| とある日 |
瑞樹 | みんな、お疲れさま♪次のLIVE、いいものにしましょうね。じゃ、少し休憩しましょうか。 |
千秋&忍 | はいっ! |
洋子 | はい。 |
千秋 | ……洋子さん、どうしたのかしら? |
忍 | 珍しいですね?いつもパワフルな雰囲気なのに……。 |
瑞樹 | 何か気になるところがあった? |
洋子 | あ、いえ、ちょっと緊張というか……次のLIVEって、クールな大人のカッコよさを披露するじゃないですか。 |
洋子 | 私、これまでパワフルなダンスパフォーマンスが多かったんです。 |
洋子 | 初挑戦かー、どうしようかなーって思ったら、つい真面目な顔になっちゃいました! |
瑞樹 | わかるわ。しかも、次は海辺の特設ステージ。いつもと勝手の違うところも多いから悩みどころよねー。 |
| プルルルル |
洋子 | あっ、電話だ! |
千秋 | あら、休憩中だし、出てあげて。 |
洋子 | ありがとうございます。じゃあ、ちょっと失礼しますっ! |
洋子 | もしもーし! |
いつき | 『やっほー、洋子ちゃん!いつきだけど、今電話って大丈夫?』 |
洋子 | ちょっとならオッケー♪何かあった? |
いつき | 『何かってほどでもないけど、今ね、仕事の関係でカンフー資料館に来てるんだ!』 |
いつき | 『これは新しい極意を発見できるかも!って思ったら、興奮しちゃって♪』 |
洋子 | いつき師匠、ノリノリだね〜!次のお芝居、楽しみにしてる!カンフーってLIVEで披露しても盛り上がりそう! |
いつき | 『それ、いいかも!洋子ちゃんの方は、お仕事順調?』 |
洋子 | んー……ちょっと挑戦だね。壁にぶつかるかもしれないけどそこはほら、ガッツの見せどころだよね! |
いつき | 『そっか。お互いに、難しいこともあるけど、いいパフォーマンスにしようね!絶対!』 |
洋子 | うん。いつきちゃんも頑張ってるんだって思ったら、私も修行しなきゃって思ったよ♪ |
いつき | 『それじゃあ、また極意を掴め次第連絡するよ☆』 |
洋子 | あははっ、楽しみに待ってるね〜! |
| ピッ |
| プルルルル |
洋子 | わわっ、またかかってきた!もしもーし!洋子だよ〜! |
智香 | 『洋子さん、こんにちは!智香です☆』 |
智香 | 『そろそろ打ち合わせが終わったかなと思って、電話してみました!今大丈夫ですか?』 |
洋子 | ちょっとならオッケーだよ♪智香ちゃんの方こそ大丈夫?今年の夏は、チアにアイドルに大忙しって聞いてるけど。 |
智香 | 『忙しいけど、すっごく楽しいので、平気です!それに今日はオフで、友達の試合の応援に行ったんです☆』 |
智香 | 『その試合がもう接戦で!熱気もすごくて、とにかくこの興奮をみんなにも伝えたかったんです!』 |
洋子 | オフでも応援なんだね。智香ちゃんも元気そうで安心したよ♪ |
智香 | 『洋子さんの方は大丈夫ですか?アタシばっかり話しちゃいましたけど、なんだか元気ない気が……。』 |
洋子 | あははっ、大丈夫っ!ただ、お仕事で考えることがいっぱいあってね〜。 |
洋子 | 大変だとか、疲れてるとかじゃないんだ。ただ、ここが頑張りどころだぞ、洋子!って感じ? |
智香 | 『なるほど!新しい一歩を踏み出すところなんですね。それじゃあ、アタシからも応援させてくださいっ!』 |
智香 | 『フレーフレー、洋子!ユーキャンドゥーイット☆』 |
智香 | 『でも、無理はしないでくださいね!暑い日が続きますし、体調を崩したら美肌が泣いちゃいます!』 |
洋子 | 了解!ありがと、智香ちゃん。元気出たよ! っちも、暑さには気をつけてね。 |
智香 | 『はいっ!では、また電話しますね!』 |
| ピッ |
洋子 | ふぅっ!……ふふっ♪ |
千秋 | ――その顔なら、心配なさそうね。電話は、ユニット仲間のいつきさんと智香さんからかしら? |
洋子 | あ、はい!二人とも、それぞれお仕事や部活を頑張ってるみたいで! |
千秋 | そう、二人との会話から突破口が見つかったのね。晴れ晴れしい笑顔だもの。 |
洋子 | ですね!なんとなーく、自分がすべきこともわかりましたし。 |
千秋 | なら、あとは進むだけね。次のLIVE、洋子さんの……いえ、洋子の新境地を、楽しみにしているわ。 |
洋子 | 私も、千秋ちゃんのパフォーマンス、楽しみです♪ |
洋子 | やっほーっ!水しぶき、気持ちよかったっ! |
千秋 | ふふっ、互いに海を満喫したわね。ところで……そろそろ聞かせてほしいんだけれど。 |
洋子 | ん?何をですか? |
千秋 | ほら、先日言ってたじゃない?なんとなく自分がすべきことがわかったって。 |
千秋 | 一体どんな気付きがあったのか気になってたのよ。 |
洋子 | 気付き……そうですね〜……。えっと、猛特訓しました! |
千秋 | 猛特訓……?自信満々ってことは、きっと、特別な特訓をしたのかしら。 |
洋子 | 特別っていうか……色々?ボイストレーニングもダンスレッスンもして、それから走り込みとか! |
千秋 | ……こう言っては何だけれど、いつもの特訓と内容自体はあまり変わらないようね。 |
洋子 | そうですね。私がやったのは、無理のない範囲で、たくさんレッスンすることですから! |
洋子 | ほら、私って体力はある方だけど、よくも悪くも普通なんですよね。 |
洋子 | 売りは美肌と健康で、それ以外の……歌や演技は、アイドルとしてはまだまだだって思ってて。 |
洋子 | だから、トレーナーの方々に頼んで、猛特訓したんです! |
千秋 | なるほど……。それが貴方の努力の方法なのね。トレーナーたちのことだもの。かなりしごかれたでしょう? |
洋子 | えへへ……まぁ……。でも、めげてばかりじゃいられなかったし。 |
洋子 | できないことを知る度、やりたい、もっと頑張りたいって気持ちが大きくなっていったので! |
洋子 | だからこそ、納得いくまで練習できました。幸い、体力はある方なんで♪ |
洋子 | スマートじゃないけど、これが私の成長の秘訣です。……ちょっと照れるけど! |
千秋 | そう?照れる必要ないわよ。立派な志だもの。 |
洋子 | いやぁ……クールな千秋ちゃんには、泥臭く見えちゃうんだろうなぁって……。 |
千秋 | そんなことないわ。むしろ……熱い方法だと思うもの。それに、私も泥臭いのは嫌いじゃないの。 |
千秋 | ……さて、残すは本番のステージのみね。 |
洋子 | はいっ!お互いに、楽しんでいきましょうっ! |
洋子 | 元気なだけじゃなく、大人のカッコよさを見せますよ!真夏の暑さなんて、忘れてくださいねっ! |
観客 | わああああああああっ! |
洋子 | LIVE、すっごい盛り上がりだったなー……クールにビシっと決めた私、かなりカッコよかったかも! |
洋子 | ……っと、メッセージが来てたんだった。LIVE前は忙しくて返信できなかったからなぁ。 |
| 『LIVE、頑張って! いつき』 |
| 『ファイトー、洋子! 智香』 |
洋子 | 二人にはいっぱい励ましてもらったし……んー、なんて返信しよっかな? |
洋子 | ………よし、決めた! |
洋子 | 『ヒートアップ☆チアーズ、最高っ! 洋子』 |
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