありがとう。でも……
私は大人と子供の狭間で藻掻く、ただの女よ。……なんて、そんなことばかり口にする、面倒な女なの。
真奈美ふむ。だがそれは、君の魅力だろう?
……魅力?
真奈美ああ。君は大人びていて、とても賢い。賢い君を見ると、周りは安心する。その周囲の反応を見て、君は更に大人で
真奈美あろうとする。無意識にね。君は優しい子だな。だが……それでは、いつか潰れてしまうぞ。
真奈美そうなる前に、こうして撫でてあげるのが、私たち大人の役目だ。
……あなたなら、プロデューサーさんのことも臆せず同じように撫でてしまいそうね。
真奈美フフ。まぁ、区別するつもりはないな。
……あなたの前では、どんな強がりも無意味になりそう。
真奈美そうだな、あまりおすすめはしないよ。
あなたは……いつだって完璧に見える。子供の頃から成熟していたのではと思うほどに。
真奈美完璧な超人なんていないさ。
でも……私とは違う。
真奈美同じだよ。
あい……奏くん、真奈美さん。これを見てくれるかい?
……?あの子たちのスケッチブック?
真奈美どれどれ、子供たちの重大な秘密でもあったかな?
真奈美・奏……!
あいふふっ、どうやら談笑する私たちを描いていたらしい。
……鉛筆で描かれた私たち。みんな、笑っているわ。
真奈美……な?私たちは、同じ人間だろう?
……ふふっ、そうね。
あいおや?ナイショ話かい?
ええ。大人と子供の、ね。
真奈美フフ……。
あいでは、そんなナイショ話のおともに……コーヒーのおかわりはいかがかな?
真奈美・奏いただこう。
いただくわ。

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