| 第4話 |
卯月 | とうとうLIVEの日がやってきましたね、プロデューサーさん♪ |
凛 | 事務所全員……190人での、超大規模LIVE。このステージに、私たちの想いを込めて歌うよ。 |
未央 | ホントはね、知ってたよ。プロデューサーが、プロデューサーじゃなくなるかもしれないって。 |
未央 | 元気がないことくらい、わかるもん。ずっと一緒にいたんだからさ。 |
凛 | それで、今日のLIVEで見せつけることにしたんだ。 |
凛 | 私たちは、プロデューサーがプロデュースし続けたいって思うくらい、魅力的なアイドルだって。 |
卯月 | あの日、あなたが私たちを選んでくれたように、私たちからも贈らせてください。 |
卯月 | シンデレラたちの舞踏会への招待状を♪ |
未央 | 招待状っていうより、挑戦状に近いかもだけどね☆ |
凛 | そこで、信じてみててよ。LIVE後には絶対こう言わせてみせるからさ。 |
3人 | 「私たちを、プロデュースしたい」って! |
観客 | はぁ〜、LIVE、マジで楽しみだよ!チケット戦争、頑張った甲斐あったよね! |
観客 | どのLIVE観にいく?とか考えなくてもいいもんね。だって、全員歌うんだし! |
恵磨 | ッシャアアアアアア!!!オマエらあああああああ!!! |
| キイイイイイイイン |
恵磨 | っと、声がデカすぎたな!でも、始まりなんだ!これくらいがちょうどイイだろ!? |
夏樹 | かき鳴らそうぜ、ギター!言っておくが、今回のLIVEに休憩はナシだ! |
観客 | ワアアアアアアアアアア |
涼 | ハハッ、休憩なしで喜ぶとは、ずいぶん気合い入ってんな!いくぜッ! |
夏樹 | (疾走感あるリズム。激しいバンドサウンド。音が轟くステージ) |
夏樹 | (全部、全部、馴染みのある感覚だよ。肌がひりついて、胸の中が、ある予感でいっぱいになるんだ) |
夏樹 | (これから、とんでもない音楽が始まるってな!) |
李衣菜 | (私には、難しい大人の事情なんて、よくわからない) |
李衣菜 | (っていうか、そんなの気にするなんて、違う。ロックじゃない。どうだっていいんだ) |
李衣菜 | 私たちは今、アツい音楽に魂を込めるため、ここに立ってる!ただ、それだけだよ! |
涼 | 言うね。でも、アタシもだ。ひとりでロックを聞き続けた時にわき出した、初めての衝動。 |
涼 | 今、それと同じ……いや、それ以上のものを感じてる! |
涼 | ただただ楽しくて、ここで歌い続けたいんだよッ! |
小梅 | それに……今はみんなが、友だちが、たくさんいるよ……。 |
小梅 | だから…………楽しさは何倍にも膨らんで、響き渡るの……。 |
李衣菜 | まだまだいくよ!魂の音を、届けたい人に届けるんだ! |
??? | 任せてくださぁいっ! |
観客 | ロックの次は、ポップなアイドルソング!?いろんなジャンルの音楽がメドレーになってるんだ……。 |
観客 | ときどき入ってるのはチャイムの音かな?……学生だった頃を思い出すなぁ……懐かしいよ。 |
さくら | わたしたちが歌うのは、友情の歌っ! |
泉 | ここにいるみんなのおかげで、私たちは3人でアイドルができるんだ。 |
泉 | (私たちは、最初から3人だった。そして、同じ高校に通えるかどうか不安だった時に、アイドルになった) |
さくら | (そこに、プロデューサーさんが入って、4人になったんだよ) |
亜子 | (なのに今さら、いち抜けたなんてアカンやろ、Pちゃん!) |
観客 | すごい……!息ぴったりなパフォーマンスだね。ユニゾンもきれー……! |
亜子 | アタシらの絆は、誰にも負けへんで! |
??? | ちょーっと待ったーっ! |
美嘉 | 姉妹の絆だって、負けてないし★ |
颯 | はーたちなんて、生まれた時から一緒にいたわけだし? |
莉嘉 | 姉妹だけでもイイ感じなのに、今じゃどっちも同じくらい、すっごいアイドルだし☆ |
美嘉 | 並んだつもりはないけどね。姉として、ライバルとして、美嘉はまだまだ莉嘉の憧れでいたいからさ♪ |
凪 | なるほど。アップデートし続けるのが姉のさだめというやつ。 |
颯 | ま、どっちにしても、はーたちは最強ってこと! |
凪 | ギャル姉妹、双子、どちらもアップデート中。起点は点Pおよび点F。 |
凪 | どちらも動き続けるやつですが、190人を振り切って進むのはどうかと思います。どうぞ。 |
莉嘉 | つまり、上にいくにはみんなでってことだね☆ |
颯 | 豪華な競演は、まだまだ続くよ! |
観客 | この音は、ヴァイオリン……?それに、チェロとフルート……ってことは、もしかして!? |
星花 | そう、わたくしたちノーブルセレブリティ。けれど、それだけではありません……♪ |
琴歌 | 私たちは、奏者であると同時に、アイドルですわ。 |
ゆかり | 出会った景色や、かけがえのない大切な人々……あらゆる思い出を表現する旋律を、重ね合いましょう♪ |
柑奈 | ピアノにサックス、それから爺っちゃんの形見のギター!まだ生きてますけどね! |
クラリス | もちろん、歌も忘れずに。ですが……今回は、やすらぎの歌ではないのです。 |
クラリス | いうなれば、私たちを鼓舞する歌……さらなる高みへと導く歌。 |
柑奈 | ラブを込めて、届けますっ! |
真奈美 | フッ、力強い歌声だ。私たちも、遠慮はしない。歌でも演奏でも、力強くぶつかっていこうじゃないか! |
あい | まさか、こうして真奈美さんとセッションする日が来るとはね。 |
真奈美 | ボーカリストにリズム感は必須だろう?ドラムは昔やっていたのさ。こう見えて、私は欲張りでね。 |
あい | 知ってるよ。そして、私も同じさ。今もきっと、同じことを考えているはずだ。 |
あい | (大切なプロデューサーくんを、ここで手放してたまるものか、とね) |
音葉 | 音の流れが変わりましたね……。五線譜を飛び出し、会場中を熱く舞っています……。 |
音葉 | この勢いのまま……歌の最中ですが、ピアノにもアドリブを加えましょう……。いけますか、久美子さん……? |
久美子 | ……っ!大丈夫よ、食らいつくから! |
久美子 | (周りには、私よりピアノを弾ける子がいる。キレイな子もたくさんいる) |
久美子 | (だからって、もう音を止めようとは思わないわ。汗だくで全力を出す私を、キレイじゃないとも思わない!) |
久美子 | さぁ、みんな、見て!今の私が、きっと一番キレイなはずだから! |
聖 | ステージの上で、みんなと音を奏でてる……わたしの胸も、高鳴っています……。 |
ライラ | もう戻れませんですねー。みなさんと歌う自由を知らなかった、昔のわたくしにはー。 |
聖 | 聞こえていますか……?わたしたちの歌が……。 |
ライラ | 届いているでしょうかー?わたくしたちの想いがー。 |
聖 | わたしは、口下手で……上手く話せないけれど……きっと伝わってますよね。 |
ライラ | ちゃんとステージから想いを届けられるように、声を、歌を、あなたが与えてくれたのですよー。 |
ナターリア | だから、大きな声を上げて、歌って踊るんダ!地球の裏側にも、目の前のキミにも届くように♪ |
琴歌 | 私たちの未来は、新しい旋律……可能性であふれていますわ。 |
ゆかり | 未来という名のメロディーを、ここにいるみなさんと……これからも重ね合わせていきたいのです。 |
星花 | そして、ほら……もう一輪、新たな音楽の華が咲きますわ♪ |
| パンッ! |
観客 | わわっ、爆竹!? |
観客 | 違うよ、よく見て!綺麗な花火! |
あやめ | 光も影もこの身にまとい、突き進むは忍ドルの道。浜口あやめ! |
珠美 | 強く可憐な剣士なら、守る一刀に魂こめて。脇山珠美! |
仁美 | この乱世に、傾き続けるアイドルの華を咲かせましょう。丹羽仁美! |
葵 | おもてなしの心を伝える、あなたの誇る看板娘。首藤葵! |
4人 | 和に惹かれ、歴史へと想いを馳せる。我ら、センゴク☆華☆ランブ! |
仁美 | でもね、ここで歴史を振り返って、はい終わりなんて結末は望んでないの! |
珠美 | 珠美たちは、みんなで新たな歴史を紡いでゆきたいのです! |
あやめ | わたくしたちの歌を受け取ってもらえるのなら、華はとこしえに枯れることはありません! |
葵 | 今日の歌が、新しい歴史の始まりになるっちゃよ! |
楓 | 盛り上がっていますね。みなさんの熱気が、舞台袖まで伝わってきます。 |
蘭子 | ええ、魔力の高まりを感じるわ!裁きの刻は近づいた! |
楓 | 裁き……さばき……きょうの肴は鯖もいいですよね。ふふっ。 |
蘭子 | 鯖……えっと、楓さん……緊張してますか? |
楓 | 緊張というよりは、ドキドキです。大丈夫。することはするっと頭に入ってますから。蘭子ちゃんも、ですよね? |
蘭子 | 無論!我が友のため、すべきことはただひとつ!焔を燃やし、音を紡ぐまで! |
蘭子 | 往きましょう!歌より生まれし女神……世紀末歌姫よ!全てを魅了する輝きを、共に! |
楓 | 私も一緒に歌えて嬉しいです。よろしくお願いしますね。悪姫ブリュンヒルデさん……もとい、蘭子ちゃん♪ |
仁美 | 次はこのふたりのステージよ! |
観客 | ワアアアアアアアアアア |
観客 | ダークで大人っぽい曲……かっこいい! |
蘭子 | (楽しい……楓さん、私、今すっごく楽しいですっ♪) |
蘭子 | (だからこそ……このまま、プロデューサーと離れて、思い出に変わっちゃうなんて、嫌なんですっ!) |
楓 | (私も同じですよ。ですから、このLIVEで、プロデューサーに問いかけてみましょうか) |
楓 | (今、私たちが貴方の魔法で一番に輝くアイドルだと。私たちの未来を、貴方は近くで見てくれないんですか、と) |
楓 | さぁ、熱を持ったまま、LIVEは後半戦に突入です……♪ |
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