| とある日 |
レナ | プレイス ユア ベット!みんな、こんにちは。アイドルの兵藤レナよ♪ |
レナ | 今日は、今度私たちが出演するイベントの宣伝をさせてもらうわね! |
レナ | 次の私たちが見せるのは、大人なLIVE。みんなには、ドキドキのスリルと駆け引きを楽しんで欲しいの。 |
レナ | そのイベントの名前は──アイドルLIVEロワイヤル! |
レナ | (新しいコンセプトのイベントに私を抜擢してくれるなんて……) |
レナ | (プロデューサーさんもまた、随分と私に賭けてくれたのね) |
レナ | (ううん……賭けてくれたのは、今だけじゃない。私たちの進む道は、いつだって賭けだったわ) |
レナ | (私をアイドルとしてプロデュースしようなんてギャンブラーは、あの人くらいだもの♪) |
レナ | (今回も、私に賭けて正解だったって思わせてみせる……アイドル界で勝ち続けてみせるわ!) |
レナ | ふぅ、午後の反応は上々。休憩を挟んで、午後からも盛り上げてみせるわ。 |
レナ | 次はもっと大胆なパフォーマンスを入れてもいいわね。プロデューサーさんにも相談して……。 |
??? | レナ!さっきのアイドル、やっぱりレナだったんだ! |
レナ | あら、貴方は……。 |
??? | もう、私のこと、忘れたなんて言わせないわよ? |
??? | レナとは、同じカジノでしのぎを削った仲間なんだから♪ |
レナ | ふふっ、もちろん覚えてるわ。久しぶりね。いつ日本に戻ってきたの? |
元同僚 | つい最近、バカンスがてらね。そしたらびっくりしちゃった |
元同僚 | ディーラーをやめたと思ったら、まさかレナがアイドルになってるなんて! |
レナ | もしかして、アイドルよりはディーラーでいてほしかったのかしら? |
元同僚 | んー……まだ教えてほしいことはたくさんあったけど……、でも、いいと思うわ。 |
元同僚 | レナがアイドルって、ぴったりだと思う! |
レナ | そ、そう……?私でさえ、スカウトされた時はびっくりしたのに……。 |
元同僚 | だって、ディーラーをしてた時のレナってとにかく人目を引いてたもの! |
元同僚 | カード捌きのパフォーマンスだって、テーブルについた数人に披露するだけじゃ、もったいないと思ってたし。 |
元同僚 | それに、私にとって兵藤レナは面白い勝負なら何でも乗る、負けず嫌いな女よ? |
元同僚 | 詳しい事情は分からないけど、自分からアイドルやるって決めたんでしょ? |
元同僚 | だったら、人生を賭けてもいいって思えるくらい、素敵なゲームに乗ったのかなって思ったのよ。 |
元同僚 | ふふっ、ご名答♪いい出会いがあったのよ。あの人は、私以上のギャンブラーなの。 |
レナ | その度胸を買って、私も勝負に乗ることにしたわ。 |
元同僚 | やっぱり!レナが満足なら、私が言うことは何もないわ。さっきのイベントの宣伝も、すっごく楽しそうだったわよ♪ |
元同僚 | それにしても……アイドルもディーラー服を着るのね。懐かしいわ。あの頃のものよりちょっと露骨が多いけど♪ |
レナ | まぁね。アイドルにも、いろんな仕事があるのよ。 |
元同僚 | そうみたい。私ってば、アイドルはみんな可愛い衣装を着て、歌って踊るんだって思ってたわ。 |
レナ | たしかに、可愛いイメージが強いわよね。私はセクシーで売っていくつもりだし、可愛い衣装を着る予定はないけれど。 |
元同僚 | あら、残念♪でも未来はわからないし……いずれ着るかも。その時はどうするの? |
レナ | もちろん、着て完璧に仕事をこなしてみせるわ♪ |
元同僚 | だと思った! |
レナ | ふふっ、そっちこそ、私のことは全部お見通しみたいな顔しちゃって。 |
レナ | 一緒に仕事してた時より、観察眼が身についたんじゃない? |
元同僚 | そうね。それじゃあ……久しぶりに、勝負してみない? |
レナ | ええ、面白そうね。 |
元同僚 | まだ何も話してないわよ?でも、レナなら乗ってくれるって思ってた! |
元同僚 | 内容はコイントスよ。人の顔が書かれている方が表ね。それっ! |
| パシッ |
元同僚 | 次にレナが出演するLIVEは表なら大成功、裏ならそこそこ成功。さぁ、どっちに賭ける? |
レナ | 決まってるわ。表よ。 |
元同僚 | あら、自信満々ね? |
レナ | もちろん、自信はあるわ。それに……私はあなたのことを、よく知ってるもの。 |
元同僚 | そう。それじゃあ、答え合わせといきましょう。 |
元同僚 | 結果は…………表。大成功よ。レナの勘は、鈍ってないみたいね。 |
レナ | ふふっ、私が勝負強いってことは否定しないけど……そのコイン、ちょっと貸してくれる? |
元同僚 | あっ! |
レナ | ほら、やっぱり。どっちも表の、特別なコインよね。 |
元同僚 | やっぱりバレちゃったか……。さすがレナね。イカサマをしようとする相手にも、いつも上手く渡り合ってたもの。 |
レナ | 当然。っていうか、貴方だって、私とトランプで勝負する時に、たまにイカサマしてたじゃない? |
レナ | 今、その時の癖がよく出てたわよ? |
元同僚 | えっ、嘘!? |
レナ | 正確には、出さないようにしているところが怪しかったって感じね♪ |
レナ | 昔は、イカサマする時に一瞬左上を見てたでしょ?さっきは、私に癖を見せまいと意識して右下を見ていたわ。 |
元同僚 | ……本当に相変わらずね。 |
元同僚 | 勝負に勝つためには、観察し、思考し……最後は運を手繰り寄せる力が必要。 |
元同僚 | レナがよく言っていたこと……本人が、一番体現してるもの。まだ敵わないなあ……。 |
レナ | ふふっ、落ち込まないの。この勝負は、貴方なりの応援の形でしょ?しっかりと受け取ったわ♪ |
元同僚 | あははっ、そこまでバレちゃってたか〜。やっぱりレナ相手には、カッコつかないなぁ。 |
元同僚 | じゃあもう直接言うわ。私、応援してる。兵藤レナのアイドル活動を♪ |
レナ | ありがとう。……っと、そろそろ戻る時間だわ。 |
元同僚 | 午後からもイベントの宣伝するの?頑張って……ううん、勝ってよね! |
レナ | もちろん!LIVEにもよかったら来てちょうだい。ドキドキのスリルを約束するわ♪ |
レナ | それじゃあ、またね! |
レナ | (あの子もプロデューサーさんも、随分と私の勝ちに賭けてくれるじゃない?) |
レナ | (今まで、負けたくない理由はただひとつ、私が負けず嫌いだったから) |
レナ | (でも……今は、他にも負けられない理由ができちゃった……♪) |
レナ | (次のライブも、絶対成功させてみせる……) |
レナ | (そしてアイドルの世界でも、勝って、勝って、勝ち続けてみせるわ!) |
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