| 国際線ターミナル |
メアリー | ココが……JAPAN! |
メアリー | ついに来たわネ……!フフン♪この国の学校でも、スターになってやるワ! |
| 数ヶ月前、アメリカ |
ママ | さぁハニーたち、今日は特別な日よ♪ディナーの席に着いたら、お行儀よくしてちょうだい。 |
長女・マーガレット | あ、やっぱり!こんなスペシャルなクルーズ、おかしいと思ったのよ!何かいいことがあったのねっ? |
三女・メアリー | アタシわかったわ!きっと弟か妹ができるのよ!そうに違いないわ♪ |
次女・ダイアナ | 落ち着いてメアリー、まずは席に着きましょう? |
ママ | みんな、OK?じゃあ発表するわね?あなた、お願い。 |
パパ | ああ。実はねハニーたち、いいニュースと、そうじゃないかもしれないニュースがあるんだ。 |
マーガレット | もう、もったいぶらないで! |
メアリー | アタシ、いいニュースが聞きたいわ! |
パパ | よし、それじゃあまずはいいニュースだ。パパの栄転が決まったよ! |
マーガレット | 栄転!?すごいわ!パパ、出世したのね!?おめでとう♪ |
ダイアナ | おめでとう、パパ!それで今日はお祝いなのね? |
メアリー | 流石アタシのパパだわ!おめでとう♪でも……悪いニュースって? |
パパ | 悪いかどうかは君たち次第なんだけどね。実は……新しいオフィスは、日本なんだ。 |
三姉妹 | !!!! |
パパ | ママとも相談したんだけどね、やっぱり家族みんなで暮らしたいんだ。だから…… |
パパ | みんなにも、パパと一緒に日本に来てほしいんだ。……どうかな? |
三姉妹 | ………………。 |
パパ | ……どうだい、マギー? |
マーガレット | ……そうね、驚いたわ。とても。でもま、あたしはいいわよ♪……ダイアナは? |
ダイアナ | 私は……転校は少し困るけど、家族と離れて暮らすのはもっとイヤ。一緒に行くわ。……メアリーは? |
メアリー | ………………イヤよ。アタシはイヤ! |
ママ | メアリー……。 |
メアリー | 転校だなんて考えられないわ!お友達とみんなで、一緒に卒業するって約束してるもの! |
メアリー | それにアタシはサンフランシスコが好きなの!他の州に引っ越すのだってイヤなのよ!? |
ダイアナ | メアリー、落ち着いて? |
メアリー | お姉ちゃんたちはいいの!?週末にエレノアおばさまの家に遊びに行けなくなるのよ? |
メアリー | ソフィアのお家でバーベキューする約束だってあるわ!とにかくアタシは…… |
メアリー | 絶対にイヤッッ!! |
ダイアナ | メアリー!! |
パパ | メアリー……。 |
メアリー | うっうっ……ヒドイわ、あんまりよ……! |
マーガレット | メアリー……大丈夫?ほら、キャンディをあげるから食べなさい。甘くて気分が落ち着くわ♪ |
メアリー | マーガレット……。 |
マーガレット | びっくりしたわよね?あたしもびっくりした。 |
メアリー | うう……パパもママも、みんなひどいわ……こんな大事なことを簡単に決めちゃうなんて……。 |
マーガレット | メアリー、パパもママも、簡単に決めたわけじゃないと思うわ。 |
メアリー | ううん!きっと、アタシのことなんかどうでもいいんだわっ! |
マーガレット | それは違うわ、メアリー。みんな、あなたを大切に思ってる。 |
パパ | そうだよ、メアリー。 |
メアリー | パパ……。 |
パパ | ……なぁメアリー。メアリーがどうしても日本に行きたくないのなら、パパは単身赴任も考えるよ。 |
メアリー | それは…………ダメよ。だって、アタシはみんなと一緒に居たい……。 |
パパ | メアリー……そうだね。 |
ママ | ハニーたち、せっかくのご飯が冷めてしまうわ♪ |
ママ | わ♪ここは私に任せて、あなたたちはレストランに戻ってちょうだい?ダイアナが待ってるわ。 |
パパ | わかった。頼んだよダーリン。 |
マーガレット | ママ、あたしはメアリーと居るわ。 |
ママ | OK♪メアリー、可愛い子。そんなに泣かないで? |
メアリー | なによ。子ども扱いはやめてよね……。 |
ママ | あらあら、そんなにムスっとしては、可愛い顔が台無しよ?……ねぇメアリー。これはメアリーの人生に関わることだわ。 |
メアリー | そうよ。大事件よっ。台無しなのは、アタシが大切に温めてるいくつもの計画の方だわっ。 |
メアリー | サンフランシスコで立派なレディになって、それから、それから……っ! |
ママ | フフ、その計画については今度じっくり聞かせてもらうけど……メアリー、ゆっくり考えていいのよ。 |
ママ | もちろん前向きに検討してくれたら嬉しいわ。でも、焦ることはないの。結論を急がないで。 |
メアリー | …………うん。わかったわ、アタシ、ちゃんと考えてみる……。 |
ママ | いい子ね、ハニー♪ |
マーガレット | ……そうだわ!ねぇメアリー、あたしたち、日本のことを何も知らないわ! |
メアリー | ?そうね、極東の島国ってことぐらいよ。 |
マーガレット | まずは日本について調べてみたらどうかしら?興味が持てたら、前向きに受け止められるかもしれないわ☆ |
ママ | それはいいアイデアね!パパのパソコンもあるし、船内にはインターネットカフェだってあるのよ♪ |
メアリー | ……そうね。そうしてみる。船の上なんて退屈だもの。やることが出来て助かったわ! |
ママ・マーガレット | フフフッ♪ |
ダイアナ | 見て、カフェ・チェーンがとってもたくさん!でも、メニューは少し違うのもあるみたい。……マッチャ? |
マーガレット | 日本のお茶ね!飲んでみたいわ!メアリーは?何か気になるものはあった? |
メアリー | うーん、そうねぇ……ん? なにかしら、これ。 |
ダイアナ | なになに?……あら、可愛い女の子たち♪ |
マーガレット | リンクがついてる。ミュージックビデオの動画ね。観てみましょうよ☆ |
| ♪〜 |
メアリー | ……!! |
マーガレット | わ、可愛い!ドレスも素敵ね♪ |
ダイアナ | へぇ……クールだわ♪ハーモニーもキレイ。見て、チェリーブロッサムがとっても美しいわよ! |
メアリー | …………みんな、笑顔ね……。可愛い……。それに…………なにかしら、すごく…… |
メアリー | (すごく……励まされてるような……?) |
メアリー | …………ねぇ、これなんて言ってるのかしら? |
ダイアナ | 歌詞を検索してみるといいわ。ほら、サイトはここね。日本のアーティストで……タイトルは……きっとこれよ! |
メアリー | ありがと。…………フーン。これが日本のアイドルなのね……。………………。 |
ダイアナ | メアリー、どう?日本に興味は湧いた? |
メアリー | まぁね。……ちょっと考えてみるわ。 |
メアリー | ♪〜 |
メアリー | ………………………………………………アイドルか……。 |
メアリー | ねぇダッド。マム。アタシ……日本に行ってもいいわ |
パパ・ママ | !!!! |
パパ | 本当かい? メアリー。 |
メアリー | た・だ・し! また家族みんなをゴールデンゲート・ブリッジに連れてってくれるならね! |
パパ | ハッハッハッ!わかったよ、メアリー。約束しよう! |
| ……………………………… |
ママ | さぁ、Sisters!日本に着いたわよ! |
ママ | まずはホームを整えて……それから何がしたい? |
| アタシ、日本語をいっぱい勉強するわ!そうすれば、アイドルのメッセージがわかるようになるもの! |
パパ | メアリーはすっかりアイドルに心を奪われてしまったようだね。 |
メアリー | フフッ♪クラスの人気者だったアタシだもの、アイドルにだってなっちゃうかもしれないわよ? |
マーガレット | メアリーならきっとなれるわ!家族みんなで応援するわよ! |
メアリー | ヤダ、ジョークよ! |
マーガレット | あらどうして?素敵な目標だと思うわ! |
メアリー | もう、マギーったら……アタシがアイドルなんて…………フフッ♪ |
| ……………………………… |
メアリー | ええっと……たしかこの曲がり角を右に……あった!きっとあれネ! |
メアリー | アイドルの事務所ってなかなか大きいのネ……。あっ!!あの人、もしかして……! |
メアリー | ハァーイ !そこのアナタ!アナタに話があるノ!! |
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