| 楽屋 |
四人 | お疲れ様でした!共演ありがとうございました! |
演歌歌手 | お疲れ様。またよろしくね。…ああ、そうそう。 |
演歌歌手 | 葵さん、ちょっとお時間いいかしら? |
葵 | え?あ、あたし!?あたしがなにか!? |
仁美 | ……大丈夫。さっきの収録もバッチリだったから、お叱りじゃないはず……! |
演歌歌手 | ええ。私はただ、葵さんに聞きたいことがあったのよ。 |
演歌歌手 | 楽屋弁当の事なんだけど……。これがすごく美味しくてね。有名なお弁当屋さん?ってマネージャーに聞いたら |
演歌歌手 | 葵さんのご実家の料亭が監修してるらしいじゃない。なんでも、葵さんがこの業界に来てから監修し始めたそうね。 |
葵 | あ……は、はい!そうなんです! |
演歌歌手 | 葵さん自身も、お料理するのかしら? |
葵 | 和食なら!中華とか、洋食は……まだまだ修行中です! |
珠美 | 和食は、我々もよくご馳走になりますが、かなりの腕前かと! |
演歌歌手 | そう、それなら……ちょっと、和食のコツを教えてもらえない? |
葵 | えーーーーーー!!? |
あやめ | おお!やりましたね、葵ちゃん! |
珠美 | 人に教えるということで、得られるものもあるかと!葵殿、ここは勇気をもって! |
葵 | うん!そうっちゃね!あ、あたしで良ければ……!日本一の技、伝授するっちゃ!あ……伝授します! |
演歌歌手 | ありがとう。それじゃあ……丹羽さん、浜口さん、脇山さん葵さんのこと、借りるわね。 |
仁美 | ……んん? |
あやめ・珠美 | 承知しました! |
珠美 | 葵殿、良かったですね!やはりアイドルたるもの、先輩に顔を覚えて頂くことは大事ですからね! |
仁美 | …………。 |
珠美 | 仁美殿?どうかしましたか? |
仁美 | んー……葵ちゃんって葵ちゃんだよねーって思って。 |
あやめ | それは、一体……?何者かが変化の術で、葵ちゃんに化けている可能性があるということでしょうか? |
仁美 | いやいや、ちょーっと、思い返してみたんだけどさ、みーんな葵ちゃんのこと名前で呼んでない? |
仁美 | あまりにも自然過ぎて、スルーしかけてたけど……さっきの歌手さんも「首藤さん」じゃなくて「葵さん」って。 |
あやめ | ああ、たしかに!本当ですね! |
仁美 | 同じ事務所の人ならともかくとして、なんでだろうなーって。 |
珠美 | そうですね……やはり、人懐っこさでしょうか?愛されやすい体質とでも言いましょうか……。 |
仁美 | でも、それを言うなら珠美っちだって愛され属性だと思うのよ! |
仁美 | 竹刀を握ればかっこいいし、普段は撫でたくなるような可愛さ! |
珠美 | ありがとうございます!……ん?撫でたくなるような可愛さ……? |
あやめ | ふむ……そこに関してはわたくしも同意です。しかし、愛らしさと言っても種類があるのでしょうね。 |
珠美 | あやめ殿……?しかし、愛らしさですか。そう言えば、ひとつ思い当たる節が。 |
珠美 | 先日、刀剣を扱う雑誌のピンナップ撮影を葵殿と珠美でしていた時……。 |
珠美 | (おや?葵殿はまだ撮影中のようですね) |
スタッフ | 何度もすいません!明るさ調整しまーす! |
珠美 | (なるほど……機材トラブルのようですね) |
| その時……葵殿と目が合ったんです。 |
葵 | !……♪ |
| そうしたら、ニコっと微笑みこちらに向けて、小さく手を振っているではありませんか! |
珠美 | (なんというさりげない愛らしさ……!しかし、思わず話しかけてしまっては葵殿も気が散るでしょう……) |
| そう思い、手を振り返してその場から離れようとすると。 |
葵 | !…………。 |
| なんと、今度は寂しそうな顔で手を振っているではありませんか! |
珠美 | ……後ろ髪を引かれる思いで、珠美はその場に留まりました。 |
仁美 | 結局留まったんだ……。でもたしかに、アタシでも同じことするわ。 |
珠美 | そんなわけで、やはり一挙手一投足が葵殿を葵殿たらしめている……そう思うのです。 |
仁美 | ふんふん、なるほどね〜。つまり、慶次様に遊んでもらいたがってる松風みたいな感じね! |
あやめ | よくわかりませんが、子犬的な愛らしさ、ということでしょうか……?ふむ……。 |
あやめ | わたくしも、愛らしさを感じた瞬間がありますね。先ほど、収録が終わった直後の話しになるのですが……。 |
葵 | あやめさん、お疲れさま! |
あやめ | おや、葵ちゃん。お疲れ様です。 |
あやめ | 仁美殿と珠美殿は、収録後の楽屋挨拶に行くそうです。わたくしたちも参りましょう! |
葵 | あっ、待ってほしいっちゃ! |
あやめ | むむ?どうしました? |
葵 | えーっとね、最近、みんな忙しくて、なかなか4人そろわなかったけん…… |
あやめ | もしも、何か相談事ですか?ならば、どうぞ遠慮なく。わたくしたち全員、葵ちゃんを妹のように思っていますから! |
葵 | ううんっ、そんな深刻な話じゃなくって…… |
葵 | あたし、みんなと遊びにいきたいっ! |
葵 | あやめちゃんが前に言ってたからくり屋敷を、4人で探検したいっちゃ!だから、案内してもらえたらなって! |
あやめ | なんと……そう言うことなら、みな大歓迎ですよ♪ |
あやめ | ……葵ちゃんは、料理上手でしっかり者。されど、年相応の部分があるということです。 |
仁美 | そんな風に頼られたら、年上としては応えなきゃって気持ちになるわよね。 |
珠美 | 年下の子に気を遣わせるとは、剣士の名折れ……。葵殿が戻り次第、こちらからお誘いしましょう! |
葵 | ……あれ?みんな、廊下でなにしよん?控室戻っててよかったのに! |
仁美 | よし……今じゃ!ものども、かかれー! |
あやめ | 葵ちゃん!帰りに、忍びの道具を買いにいきませんかっ!? |
珠美 | なるほど、良案ですね!では、それが済んだら次は刀を見にいきましょう! |
葵 | えっと……? |
仁美 | それから、慶次様の戦装束風のコーデを決めて…… |
三人 | いざ、からくり屋敷に乗り込まん!! |
葵 | ちょっ、みんな、ここ廊下っちゃよ!? |
スタッフ | あのー、センゴク☆華☆ランブのみなさん……?廊下なのでもう少し声を落としていただけると……。 |
三人 | あっ!はいっ!すみませんでした! |
葵 | まったくもー!……えへへ、みんな、ありがとね♪ |
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